食器棚のカビ取り方法
食器棚の中がなんだかカビ臭い・・・。そこで食器を取り出してみると食器棚の底部分や側面にカビが生えていたという経験はありませんか?さらには虫まで見つけてしまったという方もいるかもしれません。
食器棚は私たちが思う以上にカビが生えやすい環境が整っているのです。
そこで今回は食器棚の中にカビが生える原因とその除去方法を、食器棚に発生する害虫についても触れながらご紹介していきたいと思います。
目次
食器棚になぜカビが生えるの?
そもそもなぜ食器棚にカビが生えるのでしょうか。カビは一定の湿度と温度、栄養分があると発生します。
湿度は60%以上、温度は0~35℃(特に20~30℃)の環境下でそこに栄養源があると繁殖し、これは人が快適だと感じる環境でもあります。つまり、私たちの生活環境においては栄養源があればどこにでもカビは発生するのです。その中でも食器棚にカビが生える原因には次のようなことがあります。
原因その1 食器棚の扉によって通気性が悪くなっている
扉付きの食器棚の場合食器棚の中は密閉に近い空間になります。毎日の食事の際など定期的に扉を開閉する習慣がある場合はカビは生えにくくなりますが、普段あまり食器を使うことがないと食器棚の中に湿気がこもり、カビが生えやすくなります。
原因その2 食器を入れすぎている
食器棚に食器を入れすぎている場合も空気の流れが悪くなり湿気がこもりやすくなります。扉付きの食器棚で、なおかつ食器を詰めすぎていると食器棚の中にカビが生えてしまいます。
原因その3 食品を食器棚に入れている
食器棚に食品を入れている場合もカビが生えやすくなります。食品成分はカビの格好の栄養源になるため食品を食器棚に入れているとカビ発生のリスクは高くなります。
また、食器棚に食品を入れていることで発生するのはカビだけではありません。食器棚の中には食品をエサにする害虫も発生します。特に、「コナダニ」と言われるダニは小麦粉や乾物を好物としそれらを食器棚の中に入れていると発生します。
コナダニは0.2mmほどの白い小さなダニで梅雨~秋にかけて湿度の高い場所で繁殖します。大量に発生すると白い粉が動いているように見えます。人を刺すことはありませんが吸い込むとアレルギーのような症状が出ることもあります。
原因その4 チリや埃が溜まっている
溜まったチリや埃もカビの栄養源になります。食器棚の掃除をする場合、食器を一度すべて取り出し、最後に再び元に戻す必要があります。
大きな食器棚では労力が必要とされますし逆に小さな食器棚では、小さいからまあいいか、と掃除がおざなりになってしまいます。掃除の頻度が少ないと埃が溜まり、それを栄養源にしてカビが繁殖していきます。また、チリや埃はさきほどのコナダニのエサにもなります。
原因その5 水滴が残ったまま食器を片付けている
水気が残ったままの食器を食器棚に入れてしまうことも食器棚のカビの原因になります。蒸発した水分を食器棚が吸収してしまいカビが発生します。扉付きの食器棚の場合内側を乾かすことが難しいため食器棚内の水分は確実に蓄積されカビのリスクが高まります。
以上が食器棚にカビが生える主な原因です。ここで食器棚に発生する害虫についても触れておきたいと思います。先ほど食品をエサにする害虫としてコナダニを挙げましたが、他にも食器棚に発生する害虫はいます。害虫の代表ともいえるゴキブリはもちろんですが、木材をエサにする「キクイムシ」や、カビをエサにする「チャタテムシ」も発生することがあります。
キクイムシは体長3~5mmほどで赤~黒色をしています。名前の通り木を食べる害虫で、木材の内部から外に向けて浸食します。木材を食べる際に1~2mm程度の穴があき、その周辺には粉状のくずが落ちているのが特徴です。食器棚の中に粉状の木くずが落ちていたらキクイムシの存在を疑いましょう。
そして、カビと最も関わりのあるのがチャタテムシです。チャタテムシは体長1~2mmの淡褐色の小さな虫で多湿で薄暗いところを好みます。
チャタテムシはカビをエサにするため、カビのあるところに発生します。防カビ対策をしていないとカビだけでなくチャタテムシまでも引き寄せてしまいます。食器棚の中にカビが生えており、なおかつ淡褐色の小さな虫をみかけたらそれはチャタテムシである可能性が高いです。
食器棚の中はカビが生えやすいだけでなく、それにより害虫を引き寄せてしまうことがあることもお分かりいただけたと思います。
食器棚のカビ取り方法
では実際に食器棚にカビが生えてしまったらどうしたらよいのでしょうか。ここからは食器棚のカビ取り方法についてお伝えしていきます。カビ取りに必要なものは以下の通りです。
消毒用エタノールを使う方法
~用意するもの~
- マスク
- ゴム手袋
- 消毒用エタノール
- 清潔な乾いたタオルまたは雑巾
- サンドペーパー(黒カビなどの色素沈着がある場合)
~手順~
① マスク、ゴム手袋をつけ身体を保護します。カビの胞子が飛散する恐れがあるため、窓を開けるなど換気をしながらおこないます。
