洋服用カビ除去スプレーの効果とカビが生える4つの原因
「お気に入りの服なのにカビが生えてしまっている」
「クリーニングに出したいけど高くて・・・」
このように衣類のカビに悩まされている方は多いかもしれません。
そこで今回は、衣類用カビ除去スプレーを使った、衣類のカビ除去方法をご紹介していきたいと思います。
「あまり費用をかけないで、自分でカビ取りができるのは良いけど、衣類用のカビ除去スプレーは使ったことがないし、本当に効果があるのかわからないから心配。傷ついたりしないかな・・・」
このような不安を抱かれる方もいらっしゃると思います。ですので、この記事では衣類用カビ取りスプレーの成分や正しい使い方についても説明していきます。
目次
1.衣類用カビ除去スプレーを使ったカビ発見時の対処法
今回は、衣類用カビ除去スプレー「カビホワイト」を使ったカビ取り方法をご紹介します。
<用意するもの>
- カビホワイト
- タオル
ビーワンコーポレーション カビホワイト 衣類のカビ取りスプレー
出典:Amazon
<カビ取りの手順>
手順① カビホワイトをよく振って、カビが発生している箇所に噴霧してください。
手順② そのまま15分放置してください。
手順③ 水に濡らしたタオルで水拭きをして、よく乾燥させてください。
カビ取りスプレーでカビ取り後の洋服
見た感じでも、衣類のカビがとれてキレイになっているのが分かります。
2 本当にカビは除去出来ている?
見た目はきれいになっていますが本当にカビが除去出来ているか、カビの菌数を測定することが出来る専用の機械を使って測定してみました。
カビ除去前の菌数は4624
カビ除去後の菌数が120 という合格圏の数値となりました。各段にカビの菌数が減っていることがわかります。
このことから、衣類用カビホワイトで本当にカビが除去出来るということがわかりました。
3 衣類用カビホワイトでカビが除去できた理由
何故カビホワイトでカビを除去することができたのでしょうか。
今回は発売元である、株式会社ビーワンコーポレーション様にお聞きしてみました。
まず、カビホワイトの成分はフェノキシュエタノール、第4級塩、保留剤、エタノール、IPA、イオン水です。
・フェノキシュエタノール → 防腐剤の効果があります。化粧品などにも含まれていることが多いです。そのため、カビホワイトを使うとカビ除去だけではなく防カビも行うことがあります。
・第4級塩 → 第4級塩の様々な種類が配合されています。エタノールだけではなくこれ自体にもカビが除去できる効果があります。ネバネバしているので、エタノールと合わさることでエタノールを衣類の表面に長く留まらせる力があります。
・エタノール → エタノールにはタンパク質を分解する力があります。カビはタンパク質でできているので、カビを除去することができます。
これらを独自配合することで、カビを除去することができるとのご回答をいただきました。
4 〇〇があれば代用できる!
「近所にはカビホワイトが売っていなくて買えなかった」
「明日着る服だから、家にあるもので代用したい」
このような場合には、以下のもので代用することができます。
【代用品Ⅰ セスキ炭酸ソーダ】
・アルカリ性の性質を持つ自然素材。
・アルカリ性にはタンパク質を分解する働きがあるので、タンパク質でできているカビを除去することができる。
・水に溶けやすいから使いやすい。
このようなことから、近年注目を集めている素材でもあります。
- <用意するもの>
セスキ炭酸ソーダ 5g - 水 500ml
- スプレーボトル
- タオルまたはキッチンペーパー
<カビ除去の手順>
手順① セスキ炭酸ソーダ 5gと水 500mlを混ぜ、スプレーボトルに入れます。
手順② カビが発生している箇所に噴霧します
手順③ タオルまたはキッチンペーパーで、噴霧した箇所を優しく拭き取ります。
手順④ よく乾燥させてください。
レック 激落ちくん セスキ炭酸ソーダ
出典: Amazon
【代用品Ⅱ エタノール】
エタノールにはタンパク質除去の効果があるので、カビを除去することができます。ただし、漂白作用はないので、軽い白カビでしたら取ることができますが、黒カビの場合は色素まで落とすことは難しいです。
<用意するもの>
- 水で80%に薄めたエタノール
- タオルまたはキッチンペーパー
<カビ取りの手順>
手順① 薄めたエタノールをタオルまたはキッチンペーパーに染み込ませます。
手順② カビが発生している箇所を軽く叩くようにして拭き取ります。
手順③ よく乾燥させてください。
ドーバー パストリーゼ77
出典:Amazon
【代用品Ⅲ 酸素系漂白剤】
酸素系漂白剤の主成分は炭酸ナトリウムで、タンパク質を除去する働きがあるのでカビを取ることができます。
<用意するもの>
- 酸素系漂白剤(今回はオキシクリーンで説明します) 1杯
- バケツ
- 60℃のお湯 4ℓ
- ゴム手袋
<カビ取りの手順>
手順① バケツに60℃のお湯 4ℓを入れます。
手順② 1の中へ、カビが発生している衣類を入れて20分放置する。
手順③ 水で軽くすすいで通常と同じように洗濯します。
手順④ 洗濯後はよく乾燥させてください。
※注意点
60℃のお湯に酸素系漂白剤を溶かす際はヤケドに注意してください。また、酸素系漂白剤が皮膚に付着してしまうと、炎症を起こしてしまうこともあるので、必ず手袋をするようにしてください。
グラフィコ オキシクリーン
出典:Amazon
5 もしかしてこれかも・・カビ発生の4つの原因
なぜ洋服にカビが発生してしまうのでしょうか?原因として考えられることをみていきます。
5-1 汚れがついたまま片付けてしまっている
