植物の土に生えるカビを除去して予防する方法
「観葉植物の土に白い綿みたいなものが付着している。もしかしてカビ?」
「大事にしている植物の土にカビが生えたら、捨てるしかないの?」
観葉植物や鉢植えの土に白い綿のようなものが出現すると、心配になる方が多いでしょう。
このような白い物質の多くは、カビの発生を示しており、見過ごすと植物の健康に影響を与える可能性があります。
この記事では、そんな植物の土にカビが生える原因や効果的な除去方法、そして予防策についても詳しく解説します。
カビが生えやすい環境を理解して改善することで、植物の土だけでなく室内環境も植物にとって理想的な場所に変わっていくでしょう。
この記事でわかること |
・植物の土にカビが生える原因 ・植物の土のカビを除去する方法 ・植物の土のカビを予防する方法 |
目次
1.植物の土にカビ!?その原因は?
カビはある一定の条件が揃っている場所に発生するものです。
そしてその条件とは以下の4つです。
- 水分
- 温度
- 栄養源
- 酸素
植物の場合、水やりをすれば水分が溜まり、肥料などはカビにとっての栄養源になり得ます。
そのため植物がある環境というのはカビが発生しやすいのです。
特にどのような状態だとカビが発生しやすくなるのか、詳しい原因について解説します。
1-1.水やりのしすぎ
水やりのしすぎは、土壌内の水分バランスを崩し、過湿な状態を作り出します。
この湿度の高い環境はカビの発生と成長にとって理想的な条件を提供します。
基本的には土の表面が乾いたら水やりを行うなど、植物の種類や季節に応じて適切な水やりをすることが重要です。
1-2.肥料のやりすぎ
肥料のやりすぎは、土壌中に余分な栄養分を蓄積させ、それがカビの栄養源となり得ます。
特に有機質肥料は、カビの発生を促す場合があります。
肥料は植物の成長に必要な量を守って使用し、過剰にならないように注意しましょう。
1-3.日当たりが悪い場所に置いている
日当たりが悪いと、土壌内の水分が蒸発しにくく、湿度が高い状態が続きます。
また、日光不足は植物の成長を妨げ、弱った植物は病害に対する抵抗力が低下します。
できるだけ植物に適した明るい場所に置くことで、カビの発生リスクを低減できるでしょう。
1-4.土の中の通気性が悪い
土壌の通気性が悪いと、根周りの酸素が不足し、植物の根が呼吸することが難しくなります。
また、鉢の底に排水穴がない、または排水穴が詰まっていると、水が溜まりやすくなります。
これらの状況は土壌の通気性が悪く、湿気が溜まりやすいため、カビの成長を促してしまいます。
2.植物の土にカビが生えたまま放置するとどうなる?
植物の土にカビが発生している状態でそのまま放置した場合、いくつかの問題が発生する可能性があります。
2-1.植物の健康への影響
カビは植物の根に悪影響を及ぼすことがあり、根腐れや成長の妨げを引き起こす可能性があります。
特に、根の呼吸を妨げ、栄養吸収を阻害することで、植物の全体的な健康を害することがあります。
2-2.他の植物への拡散リスク
カビは胞子を空気中に放出し、それが他の植物の土にも広がる可能性があります。
これにより、他の鉢植えや庭の植物にもカビが広がるリスクが生じます。
2-3.室内環境への影響
室内で鉢植えを育てている場合、カビの胞子が空気中に拡散する可能性があります。
この空気を吸い込むことによって、アレルギー反応や呼吸器系の健康被害を引き起こすかもしれません。
また、カビが室内の別の場所にカビの胞子が付着すると、そこから繁殖して家中がカビだらけになる恐れもあるため注意が必要です。
2-4.見た目の悪化
土の表面に白っぽいカビのコロニーが広がることで、植物の美観を損なうことがあります。
カビの発生は見た目にも悪影響を及ぼしてしまいます。
3.植物の土に生えたカビを除去する方法
2.植物の土にカビが生えたまま放置するとどうなる?でお伝えした通り、植物の土のカビを放置していると植物に悪影響を及ぼしたり、室内の別の場所に拡散するなど新たな問題が発生する可能性があります。
そのため、植物の土のカビは放置せずに早急に対処しましょう。
3-1.土の入れ替え
鉢植えの土に白いカビが生えた場合、カビが生えている部分の土を取り除くことで、カビの問題を効果的に解決できます。
取り除いた土は捨てずに、日光に当てて十分に乾燥させることで消毒し、再利用することが可能です。
庭がある場合、取り除いた土を庭に戻すことも可能です。
ただし、カビが生えた土をそのまま庭に使う際は、他の植物への潜在的な影響を考慮し、適切な処理が必要です。
日光消毒して除菌し、しっかり乾かした後に庭の土と混ぜることで、安全に再利用することが可能です。
3-2.エタノールや酢で殺菌
カビが生えた土を消毒するために、消毒用エタノールや酢を使用するという方法があります。
消毒用エタノールを使用する場合は、70~80%濃度のものがおススメです。
無水エタノールを使用する場合は、水で約70%に希釈してスプレーボトルに入れて使いましょう。
直接土にエタノールや酢を噴霧すると、植物に悪影響を与える可能性があるため、カビが生えた土の表面部分をスコップなどで慎重に取り除きましょう。
その後、ビニールシート上などに広げてから噴霧することをお勧めします。
処理した土は日光に当てて十分に乾燥させることが重要です。
ただし、消毒用エタノールや酢を使う際は、土壌のpH値に影響を与える可能性があるため、適量を守り、過度な使用は避けるようにしましょう。
