セスキ炭酸ソーダはカビ取りに効果があるのか

「ナチュラルクリーニングで重曹を使っているけど、ちょっと汚れが落ちにくいかも・・」

こんなことを思われた方も居るのではないでしょうか?

テレビや雑誌で度々取り上げられるナチュラルクリーニング。重曹やクエン酸といった天然素材を使い、環境やお肌などに優しく人気のお掃除方法ですが、その中でも近年「セスキ炭酸ソーダ」という天然素材に注目が集まっていることはご存じでしょうか?

そこで今回は、セスキ炭酸ソーダでのカビ取り効果、オススメのお掃除方法についてご紹介します。「重曹だとちょっと力不足かも?」と感じたことのある方は、ぜひご一読ください!

セスキ炭酸ソーダって何?重曹との違いは?

ドラッグストアや100円ショップなどでも見かけることの多いセスキ炭酸ソーダですが、そもそもセスキ炭酸ソーダとは一体どんな素材なのでしょうか?

セスキ炭酸ソーダの性質

セスキ炭酸ソーダとは、重曹と炭酸ナトリウムが混ぜ合わさった素材です。見た目は似ているし、効果も変わらないのではと思われる方も居るようですが、重曹よりも強いアルカリ性なので、重曹よりも高い洗浄力で、油や皮脂、血液などの汚れを落とすことが得意な素材です。

また、重曹とは違い水に溶けやすい素材でもあります。界面活性剤を使用していない無機材ですので、環境にも優しいのが特徴です。

セスキ炭酸ソーダには、重曹より強い洗浄力があるということがわかりましたが、カビ取りには効果があるのでしょうか?カビの生えた革靴を使って、カビは取れるのか実験してみました。

カビ取り効果はあるの?

それでは、カビの生えた革靴にセスキ炭酸ソーダを混ぜた水を吹きかけて、カビが取れるかどうかを見ていきましょう。カビが居なくなったかどうかは、培地(微生物や細胞を培養するときに用いられる実験道具)を使って確認していきます。

用意したもの

  • カビが生えた革靴
  • 水 500ml
  • セスキ炭酸ソーダ 5g
  • 培地 2個
  • ペーパータオル
  • スプレーボトル 1本

激落ちくん セスキ炭酸ソーダ

出典: amazon

実験手順

手順1 カビ取り前の革靴に培地を当て、菌を採取します。

手順2 水 500ml、セスキ炭酸ソーダ 5gを混ぜたものをスプレーボトルに入れます。

手順3 革靴のカビが生えている部分に吹きかけます。

手順4 ペーパータオルで優しく拭き取ります。

手順5 よく乾燥させます。

手順6 カビ取り後の革靴に培地を当て、菌を採取します。

<実験結果>

カビ取り後の靴の写真ではきれいに取れていましたが、本当にカビは取れたのでしょうか?気になる実験の結果を見てみましょう。

左側がカビ取り前の培地、右側がカビ取り後の培地になります。カビ取り前は「気持ち悪い」と思ってしまうほどカビが発生してしまっています。しかし、セスキスプレーでカビ取りをした後の培地には全くカビが発生していません。このことから、「セスキ炭酸ソーダでもカビ取りをすることができる」ということがわかりました。

どうしてセスキ炭酸ソーダでカビが取れたの?

セスキ炭酸ソーダはアルカリ性です。アルカリ性にはタンパク質や脂質を分解する効果があるのです。カビはタンパク質や脂質などの成分によって作られているので、セスキ炭酸ソーダを使うことで、タンパク質や脂質を分解しカビの動きを穏やかになり、カビを取ることが出来ました。

セスキ炭酸ソーダ以外にオススメのカビ取り剤

「セスキ炭酸ソーダだけじゃカビが取れなかった」そんな場合にオススメなカビ取り剤をご紹介します。

①ジョンソン カビキラー

言わずと知れたカビ取り剤の王道商品です。カビの根まで強力に浸透し、カビを取ることが出来る浴室のカビ取りに向いているカビ取り剤です。しかし、砂壁や漆喰や木製品、アルミなどの素材には向いていないので注意してください。また布製品に使用してしまうと、変色や脱色、塩素ガスが発生してしまう恐れがありますので注意してください。

※今回の実験で使用した革靴のカビ取りには使用しないでください。革製品に使用してしまうと、脱色や変色に繋がってしまいます。

出典:amazon

②ドーバー パストリーゼ77

カビ取り剤として販売されているわけではありませんが、成分はアルコールです。アルコールにはタンパク質を分解する働きがあります。カビはタンパク質が含まれているので効果があります。ふきんや包丁といった小物だけではなく食品にも使える商品です。

これ1本あるだけで、カビ取りだけではなく家中色々な場所やものの除菌に使えますよ。注意していただきたい点として、可燃性アルコールの成分が主なので、コンロ周りのお掃除に使うときは充分気を付けてください。

※今回の実験で使用した革靴のカビ取りには使用しないでください。革製品に使用してしまうと、脱色や変色に繋がる恐れがあります。

出典:amazon

③酸素系漂白剤

炭酸ナトリウムと過酸化水素を主成分とした漂白洗剤です。漂白、除菌、消臭の力を持っています。メジャーなものとしては、ワイドハイターやオキシクリーンなどが販売されています。セスキと同じく強いアルカリ性の性質をもっていますので、タンパク質を分解してカビを除去します。ステンレス以外の金属や、アルカリ性に弱いウールや絹、色落ちがしやすい染物などには使用しないでください。

