冷蔵庫に生えるカビの原因と取り方

冷蔵庫の中にカビのようなものがついているけれどこれってなに?

冷蔵庫の中は1~9℃程度。野菜室でも3~8℃程度。カビって温度がそこそこ高くて、湿気の多い場所に生えるものじゃないの?と困惑した経験はありませんか?

実は、目には見えないですが、菌とは空気中どこにでも存在しているもの。ちょっとしたことで増殖し、姿を現します。

冷蔵庫内も例外ではありません。それでは、冷蔵庫内にカビが生えてしまったら、どうしたらよいのでしょうか?

なぜ冷蔵庫にカビが生えてしまうのか

先に述べた通り、冷蔵庫とは本来1~9℃程度、野菜室は3~8℃、チルド室に至っては0~2℃と低温に保たれているため、カビは生えづらい場所になっています。

しかし、家庭の冷蔵庫は開け閉めの回数がどうしても多くなってしまうもの。冷蔵庫内の温度が上がる機会が多いのです。

また、季節によっては、室内と冷蔵庫の温度差が大きくなり、冷えている冷蔵庫内が結露しやすくなります。これもカビが生える原因になってしまいます。

冷蔵庫にカビが生える原因3つ

まず第1の原因、多くの場合は食品から出てしまった汚れです。

冷蔵庫には様々な食品による汚れがあります。例えば、調味料がこぼれてしまっていたものを見逃していた、肉や魚のトレーから水分が漏れてしまった、野菜が目には見えないものの痛んでいて汁が出てきてしまう、食品くずがこぼれてしまっている、などがあります。

冷蔵庫は低温だから閉じている間は大丈夫、と思いがちですが、この汚れを放置すると、カビにとっては栄養豊富で快適な場所になってしまい、増殖してしまいます。

第2の原因は湿度・水分です。

冷蔵庫の中は温度こそ低いものの、風通しが悪いため、湿度が高くなりがち。水分がたまりやすく、これが第1の原因と相まってカビの温床になってしまいます。

第3の原因は冷蔵庫の開け閉めです。

冷蔵庫の開け閉めの回数が多い、また、開けている時間が長い、などが原因で庫内の温度が上昇してしまいます。通常閉まっているときならばカビが繁殖しにくい温度帯を保っていますが、何度も開け閉めしたり、開けっぱなしにしてしまうと温度を保つことが難しくなってしまいます。

このほかにも、熱いものを冷める前に入れてしまって、温度が上昇してしまう上、結露も呼ぶ。また、野菜の根についている土にはカビがすでに含まれている場合があり、それが冷蔵庫で増殖してしまう。といったことも。

主にこれらの原因により、カビは冷蔵庫内に入り込み、定着して増殖してしまいます。

冷蔵庫のカビ対策

では、具体的にどうしたらよいのでしょうか?

カビが生える環境を作らないこと

まずは第1の原因について。食材を購入してきたら、肉や魚はパックのまま保存するのではなく、キッチンペーパーなどで水分や汚れを拭きとってから、密閉容器に入れて保存しましょう。

それが難しいようなら、汁が出てしまわないように食品ごとポリ袋に入れて、ほかの食品と接触しないようにします。調味料は小さ目なトレーなどに乗せてから冷蔵庫に入れて保存すると、その部分だけこまめに洗うことができるので便利です。

野菜についた土などはカビを呼び込むもの。冷蔵庫内に落ちて汚れないように気を付けましょう。野菜はきれいに土を落としてから、種類ごと別々に紙袋に入れて野菜室に入れると衛生的です。もちろん、紙袋が汚れたら取り換えねばなりません。

次に第2の原因については、市販されている冷蔵庫内の湿気取りを利用したり、水だまりが出来てしまったらすぐにふき取る、などの対処をしましょう。水分を拭きとった後、アルコール消毒をするとなおよいですね。

第3の原因についての対処は、単純に用がないときはなんとなく、という感覚で冷蔵庫を頻繁に開けないこと。

また、開ける時間を少なくするために、冷蔵庫の中は見通しが良いように整理整頓することや、何を取り出したいのか考えてから開けることなどが効果的です。開けてから、何を出そうかな、と考えていると時間はどんどん経ってしまいます。あれとこれとそれを取り出す、と用のあるものをリストアップして、明確にしてから冷蔵庫の扉に手をかけましょう。

冷蔵庫にカビが生えてしまった場合の対処法は?

