スーツに白カビが!洗濯NG?正しい対処法と応急処置を徹底解説!
「仕事でスーツを着ることになったから久しぶりに取り出したら、白カビが発生していた」
「明日葬儀に参列しないといけないのに、唯一持っている礼服にカビが生えて困っている…」
スーツを滅多に着ない方だと、クローゼットの奥で長期間スーツが眠ったままになっていることも多いと思います。
そして、いざ着ようとした時にスーツがカビまみれになっていたら焦ってしまうでしょう。
「とりあえず洗濯しよう」と考える方もいるかもしれませんが、スーツは繊細な素材で作られているため、一部の丸洗い可能な製品を除いてはスーツの洗濯はお勧めできません。
また、洗濯OKのスーツだったとしても、カビは菌なのでただ洗うだけでは除去しきれない可能性が高いです。
そこで今回は、スーツにカビが発生した時の正しい対処方法について解説します。
今すぐに着たいという方のために、応急処置方法も紹介するので、スーツのカビにお困りの方は是非この記事を参考にしてみてください。
この記事でわかること |
・スーツを洗濯してはいけない理由 ・カビが生えたスーツの正しい対処方法&応急処置方法 ・スーツのカビを防ぐための対策 |
目次
1.なぜカビが生えたスーツを洗濯してはいけないのか
一般的な衣類に汚れが付着した場合、洗濯するということがほとんどだと思います。
しかし、カビが発生したスーツの場合、洗濯することはおススメ出来ません。
まずはその理由について詳しく解説します。
1-1.型崩れや質感が損なわれる恐れがある
スーツは一般的に、ウールやシルク、リネンなどの天然素材や、高級な合成繊維が使われていることが多く、これらの素材は非常にデリケートです。
そのため、家庭用の洗濯機で水洗いを行うと、縮んだり、繊維が硬くなってしまう可能性があります。
また、スーツには形状を保つために芯地や接着剤が使われていますが、これらも水に弱い性質を持っています。
洗濯によって芯地が崩れたり、接着部分が剥がれると、スーツのシルエットが崩れ、本来の上品さが失われてしまいます。
最近では洗濯できるスーツも販売されていますが、そのような一部の製品以外は洗濯しないようにしましょう。
1-2.洗濯してもカビは死滅しない
カビは繊維の奥深くに入り込んで増殖するため、洗濯して表面的に見えなくなったとしても、実際には菌糸が残っていることがほとんどです。
また、家庭用の洗剤や柔軟剤では、カビの根本的な除去や殺菌効果が十分でないため、洗濯後に再びカビが発生するリスクが高まります。
そのため、カビは洗濯では除去できないと考えた方がいいでしょう。
さらに、カビは湿気を好むため、洗濯後のスーツの乾燥が不十分だと、カビの増殖が促進される可能性があります。
そのため、洗濯することでカビが悪化してしまうこともあるのです。
1-3.クリーニング業者に任せるのが一番安心!
スーツにカビが発生した場合、最も安全かつ効果的な対処法は、専門のクリーニング業者に任せることです。
クリーニング業者は、カビ取りや繊細な素材の扱いに関する豊富な経験と知識を持っており、スーツを傷めることなく、カビを効果的に除去することができます。
スーツの素材や状態に応じて最適なクリーニング方法を選び、カビの除去だけでなく、スーツ全体をリフレッシュさせる技術を持っています。
自宅での洗濯や自己流のカビ取りでは、スーツを傷めるリスクが高いので、できるだけ専門業者に任せるようにしましょう。
とはいえ、すぐにスーツを着る用事があって、今からクリーニングに出したら間に合わないということもあると思います。
そこで次の項目では、カビが生えたスーツの応急処置方法を紹介します。
2.カビが発生したスーツの応急処置方法
スーツに白カビが発生した場合、緊急で対処しなければならないことがあります。
そこで重要なポイントは、以下の3つです。
これらの方法には、「物理的消毒法」と「化学的消毒法」の2つがあります。
物理的消毒法とは、加熱や乾燥によってカビを殺菌する方法で、化学的消毒法は薬剤を使ってカビを除去する方法です。
以下では、スーツをできる限り元の状態に戻すための具体的な応急処置方法を解説します。
ただし、ここで紹介するのはあくまで応急処置なので、スーツを着用する用事を終えたらクリーニング業者に依頼するようにしましょう。
2-1.ドライヤーで乾燥&加熱殺菌する
まずはドライヤーを使用した応急処置方法を紹介します。
用意するもの
- 衣類用ブラシ
- ドライヤー
- 布
- マスク
- ゴム手袋
手順
- ①カビを払い落とす
まず、衣類用ブラシを使ってスーツ全体を軽くブラッシングし、表面のカビを取り除きます。
この作業はカビが飛び散りやすいので、屋外で行うようにしましょう。
