カビの生えたオレンジは食べても大丈夫?!

スーパーで売っている美味しそうな輸入オレンジを購入し、そのままテーブルに置いていたら緑のカビが!

少しだけだったら食べて大丈夫と聞くけど、本当にオレンジのカビを食べても大丈夫なのでしょうか。

そこで、オレンジに生えるカビの種類やその特徴についてご紹介していきたいと思います。

オレンジに生えたカビは食べても大丈夫?!

オレンジにカビが生えてしまっても食べて大丈夫なのでしょうか。皮に生えているのであれば皮を剥けば食べても良いのでしょうか?

結論から言いますと、カビが生えてしまったオレンジは食べないことをおススメします。

農林水産省のHPにも

もしも食べ物にかびが生えてしまったら、「もったいない」と思っても食べずに、思い切って捨てましょう

このように記載されています。

一部分だけを切り取ってもダメ?!

カビは目で見えている部分以外にも発生している可能性があるため、実際に生えている部分だけを切り取ったとしても、すでにカビが大量に発生している可能性があります。

また、顕微鏡で確認しないと正しいカビの種類の判別が難しいため、目視で「青だから大丈夫」「白だから大丈夫」とは断定できません。どのカビが有毒で無毒なのかの判定が難しいため、カビが生えてしまった場合には処分されることをおススメします。

内閣府が所管している「食品安全委員会」のサイト資料でも

カビは食べ物の味や匂いを変えて品質を劣化させたり、腐敗の原因にもなります。

と記載があります。発酵食品として利用されたり有用なカビもいますが、腐敗や品質の劣化の原因となることもあるのです。

また、カビの中には”マイコトキシン”をはじめとするカビ毒を産生するものもあり、このカビ毒は加熱をしても分解しにくいという性質もあるため、カビの生えたオレンジは食べない方が無難と言えるでしょう。

家ではごくごく小さいカビ部分だけを切り取り、食べるということもあるかも知れませんが、健康のことを考えるとカビペディア編集部ではおススメしません。

オレンジにカビが生えた原因

ではなぜオレンジにカビが生えてしまったのでしょうか。

まず、カビの好む生息条件として「湿気」「酸素」「栄養素」の揃った環境が挙げられます。カビはオレンジの栄養素をそのまま栄養源として繁殖するため、カビが生えてしまったと考えられます。

通気性が悪かったり、湿気の多い場所で保管していた場合、オレンジにカビが生えてしまうことがあります。例えば...

  • 箱のまま保管していた
  • かごに汚れが付着したまま保管していた
  • 保管場所がジメジメしていた
  • 水回りなど湿気の多い場所で保管していた
  • 一緒に保管していた食材のカビがうつってしまった
  • 梅雨時期などそもそも湿度の高い時期だった

これらの理由が考えられます。オレンジにカビが生えてしまった場合はこれらの原因を分析して、再発しないように工夫をしましょう

オレンジに生えるカビの種類は?!

オレンジに生えるカビの種類はいくつかあります。その中でも代表的なものとしてペニシリウム属のカビやアスペルギルス属のカビなどがあります。色は緑色のカビや白色のカビなどがあります。

カビは胞子を飛ばして繁殖しようとするので、すでにカビが生えているオレンジの周りには多数のカビ胞子が飛んでいると思ってください。その為、ほかの食品への影響が出る前に早めに処分することをおススメします。

そもそも輸入オレンジには防カビ剤が使用されているが...

また、輸入オレンジの場合にはそもそも輸出される段階で「防カビ剤」が塗布されています。

(参考:厚生労働省 防カビ剤 )

これは船便などで長期間、運搬される過程でカビが発生するのを防ぐためです。

どんな防カビ剤が使用されているのか

防カビ剤は

  • OPP(オルトフェニルフェノール)
  • TBZ(チアベンダゾール)
  • イマザリル

などが使用されていて、単独ではなく複数の防カビ剤が輸入オレンジに使用されています。

これは、それぞれの防カビ剤が白カビに強いものだったり、青カビに強いものだったり、効果のあるカビが違うからです。

防カビ剤はどのように塗布されている?

ちなみに、日本では防カビ剤を「食品添加物」として使用しています。しかし、一般的な食品添加物のように中に混入するという使用方法で使っているわけではありません。湿らせて間接に付着させる”浸潤”という方法で使用しています。

この法律で添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によつて使用する物をいう。

(参考:厚生労働省 食品衛生法第4条2項 より)

その理由として、日本では「ポストハーベスト農薬」が禁止されています。つまり、収穫したあとに農薬を塗布することを禁止しているため、農薬といった扱いではなく食品添加物といった扱いなのです。

(参考:厚生労働省 残留農薬について

防カビ剤は実際は、農薬ですが、日本の法律上ポストハーベストは使用できないため、紙や水などに防カビ剤を浸潤・希釈させ散布させたりオレンジを滑らせる形で間接的に塗布しています。

防カビ剤の安全性

防カビ剤はほかの食品添加物と比較して、人体への危険性も懸念されているものの1つです。ですので、希釈したり間接的に塗布することとなっているのですが、厚生労働省の規格基準で使用量や使用方法が定められています。

食品安全委員会の資料にも安全性を確認して使用と記載されています)

オレンジのほかにも、ほかの輸入かんきつ類、バナナなどのカビ防止として役立っています。

少し話はそれましたが、つまり何をお伝えしたいかと言いますと、防カビ剤の安全性の懸念よりもカビ毒の方がよほどリスクが高いと推測されるので気を付けるべきだということです。

このように、輸入時に防カビ剤が塗布されても湿気や保管環境、季節によってカビが発生してしまうこともあります。その為、カビが発生してしまった場合心苦しいですが、処分された方が良いでしょう。

オレンジにカビが生えないようにする方法

さて、これからはオレンジを無駄にしないためにもオレンジのカビを防ぐ方法をまとめてみたいと思います。

①保存用の容器を清潔に

果物用のカゴにオレンジを入れて保管していた場合、この容器にカビが生えていた可能性があります。

こまめに容器を洗い、乾燥させましょう。

②室内の湿気に注意

水回りのように、湿気が多い場所で保管している場合も注意が必要です。キッチンまわりにオレンジをそのまま保管している場合、湿気でカビが発生することがあります。この場合、室内の換気をこまめに行う、掃除もこまめに行うなど

湿気をそのままためないようにしておきましょう。もともと湿気の多い梅雨時期などは冷蔵庫や通気性の良い場所に収納するなどして、影響を受けにくい保管方法を選びましょう

段ボールのまま保管しない

段ボールや袋に入ったままオレンジを保管すると湿気が中にたまりカビが発生することがあります。

購入後はビニール袋や箱から取り出して、通気性の良い場所に保管しましょう。

まとめ

オレンジにカビが生えた場合、勿体ないからとついカビ部分だけ切り取って処分しがちですが、オレンジに生えたカビは有害なのか無害なのかを肉眼で判断するのが難しいため、食べない方が無難です。

また、残念ながら処分された後は、次こそ無駄にしないために、保管場所の通気性をあげる、換気を行うなど保管方法を工夫して、安全で美味しいオレンジを食べましょう。

お店で販売されている時点でカビが生えているオレンジもあります。購入する前によく確認をしましょう。

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