靴のカビをコインランドリーで落とすことはできる?除カビ方法から防カビ方法までをカビ取りのプロが伝授

カビの生えたスニーカーは、コインランドリーの靴用で落とすことができるのでしょうか。近くにコインランドリーがあるので、もし可能であれば、試してみたいと思うのですが。

靴を自分で洗うのって大変だし面倒ですよね。

最近のコインランドリーには、スニーカーランドリースニーカーウォッシャーという名前の靴のための洗濯機が設置されていることがあります。

このようなコインランドリーの洗濯機を使用できる靴の種類や靴のカビを落とすことはできるの?という疑問にお答えし、靴のカビ予防方法などもご紹介していきます。

目次

2.コインランドリーで靴のカビを落とすことはできる?

結論からいうと、コインランドリーで靴のカビを落とすことは難しいです。

実際に、スニーカーランドリーの業者に靴のカビを落とすことはできるか問い合わせてみたところ

スニーカーランドリーで使用している洗剤にはカビを落とす成分は含まれていないとのことでした。

そのため、残念ながらコインランドリーで靴のカビを落とすことはできません。

スニーカーウォッシャーは、あくまで靴の汚れを落とすためのものです。しかし、靴の汚れをこまめに落とすことはカビ予防にもつながりますので、定期的に活用して、靴をキレイに保つのには便利です。

2-1.靴にカビが生える原因とは?

カビが発生する条件は、温度20℃~30℃、湿度60%以上、汚れなどの栄養源の3つの条件がそろったときです。

靴のカビの原因となるのは、皮脂や汗、砂ぼこりや泥、雨に濡れたなどの汚れと湿気が主な原因です。

特に足の裏は汗をかきやすく、1日でコップ1杯分の汗をかくと言われています。

靴は汗を吸収しますので、脱いだあとの靴をそのまま放置するとカビが生えてしまうことがあります。

また、靴を収納している場所や靴箱などの湿度や衛生面にも気を付ける必要があります。

2-2.靴に生えるカビの種類

靴に発生するカビは大きく分けて2種類あります。白いホコリのようなシロカビと黒い点のようなクロカビです。まずは靴に生えたカビが何色かを確認してみましょう。

黒い靴など色の濃い靴に目立つのがシロカビです。

シロカビは比較的靴の表面に付着しているだけのことが多いので、簡単に除去することができます。

これに対し、クロカビは靴の生地の奥深くまで入り込んでいるため、表面だけを除去しても完全に除去することができません。

クロカビの場合には、漂白剤を使用し、生地の奥までの漂白と除菌が必要ですが、繊維の奥のほうまで色素が沈着しているようであれば、除カビはかなり難しいです。

3.「スニーカーランドリー」ってなに?