- ②拭き取ってカビを取り除く
ブラッシングだけではカビが取り除けない場合は、水に浸して硬く絞った布で取り除きます。
擦るのではなく、つまんでとるようなイメージで行ってください。
- ③ドライヤーで熱風を当てる
カビが発生している部分にドライヤーを当てて、熱風で乾燥させながら殺菌します。
ドライヤーをスーツに近づけすぎないように注意し、約20cmほどの距離を保ちながら、均等に熱を加えます。
スーツが完全に乾くまで行ってください。
2-2.アイロンで加熱殺菌する
続いて、アイロンの熱によってカビを殺菌する方法を紹介します。
スーツによってはアイロンの使用が不可なものがあるので、必ずタグを確認してください。
もしアイロン不可な素材で使用すると、熱によって生地が縮んだり傷んだりしてしまうことがあるので、注意しましょう。
用意するもの
- 衣類用ブラシ
- アイロン
- アイロン台
- 布
- 当て布(薄手の布やハンカチ)
- マスク
- ゴム手袋
手順
- ①カビを払い落とす
まず、衣類用ブラシを使ってスーツ全体を軽くブラッシングし、表面のカビを取り除きます。
この作業はカビが飛び散りやすいので、屋外で行うようにしましょう。
- ②拭き取ってカビを取り除く
ブラッシングだけではカビが取り除けない場合は、水に浸して硬く絞った布で取り除きます。
擦るのではなく、つまんでとるようなイメージで行ってください。
- ③アイロンの熱で殺菌する
当て布越しにアイロンを当て、ゆっくりと加熱していきます。
この際、アイロンを動かしすぎず、じっくりと熱を加えることで殺菌効果を高めます。
- ④乾燥させる
スーツを風通しの良い場所に干して、完全に乾燥させてください。
2-3.消毒用エタノールで殺菌す
続いて、消毒用エタノールで殺菌する方法を紹介します。
エタノールは濃度によって「無水エタノール」など呼び方が違いますが、カビの殺菌には70~80%濃度の消毒用エタノールを使用しましょう。
また、素材によってはスーツの色が変色してしまう恐れもあるので、目立たない場所で試してみて、問題がなければ全体に使用するようにしてください。
用意するもの
- 衣類用ブラシ
- 消毒用エタノール
- スプレーボトル(必要な場合)
- 布
- マスク
- ゴム手袋
ドーバー パストリーゼ77
出典:Amazon
手順
- ①カビを払い落とす
まず、衣類用ブラシを使ってスーツ全体を軽くブラッシングし、表面のカビを取り除きます。
この作業はカビが飛び散りやすいので、屋外で行うようにしましょう。
- ②消毒用エタノールを吹きかける
消毒用エタノールを、カビが発生している部分に均等に吹きかけます。
ブラッシングだけで取り除けないカビがあった場合は、乾いた布でつまむようにしてカビを取り除き、再度消毒用エタノールを吹きかけてください。
そして15~30分程度放置して、タノールがカビを殺菌するのを待ちます。
- ③乾燥させる
スーツを風通しの良い場所に干して、完全に乾燥させてください。
ドライヤーの熱風を当てて乾燥させると、さらに熱による殺菌効果も期待できるので、コチラもおススメです。
3.黒カビが発生したスーツの応急処置方法
スーツに発生したカビが白カビではなく黒カビだった場合、カビ取りの難易度は更に上がります。
白カビの場合は、表面に発生しているカビなので、比較的除去しやすいですが、黒カビの場合は繊維の奥に入り込んでいるため、カビを死滅させたとしても色素が残ってしまうでしょう。
そのため、黒カビが発生した場合は、酸素系漂白剤を使用して、色素を落とすようにしてください。
ただし、これで完全に除去することは難しいので、目立たなくさせる方法くらいに考えていた方がいいでしょう。
用意するもの
- 酸素系漂白剤
- 布
- 洗面器やバケツ
- マスク
- ゴム手袋
グラフィコ オキシクリーン
出典:Amazon
手順
- ①ぬるま湯に酸素系漂白剤を入れて溶かす
ぬるま湯に酸素系漂白剤を入れて溶かしてください。
そこに布を浸して、硬く絞ります。
- ②酸素系漂白剤をカビに塗布する
酸素系漂白剤を染み込ませた布を使って、カビが発生している部分に優しくポンポンと叩き込むように塗布します。
漂白剤は色素を落とすため、慎重に扱いましょう。
- ③酸素系漂白剤を拭き取る
水で湿らせた布を固く絞り、同様にポンポンと叩きながら漂白剤を取り除きます。
漂白剤が残らないよう、丁寧に拭き取りましょう。
- ④乾燥させる
スーツを風通しの良い場所に干して、完全に乾燥させてください。
ドライヤーの熱風を当てて乾燥させると、さらに熱による殺菌効果も期待できるので、コチラもおススメです。
注意点
酸素系漂白剤はスーツの色を変色させる可能性があるため、必ず目立たない部分でテストを行ってから使用してください。
