壁に生えたカビも重曹で落とせる!?重曹でカビを取る方法
知らない間に壁にカビが生えていた。小さい子供がいるので、なるべく害の少ない液剤と使いたいという方のために、ナチュラルお掃除剤としてよく知られている重曹を使ったカビの対策方法を解説していきます。
1.重曹のカビ取り効果
1-1.重曹とは
重曹とは正式名称が炭酸水素ナトリウムと呼ばれるものです。使用用途はさまざまで、料理、掃除、他には入浴剤や歯みがきにも。そしてお掃除に安心して使える、エコ洗剤としても注目されています。
そんな重曹の特徴は以下の通りです。

安心・安全で環境にもやさしい
ごく弱いアルカリ性でタンパク質を緩める効果がある
軽い研磨作用がある
酸性のニオイを消臭する
1-2.カビ取りにはお掃除用の重曹を使おう
重曹には、薬用、食品用、掃除用の3種類あり、どれも基本的に成分は同じものになります。ただ気を付けるポイントとして、掃除用の重曹を掃除以外の用途では使わないことです。
口に入れる薬用・食用の重曹と、掃除用の重曹は品質管理基準が違うというのは想像に難くないと思われます。逆に薬用・食品用の重曹を掃除に使用する場合は問題ありません。
1-3.重曹には研磨作用はある
カビの細胞はタンパク質、脂質、糖質、酢酸などの化合物が集まって成り立っています。重曹にはカビの漂白効果はありませんが、弱アルカリ性によってタンパク質を緩め、カビの働きを弱めてくれます。さらに、重曹には研磨作用があり、壁についたカビをこすり落とす際にも役立ちます。
そのため、表面に生えたカビを除去することは可能です。
2.重曹を使って壁に生えたカビを落とす方法
2-1.準備するもの

重曹でカビ取りをする際に準備するものは以下の通りです。
- 重曹(お掃除用)
- ふきんorタオル(スポンジでもOK)
- マスクとゴム手袋
- (あればスプレーボトル容器)
- 仕上げ用の消毒用エタノール
カビが酷いようであれば、水の代わりにお酢を使ったり、重曹でパックするためにラップを使います。
2-2.重曹を使ったカビ取りの手順
①重曹水をつくる
重曹で壁のカビを落とすには、まず重曹:水=1:2の重曹スプレーを用意しましょう。カビ汚れが強い場合、この段階で重曹+酢でスプレーをつくるとより効果的です。
②重曹水を布に染み込ませて壁に塗布する
次に重曹水もしくは重曹+酢混合液をしっかりとタオルに含ませ、カビの生えた壁に塗りながらこすりましょう。細かい部分に届かない場合、使わなくなった歯ブラシでこするのが有効です。
③頑固なカビには重曹ペーストでパック
それでも落ちない、汚れが強い部分には重曹ペースト(重曹:水=3:1)を散布し、ラップで覆って30分〜1時間まちましょう。
ラップが壁にくっつかない場合は、粘着力の弱いマスキングテープで四方をとめると落ちません。その後再度タオルや歯ブラシでこすり、残った汚れをとります。
④消毒用エタノールで仕上げ
そして最後に重要なことが、仕上げです。エタノールスプレーで仕上げ拭きすることを忘れないようにしましょう。そのときは消毒用エタノール(濃度80%)を使います。無水エタノール(濃度100%)の方が消毒効果が高いように思えますが、これは間違いで、70〜80%の濃度が1番消毒効果を高めてくれます。これをしないと再度カビが発生する危険性がでてくるので、しっかりとおこないましょう。
3.重曹でカビを落とす際の注意点
3-1.重曹はどんな壁に使っても大丈夫なの?