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4.植物の土のカビを予防する方法
植物の土のカビを予防するためには、いくつかの重要なステップを踏むことが効果的です。
カビは湿度が高く、空気の流れが悪い環境で繁殖しやすいため、以下のカビ対策をすることが鍵となります。
- 室内の湿度管理
- 日当たりの良い場所に置く
- 水や肥料のやりすぎに気をつける
- 通気性の良い土を使用する
- 適切な鉢を使用する
- 定期的に土を入れ替える
- 観葉植物のカビ取り剤を使う
4-1.室内の湿度管理
室内湿度が高いとカビの発生が促進されるため、適切な湿度レベルを維持することが重要です。
目安としては常に湿度60%以下に保つようにしましょう。
梅雨時や湿度の高い季節には、室内の空気の流れを良くするために窓を開けて換気をしたり、エアコンの除湿機能や除湿機を活用して湿度を下げてください。
湿度計を使用して室内の湿度レベルを定期的にチェックし、必要に応じて調整を行いましょう。
タニタ 温湿度計
出典:Amazon
4-2.日当たりの良い場所に置く
植物を日当たりが良い場所に置くことも重要です。
日光に当たることで土壌が乾燥し、カビの成長を防いでくれます。
また、植物は適切な光を受けることで、健康な成長を促し、カビのリスクを低減します。
特に冬季や日照時間が短い時期には、植物をより明るい場所に移動させるように心がけましょう。
4-3.水や肥料のやりすぎに気をつける
植物に水や肥料を与える場合は、適切な量とタイミングが大事です。
水やりは「土が乾いてから、たっぷりと」が基本ですが、水やりの頻度は育てる植物によっても変わります。
サボテンや多肉植物のように乾燥気味に育てる植物の場合は注意しましょう。
また、肥料を与える際は、植物の成長段階や種類に合わせて選び、推奨される量を守るようにしてください。
肥料を与えすぎると、土壌中の水分と栄養のバランスが崩れ、カビの発生を招く可能性があります。
そうならないようにするためにも、肥料の種類と頻度を適切に管理し、土壌の健康維持を目指してください。
4-4.通気性の良い土を使用する
通気性と水はけの良い土を使用することは、カビ予防において不可欠です。
通気性の高い土壌は、根に必要な酸素を供給し、水分の過剰な蓄積を防ぎます。
パーライトやバーミキュライトなどの土壌改良材を土に混ぜ込むことで、土壌の通気性を向上させることができます。
瀬戸ヶ原花苑 バーミキュライト
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4-5.適切な鉢を使用する
適切な鉢の使用もカビ予防のために重要です。
底穴のある鉢を使用することで、余分な水分が土から排出され、土壌の過湿を防ぎます。
また、素焼きのように余分な水分を蒸発させやすい素材の鉢を選ぶと、内部に湿気がこもらないのでおすすめです。
4-6.定期的に土を入れ替える
定期的に土を入れ替えることも、カビ予防に効果的です。
土壌が古くなると、その構造や栄養バランスが崩れ、カビのリスクが高まるため、新鮮な土壌に定期的に交換することで、健康な植物の成長を促します。
4-7.観葉植物のカビ取り剤を使う
ホームセンター等で売っている観葉植物用の防カビ剤を使うという方法もあります。
防カビ剤には、スプレータイプや化粧石タイプなど種類があります。
化粧石タイプは白カビが発生する前に鉢の土が隠れるくらいに敷き詰めれば、見た目もおしゃれで、中に浸透している防カビ剤が白カビの付着や繁殖を抑えてくれます。
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5.万が一室内にもカビが発生したら業者に相談
ここまで植物の土のカビについてお伝えしましたが、もしカビが発生したのが室内に置いてある観葉植物だった場合、カビが飛散して室内に付着していることがあります。
もしくはすでに室内にカビが発生していて、それが観葉植物に移ったということも考えられます。
部屋の中にカビが発生した場合、初期段階であれば自力で対処できることもあります。
しかし、カビが広範囲に渡って生えている場合や、その原因がはっきりしない場合は、自力での対処に限界があります。
このような状況の場合は、カビの専門業者に相談するようにしましょう。
カビの専門業者は、専門的な知識と技術を持ち、カビを徹底的に取り除くために必要な機器やカビ取り剤を使用しています。
そのため、室内のカビの原因を特定して、適切な除去方法と予防策を提供してくれるでしょう。
カビは健康に悪影響を与える可能性があるため、特にアレルギーや呼吸器系の問題を抱えている場合は、迅速に専門業者に相談するようにしてください。
6.まとめ
生活に潤いと安らぎを与えてくれる観葉植物ですが、置き場所や鉢内部の環境、育て方によっては、カビが繁殖してしまうことがあります。
もしカビが発生した場合は、土を入れ替えたり、消毒用エタノールやお酢で殺菌したりして、カビを除去しましょう。
そして植物の土は、対策を行ってカビの発生を予防することが重要です。
- 室内の湿度管理
- 日当たりの良い場所に置く
- 水や肥料のやりすぎに気をつける
- 通気性の良い土を使用する
- 適切な鉢を使用する
- 定期的に土を入れ替える
- 観葉植物のカビ取り剤を使う
カビの発生を未然に防ぐこれらの対策は、あなたと植物たちが共に快適な生活を送るための鍵となります。
植物たちが元気に育つ環境を整えることで、毎日の生活に彩りと癒しをもたらしてくれることでしょう。