1.まず、中の食品をクーラーボックスなどに一時避難させて空にし、冷蔵庫のスイッチを切ります。

2.トレーなどのパーツを取り外し、冷蔵庫内の汚れを拭きとります。

3.次に窓や扉を開け、換気扇を回すなどして換気をします。2か所以上開放して、換気の効果を上げることが大切です。

4.塩素系漂白剤を薄めたものをキッチンペーパーで浸し、冷蔵庫内に貼り付け、ラップで覆って、1時間ほど置きます。

5.その後、キッチンペーパーをはがし、水拭きを何度か繰り返して塩素を取り除き、冷蔵庫を開けっぱなしにしてしっかりと乾燥させます。

6.その間に外したトレーなどは、台所用洗剤できれいに洗い、乾かして、塩素系漂白剤を薄めたものに30分ほど漬け、きちんと水で洗い流し、しっかりと乾燥させます。

なお、外せない部分のゴムパッキンは5倍に薄めた塩素系漂白剤を綿棒にしみこませて塗り、しばらく置いて水拭きします。

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カビ取り業者のハーツクリーンが開発したカビ取り剤のカビ取りマイスターは、実際に業者が使用している液剤を誰でも使えるように改良した商品です。

そのため自宅でプロレベルのカビ取りができますし、危険な成分は含まれていないため、冷蔵庫だけでなく壁や家具、クローゼットなどのカビ取りにも使用できます。

普段からしておきたい冷蔵庫内の掃除&除菌!

カビが生えてからではなく、日常的に除菌しておくと、カビの発生を抑え、より衛生的です。

まず大切なのは、汚れたらすぐにふき取ること。

冷蔵庫内の汚れは、油を含んでいるものも多く、冷気で固まってしまいます。そうなってしまう前に水拭きしましょう。落ちにくいときは、台所用洗剤を薄めたものでふき取り、洗剤が残らないようにしっかりと水拭きします。その後、アルコール消毒スプレーを布巾に吹きかけ、一面ずつまんべんなく内部を拭きます。

製氷機はこまめに掃除を

自動の製氷機がある冷蔵庫はここが一番カビが繁殖しやすい場所です。製氷機の給水タンクは週に1回、そのほかトレーなどの外せるパーツやドアの棚なども3か月に1回を目安に台所用洗剤を使って、丸洗いします。

ドアの外も忘れず、汚れを拭きとったのち、アルコール消毒スプレーを布巾に吹きかけて拭きましょう。

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まとめ

ここまでいろいろと冷蔵庫のカビ対策についてご説明してきましたが、まず第一に、カビが生えてこない環境を作ることが大切です。

  • 冷蔵庫の開け閉めは短い時間にする。
  • 冷蔵庫を開けっぱなしにしない。
  • 熱いものはそのままではなく、冷ましてから入れる。
  • 汚れに気づいたらすぐに拭き取り、アルコール消毒をする。
  • 日常的にアルコール消毒をする。
  • 冷蔵庫に入れているものをこまめにチェックし、入れっぱなしにしない。

それでも食品にカビが生えてしまったら、

  • カビの生えた食品はすぐに取り出して廃棄し、汚れを拭きとって、置いてあった場所をアルコール消毒する。

冷蔵庫にカビが生えてしまったら、

  • カビや汚れをしっかりふき取り、塩素系漂白剤を薄めたもので除菌する。

いかがでしたか?ちょっとした毎日の習慣や心がけで、冷蔵庫の衛生は保つことができます。カビにおびえることなく、すっきりきれいで気持ちの良いキッチンライフを送りましょう。

※冷蔵庫によっては、アルコールや塩素系漂白剤などの使用ができないものもあります。冷蔵庫の説明書をよく読んで確認してください。

参考資料:パナソニックホームページ