放置厳禁!押入れやクローゼットがカビ臭いときの対策方法

「押入れに入れっぱなしにしている来客用の布団を取り出したらカビ臭くなっていた」
「クローゼットの中がカビ臭くて困っている。改善する方法はあるの?」

押入れやクローゼットには衣類や布団などたくさんの物が収納されているため、中身を取り出して掃除するという機会はあまりないでしょう。

そして、久しぶりに奥にしまっていた洋服を取り出した時に「なんだかカビ臭い?」と感じた経験がある方もいると思います。
カビがはっきり生えていると、すぐに対処しなければいけないと危機感を持ちますが、臭いだけだとつい後回しにしてしまう方も多いのではないでしょうか。

しかし、その間にもカビはじわじわと繁殖を続け、いつの間にか目に見えるほど成長してしてしまうことがあります。
そして、大切な衣類を台無しにしてしまうかもしれません。
そのような事態を避けるためにも、カビ臭いと感じた時はすぐに対処することが重要です。

この記事では、押入れやクローゼットがカビ臭い時の対処方法について解説します。
実際に収納場所にカビが生えていた時のカビ取り方法やカビを防ぐための対策についても紹介するので、是非最後までこの記事をお読みください。

この記事でわかること
・クローゼットや押入れがカビ臭いときの対処方法
・クローゼットや押入れのカビ取り方法
・クローゼットや押入れのカビを防ぐための対策

1.クローゼットや押入れがカビ臭い時点でアウト!

結論から言うと、押入れの内部や収納している衣類がカビ臭い時点で、目に見えなくてもカビが発生している可能性が高いです。

カビの胞子は2~10μmと非常に小さいため、人間の肉眼で見ることはできません。
そのため目視できるカビがなくてもカビ臭くなることがあり、これを放置することで気が付いた時にはカビが広範囲に渡っていることがあるのです。

1-1.カビ臭さはカビの産生する物質が原因

カビの臭いは、カビが産生する特定の物質によって引き起こされます。
これらの物質は、カビの成長や代謝プロセスの一環として放出され、特有の不快な臭いを発します。

カビは湿度が高い環境で繁殖しやすく、その活動は様々な有機物を分解することで、空気中に微細な粒子や化学物質を放出します。
これらの化学物質が人間の鼻に触れると、カビ臭として認識されます。

したがって、カビ臭さはカビの存在を示す明確な指標となり、健康や快適な居住環境への影響を考慮する際に重要なサインとなるのです。

参照:文部科学省「カビ対策マニュアル」

1-2.クローゼットや押入れがカビ臭くなる理由

カビは以下の発生条件が揃っている場所に生えるものです。

クローゼットや押入れがカビ臭くなる理由には、湿度の高さが直接的な原因として挙げられます。

特に温度が20℃以上で湿度が80%を超えると、カビの成長が早まり、繁殖力が高い青カビなどが急速に増殖し、空間全体に広がる可能性があります。
しかも青カビは比較的乾燥している場所でも発生するため、クローゼットや押入れのような閉じられた空間はリスクが高まります。

カビの成長には埃や人間の皮脂など様々な栄養源が必要で、これらが豊富な押入れやクローゼットはカビが生育しやすい環境となります。
さらに通気性の悪さも湿気を閉じ込めることになり、カビの成長を促進してしまうでしょう。

2.クローゼットや押入れがカビ臭い時にすべきこと

クローゼットや押入れがカビ臭くなった時は、すでにカビが発生している可能性が高いため、「気のせいかな?」とは思わずに早急に対処するようにしましょう。
対処方法としては以下の手順で行ってください。

  1. 収納していた衣類や小物を全て出す
  2. 押入れ内部に消毒用エタノールを吹きかける
  3. クローゼットや押入れ内部をしっかりと乾燥させる

2-1.収納していた衣類や小物を全て出す

クローゼットや押入れからカビの臭いがする場合、収納されている衣類や小物にもその臭いが移っている可能性があります。
日常的に着用していると、その臭いに慣れてしまって気づかないこともあるかもしれませんが、外出先でふと自分の衣類のカビ臭さに気づくこともあるでしょう。

そんな時は、クローゼットや押入れの中身を全部取り出し、できればすべて洗濯してしっかり乾燥させることをおすすめします。
高価な衣類やコートなど自宅で洗濯できない場合は、クリーニングに出すようにしましょう。

また布団の場合は、晴れた日に外に干したり、布団乾燥機で乾燥させたりしましょう。
洗える布団なら洗濯してから、完全に乾燥させてください。
また、ふとん丸洗いクリーニング対応のお店が近くにある場合には、利用するのも良いでしょう。

