カビ除去にエタノール消毒剤は有効?!種類や選ぶときのコツとは?!

「カビにはエタノールが効く!」…とはよく目にするものの、なぜエタノールがカビに効くのか、そもそもエタノールってなに?、と疑問に思っているのではないでしょうか?

そこで今回は、「エタノール」がどうしてカビに効くのかという謎と、購入する際に意識してほしいコツについて詳しく解説していきます。エタノールの作用をきちんと理解すれば、毎日のお掃除にもきっと役に立つはずですよ!

「エタノール」とはアルコールの一種!

掃除用の製品では「アルコールスプレー」や「アルコール殺菌」などという言葉を見かけますよね。今回解説しいく「エタノール」とよく見かける「アルコール」、名前がとっても似ていますが、これらはいったい何が違うのだろう、と思ったことはないでしょうか?

実は、エタノールとは「アルコールの一種」に位置付けられているものなのです。つまり、エタノールとアルコールがそれぞれえ独立して存在しているわけではなく、アルコールというカテゴリーの中に「エタノール」が存在しているということ!

他にも、アルコールにはあらゆる作用をもつものがあり、名前だけ聞くと難しく感じてしまいがちです。しかし、その中でもエタノールは最も身近!というのも、エタノールは「酒精」とも呼ばれ、普段わたしたちが口にするお酒の主成分としても利用されているのです!

そのため「アルコール=エタノール」という認識があるように、エタノールは私たちの生活に欠かせないことがわかりますね。

エタノールは主に酒に利用される他、消毒剤として活用されています。人体に使用することもできるため、手や体の殺菌消毒にも使えるのがメリット。

「アルコールスプレー」などの名称で売られている製品には、よく見るとエタノールが配合されていることがほとんどです。

エタノールがカビに効く理由

エタノールがどういうものなのかは理解できても、なぜカビに効くのか、なぜ消毒効果があるのか、疑問ですよね。そこで、エタノールがどのようにカビに効くのかを調査してみました!

エタノールのカビへの作用

エタノールは飲料物にも含まれていて、手の消毒にもよく使われることからわかるように、人体に大きな影響はありません。だけど、同じ生き物であるカビには効くなんて好都合では…?そう思い調査してみると、以下のような理由でカビに効くことがわかりました!

  1. カビは細菌の一種で、細胞膜を持っている
  2. その細胞膜をエタノールが破壊する
  3. 細胞膜が破壊されることでカビが生きれなくなる

エタノールは小さな生き物であるカビの細胞膜を破壊したり、変性を引き起こすことによって殺菌しています。このような作用の理由で、「エタノール(アルコール)はカビに効く!」と言われているのです。ただし、消毒用アルコールはカビの色素を脱色する効果はありません。

濃度の違いで効果が異なるって本当?

調査の結果、エタノールがカビの細胞膜に作用することで除菌・殺菌効果があるということはわかりました。

それならば、お酒でも代用できるのでは?エタノールの濃度が高いほど効果が高いのでは?このように考えることもできますよね。しかしながら、実は、エタノールはその濃度の違いによってカビへの効果がかなり変わってしまうという不思議な性質があります。

一般的に、エタノールがカビに対して最も効果を発揮するのは70〜80%の時。ただし、濃度がそれ以下の時はもちろん、それ以上になってしまってもカビへの効果が急激に下がってしまうんです!これには

  • エタノールと水分が7:3で結合した状態が最も速く、効果的にカビに作用しやすいこと
  • 濃度が高すぎるエタノールはカビに作用する前に揮発してしまう

という根拠が深く関係しています。

そのため、「濃いほうがいいのでは?」という考えのもと、90%の消毒液を作って使用しても、期待するような効果は出ないということを理解しておきましょう。

エタノール消毒剤の種類

さて、エタノール消毒剤を使いたいと思った時、まずは最初に2つの選択肢があります。それが

  • 無水エタノール
  • 消毒用エタノール

です。ここではその違いについて簡単に説明していきます。

無水エタノール

  • 無水エタノール 500ml

無水エタノールとは、含んでいる水分が0.05%未満の純度が高いエタノールのことです。理科や化学の実験などで、このようなボトルを見たこともあるのではないでしょうか?

