
久しぶりに本や雑誌を開いたとき、見た目にはカビが見えないのに、嫌なカビ臭さを感じたことはありませんか。
紙類は湿気やホコリの影響を受けやすく、保管環境によってはカビ臭だけが残ることがあります。
ただ、臭いが気になるからといって強い方法で対処すると、紙が波打ったり傷んだりすることもあるため注意が必要です。
この記事では、本や雑誌がカビ臭いときの基本的な対処法、臭いが出る原因、再発を防ぐ保管方法をわかりやすく解説します。
とくに雑誌は紙が薄くデリケートなため、その扱い方もあわせてご紹介します。
| この記事で分かること |
| ・本や雑誌のカビ臭を取る方法 ・カビが見えないのに臭う原因 ・再発を防ぐ正しい保管方法 |
目次
1. 本や雑誌がカビ臭いときに最初にやること

本や雑誌がカビ臭いときは、まず臭いのあるものをほかの紙類と分け、保管環境の湿気やこもりを確認しましょう。
見た目にカビが見えなくても、紙の内部や収納空間に湿気が残っていると、臭いだけが先に出ることがあります。
まずは風通しのよい場所で状態を確認し、湿気がこもっている場合はしっかり乾かします。
この段階で見えるカビが広がっている場合は、臭い対策だけで済ませず、次の総合ガイドを参考にしてください。
■関連記事■本のカビ取り完全ガイド|正しい除去方法・天日干しの可否・再発防止まで解説
保管環境も「カビリスク診断」で確認しておく
本や雑誌にカビ臭が出た時点で、紙そのものだけでなく、“置いている空間”の湿気や換気のクセが影響していることもあります。
再発を防ぐためにも、「カビリスク診断」で住まい全体のカビの出やすさを把握しておくと安心です。
2. 本や雑誌のカビ臭が気になるときの対処法
本や雑誌のカビ臭が気になるときは、状態に合わせて無理のない方法で少しずつ対処することが大切です。
ここでは、比較的取り入れやすい2つの方法をご紹介します。
2-1. 重曹を使う

一つ目は重曹を使ってカビ臭を取る方法です。
本や雑誌を入れたビニール袋に粉末の重曹を入れて、しばらく置いておきます。
臭いの程度に応じて、数時間から数日を目安に様子を見ながら置いておきます。
長時間置く方法なので、屋外ではなく室内で行って問題ありません。
できれば、人の出入りが少ない部屋に分けて置いておくのが望ましいです。

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出典:Amazon
2-2. 無水エタノールを使う

もう一つは、無水エタノールを使う方法です。
乾いた布またはタオルに無水エタノールを含ませ、表面をやさしく拭き取ります。
臭いを少しずつ軽減したい場合は、一冊ずつ丁寧に拭き取っていくのが基本です。
エタノールには「無水エタノール」と「消毒用エタノール」がありますが、紙が薄い雑誌では、水分を含む消毒用エタノールよりも、揮発性の高い無水エタノールのほうが使いやすいことがあります。
一方、書籍は表紙やカバーが比較的丈夫でコーティングされていることもあるため、コーティングされた部分は消毒用エタノール、それ以外の中身の部分は無水エタノールと使い分ける方法もあります。
※エタノールを使う際には、目立たない場所で試して、色落ちがないか確認しましょう。

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3. 本や雑誌がカビ臭くなる原因

本や雑誌がカビ臭くなる背景には、保管環境の湿気やホコリ、通気性の悪さなどが関係しています。
臭いが出ている場合は、目に見えるカビがなくても、保管場所に原因があることが少なくありません。
3-1. 保管場所の通気性が悪い
本や雑誌は、押入れや収納ケースなど通気性の悪い場所に入れたままにすると、臭いがこもりやすくなります。
通気性の悪さ、換気不足はカビ発生の大きな要因です。
押入れなどに入れたままにしておくと雑誌が湿気を吸い、それを通気・乾燥させることなく長期間経ってしまうとカビが生えてしまいます。
また、雑誌を通気性の悪いプラスチックボックスに入れていたり、吸湿性の高いダンボールに入れて保管していることもカビを生えやすくさせています。
3-2. 保管場所の掃除が不十分
ホコリや汚れは、カビの栄養源になりやすいものです。
室内のホコリには多くのカビ胞子が含まれているとされ、掃除を怠ってホコリがたまると、その分だけカビが発生しやすい環境になります。
3-3. 保管場所の湿度が高い
高湿度であることはカビ発生の最大の要因です。
押入れを滅多に開けない、物をぎゅうぎゅうに入れているといった場合は押入れの中の湿度が高くなってしまいます。
カビはこうしたじめじめした場所を好んで発育していきます。
3-4. 紙類そのものがカビの栄養源になっている
紙類はカビの栄養源になりやすく、湿気を含むとさらに臭いやカビが残りやすくなります。
雑誌の紙やインクもカビにとって栄養源になりうるため、湿気を吸った状態が続くと、繁殖しやすい環境になってしまいます。
4. カビが見えないのにカビ臭い理由
目に見えるカビはないのに、なんとなくカビ臭いと感じた経験がある方も多いのではないでしょうか。
とくに、押入れや靴箱など湿気がこもりやすい場所では、見た目より先に臭いが気になることがあります。
カビは胞子が発芽し、成長すると菌糸となって広がっていきます。
目で確認できるのは菌糸が伸びた段階ですが、臭いは胞子の発芽が始まった時点で出ることがあります。
早ければ数日で目に見える状態になることもあるため、カビ臭を感じたら放置せず早めに対処することが大切です
健康への影響が出ることもあるため、「目に見えないから大丈夫」と考えてそのままにしないようにしましょう。
5. 本や雑誌のカビ臭を再発させない保管方法

