キッチンシンクのカビ取り方法

いろんな汚れに紛れてキッチンシンクにポツポツと黒いカビが生えているのを見つけたことはありませんか。カビ取りをしようにも、シンクの素材によっては何を使ったらいいのか分からないという方もいるのではないでしょうか。

そこで今回はキッチンシンクにカビが生える原因や汚れの落とし方、素材別のカビ取り方法についてご紹介していきます。

1. キッチンシンクにカビが生える原因

1-1. キッチンシンク内は栄養源の宝庫

キッチンシンク内はカビにとっての栄養源が豊富にあります。カビは、キッチンシンクに付着している

  • 食材の残りカス、油汚れ
  • 水垢
  • 洗剤カス

を栄養源に成長します。ただでさえ水回りはカビが生えやすい上にこれらの栄養源が加わることでカビは急速に成長していきます。

1-2. キッチンシンクに洗い物を放置している

キッチンシンク内はカビの栄養源が豊富、とお伝えしましたが食べ終わった後の食器や調理器具などをキッチンシンクに長時間放置する習慣がある場合はよりいっそうカビ発生のリスクが高まります。

空のキッチンシンクでも多くの汚れが付着していますから洗っていない状態の食器を放置してしまえばさらにカビの栄養源を増やしてしまうことになります。カビだけでなくその他の雑菌も繁殖し、衛生的にもよくありません。

1-3. 排水口の掃除をしていない

流れた食べカスや汚れは排水口に溜まりますがこまめに汚れを取り除かないと排水口内にカビが発生します。排水口のカビを発生源にキッチンシンクにカビが生え広がることもあります。また三角コーナーもこまめにお掃除しないと、底や背面にカビが生じます。

2. キッチンシンクの素材

キッチンシンクに生えたカビを除去するにあたってまずはご自宅のキッチンシンクがどのような素材なのかを知る必要があります。キッチンシンクの素材で使われる主な素材には、

  • ステンレス製
  • 人工大理石
  • 人造大理石
  • ホーロー製

の4種類の素材があります。

① ステンレス製

ステンレスのシンクは多くの家庭や飲食店で取り入れられている素材で日本では最もポピュラーな素材です。耐熱性に優れ、衝撃や摩擦に強いなどキッチンシンクにはうってつけの素材です。

② 人工大理石

人工大理石は、大理石とついていますが実際に大理石は使われておらず大理石をイメージして作られた”樹脂”です。ステンレス製同様耐熱性に優れ衝撃にも強く、さらにはデザインも豊富です。ただし、樹脂でできているため他の素材と比べると経年劣化しやすいです。

③ 人造大理石

人工大理石と名前が似ている素材で、人造大理石というものもあります。こちらの人造大理石は天然の大理石を粉砕し、樹脂やセメントなどで固めたものです。人工大理石と違い素材は本物の大理石が含まれているということです。人工大理石と同様に耐熱性に優れ、デザインも豊富です。一方で、シミになりやすかったり汚れが目立ちにくい反面掃除がおろそかになりがちといったデメリットもあります。

④ ホーロー製

ホーロー(琺瑯)とは鉄やアルミなどの金属にガラス質を高温で焼きつけた素材です。ホーローの一番の特徴は耐熱性です。また原料が金属とガラスなので湿気にも強く、汚れがつきにくく掃除がしやすいというメリットがあります。一方でガラスが含まれていることから傷がつきやすいという面もあります。

3. キッチンシンクのカビ取り方法

キッシンシンクに使われる素材についてお伝えしたところで、実際にキッチンシンクにカビが生えてしまったときのカビ取り方法を素材別にみていきましょう。

3-1. カビ取り前にまずは汚れの除去を

キッチンシンクの中は水垢や食べ物、油汚れなどが付着しています。これらの汚れが付いたままだとこの後使用するカビ取り剤が効きにくくなってしまうので、まずは余分な汚れの除去をおこないます。キッチンシンクの汚れを除去するには、

  • クエン酸と重曹
  • 中性洗剤
  • クリームクレンザー

のいずれかを使用します。水垢汚れや油汚れがひどい場合はクエン酸と重曹の組み合わせを、汚れが軽度の場合は中性洗剤を使用します。ステンレス製のシンクであればクリームクレンザーもおすすめです。(ホーローや人工・人造大理石のシンクはクレンザーの研磨作用により傷ついてしまうことがあります)クレンザーには粉末タイプもありますが粉末タイプは粒子が粗く傷つきやすいので、もし使用する場合は液体やクリームタイプのクレンザーを使います。

~汚れの除去方法~

クエン酸は水垢の除去に、重曹は油汚れに効果を発揮します。掃除の手順は、

① 重曹の粉をシンク内にふりかけ、スポンジで磨き、汚れが落ちたら洗い流します。

② 綺麗なタオルで水気を拭き取ります。

③ スプレーボトルに入った水200mlにクエン酸を小さじ1入れてクエン酸水を作ります。(既製のクエン酸水を使ってもOK)

④ クエン酸水をシンク内にふきかけ、スポンジで汚れを落とします。

⑤ 汚れが落ちたら洗い流し、水気を拭き取ります。

注意点としては、クエン酸と重曹は同じタイミングで使わず必ず分けて使うようにします。同時に使うと中和され、効果がなくなってしまいます。いわゆる中性洗剤で汚れが落とせるのは成分中に含まれる界面活性剤の力です。水垢のようなアルカリ汚れも油や食べ物の酸性汚れも程よく落とすことができますが、無難に使えるがゆえに頑固な汚れは残ってしまうことがあります。

