カビ臭い会議室のカビを除去する方法

会議や面接など、話し合いに集中したいときに使われる会議室。会社勤めをされている方はもちろん、大学のゼミでの話し合いなどさまざまな場面で会議室を利用していると思います。

実は会議室として頻繁に利用される部屋は、他の部屋と比べてカビが生えやすい環境なのです。そこで今回は会議室に生えたカビを取る方法をご紹介していきます。

会議室にカビが生えやすい理由

 初めに、会議室が他の部屋と比べてカビが生えやすい原因を考えてみましょう。カビは、湿度・温度・栄養・酸素の条件が揃うと発生します。会議室にカビが生えやすくなる原因としては特に湿度と温度が大きく関係しています。

①会議室は湿気がたまりやすい

 最近は様々な形態の施設が増え、オープンな空間で行われる話し合いも増えているようですが、多くの施設では会議室として利用される部屋はある程度決まっているのではないでしょうか。

会議室での会議の様子を思い浮かべてみてください。

換気をほとんどしない

話し合いに集中するため、雑音が入らないよう窓も扉も閉め切っておこなわれていると思います。人の出入りも極力少なくなり、会議室は終始閉ざされた空間になっているはずです。そうすると空気の通りが悪くなり、湿度が高くなってカビが生えやすくなってしまいます。そこに人の呼吸や体温、皮脂や汗などの要素も加わってさらに湿気がたまってしまいます。

実際、話し合いが終わって会議室から出たときの会議室内と外の空気は全然違うのではないでしょうか。外の空気は、軽くスッキリしているのに対し、直前まで会議をしていた会議室の空気はなんだか淀んでいてこもった臭いがしていると思います。

建物の気密性が高い

 また、古いビルの中に入っている施設の会議室の場合はさらにカビ発生のリスクが高まります。マンションなどにも言えることですが、ビルという建物自体気密性が高く湿気が逃げにくいです。そのような建物内の会議室はより湿気が溜まりやすくカビが生えやすい環境と言えます。さらに、梅雨の時期など外の湿度も高くなる季節はカビが生えやすいだけでなく繁殖の速度もはやくなってしまいます。

②会議室の温度はカビの繁殖に適している

大事な話し合いの場では室内温度も重要になります。暑すぎても寒すぎても会議に集中することができません。人間が快適と感じる室内温度は、夏は25~28℃、冬は18~22℃と言われています。

平均すると24℃前後が人にとって快適な温度になります。一方カビは5~35℃前後で発生し、特に22~25℃で繁殖しやすくなります。つまり、人が快適と感じる温度はカビにとっても繁殖に適した温度といえるのです。

カビは35℃近くの温度でも生きられるため、会議室内の温度が人の体温やパソコンなどの機械で多少高くなったとしてもカビは繁殖することができてしまいます。

上記に挙げた湿度や温度の要素以外にも会議室にはカビが生える原因があります。会議室というと

  • テーブルやイス
  • カーペット
  • エアコン
  • 場合によっては観葉植物

などが置いてあることもあるかと思います。プラスチック製のテーブルやイスにはカビは生えにくいですが、イスが革や柔らかい布などの場合はカビが生えやすくなりますし、よく会議室の床に敷いてあるタイルカーペットやカーテンにもカビは生えます。

また、観葉植物にもカビが生えます。

観葉植物には適度な保温・加湿作用があり、冷暖房による室温の低下や空気乾燥を抑えてくれる効果があります。会議室やオフィスに観葉植物が置いてあるのにはこういった意味があったわけですが、観葉植物もカビにとってはかっこうの栄養分なのです。

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 会議室は他の部屋と比べるとカビが生えやすい空間であることはお分かりいただけたかと思います。では実際に会議室がなんだかカビ臭いと感じたり、カビが生えているのを見つけた場合はどうしたらよいのでしょうか。ここからは会議室に生えたカビのカビ取り方法をご紹介していきます。

会議室に生えたカビを取る方法

①カビの発生場所を特定する

 会議室がなんだかカビ臭いと感じた場合はまずカビの発生場所を特定します。特に以下のような場所にカビが生えやすいです。

  • 窓のサッシ
  • エアコンの内部
  • 布製のソファやイス・カーテン
  • カーペット

これらは会議室に限ったことではありませんが、会議室のような閉め切られた部屋の場合はその可能性がさらに高まると考えてよいでしょう。

②カビ取りに必要なものを用意する

カビの発生場所を特定できたらカビ取りに必要なものを用意します。軽度の白カビや、カビ自体は見当たらなかったけれど部屋全体のカビ臭を取りたいときには消毒用エタノールを使用します。

観葉植物に生えやすい白い綿毛のようなカビも消毒用エタノールで取ることができます。

黒カビなど色素のついたカビには酸素系漂白剤を使用します。

漂白剤には水で薄めて使うタイプのものもありますが、誤って会議室の床に漂白液をこぼしてしまう恐れもありますし、給湯室のような場所が近くにあるとも限りませんので会議室のカビ取りにはお手軽なスプレータイプのものがいいでしょう。

また、カビ取りといえばカビキラーなどの塩素系漂白剤を思い浮かべる方も多いかと思いますが、塩素系漂白剤は強い臭いを発するため、人によっては気分が悪くなってしまいます。多くの人が利用する会議室では、塩素系漂白剤よりも漂白力は劣るけれど危険度の低い酸素系漂白剤の使用をおすすめします。