本や雑誌のカビ臭を繰り返さないためには、臭いを取るだけでなく、保管環境そのものを見直すことが大切です。
ここでは、日頃からできる再発防止のポイントをご紹介します。
5-1. 収納場所の換気・掃除

換気はカビ対策の基本です。
定期的に空気を入れ替え、湿気がこもらないようにしましょう。
サーキュレーターを使って空気を動かすと、より効率的に換気しやすくなります。
あわせて収納場所も掃除し、ホコリや汚れをためないようにしておきましょう。

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5-2. 除湿剤を置く
本や雑誌を収納する空間や、収納箱・段ボールの中に除湿剤を入れておくと、紙が湿気を吸いやすい状態を防ぎやすくなります。
ただし、吸湿性の高い段ボールを長期間そのまま使い続けると湿気がこもりやすくなるため、使う場合は定期的に交換するようにしましょう。

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5-3. 収納場所に物を詰めすぎない
収納スペースに物を詰め込みすぎると通気性が悪くなり、湿度も高くなりやすくなります。
本や雑誌に限らず、収納量は多くても7割程度にとどめ、空気が通る余裕を持たせておくと安心です。
5-4. 収納場所は清潔な状態を保つ

本や雑誌そのものに消毒用エタノールを吹きかけることはおすすめできませんが、収納空間であれば、掃除後の拭き取りや部分的な除菌に使える場合があります。
掃除や換気とあわせて清潔な状態を保つことで、保管環境を整えやすくなります。
■関連記事■本棚に白カビ発生!?本棚のカビ取りと予防法を徹底解説|本に移ったときの対処も紹介
6. 【カビ最新ニュース】文化財の保管現場でも“湿気管理”の重要性が改めて注目
海外の美術館・博物館で、所蔵品にカビ被害が出ていることが報じられ、保存環境の管理が改めて注目されています。
紙や布などの資料は湿気の影響を受けやすく、見た目に異常がなくても、臭いや劣化が先に現れることがあります。
これは家庭で保管している本や雑誌でも同じで、カビ臭が気になり始めた段階で、収納場所の湿気や通気性を見直すことが大切です。
見えるカビがなくても放置せず、早めに乾燥・換気・保管環境の調整を行いましょう。
参考:デンマークの美術館・博物館で新種のカビが所蔵品を損傷|ARTnews JAPAN
7. 本や雑誌のカビ臭に関するQ&A
本や雑誌のカビ臭について、よくある疑問をQ&Aで整理しました。
Q1. カビが見えないのにカビ臭いのはなぜ?
カビは目に見える前の段階でも臭いが出ることがあります。
臭いがした時点で湿気が溜まっているサインなので、早めに隔離して充分に乾燥させましょう。
Q2. 日光に当てればカビ臭は取れる?
紫外線で菌の勢いを弱められることはありますが、完全に取れない場合もあります。
臭いが残るときは重曹を使う方法や、無水エタノールで軽く拭く方法がおすすめです。
Q3. 再発を防ぐ一番のコツは?
「収納場所の換気」と「湿気をためない」ことが一番のポイントです。
詰め込みすぎを避け、除湿剤を置き、定期的に扉を開けて空気を入れ替えるだけでも効果があります。
8. まとめ
今回は、本や雑誌がカビ臭いときの対処法と再発防止についてお伝えしてきました。
まとめると、以下の通りです。
- 本や雑誌がカビ臭いときは、まず他の紙類と分けて保管し、湿気を飛ばすことが大切です。
- 軽い臭いであれば、短時間の陰干し、重曹、無水エタノールなどで改善することがあります。
- カビは目に見えない段階から臭いを放つため、臭いを感じたら早めに対処しましょう。
- 再発を防ぐには、収納空間の換気、掃除、除湿を続けることが重要です。
本や雑誌は紙でできており非常にデリケートです。
一度カビ臭やカビが残ると対処にも手間がかかるため、日ごろから掃除や換気を心がけ、保管環境を整えておきましょう。
なお、臭いだけでなく見えるカビがある場合や、実際の除去手順まで確認したい場合は、次の総合ガイドも参考にしてください。
■関連記事■本のカビ取り完全ガイド|正しい除去方法・天日干しの可否・再発防止まで解説
<参考>
高鳥 浩介 『カビのはなし ミクロな隣人のサイエンス』 2013 朝倉書店
東京都立図書館 https://www.library.metro.tokyo.lg.jp/
文部科学省 『カビ対策マニュアル』



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