グラフィコ オキシクリーン

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花王 ワイドハイター EXパワー

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セスキを使ったオススメ掃除場所

セスキはカビ取りに使えるとお話ししましたが、セスキはカビ取り以外にも普段のお掃除で活躍してくれます。セスキ炭酸ソーダはアルカリ度が強いため、油、汗、皮脂や血液といったタンパク質や脂質の汚れを落とすことに向いているナチュラル洗剤です。そんなセスキ炭酸ソーダの効果を実感できるオススメお掃除場所を3つご紹介します。

①コンロの油汚れ

「お料理は好きだけど、後でコンロの掃除をするのが面倒・・・」

どんなに気を付けても、お料理をしたらコンロは汚れてしまいますし、ベタベタした油汚れは落とすのに苦労してしまいます。そんな時はセスキスプレーで油汚れを落としましょう。

<用意するもの>

・水 500ml

・セスキ炭酸ソーダ 5g

・スプレーボトル 1本

・ペーパータオル(要らない雑巾でも大丈夫です)

<手順>

手順1 水 500ml、セスキ炭酸ソーダ 5gを混ぜたものをスプレーボトルに入れます。

手順2 油汚れの部分にスプレーします。

手順3 ペーパータオル(雑巾)で拭き取ります。

手順4 完成。

②洗濯物

セスキはアルカリ性です。そのため洗濯物についている皮脂汚れなどに反応して、タンパク質を分解しようとする動きをします。その結果、付着していた汚れを石鹸成分に変えて汚れを落としやすくします。

また、セスキ炭酸ソーダは水に溶けやすいので、すすぎは1回で済んでしまいますし、水道代の節約にもなるすぐれものです。

<用意するもの>

・セスキ炭酸ソーダ 10g~15g (入れすぎるとベタベタしてしまいますので適宜調整してください)

<手順>

手順1 セスキ炭酸ソーダ 10g~15gを洗濯機に入れます。この時に洗濯物も

一緒に入れるようにしましょう。

手順2 セスキを溶かすために、2分~3分洗濯機を回し一回洗濯機を止めます。

手順3 2時間~3時間つけ置きします。

手順4 その後通常の洗濯(洗い→すすぎ→脱水)をします。

③ドアノブやスイッチの皮脂汚れ

コンロの油汚れや洗濯物の汗汚れと違って目には見えませんが、毎日触るドアノブやスイ

ッチには垢がたくさん。そんな汚れもセスキスプレーを使ってお掃除しましょう。

<用意するもの>

・水 500ml

・セスキ炭酸ソーダ 5g

・スプレーボトル 1本

・雑巾

<手順>

手順1 水 500mlとセスキ炭酸ソーダ 5gを合わせたものをスプレーボトルに入れます。

手順2 雑巾に手順1作ったスプレーを吹きかけ、ドアノブやスイッチを拭き、乾いた雑巾

で拭き取ります。

さて、お掃除万能なセスキ炭酸ソーダですが、使えない素材はあるのでしょうか。

セスキ炭酸ソーダNGの素材はある?

「こんなにも汚れが取れるなら、お掃除は全部セスキにしちゃおうかな」と思った方も居るのではないでしょうか。汚れ落ち抜群で、カビも落とせちゃう万能なセスキ炭酸ソーダ。つい色々なもののお掃除に使ってしまいたくなってしまいますが、実は使ってはいけない素材もあるのです。

<NG素材>

・アルミ

アルミは、アルカリ性と反応することで黒ずんでしまうことがあります。

・白木、畳、コーティングされていない木材

水拭きをすると染み込んでしまい、シミになって取れなくなってしまう可能性があります。

・絹、ウール

タンパク質の含まれた繊維をアルカリ性の水の浸け続けるとタンパク質が変異し、タオルや洋服を傷めてしまうことに繋がります。

まとめ

セスキ炭酸ソーダは重曹よりもアルカリ性が強いため、キッチン周りや洗濯物などの油や皮脂、血液の汚れを落とすことに向いています。また重曹よりも汚れを落としやすいエコ洗剤です。

・ナチュラルクリーニングでカビを取ってみたい。

・重曹では、あまり汚れが落ちなかった。

・重曹がなかなか水に溶けなくて使いにくい。

といった場合には、ぜひセスキ炭酸ソーダを使ってみてください。

また、セスキや市販のカビ取り剤を使ってカビ取りをするときは換気をしながら、手袋やゴーグルつけてカビ取りをするようにしましょう。セスキや市販のカビ取り剤を使ってカビが取れなかった場合は、カビ取り業者に依頼するようにしましょう。無理にカビ取りをすると、破損や素材を痛めてしまうこともあります。

<参考書籍>

・「ナチュラル洗剤でちょこっとピカピカ掃除!」 世界文化社

・「すごい!セスキ掃除 これ1本で家中ピカピカ」 石鹸百科

・「重曹を越えた!ナチュラルクリーニング はじめよう!セスキ炭酸生活」 石鹸百科