衣類のカビ取りとカビを防ぐ対策方法
【お悩み】
久しぶりに、お友達と高級ホテルでランチ会することになり、クローゼットの奥に眠っていた一張羅のワンピースを取り出したところ...うっすらと白カビが生えていて大変ショックを受けました。
クリーニングに出す時間もないし、何とか家にあるもので、キレイにカビを取り除く方法はないでしょうか?
大切な衣類を、クローゼットの奥にしまっていると、久しぶりに使おうと取り出したときにはカビだらけだった!というケースはよくあります。
本来であれば、大切な衣類はご自宅で対処するのではなくクリーニング店に相談して、キレイにしてもらうことをおすすめしますが、時間がない場合には、何とか自力で対策したいところです。
大切な衣類にカビが生えるとシミになったり、またカビ臭くなってしまいショックですよね。
そこで今回は洋服にカビが生えない為の対策、生えてしまった場合の対処方法についてお話します。
目次
1.衣類にカビが生える原因と対策方法
衣類にカビが生える原因はいくつか考えられますが
- 汚れや皮脂が付着していた
- 生乾きだった
- クローゼット内の湿度が高かった
- 収納場所近くに結露が発生していた
- 他のカビが生えた衣類からカビが繁殖した
これらのことが挙げられます。
衣類にカビが生える最も多い原因が「カビの餌と湿気があること」です。
カビは、人の皮脂や手垢などのたんぱく汚れ、また繊維を栄養源にできるという性質があります。
衣類は人が着用する事により汗や皮脂を初め、生活間で様々な汚れに晒されます。また素材に使われている革や動物性の糸、服に用いる色素成分などもカビにとっての餌となります。過去には手形上にカビが生えているなんて話も…。
これらは性質上洗濯しても全てを落とすことは難しく、また落とせたとしてもまた付着します。
また生えるカビはその湿度条件により大きく異なり、65%以上になると好乾性のカビが生え、70〜85%で耐乾性のカビ、85〜95%で好湿性のカビが発生します。一重に湿度があるからカビが生えると言っても、環境によって生えてくるカビは異なるのです。
衣類をキレイに洗濯して、ちゃんと保管しているつもりでも衣類の中に湿気が溜まってしまったり、クリーニング後の袋の中に湿気が溜まるなどして、カビが生えてしまうことがあるのです。
1-1.重要なのは湿気対策
それではどの様な対策が重要なのでしょうか?キーワードはズバリ、「湿度」です。
収納場所の湿度を60%以下にすることが効果的です。これには除湿剤を用いても良いですし、換気を定期的に行っても構いません。
この工程を怠ると見えない場所からじわじわと発生し知らない所からカビ臭がする結果に…。これはカビが収納物ではなく、収納場所自体が発生場所になっている可能性があるからです。
カビの発生は商品の劣化・変色を起こさせる危険性があります。これらは軽度であれば元に戻す事が出来ますが、重度の場合修復は困難を極め、変色は免れないでしょう。
2.衣類にカビが生えた時の対処法
それでは衣類にカビが生えてしまった場合にはどの様な対応を取ればよいのでしょうか?
衣類によっては、自宅でのお洗濯や対処で傷んだり縮んだりする場合もあるので、基本的には素材がデリケートなものや高価なものに関しては専門のクリーニング業者に依頼されることをおすすめします。
ここでは応急処置でどうにかしたい場合や、おうち洗濯のできる素材のカビ対処方法をご紹介していきます。
2-1.ブラッシングする
大切な衣類の場合、お湯や薬剤(消毒用アルコールなど)で洗うことができない素材もあるかも知れません。
その場合には、衣類用のブラシで、表面をブラッシングしましょう。特に、コートなど毛が長い素材のものにおすすめです。
軽度のカビであれば、ブラッシングをして、風通しの良い場所で陰干しすることで、かなり表面上のカビが改善することがあります。ブラッシング可能な衣類の場合にはお試しください。
2-2.消毒用アルコールで除菌する
カビによる色素の沈着が起きていない場合には、消毒用アルコールを使うことで除去できることがあります。
不要な布に、消毒用アルコールを染み込ませ、衣類に軽くポンポンとたたき込むように染み込ませ、カビの気になる部分に塗布していきます。布だけで落ちない場合には歯ブラシなどを使っても良いでしょう。
ただし、革製品は変色する恐れがあるので使用しないようにしましょう。このほか素材が分からないものは、目立たない部分で試して様子を見てから消毒用アルコールを使うようにしましょう。
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2-3.お湯で殺菌する
1つ目は、カビを55℃のお湯を塗布することです。カビは温度の上昇に弱い種類が多いです。よって熱湯までは行きませんが熱いお湯につけてあげる事が効果的だと言えるでしょう。
注意点としてはその衣類が熱に対して耐性を持つ衣類なのか、洗濯表示を必ず確認してから行う様にしましょう。
次に熱湯につけたのみではカビを殺しただけで色はカビの色が付いています。また、お湯を使うのでヤケドに注意しましょう。
