カビの生えた洋服は着ても大丈夫?!
クローゼットの奥に収納していた洋服を、模様替えと共に取り出し久々に着てみようと思うと
「あれ?カビが生えてる?!」
何とか、応急処置で軽くカビは除去したものの何だかカビ臭さはとれない...
このままカビの生えた洋服を着ても大丈夫なのだろうか?
という経験がある方も中にはいるのではないでしょうか。例えば、友人の結婚披露宴に呼ばれて当日慌てて出したスーツにカビが生えていたり、急いでそのまま着るしかないこともあるかも知れません。
そこで、今回は「カビの生えた洋服をそのまま着続けて大丈夫なのか」をテーマに解説していきたいと思います。
目次
カビの生えた洋服をそのまま着て大丈夫?
さて、先に結論を言いますと、カビの生えた洋服をそのまま着続けることはおすすめしません。カビが他の衣類に付着して汚染される可能性もありますし、着ることで部屋中にカビをまき散らす恐れもあります。
また、アレルギー体質の方は、健康に影響を及ぼす可能性もあります。
ですので、カビの度合いにもよりますが、クリーニングに出すなどしてできるだけカビをしっかりと除去してから着ることをおすすめします。
もちろん、軽度のカビの場合は着用しても問題ないかも知れませんが、カビ汚染のリスクを考慮すると、時間の許す限りはカビ取りをした上で着用しましょう。表面だけを、布巾などで水拭きしてまたそのまま着続けた結果、カビがさらに広がり衣類が着られなくなってしまうという最悪の事態も起こり得ます。
そこで、次の章ではカビの基礎知識から衣類に生えるカビ対策について解説していきたいと思います。
カビの好む環境
私たちの暮らしの中に存在しているカビの多くは、25℃~30℃、湿度80%以上で栄養源の豊富な場所を好みます。窓際の結露や、水回りの水蒸気などジメジメとした場所を好んで繁殖しますが、中には乾燥した場所でも発育できる好乾カビというカビもいます。このようなカビは湿度が50%以下の環境でも増えることができますので、比較的乾燥しているクローゼットの中や衣装ダンスの中などでも発生することがあります。
また、暮らしのいたるところにカビの原因は潜んでいます。例えば、洗濯機の中のカビが洗濯時に衣類に付着したり、エアコン内のカビがエアコンの風と共に空気中を舞い、衣類に付着し繁殖するということもあります。
その他、衣類の食べかすや皮脂などを栄養源として、カビが増殖したり、クローゼット内の結露が原因でクローゼットで増殖したカビが洋服にもうつるというケースもあります。漏水や水害、加湿器の水気を原因とする場合もありますし、掃除や換気不足でカビ発生する場合もあります。
いざ着る時になって「カビが生えてる!」ということにならないためにも、クローゼット内は定期的に換気、掃除を行い、出番の少ない衣類でもこまめに洗濯・クリーニングで清潔にすることが大切です。
洋服のカビは洗濯で落ちるの?
では、衣類にカビが生えてしまった場合、洗濯機で洗えばカビは落ちるのでしょうか。
確かに表面に見えるカビは洗うことで部分的に落とすことができるかも知れません。しかし、カビが目視できる部分は大量に発生している場所であって、他の部分にカビが生えていないわけではありません。
また、水気を与えることでかえってカビが増殖しやすくなることもあります。そこで、洗濯をする前にカビ取りを行いカビを殺菌することをおすすめします。
洋服のカビを除去する方法
では、洋服を洗う前にできる洋服のカビを落とす方法をいくつか紹介します。カビの程度によりますが、洗濯前・後にひと手間加えることでカビを除去し再発を防ぎます。衣類の種類によっては、実行できない方法もありますので、洗濯表示を参考に行ってください。
①消毒用アルコールを使用する
70~80%濃度の消毒用アルコールをカビの見える部分を中心に吹きかけていきます。その後、洗濯をしましょう。上着のように洗濯ができない衣類の場合は、そのまま布巾で軽く拭きとって、干してカビ取り完了です。
ただし、革製品の場合は消毒用アルコールで変色する恐れがありますので、使用しないように注意してください。また、黒カビなどカビの色素が沈着している場合は消毒用アルコールで脱色することができません。
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②酸素系漂白剤を使用する
衣類に生えたカビは、軽度であれば酸素系漂白剤で落とすことができます。漂白力の高いオキシクリーンのような顆粒タイプの漂白剤を使用しましょう。
方法は、40~50℃のお湯をバケツに入れ、酸素系漂白剤を加えます。その後衣類を1時間ほど漬けて洗濯するという方法です。
もしくは、少量の湯に酸素系漂白剤を加えて「染み抜き液」を作り、カビ部分に塗布し5~10分後に洗濯するという方法もあります。
(薄める割合は、オキシクリーンの場合お湯80mlに対してキャップ1/8杯分ですが、ラベル表示を参考に薄めましょう
