
壁紙を張り替えるなら、できるだけカビが生えにくいものを選びたいと考える方も多いでしょう。
そこで選択肢になるのが、防カビ機能や調湿機能を備えた壁紙です。
ただし、防カビ機能のある壁紙へ張り替えるだけで、カビを完全に防げるわけではありません。
壁紙の裏や下地にカビが残っている場合や、結露・漏水が続いている場合は、新しい壁紙にも再発する可能性があります。
この記事では、カビにくい壁紙の種類や特徴、部屋に合った選び方を解説します。
あわせて、施工前の注意点やリフォーム後の防カビ対策も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
| この記事でわかること |
| ・カビにくい壁紙の種類と特徴 ・部屋の環境に合った壁紙の選び方 ・壁紙を張り替える前に確認すべきこと ・リフォーム後のカビ再発防止策 |
目次
1. 壁紙の防カビが必要な理由とカビが生えやすい条件

防カビ壁紙の効果を十分に引き出すには、壁紙の機能だけでなく、カビが発生する原因も理解しておくことが大切です。
壁紙選びとあわせて、室内の湿気や結露、下地の状態も確認しましょう。
1-1. カビがもたらす健康リスクと住宅への影響
カビの胞子は空気中を漂い、湿気などの条件が整うと壁紙や天井などに付着して繁殖します。
カビのある環境では、アレルギー症状や呼吸器症状などにつながる可能性があります。
特に、小さな子どもや高齢者、アレルギー体質の方がいる家庭では注意が必要です。
また、カビが壁紙の裏や下地まで広がると、石膏ボードなどの建材を傷め、補修や交換が必要になることもあります。
■関連記事■カビだらけの家が健康リスクに!カビの危険性と正しい対処法をプロが徹底解説!
1-2. リフォーム時に防カビ対策を行うメリット
リフォームや壁紙の張り替えは、壁紙だけでなく、下地や断熱材の状態も確認できる機会です。
部屋の環境に合った壁紙を選び、必要に応じて下地の補修や結露対策を行うことで、張り替え後のカビ再発リスクを抑えやすくなります。
壁紙の色やデザインだけでなく、防カビ性や調湿性、手入れのしやすさにも注目しましょう。
1-3. 壁紙にカビが生えやすくなる条件
カビの発生には、主に次の条件が関係します。

特に、北側の部屋、地下室、窓際、家具の裏などは、湿気やホコリがたまりやすく、カビが発生しやすい場所です。
暖房や冷房による温度差で結露が発生すると、壁紙の表面だけでなく、裏側や下地へ水分が入り込むこともあります。
1-4. 調湿性と通気性がカビ対策のポイント
カビにくい壁紙を選ぶ際は、防カビ加工だけでなく、調湿性や通気性も確認しましょう。
調湿性のある壁紙は湿気を吸収・放出し、通気性のある壁紙は湿気を通しやすくする働きがあります。
ただし、換気や除湿の代わりにはならないため、日常的な湿度管理と組み合わせることが大切です。
壁紙を選ぶ前にカビリスクを確認
防カビ壁紙を使用しても、住まいに湿気がたまりやすい状態が続けば、カビが発生する可能性があります。
カビリスク診断を活用し、ご自宅の環境を確認してみてください。
2. カビにくい壁紙の種類と特徴
カビにくい壁紙には、湿気を調整するものや、壁紙表面でカビが繁殖しにくいよう加工されたものがあります。
それぞれ特徴が異なるため、部屋の湿気や汚れやすさ、手入れのしやすさを踏まえて選びましょう。

2-1. 吸放湿壁紙
吸放湿壁紙は、湿度が高いときに水分を吸収し、乾燥したときに放出する壁紙です。
湿度の変化を緩やかにし、壁紙表面に湿気がたまるのを抑える働きが期待できます。
リビングや寝室など、換気しやすい部屋に適しています。
ただし、地下室や北側の部屋など、常に湿気が多い場所では、吸収した水分を十分に放出できないことがあります。
換気や除湿と組み合わせて使用しましょう。
2-2. 通気性壁紙
通気性壁紙は、壁紙を通して湿気を逃がしやすくする壁紙です。
吸放湿性のある下地と組み合わせることで、下地の調湿性能を生かしやすくなります。
一方で、製品によっては汚れが付きやすく、水拭きに向かない場合があります。
キッチンや玄関などに使用する場合は、清掃のしやすさも確認してください。
2-3. 防カビ加工壁紙