比較的お手入れのしやすいビニールクロス、織物壁紙の場合は上記の方法でお掃除することができます。ただ、はじめは目立たない部分でシミにならないか確認した方がよいでしょう。
紙の壁紙、木製壁、珪藻土壁紙(ぬり壁)の場合は、基本的に水拭きをするとシミのもとになってしまいます。また紙、珪藻土壁は摩擦にも弱く、お掃除ではがれてしまう場合もあるので、これらの壁の場合は一度専門業者に聞いてみる方がよいでしょう。
3-2.広範囲にカビが広がっている場合
壁に生えたカビは、重曹を使った掃除でも除去することができます。ただし、目視でカビが見えるようになってからしばらく時間が経っている場合や、広範囲にカビが発生している場合は、カビが壁にしっかりと根を張って落としにくくなっている可能性があります。
基準として1㎡以上カビが広がっている場合には、業者へ依頼されることをおすすめします。
4.重曹を使ってもカビが落ちない場合は?
重曹を使っての掃除でカビが落とせない場合
重曹は表面の軽度のカビ取りや、カビ予防のためのお掃除方法には便利ですが
カビの色素が沈着している場合には、カビが落とせないことがあります。
これらの場合は、市販のカビ取り剤や衣類用の漂白剤、専門のカビ取り液剤などを使いましょう。また、市販のカビ取り剤で除去する場合には換気を必ず行いましょう。
4-1.市販のカビ取り剤を使用する際の注意点
カビ取り剤はカビ汚れに対し最も効果的な方法ではあるのですが、強力なアルカリ性を持つ危険な薬品であることは忘れてはいけません。また酸性タイプの洗剤と混ざると有毒な塩素ガスが発生します。壁面自体へのダメージも大きいのであくまで最終手段としましょう。
なお、塩素系漂白剤を使用する際は、小さなお子さまやペットがいない環境で、防護メガネ、防護マスク、手袋を着用して作業を行うようにしてください。
4-2.酸素系漂白剤で除去する方法
- 酸素系漂白剤
- ゴム手袋
- 雑巾
を用意し、カビの気になる部分に塗布していきます。5分ほど放置してから雑巾で拭き上げます。
4-3.塩素系漂白剤で除去する方法
- 塩素系漂白剤(カビ取り剤)
- ゴム手袋
- ゴーグル
- マスク
- 雑巾 2枚
- あれば刷毛とカップ
雑巾(もしくは刷毛)に、カビ取り剤を付けてカビの気になる箇所に塗布していきます。5分ほど放置した後、固く絞った雑巾で水拭きします。最後に乾いた雑巾で乾拭きをしてよく乾燥させます。
※換気を必ず行い、ゴム手袋を着用してからカビ取り作業をしましょう。
4-4.カビ取り業者レベルの液剤を使う方法
市販のカビ取り剤でなく、カビ取り業者の使用している液剤を使うという方法もあります。カビ取りマイスターキットは、除カビ・防カビ、安全性のことを考慮し自社開発されたカビ取り剤です。

刷毛やカップなどもセットで付いておりますので、すぐにカビ取りをスタートすることができます。
5.どう頑張っても壁のカビが落ちないのは何が原因?!
