カビのお悩み解決コラム

クリームチーズにカビが!ピンク色のカビの正体・毒性・正しい保管方法とおすすめ活用レシピ

#カビ#クリームチーズ#食品
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監修者穂苅 英樹

編集長(ハーツリッチ株式会社 代表取締役)

「クリームチーズを使おうと思ったらピンク色のカビが生えていた!」という経験はありませんか?
実はクリームチーズは、水分や栄養が豊富であるため、非常にカビが生えやすい食品のひとつなのです。
ピンク色のカビは一見かわいらしく見えますが、食べて良いのか迷う方も多いですよね。

この記事では、クリームチーズに生えるカビの正体や毒性、カビを防ぐための正しい保管方法を詳しく解説します。
また、クリームチーズを使ったおすすめレシピもご紹介!

食材を無駄にしないためにも、ぜひ最後までお読みくださいね。

この記事で分かること
・クリームチーズにカビが生える原因
・カビが生えたクリームチーズの対処法
・クリームチーズの正しい保存方法
・クリームチーズを使ったおすすめレシピ
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1. クリームチーズにカビが生える原因とは?

カビは一般的に空気があって水分の存在する、温かな場所、大体20~25℃という環境が大好きという特徴があります。

この特性を利用して、日本では、古来より、みそ、しょうゆ、酒、焼酎など、多くの醸造食品にコウジカビなどを巧みに利用してきました。

同じチーズだと、ヨーロッパでは、ブリーチーズやカマンベールチーズなどの白カビチーズ、ブルーチーズなど青カビチーズ、と、カビを使って製造・熟成に利用し、その働きによりおいしく、独特の風味や旨みが増すチーズを作ってきています。

その一方、カビは飲み物や食べ物、家畜の飼料などに繁殖し、腐敗や劣化させたり、毒性のある物質を作り出したり、と有害な作用を与える場合があります。


2. クリームチーズに生えたピンク色のカビの正体は?!

クリームチーズのピンク色のカビはどんなものなのでしょうか?

このピンク色のカビは一般的に赤カビと呼ばれ、赤色酵母という菌が付着し、増殖してしまったものだと考えられます。赤色酵母は、家庭内のいたるところに存在していて、冷蔵庫内も例外ではありません。栄養豊富なクリームチーズが空気などに触れることで、菌が付着し、発生しやすくなるのです。

赤色酵母は健康に害を及ぼすことはまれですが、免疫力が低下している場合などに感染症を引き起こした事例が知られています。

また、赤色酵母が目に見えて繁殖しているということは、ほかの悪性の菌も好む状況であるといえます。

さらに、恐ろしいことに、赤カビの中にはマイコトキシンという、人体に被害をもたらすカビ毒を産生するものである可能性があるものが存在しています。


3. ピンク色のカビには毒性はあるの?食べられるの?

残念ながら食べることはおすすめできません。

赤カビが赤色酵母であった場合も食べることは避けたほうがよいですが、マイコトキシンを産生するものだった場合、汚染された食べ物を食べると嘔吐や下痢などの食中毒症状や免疫低下を引き起こす可能性や発がん性があるものも存在します。そのため、特に注意が必要です。

調理により、食べられるようになるか、というと、一般的にマイコトキシンは熱に強いものが多く、水でゆでる、油で炒める、炊飯するというような一般的な調理方法ではほとんど分解されないことも分かっています。

ちなみに、カビは生えている部分を取り除くだけでは不十分。カビは見えないところまで侵食してしまっています。そのため、赤カビが生えてしまったら、食べることは考えず、もったいないですが、速やかに捨てるようにしましょう。置いてあった場所はきちんと汚れをふき取ったのち、アルコール消毒することをオススメします。

出典:Amazon

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4. クリームチーズの保存方法、保存期間は?

クリームチーズはフレッシュチーズ。つまり生である上、クリームチーズは塩分が少ないチーズです。理想的なのは1回で食べきれる量を買うことですが、すでにパッケージングされて売られていることが多いですし、そうもいかないもの。

クリームチーズは栄養が豊富なうえ水分も多いため、菌にとっても絶好の増殖する環境です。空気中に浮遊している菌などがついてしまうと、冷蔵保存していても劣化が早まる場合があります。

開封したら、きれいな調理器具で切ったりすくったりするのはもちろん、使用後は空気に直接触れないよう、きちんとラップで被い、速やかに冷蔵庫、あれば野菜室に入れて保存し、2〜3日で食べ切ってしまいましょう。イメージとしては、魚など足のはやい生鮮食品と同じ感覚で食べ終えることが理想です。

保存するときには、湿気や水濡れにも注意が必要です。前にご説明したとおり、カビは水分がある環境を好むもの。水分がつくとその分、生えやすくなります。

カビが生えたようには見えないものの、変色してしまっている場合も、賞味期限内でも食べることは諦めましょう。


5. クリームチーズちょびちょびおかずで消費レシピ!