よってその後に衣類用の漂白剤を用いましょう。漂白剤には塩素系と酸素系がありますが、塩素系の方は、色落ちを起こさせてしまう可能性があるので色物には使わないようにしましょう。酸素系の漂白剤の方が無難でしょう。
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2-4.コインランドリーで高温殺菌する
高温に耐え得る素材であれば、コインランドリーでの高温殺菌も有効です。ウールやカシミア、麻、絹、綿、ナイロン、ポリウレタンなど素材によっては縮んだり傷んだりするものもあるので、充分注意してください。
カビは高温に弱い微生物です。とある研究では、50℃以上で加熱することで死滅すると言われています。その為、衣類にカビが生えてしまった場合やカビ臭くなった場合には、最寄りのコインランドリーで高温で乾燥させるという手もあります。
ただし、衣類の種類によっては高温で加熱すると縮んでしまうものもあるので、必ず洗濯表示を確認してからコインランドリーに入れるようにしましょう。
高温加熱が難しい繊細な素材の場合はまず「日陰で干して乾燥させること」。
高級な着物にカビが生えた場合などは、風通しの良い場所で陰干しをして様子をみましょう。
2-5.衣類用のカビ取り剤を活用する
市販の、衣類用カビ取り剤を使ってカビを落とすという方法もあります。
カビの気になる部分に塗布して、優しくカビを除去していきます。使用できる素材やできない素材もあるので、ラベルを注意深く確認し、まずは目立たない部分で試してから使うようにしましょう。
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3.衣類のカビを防ぐためにできること
大切な衣類にカビが生えてしまうと、素材にあったカビ取り方法を考えなければいけないので、なかなか大変です。そのためにも日ごろからカビを防ぐ保管方法を徹底しましょう。
あまりお金をかけなくても日ごろのちょっとしたコツでカビを防ぐことはできますので、少しずつできそうなことから実践していきましょう。
3-1.クローゼット内をこまめに換気する。
クローゼットを閉めきっていませんか?閉め切っていると、通気性が悪くなり湿気が溜まりやすくなります。
晴れた日は、扉を開放し、こまめにクローゼット内も換気をするようにしましょう。
3-2.収納場所を根こそぎ掃除する
2つめはタンスや押し入れ、クローゼットなどの収納場所のチェック及び掃除です。これは衣類にカビが生えた場合、収納場所や他の衣類にもカビが生えていなくても胞子が付着している可能性が十分にあります。よって十分に掃除を行い、生えにくい環境を整えてあげる事が重要となります。
このとき、雑巾などで乾拭きをし、消毒用エタノールでカビ除去、換気をしてしっかりと乾燥させるとより良いでしょう。収納場所自体のカビをしっかりと取り除き掃除をすることでカビの再発を防いでいきます。
3-3.風通しの良い場所で乾燥させる
衣類をクローゼットに収納したまま長時間置いているということがありませんか?
カビは、通気性の悪い場所を好む性質があります。洋服を収納しているクローゼットや押入れもこまめに開けて換気しましょう。また、物が多すぎて空気の通り道がないこともカビの原因となります。
不要なものは処分し、収納庫自体の通気性を良くすることがカビ予防につながります。
3-4.クローゼットを除湿する
ハンガーが付いてかけるタイプの除湿剤を置くなどして、クローゼット内の換気を行いましょう。また、梅雨時期など湿気の気になる時期には除湿機で収納庫内の除湿をするのもおすすめです。
湿度計を設置し、湿度が上がり過ぎたら除湿剤や除湿機を使うなど湿度管理も重要です、
また、タンスは壁から少し離して壁面に湿気がたまらないように注意しましょう。
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3-5.衣類の詰め込み過ぎに注意
タンスやクローゼット内に衣類を詰め込んでいませんか洋服をギュウギュウに詰め込んでいると、風通しが悪くなり湿気がたまることでカビの原因になります。
カビの発生を防止するためにも、不要な衣類は処分し通気性を良くしましょう。
3-6.カビ取り専門業者に依頼し、カビを滅菌する
最後に、カビ専門のクリーニング業者に依頼してカビをきっちりと滅菌するのも有効です。
滅菌をする事で、その服に付着したカビを殺菌する事ができます。
エチレンオキシドガスを用いた滅菌は医療用の服の滅菌に用いられており、コレを用いた一般服の滅菌サービスもあります。綺麗に完璧にカビを落としたい方はぜひ試してみてください。
まとめ
衣類は大切にしまっていればいるほどカビが生えやすくなります。大切な衣類だからこそ、カビを生やさないためにも、確りとした湿度管理をまずは行うようにしましょう。
また衣類に関しては、無理な除去は大切なものを失う事にもなりかねません。時には専門業者に頼むことも重要である事を念頭においておきましょう。