防カビ加工壁紙は、防カビ成分を練り込んだり、表面に加工を施したりした壁紙です。
壁紙表面でカビが繁殖しにくく、一般的な壁紙よりも清潔な状態を保ちやすいという特徴があります。
水回りや北側の部屋など、カビが気になる場所の選択肢になります。
ただし、防カビ効果が及ぶのは主に壁紙表面です。
壁紙の裏や下地に湿気やカビが残っている場合は、張り替え後に再発する可能性があります。
3. 部屋の環境や施工方法で変わる壁紙の防カビ効果

カビにくい壁紙を選んでも、部屋の環境や施工方法が合っていなければ、十分な効果を発揮できないことがあります。
壁紙の機能だけでなく、湿気の多さや換気のしやすさ、下地の状態まで考えて選ぶことが大切です。
3-1. 日当たりや換気状況を踏まえた素材選定
日当たりや風通しの良いリビングや寝室では、吸放湿壁紙が選択肢になります。
一方、北側の部屋や地下室など湿気がこもりやすい場所では、防カビ加工されたビニールクロスなど、表面を清掃しやすい素材が適しています。
キッチンや玄関など汚れや水分が付きやすい場所では、防水性や防汚性があり、水拭きしやすい壁紙を選ぶとよいでしょう。
どの壁紙を選ぶ場合も、換気や除湿、結露対策をあわせて行うことが大切です。
3-2. コンクリート躯体への直接貼りは要注意

マンションなどの鉄筋コンクリート住宅では、コンクリートの内側に直接壁紙を貼ることがあります。
この施工方法は費用を抑えやすい一方で、コンクリートの湿気や結露によって、壁紙の裏にカビが発生することがあります。
結露を繰り返している場合は、壁紙を張り替えるだけでなく、断熱方法や下地の構成について施工業者へ相談しましょう。
■関連記事■コンクリートのカビを自力で除去する方法!再発を防ぐプロのカビ対策術も解説
3-3. 重ね貼りリフォームのリスク
古い壁紙の上から新しい壁紙を貼る「重ね貼り」は、工期や費用を抑えられる場合があります。
ただし、古い壁紙や下地にカビが残っていると、その上から新しい壁紙を貼っても再発する可能性があります。
カビ臭や水染み、壁紙の浮きがある場合は重ね貼りを避け、施工業者に古い壁紙や下地の状態を確認してもらいましょう。
■関連記事■カビを塗装で隠すのは危険!被害額が3倍に跳ね上がる理由と正しい対処法
4. リフォーム前に行うべきカビ対策
壁紙を張り替える前に、下地や断熱材、結露の有無まで確認することが大切です。
ここでは、リフォーム前に確認したいポイントと必要な対策について解説します。
4-1. 断熱材・石膏ボードの状態を確認する

リフォームの際は、壁紙だけでなく、石膏ボードや断熱材の状態も確認することが大切です。
築年数の古い住宅や、過去に雨漏り・水漏れがあった住宅では、壁紙の裏や断熱材にカビが広がっていることがあります。
カビ臭、壁紙の浮き、水染みなどがある場合は、施工業者に下地や断熱材の確認を依頼しましょう。
カビや劣化が見つかった場合は、状態に応じて除カビ処理や交換を行ってからリフォームを進めます。
■関連記事■壁紙の内側にカビが!原因別の対処方法と再発を防ぐポイント
4-2. 内窓を設置して結露を軽減する

結露は、壁紙や窓まわりにカビが発生する原因のひとつです。
特に冬場は、室内外の温度差によって窓ガラスやサッシに水滴が付きやすくなります。
対策のひとつが、既存の窓の内側にもう一枚窓を取り付ける「インプラス」などの内窓です。
内窓を設置すると窓まわりの断熱性が向上し、結露を軽減できる場合があります。
冷暖房効率や防音性の向上も期待できます。
ただし、すでにカビが発生している場合は、除去や原因の改善を行ってから施工することが大切です。
■関連記事■窓・サッシのカビ取り完全ガイド|重曹・エタノール活用から結露対策・再発防止までプロが解説
■関連記事■内窓で結露が改善できる?インプラス導入のカビ予防効果と知っておくべきデメリット
4-3. 下地まで広がったカビは専門業者へ相談する
壁紙を剥がして張り替えるだけでは、下地や構造部分に残ったカビまで除去できないことがあります。
カビ臭や水染みがある場合、何度掃除しても再発する場合は、壁の内部までカビが広がっている可能性があります。
自力での判断が難しい場合は、カビ取りの専門業者に原因や範囲の確認を依頼しましょう。
状態に応じた除カビ処理や防カビ処理を行ってから、新しい壁紙を施工することが再発防止につながります。
■関連記事■【2026年版】プロが厳選したおすすめカビ取り業者5選|費用相場・選び方も徹底解説