コインランドリーの靴専用洗濯乾燥機を「スニーカーランドリー」や「スニーカーウォッシャー」といいます。

スニーカーランドリーは、洗濯機の中についているブラシが回転し、靴の表面に当たることで土や泥などの汚れを落とすことができる便利な靴の洗濯機のことです。

機械に靴をセットし、お金を入れるだけで靴を洗ってくれます。

専用の洗剤が自動で投入されるので、洗剤を用意する必要もありません。

靴を洗ったあとは乾燥機も設置されているので、利用するのがおすすめです。

靴が濡れたままの状態では、雑菌が繁殖しカビが発生したり、嫌な臭いの原因にもなります。

洗う手間が省けるだけでなく、乾燥もできるのでかなりの時短になります。

料金は洗うのに20分200円で大人のサイズの靴なら2足まで、子供用の靴なら4足同時に洗うことができます。

洗い終わったら乾燥機を10分100円で利用することができます。

乾燥機は使用せずに持ち帰ることも可能です。

逆にご自宅で靴を洗って乾燥機だけ使用するという方法もできます。

参考:ウォッシュハウス「スニーカーウォッシャー」

3-1.スニーカーランドリーで洗える靴

コインランドリーで靴が洗えるのはとても便利ですが、すべての靴が洗えるわけではありません

スニーカーランドリーで洗える靴は、布製やナイロンのスニーカー、上履きなどの水洗いができる素材の靴です。

革靴やブーツ、サンダル、長靴、スパイク、色落ちするものなどは対応していませんので注意が必要です。

また、高級な靴はスニーカーランドリーよりも靴のクリーニングに出すのがおすすめです。

3-2.コインランドリーで靴を洗うメリットとデメリット

メリット①天気を気にせず洗うことができる。

自宅で靴を洗って干す際には、天気の良い日でないと生乾きになり、カビが発生したり嫌な臭いの原因にもなります。

靴のコインランドリーでは、乾燥機も設置されているので天気を気にせずにいつでも靴を洗うことができます。

メリット②手間が省ける。

自動で靴が洗濯できるので、コインランドリーに行ってから靴を洗濯している間に買い物に行くこともできます。

また、靴を複数同時に洗うこともできるため、時短になります。

デメリット①すみずみまで洗うのは難しい。

靴用の洗濯機には、ブラシがついていることもありますが、靴の中など手洗いのように丁寧に洗うのは難しいです。

そのため、落とし切れない汚れがあったり、仕上がりがいまいちということもあります。

デメリット②費用がかかる。

靴をコインランドリーで洗濯と乾燥まですると、おおよそ1回あたり300円かかります。

靴のクリーニングに出すよりは安いですが、自分で手洗するよりは費用がかかってきます。

デメリット③洗える靴が限られている。

「スニーカーランドリーで洗える靴」の項目でも触れましたが、すべての靴が洗えるというわけではありません。

靴の素材によってはコインランドリーで洗うことができないものもあるので、注意が必要です。

4.靴のカビ取り方法

4-1.消毒用アルコールで取る方法

用意するもの

  • 消毒用アルコール
  • 布2枚

①乾いた布で靴の表面のカビを払います。

②布に消毒用アルコールを染み込ませ、靴のカビを拭き取ります。

③カビを拭き取ったら風通しの良い屋外で2~3日日陰干しします。

※注意点※

使用した布にはカビが付着していますので、作業が終わったら処分するようにしてください。

消毒用アルコールはカビの状況や靴の素材によっては色落ちが生じる場合があります。

目立たない場所で問題がないか試してから作業するようにしてください。

乾燥させる際には靴の素材の変質や変色のおそれがあるため、直射日光を避けた風通しの良い場所にしましょう。

出典:Amazon

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4-2.酸素系漂白剤で取る方法

用意するもの

  • 酸素系漂白剤
  • バケツ
  • ゴム手袋

①バケツに40~50℃のお湯を入れて酸素系漂白剤を入れて溶かす

②スニーカーを入れてつけ置きする

③よく流水ですすぐ

注意点

皮膚に直接触れないよう、ゴム手袋を着用して洗うようにしましょう。また、素材によっては変色や傷む恐れもありますので、製造元に確認してから酸素系漂白剤を使うようにしましょう。

出典:Amazon

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4-3.靴用のカビ取り剤でとる方法

市販の、靴専用カビ取り剤を使って落とす方法もあります。使用方法は液剤によりますが、靴にカビ取り剤をスプレーして、布で軽くこすって落としていきます。

その後、水気をよく乾燥させて完成です。この他、靴のゴム部分であれば靴用の消しゴムを使って落としたり、靴専用のクリーニング店に持っていくなどの対処方法もあります。

5.靴のカビを防ぐには?