② 食器棚から食器を全て取り出し、扉も外せる場合は外します。
③ 乾いたタオルまたは雑巾に消毒用エタノールをふくませ、カビの生えている個所を優しく拭き取ります。食器棚の中が全体的に汚れている場合は消毒用エタノールで全体を拭き掃除します。
④ 食器棚の中を完全に乾かします。
白カビや目視で確認できないようなカビの胞子は消毒用エタノールで除去することができます。しかし
黒カビのように色素のあるカビの色までは落とすことができません。
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紙やすりでカビを除去する方法
カビの色も取り除きたい場合はサンドペーパーを使って除去します。その際は、消毒用エタノールで表面のカビを除去し、完全に乾いた後におこないます。消毒用エタノールが乾いたら、サンドペーパーでカビの気になる部分を少しずつ削り、カビを取り除きます。
ですが、このやり方にはデメリットもあります。食器棚の表面を削るわけですので表面がでこぼこする、
色が剥げるなど見た目が変わってしまうデメリットがあります。見た目が変わってもよいという場合はサンドペーパーを使って物理的にカビを取り除く方法を試してみてください。
もし、見た目が変わらないようにしたい、徹底的にカビ取りしたいということであれば、カビ取り業者のハーツクリーンが開発したカビ取り剤のカビ取りマイスターを使用してみてください。
実際にプロが使用しているカビ取り剤を誰でも使えるように改良しているため、安全にカビ取りすることができます。
食器棚の裏にびっしりカビが広がってしまったら
もし、食器棚の裏にカビが広がってしまい、自力でのカビ取りが難しいようでしたらプロのカビ取り業者に依頼するという手もあります。カビがひどい、素材を傷めてしまわないか不安、害虫も発生しているという場合はカビ取り専門の業者に相談してみるのもおすすめです。
また、食器棚の裏にカビが広がっている場合、壁にもカビが生えている可能性があります。この場合もカビ取り業者に依頼して、しっかりとカビを除去してもらいましょう。
■関連記事■壁に生えたカビを業者を呼ばずに自力で除去するには?!
壁のカビが原因の場合
場合によっては、壁紙の裏にまでカビが広がっていると壁紙を剥がして除カビ後、貼り直したり、塗装の下からカビが生えている場合には塗装を全て剥がしてからの除カビ作業になることもあります。
いずれにしても、食器棚のカビの原因を分析して、カビがどこからきているのかを調べること、そして早めにその原因を取り除くことがカビの発生と再発防止につながります。
カビの原因は様々なので、居住者に過失のないこと(天候、結露や漏水、老朽化、立地等)で発生することも多くあります。「自分のせいかもしれないと」とご心配な方も、悩む前に是非、プロのカビ取り業者へご相談ください。
以上が食器棚のカビ取り方法です。食器は口に触れるものですから衛生的によい状態を保ちたいですよね。ここからは日頃できる食器棚のカビ対策をご紹介します。
食器棚のカビ対策
カビ対策としては、湿気を溜めず、カビの栄養分ができるだけない状態でいることです。具体的には、
- 定期的に食器棚の換気・掃除をする
- 食器は詰め込みすぎない
- 食器棚に食品を保管しない
- 食器は完全に乾いてから片付ける
- 除湿シートや除湿剤を置く
などがあります。
食器棚の中は湿気がこもりやすいため、除湿シートを敷いたり、除湿剤を置いたりして、湿気を取り除くようにしましょう。
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また、カビの原因が壁の結露だったということもあります。
例えば、小窓近くの壁に食器棚を置いていて、冬場に結露が知らない間に生じてしまった場合、壁から食器棚の裏、内部とカビが広がっていくことも。この場合にはまず壁のカビ対策を行う必要があります。
結露を雑巾で拭き上げ、消毒用エタノールで除去し、サーキュレーターで送風することで結露を防ぎます。また、こまめにホコリなどゴミを取り除くこともカビ予防になります。
それでも、カビが広がってしまい自力では手に負えなくなってしまったら、カビ取り専門の業者へ依頼することも1つの方法です。
いかがだったでしょうか。今回は食器棚に生えたカビのカビ取り方法についてお伝えしてきましたがまとめますと、
- 食器棚は通気性が悪い上、食器から蒸発した水分でカビが生えやすい。
- 食器棚にはカビだけでなく様々な種類の害虫も発生する。中にはカビをエサにする害虫もいる。
- 食器棚のカビは消毒用エタノールで除去する。色素の除去にはサンドペーパーを使用する。
- 自力でのカビ取りが難しい場合はカビ取り専門業者に依頼する。
- こまめな換気と掃除でカビを防ぐ。必要に応じて防カビ・防虫効果のあるアイテムを使用する。
となります。
食器棚のカビや害虫を防いで気持ちよく食事を楽しみたいですね。
(参考)