5. リフォーム後も油断禁物!日常のカビ対策
カビに強い壁紙へリフォームしても、湿気や汚れがたまればカビが発生することがあります。
張り替え後も、換気・除湿・清掃を続けましょう。
5-1. 換気と除湿を行う

壁紙を新しくしても、室内に湿気がこもるとカビが発生しやすくなります。
梅雨や夏場など湿度が高い時期は、次のような対策を取り入れましょう。
- 窓や換気扇を使って空気を入れ替える
- 除湿機やエアコンの除湿機能を活用する
- 扇風機やサーキュレーターで空気を循環させる
室内に湿気をためず、壁紙が乾きやすい環境を保つことが大切です。

アイリスオーヤマ サーキュレーター
出典:Amazon

5-2. 湿気や汚れがたまりやすい場所を清掃する
キッチン、洗面所、トイレなどの水回りは、湿気や汚れがたまりやすい場所です。
防水性や防汚性の高い壁紙でも、水滴や汚れを放置するとカビの原因になります。
- 水滴や汚れは早めに拭き取る
- 壁紙に使用できる製品で清掃する
- 窓際や家具の裏を定期的に確認する
湿気がたまりやすい場所を清潔に保ち、異変を早めに見つけましょう。
5-3. 雨漏りや水漏れを早めに発見する

どれだけ防カビ性のある壁紙を使用しても、壁の内部に水分が入り込むとカビが発生する可能性があります。
- 屋根やベランダ、外壁のひび割れを確認する
- 排水管や水回り設備の異常に注意する
- 水染みや壁紙の膨らみを見つけたら早めに相談する
雨漏りや水漏れの兆候がある場合は、原因を確認して早めに修理することが大切です。
5-4. 壁紙の防カビに役立つアイテム
換気や除湿、清掃とあわせて、防カビに役立つアイテムを活用する方法もあります。
ここでは、壁紙のカビ予防に役立つ3つのアイテムを紹介します。
除湿乾燥機カライエ
「除湿乾燥機カライエ」は、水捨て不要で連続除湿できる製品です。
自動運転に対応しており、留守がちな部屋や別荘など、日常的な換気が難しい空間の湿度管理に活用できます。

ダイキン 除湿乾燥機カライエ
出典:楽天市場
らくハピ お部屋の防カビ剤 カチッとおすだけ
「らくハピ お部屋の防カビ剤 カチッとおすだけ」は、ボタンを押して使用する室内用の防カビ剤です。
部屋全体のカビ予防に活用でき、床やカーペットなどに潜むカビの原因菌への対策に役立ちます。

らくハピ お部屋の防カビ剤 カチッとおすだけ
出典:Amazon
コパリンCU2+
ハーツクリーンが開発した「コパリンCU2+(クリーンプロテクションCU2+)」は、銅イオンを活用した防カビ・抗菌コーティング剤です。
壁紙や木材などのカビ予防に使用でき、広い範囲へ施工する場合は超音波噴霧器を活用する方法もあります。
使用する際は、対象素材や施工方法を確認してください。

コパリンCU2+(クリーンプロテクションCU2+)
■関連記事■光触媒の防カビコーティングでカビが生えない住まいに!マンション・戸建ての最強カビ対策を解説
6. 万が一カビが生えてしまったときの対処方法

防カビ壁紙を使用していても、湿気や結露が続くとカビが発生することがあります。
カビを見つけた場合は、すぐにカビ取り剤を使用するのではなく、発生範囲や壁紙の素材、再発の有無を確認しましょう。
6-1. 狭い範囲の表面カビに対処する

水拭きできる壁紙の表面に発生した軽度なカビであれば、自力で対処できる場合があります。
作業前にメーカーの手入れ方法を確認し、使用する製品を目立たない場所で試してください。
壁紙を強くこすったり、大量の水分を与えたりすると、変色や剥がれにつながることがあります。
壁紙の素材が分からない場合や、紙クロス・布クロス・塗り壁など水分に弱い素材の場合は、無理に作業しない方が安全です。
6-2. 黒い跡が残る場合
表面のカビに対処できても、壁紙に黒い色素が残ることがあります。
黒い跡が残っていることと、カビが残っていることは同じではありません。
ただし、黒ずみが再び広がる、カビ臭がする、壁紙が湿っている場合は、カビが残っている可能性があります。
黒い跡まで落としたい場合は、壁紙に使用できる漂白作用のあるカビ取り剤を検討しましょう。

