靴のカビを除去する方法と再発を防ぐ方法
「ひさしぶりにあの靴を履こう!」
と靴箱からひっぱり出したはいいが、なんだかやけに白っぽい…。よくよく見ると、なんとカビが生えていた!
そんなもやもやとした疑問を解決するために、靴に生えてしまったカビを除去する方法をくわしく解説していきます。さらに、後半でご紹介する再発防止法を徹底し、再び靴にカビを生やさぬよう心がけていきましょう!
目次
靴のカビは正しく処置しないと大惨事に…
カビが生えてしまったショックのあまり間違った応急処置をしてしまうと
- そのあとうまくカビが落とせなかったり
- 靴を傷つけてしまったり
- カビが再発してしまったり
なんてことも。まずはここで、注意すべき正しい処置の方法をおさえておきましょう。
①いきなりの水洗い・水拭きは厳禁!
カビが生えてしまった靴を見つけたら真っ先に、水洗いしようと思ってしまいませんか?または、濡らした雑巾でゴシゴシと拭き取ってしまいたくなりますよね。でもそれ、厳禁です!
靴に生えてしまったカビは、普段靴を洗うのと同じようにはいきません。なぜなら、カビは水があるとさらに増殖してしまうからです。水洗いや水拭きをすれば、確かに見た目には綺麗になるかもしれません。
しかし、それだけではカビを完全に除去できたことにはならず、そのまま数日放置すると、またカビが生えてくるのです。
特に、カビが生えるのは湿気の多い梅雨の時期。綺麗さっぱり水洗いしたとしても、降り続く雨のせいで天日干しはできず、完全に乾かすのは難しいですよね。カビも生き物ですから、水分を欲しています。少しでも湿気や水分を残してしまうと、さらなるカビ増殖の引き金を引いてしまいます。
※ 靴に生えたカビを見つけても、いきなりの水洗い・水拭きは絶対にやめましょう。
②用途の異なる洗剤やスプレーを代用しない!
カビは菌の一種ですので、除菌・殺菌効果のある洗剤やスプレーには弱いです。しかしながら、靴に生えたカビに
- 「風呂用スプレー」
- 「キッチン用の洗剤」
- 「洗濯洗剤」
などの用途が異なるアイテムを使うのはあまりおすすめできません。
用途が指定されているものは、その正しい使い方によって最大限の効果を発揮するものです。使用するシーンを考慮し、除菌・殺菌の程度や効力、素材を傷つけない薬剤を配合するなど、うまく成分調整してつくられているものがほとんど。
そのため、靴のカビを落とすために風呂場やキッチン用などのアイテムを使ってしまうと、思っていたような効果が得られずにカビが再発してしまったり、成分が靴の素材に合わず、脱色や損傷につながってしまう可能性もあります。
カビが生えてしまった靴を傷めずに、また綺麗に履けるようにするためにも、靴専用の洗剤や除菌スプレーを購入しておくといいでしょう。
靴に生えたカビの正しい除去方法
洗いにくくて厄介な靴のカビですが、これから解説していく正しい除去方法を実践すればカビ予防にもつながります。この機会にきちんと対処しておきましょう。
靴のカビを除去するための必須アイテムは、
- マスク
- ビニール手袋
- 布(不要になったTシャツのハギレなどが好ましい)3枚程
です。これらのアイテムは必ず使い捨てのものを用意してくださいね。また、靴のカビを落とす作業は屋外が好ましく、室内の場合は風呂場などの汚れても大丈夫な環境でよく換気をしながらおこないましょう。
以下では、カビが生えやすい靴の素材別に除去方法をまとめました。カビが生えてしまった靴に合わせ、参考にしてみてくださいね!
①革靴に生えたカビの除去方法
最もカビが生えやすい靴といえば、天然素材で作られている革靴。おしゃれ着と合わせて履くような革靴やパンプスは履く機会も少なく、しまっていた間にカビが増殖してしまうことが多いのです。
革素材は非常にデリケートなため、脱色や損傷が起きないように配慮が必要です。また、使用するクリーナーやスプレーによって手順が異なる場合もあるので、作業する前に使用方法をよく読んでおきましょう。
使うもの
- 重曹
- 除菌スプレー
- 革靴用クリーナー
- 革靴用クリーム
- 靴用の撥水スプレー
除去方法
- 靴紐があれば外しておく
- 乾いた布でやさしくカビを拭き取る(飛散に注意!)