酸素系漂白剤であれば素材を傷めにくいですし、布製品の色落ちの心配もありません。必要に応じて消毒用エタノールか酸素系漂白剤、またはその両方を用意しましょう。加えて

  • カビを拭き取る布
  • 使い捨て歯ブラシ

も準備します。

職場や施設の状況にもよると思いますが、身体を保護するために

  • ゴム手袋
  • マスク

も用意し、できれば

  • ゴーグル
  • 長袖長ズボン

も身につけておこなうことをおすすめします。

ステップ3-①) カビ取り~消毒用エタノールを使用する場合~

 軽度のカビには消毒用エタノールを用いてカビ取りを行います。カビが生えている部分に消毒用エタノールを噴射し

乾いた布で拭き取ります。

取り切れない場合は歯ブラシを使ってカビをこすり落としましょう。最後に日光が当たるようにカーテンを開け、乾かします。日の当たらない部屋の場合は扉をあけしっかりと換気します。

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出典:amazon

ステップ3-②) カビ取り~漂白剤を使用する場合~

黒カビのように色素のついたカビは消毒用エタノールでは取れませんので酸素系漂白剤を用いてカビ取りをおこないます。

カビが生えている部分に漂白剤を噴射し、10~15分程度放置します。カビの状態が深刻な場合は20~30分放置します。時間が経ったら濡らした布で拭き取り、動かせるものでああれば日光にあてて乾燥・殺菌します。乾いたことが確認できたら元の状態に戻しましょう。

カビ取りをおこなうときの注意点として、カビの除去作業中は扉を開け、窓も可能な範囲で開けながらおこないましょう。そして、カビの除去作業に入る前に掃除機をかけるなど目に見えるカビ以外の汚れを掃除しておきましょう。

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出典:amazon

加えて、カビの主な発生源がエアコン内部の場合はできるだけフィルター掃除を行ってください。

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フィルターが汚れていると、ホコリがカビの栄養源となり、カビの原因となります。フィルターをそうじし、吹き出し口のホコリを取り除きます。内部の分解は故障の原因となりますので、できればプロのエアコンクリーニングに依頼されることをおすすめします。

プロレベルのカビ取りをするならカビ取りマイスターキット

カビ取り業者のハーツクリーンが開発したカビ取り剤のカビ取りマイスターキットは、実際に業者が使用している液剤を誰でも使えるように改良した商品です。

そのため個人でプロレベルのカビ取りができますし、危険な成分は含まれていないため会議室の壁や床などのカビ取りにも使用できます。

以上が会議室に生えたカビの除去方法になります。ここからは普段できるカビ対策をご紹介していきます。

会議室のカビ予防方法

対策① 会議室の使用後は換気をする

会議室の使用後は窓や扉を開け、換気をおこないましょう。また、使っていないときにもできるだけ扉は開けた状態にしておきましょう。難しい場合には換気扇を回すか、サーキュレーターを回しっぱなしにしましょう。

対策② 消毒用エタノールを部屋全体に噴射する

会議室使用後は、換気に加えて消毒用エタノールを部屋全体にかけるとカビを予防することができます。人が直接座っていた椅子や、常に汚れに晒されているカーペットなどは特に入念にかけてあげるとよいでしょう。

対策③ 空気清浄機を設置する

空気清浄機を置くことで、空気中のカビの胞子を除去することができます。除湿機能も備えた空気清浄機も出ていますのでカビ予防とカビの繁殖抑制に役立ってくれます。ただし、空気清浄機内にもカビが生えるためこまめに手入れをしないと空気をきれいにするどころかカビの胞子を含んだ空気をまき散らしかねないため注意が必要です。

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対策④ 会議は部屋の広さに合わせた人数でおこなう

広い会議室に少人数で話し合いをすることは少ないかもしれませんが、狭い会議室で座席をつめながら”所謂、密状態”で話し合いをする場面もあるかもしれません。

このように通気性が悪い状態を長時間・長期間続けるとカビが生えやすくなりますし、何より会議の質にも影響が出てきますので、会議室の利用は部屋の広さに合わせた人数でおこないましょう。

 会議室は関係者だけでなく、来客など外部の人も利用することがある場所ですからできるだけきれいな状態にしておきたい場所の一つではないでしょうか。そして、部屋の広さやカビの程度によっては自分たちでは対処できないこともありますし、そもそも忙しくてカビ取りにまで手が回らないということがほとんどかと思います。

カビ臭さが気になっていても、誰か他の人がやってくれないかな・・・と思ってそのままになっていることもあるかもしれません。そのような場合は業者に依頼するという手もあります。プロに任せれば確実に細かな部分までカビを取り除いてくれるので、やり残しや失敗もありません。また、忙しく働く方たちの手を煩わせることもありません。

普通の人が一部屋掃除し、カビ取りをおこなうとなると大変な労力だと思います。そんなときは思い切ってカビ取り専門の業者に依頼することを検討してみてもいいかもしれません。

まとめ

 今回は会議室に生えたカビを除去する方法をお伝えしてきましたがまとめますと、

●会議室は通気性が悪いため湿度が高くなりやすく、他の部屋に比べてカビが生えやすい

●人が快適と感じる温度はカビの繁殖にも適している

●会議室のカビ取りは消毒用エタノール・酸素系漂白剤を使用する

●手に負えない場合や時間がないときは業者に依頼するという方法もある

となります。職場環境は仕事のパフォーマンスにもつながりますので、協力しながら快適な空間を作ってくださいね。

◇参考◇

衛生微生物研究センター

株式会社 クレセル