5-1.こまめに洗う、洗ったらしっかり干して乾かす。

洗える素材のものはこまめに洗うようにし、洗ったあとは干してしっかりと乾かしましょう。

水分と栄養分をカビに与えないようにすることが大切です。

5-2.汚れがひどいときは洗剤や石けんを使用し、歯ブラシなどで洗う。

汚れがひどいときはウタマロ石鹼など、中性洗剤や固形石鹸で洗うのがおすすめです。

歯ブラシを使用すると細かい部分までしっかりと洗うことができます。

出典:Amazon

5-3.何足かをローテーションして履くようにする。

1足を何日も連続で履くと汚れが蓄積しやすいので、2日履いたら洗って、その間には別の靴を履くようにすると汚れにくくなり、靴が長持ちします。

5-4.保管場所の掃除や換気、扇風機を使用したり、除湿剤を置く。

玄関や靴箱の掃除をこまめにして砂ぼこりなどを取り除きましょう。

靴箱はときどき開放して扇風機やサーキュレーターを使用して風を循環させましょう。

また、靴箱の中にすのこや新聞紙を敷く、除湿剤を置くと湿気を吸収してくれるのでカビを防ぐことができます。

5-5.消毒用エタノールやウエットティッシュで拭く。

靴を履いたあとはすぐに洗うのが理想ですが、出先などですぐに洗うことができない場合には消毒用エタノールをスプレーしたり、除菌用のウエットティッシュで拭いておくだけでもカビ予防になります。

※本革の靴にアルコールを使用すると変色の恐れがあるので注意しましょう。

5-6.靴が雨などで濡れたときには乾燥させる

そのまま放置するとカビの原因になってしまいますので、タオルでよく水分を拭き取りましょう。

タオルで水分を拭き取ったあとはドライヤーを使用してしっかり乾かします。

その際に温風を当てすぎると靴の素材を傷めてしまいますので、冷風を使用するようにしましょう。

靴箱などに保管する際には、ドライヤーで乾かしたあとにしまうようにしましょう。

5-7.靴を置く場所の除湿をする

玄関や靴箱の掃除はこまめにしていますか?

湿気や砂ぼこりなどがあると玄関や靴箱に置いている靴にカビが生えてしまうことがあります。

玄関や靴箱は掃き掃除をしたり、玄関のドアや靴箱の扉を開放して風を通し、湿気を溜めないようにしましょう。

靴を履いたあとは汗や湿気を靴が吸収しています。

そのまま靴箱に収納すると、靴だけでなく靴箱にもカビが発生する原因となります。

履いたあとは干ししたり、扇風機やサーキュレーターの風を当てて湿気をとばしましょう。

靴箱には除湿対策として、すのこや新聞紙を敷いたり、除湿剤、重曹を置くて効果的です。

白元アース ノンスメルドライ 下駄箱用

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出典:Amazon

5-8.靴の消臭も行い清潔に

特に重曹は消臭効果も持っているのでおすすめです。

新聞紙や除湿剤は靴の中にも入れておけば、より効果的なカビ予防にもなります。

新聞紙や除湿剤は湿気を一度吸ったら、新しいものとこまめに交換するようにしてください。

出典:Amazon

5-9.靴のカビはクリーニングを利用しましょう。

靴にカビが生えてしまったり、臭いが気になる、長年愛用して劣化してきた靴を買ったときの姿に戻したいときは靴のクリーニングを利用しましょう。

靴のクリーニングの相場はだいたい1足2、000円~5、000円程度で、これにカビ除去の料金が上乗せされます。

カビ除去の料金はおおよそ1足あたり500円~1,500円程度加算され、送料もかかります。

場合によっては新しく靴を購入できるくらいかかってしまうこともありますので、よく検討して決めましょう。

また、靴の色補修のオプションやサービスがある店舗もあります。

靴のクリーニングを利用すれば、どんな素材のものでもクリーニングできてしまいます!

素材に合った特殊な洗剤を使用して、カビなどの汚れや汗と目に見えない雑菌まで取り除くことができます。

靴のクリーニングには約10日から14日程度かかることがあります。

靴をはきたいときに間に合うように余裕をもって依頼しましょう。

ハーツクリーンでは1箱単位で注文できる、カビ対策高級クリーニングサービスがございます。靴や小物類、衣類などをまとめて除カビしたい方におすすめです。

まとめ

・靴にカビが発生する原因は湿気と汚れよるものです。

・コインランドリーでは靴のカビを落とすことはできません。

・靴の素材によってカビの落とし方は異なります。

・靴のカビはクリーニングの利用も検討してみましょう。

<参考文献>

・飯野高広『大切な靴と長くつきあうための靴磨き・手入れがよくわかる本』2017年、池田書店

・上田哲司『紳士靴完全バイブル』2019年、ナツメ社

・家庭のそうじを考える会『最新版おそうじ凄ワザ&神アイテム』2019年、コスミック出版