- 別の布を濡らして固く絞り、重曹をつけて拭く
- 除菌スプレーを吹きかけ、風通しの良い日陰でよく乾燥させる
- 革靴用クリーナーを布に適量つけて、全体の汚れなどを拭く
- 革靴用クリームでやさしく磨いていく
- カビ予防のため靴用の撥水スプレーを吹きかけてよく乾かす
- 関連記事:バッグや靴など革製品についたカビの除去方法と生やさせないための方法
②スエードの靴に生えたカビの除去方法
少しふわふわとしていて手触りのよいスエード生地は、つるつるとした革素材に対してカビが付着しやすく落としにくいのが特徴。細かな毛の隙間にカビが生えてしまっているため、除去するにはまずやさしくブラッシングしていきましょう。最初に使ったブラシにはカビが付着することになるので、作業後はしっかりと除菌しておくなどの注意も必要です。
使うもの
- 靴用のやわらかいブラシ
- 除菌スプレー
- スエードインク
- 靴用の撥水スプレー
除去方法
- 靴紐があれば外しておく
- カビをブラシでやさしく落としていく(ブラシも除菌する)
- 除菌スプレーを吹きかける
- 風通しの良い日陰でよく乾かす
- 毛羽立ってしまったり、固くなってしまった部分をやさしくブラッシングする
- スエードインクで色を整える
- カビ防止のために撥水スプレーを全体に吹きかけてよく乾かす
③スニーカーに生えたカビの除去方法
汗や泥などの汚れが多いためにカビが生えやすい靴のひとつですが、スニーカーは丸ごと洗うことができるので比較的カビをごっそり落としやすくもあります。この際、カビを落とすついでに、汚れも一気に落として綺麗にしてしまいましょう。色付きのスニーカーで漂白剤を使うのが不安であれば、代わりに重曹で漬け置きするのがおすすめです。
使うもの
- 漂白剤(または重曹)
- 洗濯用石鹸
- 靴が入る大きさのバケツor桶
- 50度くらいの熱湯
- 大きなタオル
除去方法
- 靴紐があれば外しておく
- 洗濯用石鹸を使ってスニーカーの全体を洗い、泡立ちが無くなるまですすぐ
- バケツか桶に50度付近の熱いお湯を張り、適量の漂白剤を混ぜる
- 漂白液の中にスニーカーを入れ、2時間ほど漬け置きする
- よくすすぎ、大きなタオルでくるんで洗濯機で脱水をかける
- 風通しの良い日陰でよく乾かす
- カビや汚れ防止のために撥水スプレーを吹きかける
なぜ靴にカビ?その原因とは
カビの再発を防止するためにも、まずはなぜ靴にカビが生えてしまったのか、その原因を理解しておくことが大切です。
・雨の日に履いて濡れた靴をそのまま放置
・汗や泥などの汚れが付着したまま靴箱に入れた
・日光が当たらない場所に靴箱がある
・靴箱を常に閉めきっている
・玄関付近の湿度が高い
革靴に生えたカビの除去方法の冒頭で先述しましたが、特に自然素材の革靴はカビの巣になりがちです。しばらく履くことのない靴は、一度洗うか、クリーニングに出してから、乾燥剤または除湿剤と一緒にしまっておくといいでしょう。
カビの再発を防止する方法
原因を理解すれば、正しく再発防止の対策を行うことができます。どれも簡単なことですが、日頃から注意することで大惨事を免れることができます。以下の点を注意してみてくださいね。
・靴についた土や泥汚れは落とす
・雨の日に履いた靴はしっかり乾かしてから収納する
・下駄箱にたくさん靴を詰め込まない
・下駄箱に除湿剤を置く
・下駄箱にすのこを敷く
・靴を履いた後、除菌スプレーなどの習慣をつける
以上の点を注意すれば、また靴のカビに悩まされることはないはずです。しかし、それでも再発してしまった、下駄箱の靴全部にカビが生えてしまって対処しきれない、といった場合は、カビ専門のクリーニング業者に依頼するのも1つの手です。
- 関連記事:靴箱のニオイを消す方法まとめ
まとめ
この記事では靴に生えたカビの正しい除去方法をくわしく解説しました。そのなかでも特に重要なカビ除去ポイントは、
・いきなりの水洗いは絶対にしない
・靴の素材に合わせて除去する
・カビを落とした靴はしっかりと乾かす
です。このポイントを意識して、生えてしまったカビを落とすだけでなく、厄介なカビの再発も防いでいきましょう!
ライター:こいずみきょん
東京で猫と暮らすWebライター本と映画をこよなく愛し、酒場に生きる。趣味はカフェ巡りと、京都ひとり旅。https://twitter.com/___kkk0518