レック クエン酸の激落ちくん

出典:amazon

レック 激落ちくんの重曹

出典:amazon

中性洗剤もしくはクレンザーを使う場合は柔らかいスポンジを使って汚れを落とします。

ユニリーバ クリームクレンザー ジフ

出典: amazon

3-2. カビ取り方法

シンクの汚れが落ちたらカビ取りです。

ステンレス製のシンク

~用意するもの~

~手順~

  • 酸素系漂白剤
  • ブラシやメッシュスポンジ

① カビ部分に漂白液をふきかけます。

② 10分~15分程度放置し、時間が経ったら洗い流します。カビが残っているようであればブラシやメッシュスポンジで擦り落とします。

注意点として、ステンレスのシンクに塩素系漂白剤は使わないようにしましょう。塩素系漂白剤を使えばカビは落ちやすいですがサビやすくなってしまいます。漂白剤は塩素系ではなく酸素系漂白剤を使用します。

グラフィコ オキシクリーン

出典:amazon

人工・人造大理石のシンク

~用意するもの~

  • 消毒用エタノール
  • やわらかい歯ブラシまたはスポンジ

~手順~

① 乾いたタオルでキッチンシンクの水気をしっかり拭き取ります。

② キッチンシンク全体に消毒用エタノールをたっぷりふきかけます。

③ ブラシ等でカビを擦り落とします。

④ カビが取れたら水で洗い流し、清潔なタオルで拭き取ります。

人工大理石と人造大理石は同様の方法でカビを除去します。人工・人造大理石はカビが生えると非常に厄介な素材です。これらの素材は酸やアルカリに弱く、変色することがあるため酸素系・塩素系いずれの漂白剤も使えません。金属素材のスポンジも傷の原因になるので使用は控えます。また、ネットで検索するとサンドペーパーなどで削る方法も出てきますが、確かにカビは除去できますが削れた部分に汚れが溜まりやすくなり、これまで以上にカビが生える元になります。カビの状態によっては消毒用エタノールだけでは取り切れないこともあるため自力での対処が難しいようであれば業者に依頼することも検討しましょう。

健栄製薬 消毒用エタノールIP

出典:amazon

ホーロー製のシンク

~用意するもの~

  • 消毒用エタノール
  • やわらかい歯ブラシやスポンジ

① 水気を拭き取り、消毒用エタノールをシンク内全体に吹きかけます。

② 歯ブラシやスポンジでカビを擦り落とします。

③ カビがとれたら洗い流し、清潔なタオルで水気を拭き取ります。

用意するものと手順は人工・人造大理石のシンクと同じです。漂白剤はホーローを傷めることがあるため使わないようにします。また人口・人造大理石と同様、固いブラシ金属素材のスポンジも傷がつき表面の光沢も失われるため使わない方がいいでしょう。

4. カビを防ぐには?日頃のカビ対策

キッチンシンクは適度な温度と豊富な水分、栄養源に酸素・・・とカビが生えやすい環境が整っています。だからこそ日頃のカビ対策が重要になってきます。

4-1. 使用後はシンクを洗い、水気を拭き取る

キッチンシンクのカビを防ぐには、カビの栄養源を残さないことが大切です。キッチンシンクにはステンレスやホーロー(鉄やアルミ)、ガラス、大理石といった無機質の素材が使われており本来であればカビは生えません。それでもカビが生えてしまうのはキッチンシンクに栄養源があるからです。キッチンシンクを使用後は、中性洗剤でシンク内を洗い、水気を拭き取る習慣をつけましょう。

4-2. 排水口の汚れもこまめに掃除

排水口のカビがシンクにまで広がるのを防ぐために、排水口の掃除もこまめに行いましょう。シンクの排水口が湿った状態が続くことが多いためカビが生えやすいです。排水口は漂白剤等を使ってこまめに洗いましょう。

4-3. 洗い物を長時間放置しない

汚れた食器や調理器具を長時間放置するものやめましょう。放置している間にもカビやその他雑菌が繁殖します。忙しい時など仕方がない時もあるかもしれませんが、あまり高頻度にならないようにしましょう。

5. キッチンシンクのカビを放置するとどうなる?

キッチンシンクのカビを放置すると、カビが深刻化し自力では手に負えなくなってしまうだけでなく周囲にあるキッチン用品や食器、調味料などにもカビが生える恐れがあります。

目に見える形でなくとも、少なからずカビの胞子は付着しているはずです。そしてカビの生えたシンクで洗う食器がきれいになるはずもありません。衛生的にも良くないですから、カビ見つけ次第はやめに対処しましょう。

6. まとめ

今回はキッチンシンクのカビについてお伝えしてきましたが、まとめると

● キッチンシンクには、食材カスや油汚れ、水垢、洗剤カスといったカビの栄養源が豊富にある。

● キッチンシンクに使われる素材には主に、ステンレス・人工大理石・人造大理石・ホーローがある。

● キッチンシンクのカビ取りにあたっては予め余分な汚れを除去しておくことが大事。水垢にはクエン酸、油汚れや食材カスには重曹、軽度の汚れには中性洗剤を使って汚れを落とす。ステンレス製のシンクにはクリームクレンザーもおすすめ。

● ステンレス製のシンクのカビには酸素系漂白剤を使用する。人工・人造大理石とホーロー製のシンクには消毒用エタノールとやわらかい歯ブラシやスポンジを使う。

● キッチンシンクのカビを防ぐには、何よりシンク内にカビの栄養源を残さないことが大切。使用後はシンクを洗い、水気を拭き取ることでカビを防ぐことができる。

<参考>

  • 本橋 ひろえ 『ナチュラルおそうじ大全』
キッチンシンクのカビ取り方法