ハーツクリーンが開発した「カビ取りマイスター」は、業務用の除カビ剤を家庭用に改良した製品です。
漂白作用のあるカビ取り剤でありながら、安全性に配慮して開発されており、浴室などの水回りだけでなく、壁紙や木材など幅広い場所に使用できます。
使用する際は、対象となる壁紙の素材を確認し、目立たない場所で試してください。
黒カビの見分け方や素材別の対処方法については、以下の記事をご確認ください。
■関連記事■壁の黒カビの落とし方|素材別の除去方法・再発防止策・業者へ頼む目安

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6-3. 専門業者へ相談した方がよい状態

次のような状態では、壁紙の裏や下地までカビが広がっている可能性があります。
- カビが広範囲に広がっている
- 何度掃除しても同じ場所に再発する
- 壁紙が浮いている、膨らんでいる
- 壁付近から強いカビ臭がする
- 壁紙の継ぎ目からシミが出ている
- 雨漏りや漏水後に発生した
このような場合は、表面のカビ取りを繰り返さず、専門業者へ相談しましょう。
壁紙のカビへの対処方法や、自力での対応が難しい場合の判断基準については、以下の記事で詳しく解説しています。
■関連記事■【プロが解説】壁紙のカビ取り完全マニュアル|最もカビやすい壁の特徴から予防策まで徹底解説!
7. 【カビ関連ニュース】床下の湿気が住宅全体のカビにつながった事例
新築住宅で、床下にたまった湿気の影響により、家具やエアコン、換気設備など家のさまざまな場所にカビが広がった事例が報じられました。
調査では「汚染レベル4」とされ、住民が全面建て替えを求める事態に発展しています。
壁紙の防カビ対策でも、表面の素材選びだけでなく、床下など建物に湿気がたまる原因まで確認することが大切です。
参考:TBS NEWS DIG|家中カビだらけの欠陥住宅「汚染レベル4で最悪の状態」住民は全面建て替え求めて裁判を起こすも…施工業者は“破産手続き”
8. 壁紙の防カビに関するQ&A

壁紙の防カビは、「防カビ壁紙を選べば十分なのか」「リフォーム前に何を確認すべきか」で迷いやすい問題です。
ここでは、よくある疑問をQ&A形式でわかりやすく解説します。
Q1. 防カビ壁紙にすれば、カビは防げますか?
完全に防げるわけではありません。
防カビ加工壁紙は表面のカビ予防には役立ちますが、壁紙の裏側や下地に湿気がたまると、内部でカビが広がることがあります。
壁紙の性能だけに頼らず、換気や除湿、結露対策まで含めて意識することが大切です。
Q2. リフォーム前に一番確認したほうがいいことは何ですか?
下地や断熱材にカビが残っていないかを確認することです。
石膏ボードの裏や断熱材にカビがあるまま壁紙だけ張り替えると、見た目はきれいでも再発しやすくなります。
必要に応じて、下地の補修や交換まで行うことが重要です。
Q3. 壁紙のカビを防ぐために、日常で意識すべきことは何ですか?
湿気をためないことが基本です。
窓を開けて換気する、除湿機やエアコンのドライを使う、結露や水滴をこまめに拭き取るといった習慣がカビ予防につながります。
とくに水回りや窓際、家具の裏などは湿気がたまりやすいので、定期的な確認も大切です。
9. まとめ
今回は、カビにくい壁紙の種類や選び方、施工前後に行うべきカビ対策について解説しました。
壁紙を張り替える際は、見た目や価格だけでなく、部屋の湿気や換気のしやすさに合った機能を選ぶことが大切です。
カビにくい壁紙として、以下の種類が挙げられます。

それぞれ特徴や適した環境が異なるため、部屋の用途や手入れのしやすさも踏まえて選びましょう。
ただし、防カビ機能のある壁紙へ張り替えるだけでは、カビを完全に防ぐことはできません。
壁紙の裏や下地にカビが残っている場合や、結露・雨漏り・水漏れが続いている場合は、再発する可能性があります。
リフォーム前には下地や断熱材の状態を確認し、施工後も換気・除湿・清掃を続けることが大切です。
壁紙の機能と住まいの環境に合った対策を組み合わせ、カビの再発を防ぎながら、快適な住まいを長く保ちましょう。




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