)
酸素系漂白剤は、ウールやシルクでは使用できないため、カビ取り前には必ず洗濯表示を確認するようにしましょう。また、長時間置きすぎると生地を傷めてしまうことがあります。放置時間はきちんと守りましょう。
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③重曹を使用する
弱アルカリ性の重曹を使って、やさしくカビ取りする方法です。軽度のカビであれば洗濯前に重曹を加えてそのまま洗濯すると除去することができます。注意点としては、重曹を付けたまま生地をゴシゴシとこすらないようにすることです。傷む原因となります。
また、軽度のカビであれば水100mlに対して重曹5gを混ぜて作る「重曹水」をカビ部分に吹きかけた後、洗濯をしてカビ除去をするという方法もあります。重曹水は床のお掃除や、壁のカビ取りなどにも使えますので、定期的に作っておくと非常に便利です。
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④コインランドリーを使用する
コインランドリーの乾燥機で乾燥可能な衣類の場合は、コインランドリーを使って高温殺菌する方法もあります。カビが生えていなくても、カビ臭い衣類の消臭にもおすすめです。
カビは50℃以上30分以上の加熱で死滅すると言われています。そのため、業務用の乾燥機を使うことで衣類のカビをしっかりと高温殺菌していく方法です。
ただし、ウールなどは縮んでしまいますので、乾燥可能かどうかしっかりとチェックしてから使用するようにしましょう。
⑤日光にしっかりと当てる
日光による紫外線消毒×乾燥で、カビを除去する方法です。天気の良い日に実行しましょう。洗濯した後にお日様に当ててしっかりと乾燥させます。
例えば、お天気が良ければ「今日今すぐにこの洋服を着ていかなければならない!」というときなど30分ほど干すだけでも、カビ臭さは軽減します。冠婚葬祭の時など急に必要となった衣類のカビ取りをする際には手軽な方法です。
消毒用アルコールでカビ除菌をした後に日光消毒をするという合わせ技もおすすめです。ただし、日光に当てすぎると衣類も変色しますので、長時間当てないように注意しましょう。
⑥クリーニングに持っていく
時間に余裕のある場合は、クリーニング店に持っていきプロにしっかりとカビを除去してもらいましょう。時間がない場合は、衣類にも使えるカビ取り剤などもありますので、予め用意しておくのもおすすめです。
■関連記事■カビの生えた服をクリーニングに出す際にチェックすべきこと
また、カビの生えた洋服が1着以上ある場合は「ガス滅菌」を用いたカビ取り方法もあります。まとめて大量の衣類をカビ取りしたい場合などに活用されています。
着物など高価な衣類のカビ取りなどに活用されています。
洋服のカビを予防する方法
カビは全てを目視できるわけではないので、衣類に生えたカビを完全に取るのはとても難しいです。そのため、できるだけ日ごろからカビを防ぐように準備しておく必要があります。例えば以下のことです。
- クローゼットやタンスは定期的に換気をする
- クローゼットやタンス内に除湿剤を置く
- クローゼット内も消毒用アルコールで定期的に除菌する
- 汚れの付着した衣類は収納しない
- 洗濯機のカビ取りをする
- クリーニングのビニール袋に入ったまま保管しない
- シーズンオフの衣類は定期的に日光(もしくは日陰)で乾燥させる
- 湿気の多い部屋には除湿機を設置する
- お部屋全体の換気をこまめに行う
- ホコリを溜めない
洋服のカビとは一見関係ないように見えるようなことでも、カビ発生と密接に関わっています。特にカビを防ぐポイントは「通気性」と「清潔」です。
衣類はどうしても風通しの悪い場所で保管するため、ホコリなどカビの栄養源となるものが溜まりやすくなります。
また衣類自体が栄養源となりますのでこまめに洗ったり、清潔にしていないとカビが発生しやすくなってしまいます。
まずはクローゼットの換気や除湿剤を置くという簡単なことでも良いので、できることから始めてみましょう。
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まとめ
洋服にカビが生えた場合、そのまま着ることは基本的におすすめしません。クリーニングに出す時間がない場合でも、消毒用アルコールを吹きかけて、少しでも日光で乾燥させるなど応急処置をしてから着用するようにしましょう。
また、洗濯をする場合にも注意が必要です。そのまま濡らすとかえってカビの原因となる場合がありますので、酸素系漂白剤や重曹を用いてカビ取りをしてから、洗濯をするようにしましょう。
衣類のカビは生えてしまうと厄介なので、予防することが重要です。換気や掃除などこまめなお手入れで、大切な衣類のカビを防いで長く使えるようにしましょう。