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2-2.押入れ内部に消毒用エタノールを吹きかける

押入れの中身を全て出し終えたら、次は除菌を行うようになります。
ただし、しばらく掃除していなかった押入れは埃が溜まったりしていると思うので、それらを雑巾などで取り除いてください。

それから消毒用エタノールをまんべんなくかけて、押入れやクローゼット全体を除菌しましょう。
消毒用エタノールはスプレータイプを使用するのが便利です。
広範囲にわたって均等に噴射しやすくなっています。

噴射後は20~30分待ってから、使い捨てのペーパータオルや乾いた布で拭き取ってください。

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2-3.クローゼットや押入れ内部をしっかりと乾燥させる

最後にクローゼットや押入れ内部を十分に乾燥させます。
これにより、カビの成長を抑えることができます。

完全に乾いたのを確認してから、収納していた物を戻してください。
これでしばらく様子を見て、カビ臭さが消えているかどうか確認してみましょう。

もし押入れにカビが生えていないのに、これをやってもカビの臭いが消えないとなると別の原因が考えられるため、一度カビ取り業者に相談するのがいいでしょう。

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3.クローゼット内にカビが生えていた場合の対処方法

すでにクローゼット内にカビが発生してしまっている場合、適切なカビ取り処理を行うことが重要です。

カビ取りと言えば、浴室などで使用する塩素系カビ取り剤を思い浮かべる方も多いと思いますが、クローゼットや押入れは木製であることが多いため、塩素系カビ取り剤を使用すると木材を傷めるリスクがあります。

そのため、木材でも使用できる以下の方法をお勧めします。

3-1.消毒用エタノールで除去する

消毒用エタノールは、カビだけではなく、カビの胞子を除去する効果も期待できます。

70~80%の濃度のエタノールを直接カビが生じた表面にスプレーし、しばらく放置してください。
それから、柔らかい布やペーパータオルで拭き取ることで、カビを物理的に除去することができます。

この処理を行う際は、室内を換気することも忘れないようにしましょう。
また、使用後はクローゼットや押入れを十分に乾燥させ、湿気を残さないようにしてください。

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3-2.逆性石けんで除去する

逆性石けんは、カビに対して効果的でありながら、木材を保護する特性を持っています。

使用方法は、逆性石けんを適量の水に溶かし、その溶液をカビが生じている箇所に塗布し、ソフトなスポンジや布で優しく拭き取ります。
カビ取り処理を行った後は、しっかりと乾燥させましょう。

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3-3.木材用カビ取り剤で除去する

市販されている木材用カビ取り剤は、木製の家具やクローゼット内部に特化しており、木材を傷めることなくカビを安全に除去できるように設計されています。

使用する際は、製品の指示に従い、適切な量をカビの生じた箇所に塗布またはスプレーし、指定された時間後に拭き取ります。
この処理も、カビ取り後は十分な乾燥を心がけることが大切です。

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3-4.プロレベルのカビ取り剤で除去する

ここまで紹介したものではカビが除去できない場合や、徹底的にカビを除去したい場合は、カビ取り業者のハーツクリーンが開発したカビ取りマイスターキットを使用するのもおすすめです。

カビ取りマイスターキットは、カビ取り業者と同レベルの液剤を家庭用にパッケージ化したもので、カビ取り剤だけでなく、防カビ剤もセットになっています。

カビ取り剤にも防カビ剤にも危険な成分は含まれていないため、押入れやクローゼットのカビ取りでも安心してご使用いただけます。

もし費用を抑えたくて、防カビ剤はなくても良いということであればカビ取り剤単体の販売もあります。
また、目に見えないカビの場合は、クリーンプロテクションNFE2を使用するのもおススメです。

4.クローゼットや押入れのカビ臭さを防ぐ方法

クローゼットや押入れのカビ臭さを未然に防ぐ方法としては、以下の対策をお勧めします。
これらの対策は簡単に実行でき、日常的な習慣に取り入れることで、カビの発生リスクを大幅に低減できるでしょう。

  • 布団や脱いだばかりの衣類を仕舞わない
  • クローゼットは扉を開けておく
  • 除湿剤を設置する
  • カビが発生した衣類は洗濯やクリーニングで清潔にする
  • サーキュレーターや扇風機で送風する
  • 漏水がある場合はすぐに修理する

4-1.布団や脱いだばかりの衣類を仕舞わない

使用した布団や衣類は、湿気を多く含んでいることが多いです。
これらを直接押入れやクローゼットに収納すると、その湿気が内部の空気を悪化させ、カビの発生に直結します。
特に食べこぼしや汗などが付着した衣類は、カビの栄養源となり得るため、そのまま放置することは避けるべきです。

使用後の布団は十分に干してから収納し、衣類に関しても汚れがある場合は洗濯して乾燥させた上で収納するように心がけましょう。
これにより、押入れやクローゼット内の湿度を低下させ、カビ臭さの発生を予防することができます。

