カビ取り時に次亜塩素酸ナトリウムを使用する際の注意点

お風呂やトイレ、壁などに発生したひどいカビのカビ取りに役立つ「次亜塩素酸ナトリウム」 特に黒カビや、水回りのカビに有効で、市販のカビ取り剤としても含まれている成分ですが 使用する際にはいくつかの注意点があります。

今日は、この次亜塩素酸ナトリウムというに着目して 次亜塩素酸ナトリウムの効果・用途やカビ取りをする際に気を付けるべきことについてまとめていきたいと思います。

次亜塩素酸ナトリウムとは?!

次亜塩素酸ナトリウムとは、次亜塩素酸のナトリウム塩のことです。水酸化ナトリウム水溶液に塩素ガスを 吸収させてつくられます。構造式はNaClO 次亜塩素酸ソーダとも言われ、家庭用の消毒剤としても広く活用されています。 殺菌力の強い消毒剤の1つで、一般細菌やウイルスの不活性化に有効であることから

  • 水道水
  • 食器類・調理器具
  • 食品
  • 手指
  • 家具類

などの殺菌消毒など様々な用途で使用されています。

次亜塩素酸ナトリウムの用途

次亜塩素酸ナトリウムは一般的にも「塩素系消毒剤」としてハイターなどの主成分として使用され 家庭ではふきんの消毒、トイレやお風呂の殺菌・消毒などとしても使用されています。 次亜塩素酸ナトリウムは、タンパク質と反応すると食塩になることから

  • 哺乳瓶
  • 食器具
  • 調理器具(包丁やまな板など)
  • 食品

など、食品や調理器具の消毒剤として幅広く活用されています。 また、漂白効果があるため、黒カビの色素を漂白したい場合などに次亜塩素酸ナトリウムを使用することもあります。

カビ取りだけでなくノロウイルス対策にも有効

次亜塩素酸ナトリウムはウイルスの不活性化にも効果があるので 食中毒予防としても活用されており、ノロウイルス対策としてテーブルやトイレ、ドアノブ、調理器具を消毒したり としても活用されています。厨房では、消毒用エタノールと同じくらいよく利用されている消毒剤の1つです。

次亜塩素酸ナトリウムが含まれる製品

次亜塩素酸ナトリウムは市販されている消毒剤やカビ取り剤などに含まれています。 カビ取り剤として人気のカビキラーやカビハイターなども、次亜塩素酸ナトリウムの消毒・漂白効果を利用して 水回りなどのカビ取り剤に使用されています。

出典:Amazon

出典:Amazon

出典:Amazon

次亜塩素酸ナトリウムを使用する際の注意点

では、カビ取りだけでなく家庭の殺菌・消毒剤としても便利な次亜塩素酸ナトリウムを使用する際に「気を付けるべきこと」はどんなことなのでしょうか?!

①必ず換気を行う

次亜塩素酸ナトリウムを使用してカビ取りをする際には、窓やドアを全て開け換気扇はMAXにして換気を行いましょう。 成分を大量に吸い込むことで体調を崩すことがあります。マスクを装着し、通気性の良い環境下でカビ取りを行ってください。

②手袋やゴーグルで保護

次亜塩素酸ナトリウムは皮膚に対して刺激が強い為、使用する際には

  • 手袋
  • ゴーグル

を装着し、衣類は長袖シャツを着用して皮膚に直接つかないようにしましょう。

直接皮膚についてしまうと、肌荒れの原因となります。

③日光に注意

次亜塩素酸ナトリウムは、日光の光に長時間当たると効力が減ってしまいます。 例えばバケツに次亜塩素酸ナトリウムを薄めた水溶液を作ってカビ取りをする際には、水溶液を日光に長時間当たらないようにしましょう。 そのまま長時間、日光の当たる場所に保管しておくと、せっかくの次亜塩素酸ナトリウムの殺菌効果を得られなくなってしまいます。

③用途に合わせて希釈して使用

次亜塩素酸ナトリウムで殺菌・消毒をする場合には、用途によって水で薄めて使用します。

例えば壁のカビを除去するために次亜塩素酸ナトリウムを使用する場合、原液のままでは壁の変色が気になる場合などは、水で希釈して使用します。

(詳しい希釈濃度は、ラベルの裏を参考にしましょう) また、カビが目には見えないレベルでカビ臭さを除去したい場合には、バケツ1杯に対しキャップ1杯分の次亜塩素酸ナトリウムを入れて希釈し、雑巾などに含ませて拭き掃除をすると良いでしょう。

④金属類は変色の恐れあり

また、金属類に生えたカビを除去したい場合には次亜塩素酸ナトリウムはおススメできません。次亜塩素酸ナトリウムで変色してしまう恐れがあります。 金属類の場合は、消毒用アルコールなどの方が良いでしょう。万が一使用する場合には、流水で洗い流し、水気を拭きましょう。

衣類・布類に使用する場合も変色に注意

また、次亜塩素酸ナトリウムをカビの生えた衣類に使用する場合にも注意が必要です。 次亜塩素酸ナトリウムは強い漂白効果があるため、衣類の模様や柄を脱色したり、白い衣類でも黄色く変色させてしまうことがあります。衣類に使用する場合には、次亜塩素酸ナトリウムではなく酸素系漂白剤を使用することをおススメします。 また、雑巾や布巾、台拭きなどの殺菌・消毒のために使用する場合には水で希釈し使用しましょう。

次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水の違いとは?!

次亜塩素酸水は、食品安全委員会に資料によりますと

殺菌料の一種で、塩酸や食塩を電解質のことで電解することにより得られる水溶液のこと

です。つまり電解水です。 次亜塩素酸を主成分とする水溶液で次亜塩素酸ナトリウムと違って漂白効果がありませんが殺菌・消毒効果はあります。 また日本では次亜塩素酸水を食品添加物として認めていて、指定添加物の1つとして厚生労働大臣が指定しています。

(参考:厚生労働省「次亜塩素酸水」

ただし、次亜塩素酸水を食品添加物として使用する場合には最終食品に残存しないこと・除去することとされています。

食品添加物として認められている”次亜塩素酸水”を使ったカビ取り剤もあります。カビ臭さが気になる場合や、皮膚や身体への害を減らしてカビ取りをしたい場合におススメです。

まとめ

次亜塩素酸ナトリウムは、ウイルスや一般細菌の消毒・不活性化に用いられる最も身近な殺菌消毒剤の一種です。 正しい使い方をすれば、食品や食器具類の消毒にも使用される使用用途の広い消毒剤でもあります。 しかし、揮発したガスの身体への害や皮膚への害もあるので、使用時は

  • 換気を行う
  • 手袋やゴールドを着用する
  • マスク(できればガス用)

をして体をガードしながら使用しましょう。また、漂白・脱色効果もありますので、色落ちが気になる衣類などには使用しないこと。 消毒剤として使用する場合には、日光に長時間当てないように注意し、必要に応じて希釈して使用するようにしましょう! 次亜塩素酸ナトリウムは、便利で安価に手に入れられる薬剤だからこそ正しく使用方法を守り、安全なカビ取りを行いましょう!