高濃度の無水エタノールですが、先述したように濃度が高いからといってカビへの殺菌作用が高いわけではありません。これを消毒剤として利用するのであれば、濃度が70〜80%になるように水で薄めて使うのが一般的です。

消毒剤で利用する以外にも手作りで化粧品を作るなどの用途があったり、業務的に量産して消毒剤を何本かに分けたいといった場合には、無水エタノールを購入するといいでしょう。

ただし、水分を残せないような紙類や機械類の除カビには無水エタノールを使用することもあります。

健栄製薬 無水エタノール

出典:amazon

しかし、配合するのに慣れていなかったり、家での掃除やカビ予防に使いたいというのであれば、無駄な手間がかかってしまうのでおすすめしません。

念のために無水エタノールをご紹介しましたが、家庭用であれば消毒用エタノールの購入がおすすめです。
あらかじめ、殺菌効果が最大限になるように配合された消毒用エタノールなら、水で薄めたりボトルに移し替えるといった手間や時間も省くことができます。このように考えると、費用面においても消毒用エタノールの方が無水エタノールよりお得ですよね。

そこで次では、こちらの消毒用エタノールを選ぶコツをお教えしていきます!

健栄製薬 消毒用エタノール

出典:amazon

エタノール消毒剤を選ぶコツ

ここまでで得た知識を利用し、エタノールの消毒剤を選ぶにはどのようなことに気をつけたらいいのかを伝授していきます。

手軽さ重視ならすぐに使える消毒用エタノール

まず、エタノールは濃度70〜80%の時に最もカビへの効果を発揮します。
そのため手軽に殺菌したいのであれば、純度の高い「無水エタノール」ではなく、あらかじめ濃度が調整されている「消毒用エタノール」を選びましょう。

さらに、同じ「除菌剤」だからといって、用途の異なる製品を使うのはやめましょう。なぜなら、用途が決められている製品は、その使用法に合わせた薬品や成分配合を行なっているからです。
デリケートな素材には強すぎる薬品が触れてしまうと、染みやヨレ、脱色、ただれなどの原因にも…。用途に合わせ、適切な製品を選ぶように意識してくださいね。

また、カビ取りの際には「ゴム手袋」を使用して皮膚を保護しましょう。

業務用などで大きめのボトルで売られているものがありますが、スプレーヘッドになっているものが使い勝手がよくおすすめです。エタノールは揮発性が高いので、散布したあとにふき取らなくてもいいというメリットがあります。より広い面に吹きかけることができるよう、スプレーヘッドタイプの製品を選ぶと便利です。

健栄製薬 消毒用エタノールIP

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余談ですが、製品として売られている消毒用エタノールの中には、香料が含まれているものもあり、使用時のアルコール臭が気になる人にもおすすめです。また、消臭成分を配合したものなど、付加価値のついた製品をうまく選ぶといいでしょう。 さて最後に、エタノール消毒剤を選ぶコツをまとめると、

  1. 無水のものでなく「消毒用エタノール」を選ぶ
  2. 用途に合わせた製品を正しく購入する
  3. スプレーヘッドのものが便利

です。消毒用エタノールを選ぶ際には、ぜひ参考にしてみてくださいね!

まとめ

今回はエタノールに限定して、その効用や種類、選び方をじっくり解説してきました。エタノールを利用した消毒剤について、少しでも参考になりましたら幸いです! ここでご紹介したことは、毎日の掃除にも必ず役立つことばかり。ひとつひとつ思い出しながら、これらの知識をぜひ活用してみてください。

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ライター:こいずみきょん  東京で猫と暮らすWebライター本と映画をこよなく愛し、酒場に生きる。趣味はカフェ巡りと、京都ひとり旅。https://twitter.com/___kkk0518