重曹や市販のカビ取り剤を用いてもカビが取れなかった...という場合には
・素材の奥にカビが繁殖
・カビの上に塗装を塗り重ねている
などの要因が考えられます。素材の奥や繊維の奥深くまでカビが広がっている場合や
カビの上から塗装を重ねてしまっている場合には、自力でのカビ取りが難しいため、表面だけ除カビしても再発する恐れがあります。カビ取り業者へ相談されることをおすすめします。
カビ取り業からのコメント
重曹やアルコールは、カビ取り剤に比べると殺菌力が劣る為、目に見えるカビに噴霧した時に、除菌しきれずにすぐ再発することは多々あります。
重曹やアルコールが有効なのは、噴霧して完了というよりは、噴霧した後しっかりと拭き取れる素材に有効だと思います。
天井のにカビが発生している場合は、部屋全体にカビが広がっている可能性が高いため
1㎡以上の広い範囲では、他にも転移している可能性が高いです。
1㎡程度の広範囲に広がっている場合は自然発生的というよりは、何かに原因があり発生していることが考えられるので、自分でやらず一度専門業者まで連絡して調査してもらったほうが、結果として安く、確実に除去することが出来ます。壁のカビにお悩みの際は、お気軽にご相談ください。
6.壁のカビ再発を防ぐために
重曹でカビをしっかりと落とすことができても、カビにとって生息しやすい環境であれば再発する恐れがあります。そのためにできることは壁の湿気対策と、除菌です。例えば以下のことを意識して、カビの発生を防ぎましょう。
6-1.壁の結露はこまめに拭きとる
壁にカビが生える原因の1つとして、結露が挙げられます。室内外の気温差が激しいと結露が発生しますが、この結露を放置することでカビが生えてしまいます。
結露はこまめに拭きとり、除湿機やサーキュレーターを使って結露を防ぎましょう。予算の余裕のある場合には換気扇を設置したり、断熱材を入れるなどのリフォーム工事を入れるのも1つの対策方法です。
6-2.窓を開けるなど換気をこまめに行う
湿気を防ぐためには「通気性」がポイントです。カビは空気の停滞している場所に発生しやすく、例えば地下室や倉庫、納戸など通気性の悪い部屋の壁などに発生しやすいです。晴れた日は、2か所以上窓を開けて室内の換気を行いましょう。
6-3.寝具や家具を壁にびっしりと付けて置かない
家具を壁に密着させると、間に湿気やホコリがたまりカビの原因となることがあります。家具を壁面にh設置する時には少し離してから置くようにしましょう。
また定期的に動かしてホコリなどを掃除しましょう。
6-4.手垢やホコリなど汚れはこまめにとり除く
壁に付着した手垢やホコリ、汚れなどは定期的に取り除きましょう。またその際は壁用のお掃除剤や消毒用アルコールなどを活用すると良いでしょう。
6-5.漏水や雨漏りがある場合は早めに修理する
壁のカビの原因の1つとして、漏水なども挙げられます。故障個所がある場合には早めに専門業者へ相談して修理されることをおすすめします。放置すると、大雨の際などに天井や床、壁に漏水が一気に起こり、部屋全体がカビだらけ...ということもあります。分譲マンションの場合には管理会社へご相談ください。
6-6.定期的に消毒用エタノールで除菌する
定期的に壁や天井も消毒用アルコールで除菌し、お掃除しましょう。
布巾に消毒用アルコールを染み込ませて、フローリングワイパーなどを使って塗布していきます。消毒用アルコールは殺菌効果の高い70~80%濃度のものを使う方が良いでしょう。
ただし、壁の材質によってはアルコールで変色するものもありますので、目立たない場所で試してから使うようにしましょう。
6-7.不要なものは処分する
カビを防ぐために、大事なことは「通気性」です。物が多いと、湿気が蓄積し空気の通り道が少なくなるため、カビが発生しやすくなります。またモノからモノへとカビが移ってしまうことも。
不要なものは処分し、カビの再発を防ぎましょう。
また、以下のことを徹底しているのにカビが再発するようでしたら、カビが菌糸を奥深くに伸ばして表面だけのカビ取りでは解決しない場合があります。再発を繰り返す場合には、カビ取り業者に相談して、根本的なカビの処理をお願いしましょう。
まとめ
壁にカビが生えていた場合、軽度のカビや色素の沈着していない上程であれば重曹を使ってカビを落とすことができます。また、重曹でカビを落とすことのできる大きな理由はその研磨効果によるもので、殺菌効果はさほど高くはありません。
そのため、軽度のカビであれば重曹を使って落とすことができますが、菌糸を深く伸ばしている場合などには再発するため、塩素系や衣類用のカビ取り剤を使うかカビ取りの業者に依頼しましょう。
カビを除去できたあとは、カビが再度生えないよう換気をこまめにするなど、湿度管理をおこない、カビから大切な住環境を守りましょう。
ハーツクリーンでは、過去4000件のカビ取り実績から、お客様に最適のカビ対策方法をご提案しております。初回カウンセリングは無料ですので、壁のひどいカビにお困りの際は、ぜひご相談ください。
