押入のカビを除去する方法とその後の手入れ

押入に収納している布団や衣類がカビ臭い

押入の中をみると、シミのようなものが発生している

押入に収納している布団や衣類、小物類にまでカビが及んでいてどこから手を付けたら良いか分からない。

久しぶりに実家に帰ったら、寝室の押入のカビが酷かった。

このような、押入のカビに悩まれている方も多くいらっしゃいます。

押入は、湿度がたまりやすく空気が循環しないため、カビが発生しやすい箇所の一つです。そしていざカビが発生してしまうと、カビの臭いが部屋まで充満してしまったり、収納している衣類や布団にカビが映ってしまったりと、弊害が出てきてしまいます。

今回の記事では、押入のカビの除去方法と再発防止について解説していきます。少しでもカビの悩みを解決できますと幸いです。

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1.押し入れのカビ除去方法

では、早速押入のカビを除去する方法を解説していきます。

1-1.エタノールでカビを除去する

押入の中身をすべて出したら、押入内をきれいに掃除機で吸い取ります。小さなカビやカビの栄養となるホコリ、ダニなどをきれいに吸い取りましょう。

このとき衣類や布団類は、干してしっかり乾燥させることをおススメします。衣類にまでカビが移っている場合には「衣類のカビ取り方法」をご参照ください

その後、消毒用のエタノールをスプレーで噴射します。カビによってシミになっている部分だけではなく押入全体に噴射してください。全体に噴射することにより、カビの拡散を防ぐことができます。また、エタノールは揮発性が高いので、すぐに蒸発します。蒸発したら固く絞った布で全体を拭き取ってください。

軽度のカビでしたら、消毒用エタノールでキレイに落とすことができる場合があります。

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1-2.次亜塩素酸水でカビを落とす

消毒用エタノールでカビ取りをする以外に、次亜塩素酸水を用いてカビを落とす方法があります。

次亜塩素酸水は、漂白効果のある次亜塩素酸ナトリウムとは別のもので、次亜塩素酸を主成分とした水溶液です。殺菌科として食品添加物としても認められています。近年では除菌剤としても人気ですが、カビ除去にも使用できます。

使い方は消毒用エタノールでカビを取りをするときと同じで、押入のカビが気になる部分を中心に吹きかけて、布巾で拭きとり、乾燥させます。

ただし、漂白効果はないので、黒カビの色素が沈着した場合には除去できません。

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1-3.カビの色素が沈着している場合

程度の軽いカビであればエタノールや次亜塩素酸水で除菌するだけできれいになりますが、黒い斑点やシミが落ちない場合もあります。そうした場合には、浴槽用のカビキラーやハイターなどの漂白剤を薄めて使って漂白するという方法もあります。

ただし、エタノールに比べて強い薬品で、木材にダメージが生じる場合があるので、木材専用のカビ取り剤を使うか、広範囲である場合にはカビ取り業者に依頼されることをおすすめします。

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木材にも使用できるカビ取り剤もありますので、用途に応じて活用しましょう。

この他、カビ取りの専門業者が開発した、カビ取りキットもありますので、状況に応じて活用してみましょう!

1-4.「カビ再発を予防する」

押入にカビを再発させないための対策は、カビ発生要因をできるだけ少なくすることです。

1.定期的に換気をし、空気の流れを滞らせないようにする
2.押入に衣類や布団など、物を詰め込みすぎないようにする
3.衣類や布団を汚れたままの状態や乾ききっていない状態で収納しない

押入は部屋の構造上どうしてもカビが発生しやすい条件が揃っていますので、日常的に対策を心がけていくことが重要です。

貼るタイプのカビ予防もあります。

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2.カビ除去時の注意点

押入内のカビを除去する際の注意点について案内します。

2-1.【注意】使用してはいけない薬品

市販されているカビ取りに用いる薬品のうち、押入で使用してはいけないものというのは特にありませんが、以下の2点には注意する必要があります。

1.塩素系の薬品と酸性の薬品は絶対に混ぜて使用してはならない
2.漂白剤を使用すると木材も一緒に漂白してしまい、色落ちや材質の変化を引き起こしてしまう可能性があるため、テストを行ったうえで使用すること

また、カビ対策の市販品は、使用法を正しく守りきれいに拭き取る必要があります。拭き残してしまった薬品がカビの栄養になってしまうケースもありますので、使用法と安全には十分に注意をしてください。

