空気清浄機はカビの発生に効果があるのか

「空気清浄機があればカビが生えにくくなるって本当?」
「空気清浄機を使う時の注意することがあるなら知りたい」

カビ対策の一環として空気清浄機の購入を検討している方も多いでしょう。
また、既に使っている方の中には、その効果について疑問を抱いている方もいるかもしれません。

最新型の空気清浄機はカビを抑制する効果があるとされていますが、適切なメンテナンスを怠るとカビ対策に逆効果を及ぼす可能性もあります。

この記事では、空気清浄機がカビに及ぼす効果と、正しいお手入れ方法について詳しくご紹介します。

この記事でわかること
・空気清浄機によるカビ防止の効果について
・おススメの空気清浄機
・空気清浄機のお手入れ方法
・空気清浄機使用時の注意点

1.空気清浄機は空気中のカビの胞子を除去してくれる

毎日丁寧に掃除をしても、家の中にカビが発生するのはなぜでしょうか?

カビは繁殖力が強く、初期段階では目に見えないことが多いです。
そして、目に見えないカビは空気中に胞子を拡散し、これらの胞子が付着した場所で新たに増殖することがあります。

想像したくはないかもしれませんが、私たちの生活空間の空気中に見えないカビは存在しています。

そこで役立つのが空気清浄機です。

空気清浄機の効果は、機種によってさまざまですが、最新のものではカビの組織を分解する機能を搭載したものもあります。

有名なのはプラズマイオン、マイナスイオンなどイオンを空気中に放出する空気清浄機です。

イオンを利用した空気清浄機は、カビの抑制に一定の効果を発揮すると言われています。
こうした空気清浄機は、イオンを空気中に放出し、カビの胞子と結合します。
化学反応によって分解されたカビは働きが鈍くなり、カビが増殖するのを抑制する効果が期待できます。

ただ空気清浄機のこういった機能は、正しい使用方法を守った前提で効果を発揮するものです。
また、まだ開発段階のものも多く、すべての機種がカビに効果的とはいえません。
様々なメーカーの空気清浄機を比較してみて、良いものを選ぶようにしてください。

パナソニック 加湿空気清浄機 ナノイーX

出典: amazon

シャープ 加湿空気清浄機 プラズマクラスター

出典: amazon

2.空気清浄機をつけていてもカビが!?

空気清浄機の効果は機種によって異なりますが、電源を入れるだけで全てのカビを除去できるわけではない点に注意が必要です。
空気清浄機はカビ対策に有用な道具の一つに過ぎず、それに過度に依存するべきではありません。

カビ対策は多方面からのアプローチが効果的です。

2-1.空気清浄機にカビが付着?お手入れが重要

空気清浄機内でカビが生える主な理由は、カビの成長に適した環境が整いやすいためです。

カビが発生する場所には以下の条件が揃っているものです。

  • 湿度
  • 温度
  • 栄養素
  • 酸素

そして空気清浄機内にはこの4つの条件が全て揃ってしまうことがあります。

空気清浄機はカビ対策に役立つとされていますが、適切なお手入れが行われない場合、逆にカビの付着源となってしまうこともあります。

空気清浄機にカビが生えると、空気を浄化するどころか、かえってカビを拡散させる可能性があるため、定期的なお手入れが必要なのです。

2-2.特に空気清浄機のフィルターに注意

空気清浄機のフィルターは、機器の最も重要な部分の一つです。
フィルターが汚れていると、空気清浄機の性能が低下し、効率的に空気を浄化することができません。

さらに、フィルターに蓄積された埃やその他の汚れは、カビの成長に適した環境を提供します。
カビの胞子がフィルターに付着し、湿度や栄養素が十分にある場合、フィルター内でカビが繁殖する可能性が高くなります。

このため、空気清浄機のフィルターの定期的な清掃と交換は非常に重要です。
メーカーの指示に従ってフィルターを適切にメンテナンスすることで、空気清浄機がカビの発生源となることを防ぎ、効率的に機能するように保つことができます。

目立つ汚れが発生する前にフィルター掃除を行うように心がけてください。

3.カビを防ぐ!空気清浄機のお手入れ方法

カビの発生を抑制し、空気清浄機の効率を最大限に保つためには、定期的なお手入れが不可欠です。
以下に、その手順を詳しく説明します。

3-1.事前準備

お手入れを始める前に、以下の準備を行いましょう。

  • 空気清浄機の電源を切り、プラグをコンセントから抜きます。
  • お手入れに必要な道具を準備します。通常は柔らかい布、中性洗剤、乾いた布、場合によっては掃除機が必要になることがあります。
  • 作業する時は埃を吸い込まないようにマスクを身に付けることをおススメします。
  • メーカーの取扱説明書を確認し、お手入れに関する指示や注意点を把握しておきます。