また、黒カビの色素を完全に取り除くことは難しいため、あくまで応急処置として行い、早めにクリーニング業者に相談することをおすすめします。
4.できるだけ早くクリーニングに出すのがおススメ
スーツを着用する用事を終えたら、できるだけ早くクリーニングに出すことをおススメします。
カビが生えたスーツのケアは非常に繊細であり、自己流の対処法では完全に除去できない場合があります。
スーツのカビを確実に取り除くためには、クリーニング業者などのプロの手に委ねるのが最も安全で効果的です。
4-1.近所のクリーニング店に持っていく
近所のクリーニング店にスーツを持っていくというのは、最も手軽な方法でしょう。
クリーニング店なら、スーツの素材や状態に応じた適切なケアを行ってくれます。
普段利用している信頼できるクリーニング店があれば、まずは相談してみると良いでしょう。
ただし、カビが深刻な場合は一般的なクリーニング店では対応が難しいこともあります。
特に発生したのが黒カビだった場合は、断られてしまうことも多いです。
そのような場合におススメなのが、次に紹介するカビ取り専門のクリーニング業者です。
4-2.カビ取り専門のクリーニング業者に依頼する
カビが広範囲に及んでいる場合や黒カビが発生している場合は、カビ取り専門のクリーニング業者に依頼するのが最も安全です。
例えば、ハーツクリーニングでは、医療機器の滅菌にも使用されているエチレンオキサイドガスを用いたガス滅菌を行っています。
このガス滅菌なら、カビの根まで効果的に浸透し、スーツを傷めることなく、カビを完全に除去することができます。
このような高度な技術を持つ専門業者に依頼することで、スーツの質感や形状を損なうことなく、カビを安全に除去することが可能です。
特に、大切なオーダーメイドスーツやブランド物のスーツは、専門業者に任せることで安心してケアを受けることができます。
大切なスーツにカビが発生した時は是非検討してみてください。
4-3.収納場所にもカビが移ったらカビ取り業者に依頼する
スーツにカビが生えてしまった場合、クローゼットや押入れなどの収納場所にもカビが広がっている可能性があります。
初期段階であれば、自力で対処できることもあります。
その場合は以下の記事を参考にしてカビ取りを行ってください。
■関連記事■クローゼットにカビが生えたら衣類にも移る!?カビ取りとカビ対策をプロが伝授
■関連記事■放置厳禁!押入れやクローゼットがカビ臭いときの対策方法
ただし、カビが広範囲に及んでいる場合や、既に他の衣類にも被害が及んでいる場合は、専門のカビ取り業者に依頼することを強くおすすめします。
カビ取り業者は、専用の機材や薬剤を使ってクローゼット全体のカビを徹底的に除去し、再発防止の対策も施してくれます。
収納場所にカビが残っていると、スーツだけでなく他の衣類や物品にもカビが移り、被害が拡大するリスクがあります。
カビ取り業者によるプロの対策を講じることで、収納スペースを清潔に保ち、再び大切な衣類をカビから守ることができます。
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5.スーツにカビが発生する原因とは
そもそも何故スーツにカビが発生してしまうのでしょうか。
スーツにカビが発生するのは、保管環境や管理方法に問題があるケースがほとんどです。
以下に、スーツにカビが生える原因を詳しく説明します。
5-1.高湿度の環境
カビが発生する最大の原因は湿度の高さです。
カビは湿度60%以上で活発に繁殖します。
特に、日本の梅雨時期や夏場は、室内の湿度が高くなりやすく、クローゼットの中もその影響を受けがちです。
クローゼットや押し入れの中で湿度が高まると、スーツに含まれる繊維が湿気を吸収し、カビの繁殖に適した状態が整います。
このような状態が長期間続くと、久しぶりに取り出した時にカビだらけになっていたということが起こりえます。
5-2.汗や汚れの放置
スーツに付着した汗や汚れもカビの原因となります。
汗や皮脂はカビの栄養源になり、特に着用後にそのままクローゼットにしまうと、湿気と汚れが相まってカビが繁殖しやすくなります。
食べ物のシミや飲み物の飛び散りなども同様で、これらを放置することでカビの発生リスクが高まります。
スーツは洗濯できないことが多く、何度か着用してからクリーニングに出すようになるため、他の衣類と比べてもカビの栄養源が蓄積しやすい傾向にあります。
5-3.通気性の悪い保管場所
クローゼットや押し入れのように密閉された空間では、空気がこもりがちで、湿気が外に逃げにくくなります。
また、クリーニングに出して戻って来た時に、ビニールカバーが掛けられていることが多いですが、それを外さずに保管している方もいると思います。