ほこりや食べかす、汗、皮脂などの私たちにとっては汚れと思われるものを、カビは成長するための栄養素として取り込みます。そのため、汚れを落とさず放置したままタンスやクローゼットに入れたことによって、カビが発生することもあります。
5-2 よく乾かさないまま片付けている
カビは水分も栄養素として成長することが出来ますので、洗濯後によく乾かさない生乾きの状態で片付けてしまうことがあれば、その水分を栄養にしてカビが発生してしまいます。
5-3 環境の悪いところに洋服を収納している
洋服を収納している場所で真っ先に挙げられる場所といえば、クローゼットとタンスです。しかし、この2つの収納場所は閉め切っていることが多いため、中の温度と湿度が高くなってしまいます。カビは一般的に20℃以上の温度、60%以上の湿度がある環境を好みます。
そのため、人間にとっては洋服をしまうのにうってつけの場所なのですが、カビにとっては繁殖にうってつけの場所となってしまうのです。また、クローゼット内に発生した結露が原因の場合もあります。特に、クローゼットの裏が外壁の場合には、内部と外部の気温差が原因で結露が発生してしまいます。カビは水分を栄養素とすることができますので、ここで発生した結露を栄養素として成長してしまいます。
5-4 収納している場所自体にカビが発生している
原因①~③のどれにも当てはまらないという場合には、収納場所にカビが生えているという可能性もあります。洋服自体の汚れを落とし、よく乾燥させて清潔に保っていても、収納場所にカビが生えていると、その部分に服が触れてしまったり、服の出し入れの際にカビの胞子が舞ってしまったりすることによって、きれいにしている服でもカビ菌が付着し発生に繋がります。
6カビの発生を抑えるための対策
6-1汚れはすぐに落とす
たとえ小さな汚れであっても、ほこりや食べかすなどはカビを発生させるための栄養素になります。
- 食べかすの場合 → タオルやウエットティッシュ等で取り除く。
- 飲み物の場合 → タオルやティッシュで水分を吸収して、服から水分を抜き取る。
栄養素を断つためにも、汚れてしまった場合はすぐに落とすことを心がけてください。
6-2収納場所の環境を整える
6-2-2 小まめな掃除
小さなほこりでもカビにとっては栄養素になってしまうので、ほこり取りや除菌を小まめに行ってください。
<用意するもの>
- ハンディモップ
- 除菌シート
6-2-3 掃除の手順
手順① ハンディモップを使い、ほこりを取り除きます。角の方は空気が滞留しやすくほこりが溜まりやすいので注意しながらほこりを取るようにしてください。
手順② 除菌シートを使って収納場所を拭き、除菌します。
手順③ 掃除後は乾燥させてください。
6-2-4 湿度・温度の調整
20℃以上の温度、60%以上の湿度はカビが発生しやすい環境になります。湿度計・温度計を設置して管理をしてください。スーパーやドラッグストアで売っている
- 除湿剤
- 乾燥剤
を使うことも効果的です。
タニタ 温湿度計
出典:Amazon
addgood SUPER除湿でかでか
出典:Amazon
6-2-5 風通しを良くする
風通しが悪く、空気を上手く循環させることが出来ていない場所はほこりが溜まりやすくなってしまう場所になります。ほこりはカビの栄養素になってしまいますので、扉を開けた換気やサーキュレーターを使い風通しを良くするようにしてください。
6-2-6 物を詰め込みすぎない
上記でも挙げたことと繋がることですが、物を詰め込みすぎていると風通しが悪くなってしまいます。サーキュレーターを回したり、扉を開け放して風通しを良くしていたとしても、物を詰め込みすぎていることで通気性が悪くなってしまい、隅々まで換気ができなくなってしまいます。
ギュウギュウまで詰め込むのではなく、ちょっと余裕があるかもと思うくらいに留めておくことが大切です。
6-3 天日干しをする
晴れた日に天日干しをすることも、カビの発生を抑えるために有効的です。なぜなら、日光には紫外線が含まれていますが、この紫外線には菌を殺菌する力が含まれているからです。
エフシージー総合研究所 環境科学研究室が行った天日干しの殺菌効果の実験によると
菌を染み込ませた綿布を天日干しし、10分、30分、60分毎の菌数を検査した結果、1時間後には菌数が0になっていました。
また、10時~14時の間が紫外線量が多いです。
このことから、
・良く晴れた日に1時間以上天日干しをする。
・10時~14時の時間帯に干す。
この2つのポイントを押さえて行うようにしてください。
7 まとめ
- 黒カビのように、色素が沈着していない場合には衣類用カビ取りスプレーは効果がある。
- セスキ炭酸ソーダ、エタノール、酸素系漂白剤でも代用ができる。
- 20℃以上の温度、60%以上の湿度、ほこりや皮脂などの栄養素があるとカビが発生しやすい。
- 汚れはすぐ落とす。
- 収納場所が原因でカビが発生していることもあるので、環境を整えるようにする。
- 晴れた日には天日干しをする。
また、カビ取りを行う際には、
- 手袋の着用
- ゴーグル(保護メガネ)の着用
- マスクの着用
- 汚れても良い服装
- しっかりと換気のできる場所で行う
この5つのことを確認してから行うようにしてください。
これらのことを行ってもカビが取れなかったという場合には、カビの被害が拡大してしまう前に、専門業者へ相談をするようにしてください。
<参考文献>
石鹸百科 重曹を越えた!ナチュラルクリーニング はじめよう!セスキ炭酸生活
<参考HP>
オキシクリーン日本公式サイト https://www.oxicleanjapan.jp/howtouse-oxiduke
Be One Shop https://www.b-one-co.jp/shopdetail/000000002670/ct80/page1/order/
<取材協力>