そんな悲しいことになる前に!クリームチーズはチーズケーキなどのお菓子だけではなく、おかず作りにも優秀な食材です。

今回は、3点、ご紹介したいと思います。

「トマトの酸味とクリームチーズのまろやかさがマッチ!エビときのこのトマトクリームチーズパスタ」

《材料》(2人分)

  • むきエビ 100g
  • しめじ 1/2パック
  • まいたけ 1/2パック
  • にんにく 1/2かけ
  • クリームチーズ 50g
  • トマト水煮缶 200g
  • スパゲティ 150g
  • パセリのみじん切り 少々
  • オリーブ油 大さじ1
  • 塩・こしょう 各少々

《作り方》

1)しめじは石突きをとり、ほぐす。まいたけは食べやすい大きさにさく。にんにくはみじん切りにする。トマト缶は泡立て器などで潰しておく。スパゲティは表示通り茹でる。(茹で汁をおたま2杯分程度残しておく)

2)フライパンににんにくとオリーブ油を入れて熱し、香りが立ってきたら、しめじ、まいたけを加えて炒める。

3)きのこがしんなりとしたら、エビを加え、色が変わったら、トマト缶を加え、2〜3分煮込み、茹で汁を加えて、とろりとするまで煮詰め、クリームチーズを加えてなじませる。

4)塩・こしょうで味を調え、スパゲティを加えてあわせる。

5)器に盛り付け、パセリを振る。

切って和えるだけの簡単レシピ!クリームチーズとサーモン、アボカドの塩麹和え

《材料》(2人分)

  • クリームチーズ 80g
  • サーモン(さく) 80g
  • アボカド 1/2個
  • 塩麹 大さじ1

《作り方》

1)クリームチーズ、サーモン、アボカドを1cm角に切る

2)1)をあわせ、塩麹で和える。

カットして和えるだけの、火を使わない簡単クリームチーズレシピです。暑い時期やおつまみなどにも良さそうですね!

クリームチーズでより濃厚な味わいにほうれん草のクリームチーズ白和え

《材料》(2人分)

  • ほうれん草 100g
  • クリームチーズ 50g
  • すりごま 大さじ1
  • しょうゆ 小さじ1/2
  • 砂糖 小さじ1
  • だし汁 大さじ1

《作り方》

1)クリームチーズを室温に戻す。ほうれん草は茹でて水にとり、3〜4cm長さに切って、水気を絞り、しょうゆ小さじ1(分量外)をなじませ、再び水気を絞る。

2)クリームチーズ、すりごま、しょうゆ、砂糖、だし汁をあわせてよく混ぜ、1)を和える。

ほうれん草のおひたしにコクが合わさった、濃厚和えです。すりごまの代わりにクルミを入れたり、大人味にはペッパーを多めに入れたりなどアレンジできそうですね。

クリームチーズは、開封後すぐに食べることを意識し、今回ご紹介したようなお手軽レシピを活用してカビが生える前に使い切りましょう!


6. 【カビ最新ニュース】原因究明が進み、微生物由来の“見えない成分”に注目が集まる


消費者庁の資料によると、健康被害が多く報告された製品の原料ロットから、プベルル酸に加えて別の化合物も確認されたことが明らかになりました。
また工場内の青カビ(Penicillium)が培養段階で混入し、コメを栄養源としてプベルル酸を産生した可能性などが示されています。
さらに、プベルルについては腎臓への障害が確認された一方、ほかの化合物については引き続き調査を続ける必要があるとされています。

この事例はサプリの話ですが「見た目やにおいだけで安全性を言い切れない」「微生物由来の成分が問題になり得る」という点は、冷蔵庫で扱う食品でも教訓になります。
水分と栄養が多いクリームチーズは変化が早いので、ピンク色の変色や違和感のあるにおいが出たら、無理に使い切ろうとせず廃棄することが安全です。

参考:消費者庁|プベルル酸に関する調査状況の進捗について


7. クリームチーズのカビに関するQ&A


クリームチーズは「冷蔵していれば大丈夫」と思われがちですが、開封後は劣化が早く、判断に迷いやすい食品です。よくある疑問を短く整理します。


Q1. ピンク色はカビ?それとも別の汚れ?


ピンク色は酵母や細菌など“微生物由来の変色”のこともあり、見た目だけで安全性は判断できません。
色の変化が出た時点で、基本は食べないが安全です。


Q2. 表面だけ削れば食べられる?


おすすめできません。
クリームチーズはやわらかく、水分も多いため、表面の一部に見えていても内部まで影響している可能性があります。迷ったら廃棄が無難です。


Q3. 開封後にカビを防ぐ保存のコツは?


清潔な器具で取り分け、残りはラップで密着させて空気に触れにくくし、冷蔵で早めに使い切るのが基本です。
水滴がつく環境や、開け閉めが多い場所での保管は劣化を早めるので避けると安心です。


8. まとめ

クリームチーズにカビが生えてしまった場合、生えた部分のみならず、かたまり全てを食べることはできません

まずはそうなってしまう前に、クリームチーズは生ものであるということを意識し、カビが生えることがないよう、開封したらラップできちんと空気を遮断し密閉して冷蔵庫で保存し、2〜3日で使い切りましょう。

紹介したレシピ以外にも、味噌と合わせて和風のパスタにしたり、柿やイチジクと一緒に生ハム包みにする洋風で使うのはもちろん、ちょっと変わり種では梅干しと鰹節を混ぜたごはんに加えておにぎりにしてもとてもおいしいですよ。日々のちょっとしたおかずに取り入れて使い切ってしまいましょう。ぜひやってみてくださいね!

参考資料:総合調理科学事典、東京都福祉保健局健康安全研究センター食品衛生の窓、厚生労働省食品のカビ毒に関する情報

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