4-2.クローゼットは扉を開けておく

クローゼットの扉を常に閉め切っていると、内部の空気が滞留し湿気がこもりやすくなります。
これは、カビの発生に直結する環境を作り出してしまうため、避けるべき行動です。

効果的な対策として、「毎日一定の時間、クローゼットの扉を大きく開けてしっかりと空気を入れ替える」ことを推奨します。
また、「扉を常時少し開けた状態にしておく」ことで、空気の自然な流れを作り出し、湿気の蓄積を防ぐことができます。

このようにして空気の循環を促進することで、カビの繁殖を抑え、クローゼット内を清潔で快適な状態に保つことが可能になります。

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4-3.除湿剤を設置する

クローゼットや押入れ内の湿気対策として、除湿剤の使用は非常に効果的です。
市販されている置き型の除湿剤をこれらの収納スペースに設置することで、湿気を効率よく吸収し、カビの発生を抑制できます。

ただし、「除湿剤を置いたら安心」と過信してはいけません。
湿度の高い季節には、その効果を最大限に活かすためにも、定期的な除湿剤のチェックと交換が必要です。

また、収納場所には物を詰め込み過ぎないようにすることも大切です。
定期的に不要な衣類や小物を整理し、空気が流れる十分なスペースを確保することで、湿気がこもりにくくなります。

このような習慣を取り入れることで、クローゼットや押入れの湿度をコントロールし、カビ臭さを予防することができます。

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4-4.カビが発生した衣類は洗濯やクリーニングで清潔にする

衣類にカビが生えた場合、速やかな対処が必要です。

まず、風通しの良い場所で陰干しを行い、カビの拡散を防ぎます。
洗濯できる衣類は、洗濯後に天日でしっかり乾燥させましょう。

高価な衣服やデリケートな素材の場合は、クリーニング業者に依頼するのが一番です。
着物やバッグ、小物類など、一般的な洗濯方法では対処が難しいアイテムも、ガス滅菌を行っているカビ取り専用のクリーニングを利用することで、安全にカビを除去してもらえるでしょう。

4-5.サーキュレーターや扇風機で送風する

クローゼットや押入れの湿度管理には、送風機やサーキュレーター、扇風機を活用してみてください。
これらを定期的に使用し、内部に新鮮な空気を送り込むことで、湿気を外へ排出しカビの成長を抑制します。
空気の循環を促進することは、収納スペース内の湿度を適切に保ち、カビの発生リスクを減らすために重要な対策の一つです。

また、雨の日など湿度が特に高い時期には、エアコンや除湿機を使用して室内の湿度をコントロールすることも有効です。
ただし、エアコンや除湿機の内部にカビが発生することもあるため、それらも定期的に清掃するようにしましょう。

4-6.漏水がある場合はすぐに修理する

天井からの雨漏りが原因でクローゼットや押入れが水浸しになることは珍しくありません。
このような状況では、収納されている衣類や小物が全て損傷する恐れがあります。
漏水を発見した場合は、速やかに修理を行うようにしましょう。

5.クローゼット内のカビを放置することで起きる大損害とは

クローゼット内のカビを放置することで、大きな被害を受けるのは、衣類やバッグなどのアイテムです。
もし衣類やバッグに黒カビが生じた場合、その被害は深刻で、通常のクリーニングでは取り除くことができません。
また、青カビが生じた場合でも、放置しておくと衣類やバッグに着色や脱色を引き起こし、やがてはクリーニングでの対応も難しくなるでしょう。

クリーニングでカビを除去出来ればクリーニング費用だけで済みますが、除去できない場合は新しいものに買い替えることになるため、高価なスーツやバッグなどでは数十万円ほどの被害になるでしょう。

そのような事態を防ぐためにも、日頃から押入れやクローゼットのカビ対策を行ってください。
そして万が一大事な衣類や小物にカビが生えた時は、カビ取り専門のクリーニングを活用し、カビを根絶してもらいましょう。

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6.まとめ

クローゼットや押入れからのカビ臭さは、カビの繁殖を示唆する重要なサインです。
カビ臭さを感じた時点で、すでにカビはある程度繁殖している可能性が高く、「まだ目に見えないから大丈夫」という考え方ではなく、「カビ臭さを感じたらすぐに対策を」という姿勢を心がけるようにしましょう。

もしクローゼットや押入れのカビ臭さを以前から感じていて、何度除去しても再発している場合は、見えない所でカビが広がっている可能性もあります。

その場合は自力での対処が難しいため、早急にカビ取り業者に相談することをおススメします。
ハーツクリーンでは、無料でカウンセリングを行っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

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この記事が、押入れやクローゼットのカビの臭いに悩んでいる方のお役に立つことを願っています。