チャタテムシってどんな害虫?発生の予防方法は?!

皆さんは、くらしの害虫の1つである「チャタテムシ」をご存知でしょうか。実は、このチャタテムシ、カビやダニと関係の深い害虫なのです。

そこで、この記事ではチャタテムシの生態や対処方法について

  • チャタテムシが増えると増える害虫
  • チャタテムシが多いところではカビも生えやすい
  • チャタテムシ対策がカビ予防につながる

このようなトピックスで解説していきます。

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チャタテムシとは?!

「目に見える小さい茶色い虫が、フローリングや紙の上をのそのそと動いている」

のを見たことが無いでしょうか。蜘蛛よりも小さく、でも目視はできるからダニではなさそう。粉虫みたいに飛ぶわけでもない。

これは「チャタテムシ」の可能性があります。

チャタテムシというと、あまり名前を聞いたことがない方も多いのではないでしょうか?チャタテムシは、世界でも多くの国々で生息しており、繁殖力が強く、一年中活動している害虫です。

日本の室内で発見されることがある種類としては、ヒラタチャタテ、コチャタテ、カツブシチャタテなどの種類がいます。

  • ヒラタチャタテは体長1~1.3mm程度、頭部が赤褐色でそれ以外の部分は透明感のある褐色です。
  • コチャタテは体長2mm程度、体色は黄白色で光沢はありません。
  • カツブシチャタテはオスで0.9mm程度、メスで1.5mm程度で、体色は淡黄色で頭部は淡黄褐色です。

その他にも日本では100種類ほどのチャタテムシが記録されており、シラミ類に分類されています。

チャタテムシの体長は1mm程度と非常に小さく、頭が大きくて羽はありません。このような見た目からダニやシロアリとよく間違われますが、全く違う害虫です。チャタテムシは動きが素早く活発なのが特徴で、人を刺したり噛んだりすることはありません。

ですが、チャタテムシが増えやすい環境というのは、他にも害虫が発生しやすく良い環境とは言えないかもしれません。

チャタテムシはどこで発生するの?

チャタテムシは非常に小さい体でわずかな隙間から家の中に侵入してきます。チャタテムシは一年中生息している害虫ですが、よく発生するのは気温と湿度が高くジメジメした梅雨の時期から秋にかけてです。

また、冬の間は結露が発生した窓や壁などで大繁殖することもあります。

薄暗くジメジメした場所が大好き

チャタテムシは薄暗い場所を好みます。

家庭では特に畳の下など湿気がたまりやすい場所や障子、押し入れや引き出しの中、ダンボール、本棚、カビが生えている場所などで発見されます。

つまり、高温多湿で薄暗くカビが発生したり、ほこりっぽいなどの掃除が行き届いていない不潔な場所に発生するということになります。

チャタテムシの被害とは?!

チャタテムシは人間のフケやアカ、カビなどをエサとし、その中でもカビが大好物です。

雑食性の害虫なため、花粉、ほこり、小動物の死骸などもエサとなります。

さらに、小麦粉、片栗粉、鰹節、チーズ、そうめんやパスタなどの乾麺、マカロニ、ビスケット、乾燥しいたけ、などの乾燥食品を加害し、ほこりや古い紙や壁紙などの糊まで食べます。

屋外では落ち葉や枯れ葉、樹の中、鳥や虫の巣でも発見されることがあります。

チャタテムシが発生すると〇〇が発生!

人間にとっては直接的な害はあまりないのですが、チャタテムシが発生するとチャタテムシをエサとするダニが発生してしまうという二次被害があります。

また、1匹はとても小さいのですが、強い繁殖力で大発生したときは気持ち悪く不快です。

さらに、工場などでチャタテムシがダンボールについて家に持ち込まれてしまったり、食品や医薬品にチャタテムシが混入してしまうという被害もあります。

チャタテムシは食品に寄生していることがあり、体長が1mm程度と小さいため、気づかずに食品と一緒に食べてしまうということもありえます。

1匹ぐらいを食べてしまったということであれば、大きな問題はないようですが、大量に食べてしまったり、フンや死骸を吸い込んでしまうと喘息などのアレルギー性の病気になってしまうこともありますので注意が必要です。

チャタテムシの対策方法は?!

チャタテムシの発生を防ぐ方法

チャタテムシは寒さと乾燥に弱いです。

18℃より低い気温になると活発なチャタテムシの動きは鈍くなり、産卵もしなくなります。

チャタテムシは結露によって窓や壁などに生えたカビを食べるので、カビが発生しない清潔な環境であればチャタテムシが発生するのも防ぐことができます。

そのため、結露防止対策や壁や床に防カビ対策をすることが有効です。

部屋や押し入れ、クローゼットなどを開放し、換気をして風通しを良くしたり、こまめな掃除、畳の下には湿気がたまりやすいので畳を天日干しで除湿、殺菌しましょう。対策方法は以下の通りです。

  • 換気をこまめに行う
  • 結露をこまめに拭きとる
  • サーキュレーターや除湿機を使って除湿する
  • 寝具は天日干しして乾燥させる
  • ホコリや汚れをこまめに除去する

チャタテムシ用の殺虫剤はあるの?!

チャタテムシが発生してしまった場合には、チャタテムシ専用の殺虫剤というのはありませんが、市販の殺虫剤などで比較的簡単に駆除できます。

しかし、卵にはその効果がありません。

また、ダンボールや古新聞、古雑誌などは発生源となることがあるので床に直置きしない、処分することが大事です。使いかけの食材は密閉された容器で保存をするようにしましょう。

チャタテムシは多少の発生では被害は大きくないので対処できると思います。しかし、大発生してしまった場合には害虫駆除業者などのプロに相談するのをおすすめします。

カビ取りのプロより

一見、チャタテムシとカビは無関係なように思えるかも知れませんが、チャタテムシの増殖しやすい環境=湿気やゴミが多くカビの発生しやすい環境と言えます。

特に、窓際の結露には充分注意し、こまめに掃除や換気をおこない湿度管理をしましょう。また、カビが既に発生している場合にはカビ取り業者にご相談ください。

まとめ

湿度を低く保つことで、チャタテムシのエサとなるカビが発生するのを防ぎ、カビをエサとするチャタテムシが発生するのも同時に防ぎましょう。

湿気はタンスや家具の裏や部屋のすみにたまりやすくなるため、湿気が滞留するのを防ぐために換気したり扇風機やサーキュレーターを使用して空気を循環させましょう。

①結露対策

②換気、乾燥

③カビ対策

④こまめな掃除

これらに気を付けながら清潔な状態を維持し、チャタテムシが発生しないようにしたいですね!

<参考文献>

・朝倉邦造『生活害虫の事典』2009年、朝倉書店

・鈴木知之『小さな小さな虫図鑑 よくいる小さい虫はどんな虫?』2017年、偕成社