シンク下収納に生えたカビを除去する方法

築30年の台所のシンク下収納の壁面にカビが生えてしまいました。老朽化もありそうなので、リフォームも考えていますが、取り急ぎ自分でできそうな除カビ方法を教えてください。

という声がありました。

このようにシンク下の収納のカビや湿気に悩んでいるというご家庭はとても多いです。

今回は、シンク下の収納にカビが生えた際の除去方法やカビが発生する原因とカビ予防のための除湿方法などをご紹介していきます。

結論:シンク下にカビが生えたらまずアルコールで除菌すべし!

アルコールスプレーやアルコール除菌シートなどを使用してシンク下のカビを拭き取りましょう。

アルコールは汚れを落とせるだけでなく、殺菌作用もあるためカビの繁殖を防ぐことができます。

シンク下の収納は調理器具やお弁当箱や食器類、洗剤やスポンジなどのお掃除グッズ、ラップやキッチンペーパーなどを収納しているというご家庭が多いかと思います。

そのため、成分が残留することが少ない天然成分であるアルコールを使用した除菌がおすすめです。

シンク下のカビを対処する際には、マスクや手袋を着用し、カビを吸い込んでしまったり直接触れないように気を付けてください。

カビを吸い込んだり、直接触れてしまうと、アレルギー症状や皮膚炎の原因となることがあります。

シンク下収納でカビが発生していることが特に多いのは、包丁収納です。

包丁収納は扉にネジを使って留めてあるタイプのものであれば、ドライバーを使用して取り外すことができます。

包丁収納を取り外すことで掃除がしやすくなります。

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シンク下収納のカビ取り方法

①シンク下収納の中の物を取り出す

シンク下収納の中の物をビニール袋やビニールシートを敷く等してからその上に取り出してください。

その際に、要らない物やカビが生えている物は処分するかアルコールスプレーやアルコールシートで拭いて除菌しましょう。

カビが生えている物を再びシンク下収納に戻してしまうと、シンク下収納にカビが再発する原因となります。

②アルコールで除菌

シンク下収納に直接アルコールスプレーを吹きかけるかアルコールを吹きかけたふきんなどでカビを拭き取ります。

頑固なカビや汚れがある場合には、アルコールスプレーをたっぷり含ませたキッチンペーパーでパックをして10分程度放置してから拭き取ると、アルコールの分解作用でカビや汚れを落とすことができます。

カビを拭き取るのに使用したふきん等は、カビが飛散しないようにビニール袋などで密閉して処分するようにしてください。

③乾燥させてから物を元に戻す

シンク下収納をアルコールで除菌したあとはしばらく開放し、しっかりと乾かしてから物を元に戻すようにしてください。

湿った状態で物を元に戻してしまうと、湿気によりカビが再発する原因となってしまいます。

収納スペースが広い場合などは扇風機やサーキュレーターを使用するとすばやく乾かすことができます。

プロレベルのカビ取りをするならカビ取りマイスターキット

カビ取り業者のハーツクリーンが開発したカビ取り剤のカビ取りマイスターキットは、実際に業者が使用している液剤を誰でも使えるように改良した商品です。

そのため自宅でプロレベルのカビ取りができますし、危険な成分は含まれていないためシンク下のカビ取りにも使用できます。

シンク下はどうしてカビやすいの?

シンク下は空気がこもりやすくカビが発生しやすいです。

シンク下にカビが発生する原因として考えられることは以下の4つになります。

その1、排水管によるもの

シンク下から嫌な臭いが発生していることはありませんか?

シンク下には排水管があります。

排水管の破損や劣化などにより、排水管から漏水している場合や排水管の内部に汚れや物が詰まっている場合にもカビが発生しているもしくは発生しやすい状態になっている可能性があります。

排水管の修理や洗浄が必要になる場合があります。

持ち家の場合には専門の業者に依頼をし、賃貸等の場合にはまずは管理会社に大家さんに連絡してみましょう。

その2、調理器具の水滴によるもの

シンク下に調理器具や食器類などを収納しているご家庭は多いと思います。

洗ってすぐの調理器具や食器等は、水分を拭き取っていても完全には乾いていません。

この状態ですぐにシンク下に収納してしまうとカビが発生する原因になります。

食器乾燥機か水切りカゴでしっかりと乾燥させてから片づけるようにしましょう。

また、風通しが良くなるように調理器具は重ねずに立てて収納するというのもカビや湿気を防ぐポイントになります。

その3、シンク下の湿気によるもの

シンク下収納の扉は物を取り出すとき以外は閉めたままの状態にしていることが多いと思います。

そのため、中に湿気がこもったり空気が滞留したままになり、カビが発生しやすい環境になっています。

また、使い捨てタイプの除湿剤を放置してしまっていると湿気が発生し、カビの発生源となっている場合があります。

その4、収納している物によるもの

シンク下に収納している物の中に湿気に弱いものはありませんか?

シンク下は水周りなので湿度が高く、開放されることも少ないことから湿気に弱い物の収納にはあまり向いていません。

湿気に弱い物を収納してしまうと、その物がカビの発生源となってしまうことがあります。

シンク下収納に物をいっぱいつめこんでいませんか?

シンク下の収納に物をたくさんつめこんでいると、空気が滞留しやすくなりカビが生えやすくなります。

ひとつのものにカビが生えた際に他のものにもカビが移り、大量にカビが発生してしまう原因にもなります。

そのため、シンク下の収納に入れる物をできるだけ減らすということもカビを予防する上で大切になります。

また、シンク下収納に湿気に弱い食品を保管していませんか?