このような保管をすると、さらに通気性を悪くなり、カビの発生リスクが高まります。
6.スーツのカビを防ぐための対策
スーツにカビが発生すると、除去するのに手間が掛かり、クリーニング費用など発生してしまいます。
そのため、カビが発生してから対処するのではなく、カビが発生しないように予防するようにしましょう。
すぐにできるカビ対策を紹介するので、是非実践してみてください。
6-1.保管場所を除湿する
クローゼットや押し入れなど、スーツを保管する場所が湿気を含むと、カビが繁殖しやすくなります。
そのため、除湿剤を設置して、クローゼットの湿気を取り除くようにしましょう。
また、除湿剤は定期的に交換が必要なため、確認を怠らないようにしてください。
最近は電源がない場所でも使用できる除湿機などもあるので、こちらもおススメです。
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6-2.こまめに換気する
密閉されたクローゼットや押し入れは、湿気がこもりやすく、カビが発生しやすい環境になります。
そのため、定期的にクローゼットの扉を開けて空気を入れ替えることで、湿気を逃がし、新鮮な空気を取り込むようにしましょう。
できれば晴れた湿度の低い日に行うか、部屋を除湿しながら行いましょう。
また、天気の良い日にはスーツをクローゼットから取り出し、陰干しすることで、カビを予防することができます。
6-3.着用後に汚れを落とす
スーツを着用した後は、汗や皮脂、ほこりなどが付着しています。
これらの汚れはカビの栄養源となるため、放置するとカビが繁殖しやすくなります。
着用後はブラッシングを行い、表面の汚れを取り除きましょう。
また、すぐにクローゼットにしまうのではなく、風通しの良い場所でしっかりと乾燥させてから保管することで、カビの発生リスクを低減できます。
そして定期的にクリーニングに出すようにして、できるだけ綺麗な状態を保つようにしましょう。
6-4.ビニールカバーをかけて収納しない
クリーニングに出すと、ビニールカバーが掛けられて戻ってくることが多いと思います。
埃が付着しないようにと、カバーをかけたまま保管する方がいますが、これは通気性が悪くなり、カビの発生リスクが高まるため、おススメできません。
もしカバーをかけるのであれば、通気性の良い不織布製のカバーに替えるようにしてください。
不織布のカバーは、湿気を逃がしつつ、ホコリからスーツを守ることができるため、長期間の保管にも適しています。
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6-5.保管場所の通気性を良くする
クローゼットや押し入れなど、密閉された空間は湿気がこもりやすく、カビが発生しやすくなります。
特に物が隙間なく詰めこまれていると、通気性が悪くなります。
不要なものは処分して、できるだけ収納場所に隙間を作るようにしてください。
6-6.定期的に点検や掃除をする
スーツのカビ再発を防ぐためには、保管場所やスーツ自体を定期的に点検し、掃除を行うことが不可欠です。
数か月に一度はスーツを取り出して状態を確認し、カビの兆候がないかチェックしましょう。
また、クローゼットや押し入れの中も定期的に掃除を行い、ほこりや汚れが溜まらないように保つようにしてください。
7.まとめ
今回はカビが生えたスーツの対処方法や応急処置方法について詳しく解説しました。
スーツにカビが発生した場合、焦らずに適切な対処を行い、カビの広がりやダメージを最小限に抑えることが重要です。
応急処置のポイントとしては、加熱や乾燥、薬剤による除菌です。
手軽にできる方法としては、アイロンやドライヤーを使用して加熱や乾燥を行い、消毒用エタノールでの殺菌するのがおススメです。
また、発生したのが黒カビの場合は、酸素系漂白剤を使用しましょう。
とはいえ、これはあくまで応急処置なので、着用する用事を終えたらクリーニング業者に依頼するようにしてください。
オーダーメイドスーツや高級ブランドのスーツなど、大切なものはカビ取り専門のクリーニング業者がおススメです。
そして、スーツのカビ対策において最も重要なのは、カビが発生しないように予防することです。
スーツは大切なビジネスやフォーマルな場での重要なアイテムです。
今回ご紹介した方法を参考に、カビの発生を防ぎ、いつでも清潔で快適に着用できる状態を保ちましょう。
もしカビが発生してしまった場合でも、落ち着いて正しい対処を行い、大切なスーツを長く愛用してください。
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