2-2.ハンガーや衣類のチェックは忘れずに

カビは非常に繁殖しやすく、木製のハンガーやタンス、衣類などに移っている可能性もあります。折角押入の中をきれいにしても、ハンガーやタンスなどから菌が再繁殖してしまっては苦労が水の泡になってしまいます。押入の中に入っていたもの全てに対し、しっかり除菌と清掃を行い、再発防止に努めましょう。押し入れに収納しているお布団にもカビが発生している場合には、お布団もカビ取りする必要があります。

定期的に、押入れの収納も全て取り出して陰干しや洗濯をし、押入れ内の消毒用アルコールでカビの発生を防ぎましょう。

3.押し入れにカビ発生!?原因と影響について

実は、押入は季節問わずカビが発生しやすい箇所の一つです。放っておくと、布団や衣類などにうつる危険性も。

3-1.カビが発生した原因は?!

押入にカビが発生しやすい原因としては、2つあげられます。

1.日光が当たらず、空気の流れが悪い位置にあることが多いので、カビが繁殖しやすい条件が整いやすい。
2.衣類や木材、ベニヤのタンス・壁など、カビが栄養とする素材のものがたくさんある。

この2つに加え、押入の換気が不足したり、汚れた服をそのまま押入にしまったり、押し入れに物を詰め込みすぎたりすることにより、さらにカビにとって好ましい状況となってしまいます。

3-2.カビをそのままにしておくとどうなる?

カビをそのまま放置しておくと、カビの臭いや汚れによる不快感だけではなく、住宅への深刻なダメージを引き起こす原因にもなります。押し入れだけでなく、カビは胞子を飛ばして生育する生き物ですので、寝室の壁や廊下など他の部屋にカビが繁殖するという危険性もあります。カビの害をこれ以上大きくしないためにも、押し入れのカビを発見したら早めに対処しましょう。

4.押入のカビを防ぐには?

一度、きれいに押入のカビを除去しても、原因を解決せずまた生えてしまっては努力が水の泡です。押入のカビ取りは体力も使うので、何度も行うわけにはいきません。

そこで重要となってくるのは、押入のカビの原因を突き止めて、再び発生させないようにするための対策です。

押入のカビを発生させないようにするために必要なことは

  • 換気
  • 除湿
  • 清潔

この3つです。

4-1.換気

空気の溜まる場所に、カビが溜まりやすくなります。そのため、押入も閉めっぱなしにせず、定期的に戸を開けて換気するようにしましょう。

また布団や衣類をギュウギュウに詰め込んで収納していないでしょうか。

詰め込み過ぎると、空気の通り道がなくなり、湿気も逃げにくくなるためカビの原因となります。

  • 不要なものは処分する
  • スキマを作るように収納する
  • 定期的に戸を開けて換気する
  • 大掃除の際など収納物を全て出して、押入れ内の換気をする

など、空気の通り道をつくり、押入の換気を定期的に行うようにしましょう。

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4-2.除湿

押入は、湿気が溜まりやすい場所でもあります。除湿剤を置いてこまめに取り換えて湿気を取り除きましょう。

除湿剤では湿気が間に合わない場合には、除湿機を設置して機械的に湿気を取り除くかサーキュレーターや扇風機を回して、風通しをよくしましょう。

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4-3.清潔

押入の掃除はどれくらいの頻度で行っているでしょうか?押入の四隅にホコリが溜まってはいないでしょうか。

ホコリや汚れの蓄積もカビの原因となります。掃除機をかけたり、消毒用エタノールで除菌するなどしてこまめにお掃除して、内部を清潔に保ちましょう。例えば

「衣替えの時期には、押入のものを全て出して、掃除と除菌を行う」などルールを作ってしまうのもおすすめです。押入の中にカビが生えてしまうと、衣類にもカビがうつり処分やカビ取りに多大な労力がかかってしまいます。

その労力を考えると、半年に1回、3か月に1回など押入掃除の日を決めて、押入の掃除をしましょう。

また、その際は収納していた衣類や寝具は天日干し(着物など紫外線に弱いものは陰干し)して、乾燥させましょう。

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まとめ

押入内のカビの発生原因とその後の手入れについてまとめました。

普段思っている以上に押入内はカビが繁殖しやすい場所であることが理解していただけたかと思います。

押入のカビ予防や対策には手間がかかりますが、カビが発生してしまった時の不快感や被害を回避するため、今回の記事を参考にしながら定期的に行っていただけたら幸いです。