シンク下は湿度が高くなりやすいため、食品類を保管する場合には缶詰めなどは問題ありませんが注意が必要なものもあります。

シンク下のお掃除方法

シンク下のお掃除は1週間に1度を目安にするとカビを予防することができます。

用意するもの

  • 熱湯重曹水
  • アクリルたわし

①シンク下の収納している物を外に取り出し、シンク下収納に熱湯重曹水を吹きかけます。

②乾いたアクリルたわしでシンク下収納を磨いて汚れをこすり落とします。

③清潔な布で乾拭きし、しっかりと乾燥させてから収納していた物を元に戻して完了です。

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・熱湯重曹水とは?

重曹は天然由来の自然素材で地球環境にやさしく、料理や洗濯、掃除などの用途でも使用することができます。

(※料理に使用する場合には、食用の重曹を購入してください。)

シンク下収納の汚れは油汚れや手アカ、水アカによるものが多く、これらは酸性の汚れであるため、アルカリ性である重曹を使用することで中和して落とすことが適しています。

重曹には除菌効果はないので、カビを除去したあとの普段のお掃除や重曹を使用したお掃除の仕上げに消毒用エタノールを使用することでより強力にカビを予防することができます。

熱湯重曹水とは、重曹を80℃以上のお湯で溶かしたものです。

重曹を熱湯で溶かすことで、洗浄力がアップし油汚れなどの頑固な汚れも落とすことができます。

また、お湯で溶かした重曹は冷めても性質が変わらないので、スプレーボトルに入れて保存することもできます。

熱湯重曹水のつくり方

用意するもの

  • 重曹粉
  • 計量カップとスプーンなど
  • スプレーボトル

①80℃以上のお湯500mlに対し、重曹粉大さじ1を入れます。

②よくかき混ぜてしっかりと溶かします。

③スプレーボトルに移し、フタをしっかりと閉めてください。

※注意点※

重曹粉の量が多いと、スプレーしたときに白く跡が残る場合があるので分量を守って使用してください。

スプレーボトルは耐熱性でない場合には、冷ましてから移すようにしてください。

シンク下収納の除湿方法や防カビ方法

シンク下の除湿方法や防カビ方法は以下の5つがあげられます。

1つの方法で除湿やカビ予防ができる場合もありますが、複数組み合わせることでより強力に除湿とカビ対策をすることができます。

その1、除湿機を設置する

シンク下収納に設置できるサイズのコンパクトな除湿機が販売されています。

シンク下の湿気が多いと、除湿剤よりくり返し使える除湿機の電気代の方が安く済む場合もあります。

また、使い捨ての除湿剤は交換や処分が面倒だったり、忘れてしまうこともありますよね。

どちらの方が良いか検討してみましょう。

Yoita コンパクト除湿機

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その2、除湿剤を設置する

あまりお金をかけずに簡単に除湿できる方法として、除湿剤を設置するという方法があります。

除湿剤は基本的には使い捨てなので、湿気を吸収したら定期的に新しいものに交換する必要があります。

湿気が多い場所では交換の目安よりも速く水が溜まることもあるのでこまめに確認するのが良いでしょう。

湿気を吸収した状態の除湿剤をそのままにしておくと、カビの発生源となってしまうことがありますので注意が必要です。

エステー 備長炭ドライペット

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その3、新聞紙や除湿シートを敷く

新聞紙や除湿シートをシンク下収納に敷くことでも除湿することができます。

除湿シートは、除湿だけでなく防カビ、防虫、消臭効果があるものなども販売されています。

新聞紙は湿気を一度吸収したら新しいものに定期的に交換する必要があります。

また、除湿シートもなるべく定期的に新しいものに交換するようにしましょう。

新聞紙や除湿シートも除湿剤と同様に一度湿気を吸収してしまうと、飽和状態になり湿気を吸わなくなるだけでなく湿気の発生源となってしまうのでこちらも注意が必要です。

備長炭シート

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その4、湿度計を設置する

カビが発生しやすくなる湿度は60%以上と言われています。

湿度は体感ではわかりにくいこともありますので、シンク下収納に湿度計を設置して60%以下になるように心がけましょう。

湿度が高い場合には、収納を開放し扇風機やサーキュレーターで風通しを良くしましょう。

タニタ 温湿度計

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その5、防カビ剤を設置する

シンク下に設置するだけでカビを防いでくれる防カビ剤が販売されています。

既にカビが発生している状態では効果が出ないため、カビが発生している場合にはカビを除去してから設置するようにしてください。

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まとめ

シンク下収納にカビが生えた場合、まずは消毒用エタノールで除去しましょう。

ただし、黒カビの色素が沈着してしまっている場合には、塩素系漂白剤などを使って落とし、液剤が残らないよう何度も拭きとりましょう。

また、配管の漏水や故障などでカビが発生している場合や、ボード部分にまでカビが深く発生している場合にはカビ取り業者リフォーム工事に依頼をして、しっかりとカビを除去し修理されることをおすすめします。

<参考文献>

・沢井竜太『おそうじの超ベストアイディア2020』2020年、晋遊舎

・松本忠男『カビ・ホコリ・菌を撃退!家の「正しい」掃除ワザ』2019年、宝島社

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