野菜に生えたカビは食べても大丈夫?!
冷蔵庫に眠っていた野菜を食べようとした時に、何だか綿のようなカビが生えていることに
気づいたことはありませんか?
常温で長期保存できる玉ねぎなども、箱買いして、いざ使おうとした時にカビが生えているということもあります。たまねぎの場合は皮を剥いて食べれば問題ないですが、野菜によっては皮が薄く、カビ部分を取り除くともう食べる部分がないものもあります。
カビは無害なものもあるけれど、果たして本当に安全と言い切れるのでしょうか?
ここでは、野菜に生えるカビの種類や害について解説していきたいと思います。
目次
野菜に生えるカビの種類
一般的に、カビは湿度と気温が高く、気温20~30℃、湿度60%以上の環境で水と栄養源がある環境を好みます。
日本の風土は湿気が多く、カビの発育に適した気候です。私たちの暮らしのいたるところに色んな種類のカビが生息しています。
我々の身の回りで見られるカビの代表的なものは
クロカビ:浴室や浴槽などに生えるアレルギーの原因にも
コウジカビ:カビ毒の一種アフラトキシンを産生するものも。
ススカビ:湿気を好むカビで、エアコン内部や浴室などでよく見られる
アオカビ:押入れなどに生える。カビ毒を産生する
ケカビ:長時間低温保存した食品にも取り付く
アズキイロカビ:乾燥に強いカビで糖度の高い食品を好む
などがありますが、その中でも食品に生えやすいカビは
- コウジカビ
- アオカビ
- ケカビ
- アズキイロカビ
などです。
ケカビにように、低温でも発生するカビもあるので冷蔵庫で保存していても完全には安心できません。
カビの有効活用
カビは全てが悪いわけではありません。カビ毒など人体にとって有毒なものもありますが、私たちに利益をもたらすカビもあります。
例えば、日本には味噌や日本酒、醤油、かつお節などカビによって生み出される発酵食品もあります。
日本酒の製造過程において、麹カビはお米のでんぷんを分解して糖に変えます。その後、酵母によって糖がアルコール発酵することによって酒ができます。
同じように、味噌や醤油などもカビの働きによって製造されています。
カビの産生するペニシリンによって抗生物質も活用されています。私たちにとって美味しい食品をもたらしてくれるものでもあります。
カビ自体が有害というのではなく、無害なものから有益なものもあり、中には人間にとって有害なものもあるということです。
野菜に生えたカビは加熱すれば大丈夫?
では、野菜に生えたカビが産生したカビ毒は加熱すれば無毒化できるのでしょうか?
農林水産省のHPでもありますが
カビ自体は加熱により死滅しますが、産生されたカビ毒は熱に比較的強くないため、調理をしても除去できないことがあります。つまり、一度発生して産生されたカビ毒は加熱調理で無毒化することは難しいため、カビが生えた野菜は食べない方が良いでしょう。
(出典:農林水産省)
また、カビは目視できる部分以外にも発生していることがあります。もったいないですが、肉眼で有害なカビかそうでないかは見分けるのが難しいため、身体のことを考えるとカビの生えた野菜は処分することをおすすめします。
食品安全委員会のHPによりますと、カビ毒は食品以外にも家畜の飼料などから知らない間に摂取していることがあるようです。流通や保管の仕組みが重要ということです。
(出典:食品安全委員会)
野菜のカビを防ぐために
野菜のカビは、生えてしまったら肉眼では有害なのか無害なのか分からず、また一見カビの生えていないように見える部分にもカビが生えているため、一番大切なことは「野菜のカビを発生させないような保管方法」を行うことです。
①傷の生えている野菜やカビの生えている野菜を購入しない
特に、袋に入っている野菜は隠れている部分に傷があるものもあります。見える範囲でチェックして購入するようにしましょう。
②常温保存の場合は通気性の良い場所で
ジャガイモや玉ねぎなど、常温保管のできる野菜類は箱のまま置いておくこともあるかも知れません。しかし湿気の多い場所に置いていると、カビがみるみるうちに発生する恐れがあります。
通気性の良い場所に保管し、箱の下には「すのこ」を敷くなどして湿気を防ぎましょう。
③冷蔵庫を清潔に
低温でも増殖できるカビもいますので、冷蔵庫に入れておけば安心というわけではありません。冷蔵庫は定期的にお掃除し、汚れを取り除くようにしましょう。特に冷蔵庫内に水気を残さないように、こまめに拭きとりましょう。また長期保管はせず、なるべく早めに使い切るようにしましょう。
冷蔵庫の開け閉めしすぎも、温度が上がり雑菌が発生する原因となりますので注意しましょう。
冷蔵庫のお掃除・除菌方法として消毒用アルコールを吹きかけるのもおすすめです。
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④カットした野菜は特に注意
特に、半分にカットされた野菜を購入した際はその断面の水分や栄養源を利用してカビが発生することがあります。早めに消費するようにしましょう。
また、保管方法だけでなく、野菜を育てている時点でカビが発生していることもあります。購入する際はカビや傷みがないことしっかりと確認しましょう。
まとめ
今回の記事では「野菜に生えたカビは食べても大丈夫か」について解説していきましたが、結論としては
「有害か肉眼で判断ができないため、できれば食べない方が良い」です。
しかし、勿体ない精神からいくと食品を処分することは非常に心が痛むものですので、一番大切なのはカビを生やさないこと。また、購入する際にもカビが発生していないかしっかりとチェックしてカビの生えた野菜を買わないことが大切です。
日本は湿気が多く、カビにとっては好条件の気候です。近年の気候変動によって今後ますます高温多湿になると予想されていますので
- 野菜に傷をつけない
- 冷蔵庫の温度管理に注意
- 常温保管の場合は、通気性の良い場所へ
- 長期間保管せず早めに食べきる
食品ロスを防ぐためにも、カビの生えない新鮮なうちに消費するようにし、風通しの良い場所で保管するようにしましょう。
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