3-2.お手入れ手順

①フィルターを取り外す
②フィルターを掃除する
③本体を拭く
④フィルターを取り付ける

①フィルターを取り外す
空気清浄機のフィルターを取り外します。
取扱説明書に記載されている方法に従って、慎重にフィルターを外しましょう。

②フィルターを掃除する
フィルターから埃や汚れを取り除きます。
柔らかいブラシや掃除機を使用して、優しく埃を除去します。
水洗いが可能なフィルターの場合は、水で優しく洗い、完全に乾かします。

③本体を拭く
空気清浄機の内部(手入れできる部分のみ)と外部を柔らかい布で乾拭きます。
頑固な汚れがある場合は、薄めた中性洗剤を布に付けて拭き取り、その後乾いた布で拭き上げます。

④フィルターを取り付ける
フィルターが完全に乾いたことを確認してから、元の位置に取り付けます。

3-3.注意点

水洗いが適さないフィルターの場合は、水を使わずに掃除してください。
また、水洗いしたフィルターは、再取り付け前に完全に乾燥させる必要があります。

4.空気清浄機にカビを寄せ付けないための3つの対策

お部屋でのカビ予防に役立つ、実践してほしい3つの対策をご紹介します。

4-1.月に1回は空気清浄機をメンテナンス

日常的に使用する空気清浄機は、定期的なクリーニングで清潔に保ちましょう。
少なくても毎月1回は、フィルターやその他のパーツを取り外して、内部の掃除を行うことが理想的です。

また、日々のお掃除時に、背面のフィルターを軽く拭くことも効果的です。
これにより、埃の蓄積を防ぎ、空気清浄機を常に清潔な状態に保つことができます。

4-2.加湿器の併用は慎重に

特に注意したいのが、加湿器の使用です。

加湿器は空気中に蒸気を放出し、室内の湿度を急激に上昇させる可能性があります。
湿度が高くなると、空気清浄機を使用していてもカビの発生リスクが高まります。

加湿器を使用する場合は30分程度にするなど時間を設定し、扇風機などで空気を循環させて湿度の偏りを防ぎましょう。

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4-3.室内での洗濯物干しは極力避ける

雨の日などで室内に洗濯物を干すことはよくありますが、部屋干しは室内湿度を上昇させる大きな要因です。
可能な限り部屋干しを控えることが理想的です。

しかし、「雨が続いて洗濯物を外に干せない。でも乾燥機も浴室乾燥もない…」ということもあるでしょう。

その場合は、除湿機と空気清浄機を併用し、湿度をコントロールしてください。
この方法で洗濯物も通常の部屋干しよりも早く乾かすことが可能です。

シャープ 衣類乾燥機除湿機 プラズマクラスター

出典: amazon

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5.空気清浄機を使用しても湿気対策してもカビが発生した場合

空気清浄機の使用と湿気対策をしたにも関わらず、カビが発生してしまうことはあります。

カビが限定された小さな範囲であれば、自分で対応することができます。
市販されているカビ取り剤を使用し、影響を受けた場所を丁寧に掃除します。
さらに、換気を良くすることで、カビの成長に必要な湿度を減らすことが可能です。

しかし、カビが家の広範囲に広がっている、または自分での取り除きが困難だと感じた場合は、専門のカビ取り業者に依頼するのが最善の策です。

専門業者なら、カビの種類と成長の原因を特定し、適切な処理を行ってくれるでしょう。
また、カビの再発を防ぐためのアドバイスを提供し、長期的な解決策を提案してくれる業者もいます。

カビ問題を根本から解消し、健康な室内環境を保つためにはプロの力も不可欠なのです。

カビ取りのプロに相談

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6.まとめ「空気清浄機を過信しない」

自宅でリラックスして過ごすためにも、お家の空気はきれいに保ちたいと考える方は多いと思います。
また、空気中にカビの胞子が飛散すると、体調を崩すきっかけになるかもしれません。

そんな時にあると便利なのが空気清浄機です。
空気中の埃や塵、花粉などを綺麗にしてくれるだけでなく、最近はカビやウイルスの除去に期待できる機種もたくさんあります。
購入を検討されている方は、各メーカーのホームページをチェックして、それぞれの機能や特徴を確認してみてください。

そして買って満足するのではなく、こまめにお手入れして空気清浄機自体を清潔に保ち、カビの生えない住宅を目指しましょう。