カビは水拭きNG!正しいカビ除去方法と再発させないコツを徹底解説

家の中でカビを見つけたとき、「とりあえず水拭きでいいかな…」と掃除していませんか?

実はその方法、間違ったカビ取り方法の中でも特に多い事例のひとつです。当社がカビでお困りのお宅へ伺った際に目にする『カビを悪化させる間違った掃除方法ランキング』では、最も危険なのが「掃除機で吸う」、次に「乾拭きをする」、そして「水拭きをする」と続きます。

水拭きだけでは、カビをきれいに落とせないどころか、逆に水分によってカビに栄養を与え、繁殖を助けてしまう恐れがあります。

この記事では、水拭きがカビ取りに不十分な理由を詳しく解説するとともに、カビの状態に合わせた正しい除去方法をご紹介します。さらに、プロの視点から「カビを再発させないためのポイント」も徹底解説!

正しい知識を身につけて、カビに悩まない快適な環境づくりにお役立てください。

この記事で分かること
・カビ掃除に水拭きがNGな理由
・カビの状態別に見る除去方法
・カビを予防する方法

1,カビ掃除は水拭きはお勧めしない理由

先ほど説明したようにカビ掃除は水拭きだけはお勧めしません。。水拭きすることでカビが成長するのに必要な水分を与えてしまい、青カビ白カビは、瞬間的には綺麗になりますが、中期的に見るとカビをさらに発生させてしまう恐れがあるのです。

1-1.カビは水分が大好き

たとえば、「家の中で一番カビが発生しやすい場所はどこでしょうか?」と聞かれると、多くの方は「お風呂場」と答えるかと思います。お風呂場は高温多湿で水分が残りやすく、カビにとって好条件だからです。

実は、「水拭き掃除」もこれと似た状況を作り出してしまいます。特に、青カビや白カビは一見ホコリと間違えやすく、水拭きで掃除しがちですが、これらのカビは布製品や木製建具など栄養素が豊富な場所に発生することが多いため、水拭きをするとかえってカビに水分と栄養を与えてしまいます。

つまり、水拭きだけではカビの成長を促進させ、増殖したカビがカビ毒や胞子を多く発生させることで、カビ被害がさらに広範囲に広がるだけでなく、健康被害のリスクも高めてしまう恐れがあります。

1-2.特に畳は要注意

布や木などもカビが発生しやすいですが、特に中が必要なのは畳になります。畳は湿気を吸いやすいので特に要注意です。水拭きはもちろん、乾拭きや叩くこともNG。そうすると畳の中にカビを入りこませてしまいます。最も確実なのは、塩素系漂白剤を浸した綺麗な雑巾でしっかりと除菌します。菌を除菌した後に液剤成分を残さないように水ぶきを行い、送風機を使って乾燥させることをおすすめします。

また、畳に発生するカビはアスペルギルスなどの青カビが多く、アスペルギルス性肺炎など重篤な病気の元になるため、カビ取り時にはカビ胞子を吸い込まないよう、マスクを着用し換気をしっかりと行いましょう。

次からは具体的に、カビが生えてしまった場合の対処を説明していきます。

■関連記事■新築の畳はカビやすいって本当!?畳の青カビを簡単に除去する方法と再発予防策を解説

2.生えてしまったカビを除去する方法

それでは、汚れの種類別に生えてしまったカビ取りをする方法を説明していきます。

2-1.軽いカビ汚れの場合

軽いカビ汚れの場合、エタノールスプレーを吹きつけ除菌をおこなった後に、綺麗な雑巾を水で浸し、固くしぼったクロスで表面を吹き上げます。表面が乾いたら、仕上げに再度エタノールスプレーを吹きつけ除菌します。エタノールは薬局などで売られている80%濃度の「消毒用」が最も効果が高いのでお勧めしています。

その他、軽度のカビでカビの色素が沈着していない程度でしたら逆性石けんや次亜塩素酸水、重曹などを使って除カビすることもできます。

出典:Amazon

2-2.中度以上のカビ取りの場合

中度以上のカビの場合からは、カビ取り剤を利用することをお勧めしています。汚れが強いときには、カビ取り剤をかけた後にラップで密封し、少しつけおきすることで、より効果的にカビを落とすことができます。カビの上に汚れが付着している場合は、下記で紹介するような中性石鹸で汚れをとってからカビ取り剤を噴霧すると、カビを確実に除去することができます。

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また、カビ取り剤については、市販薬でよく使われている水酸化ナトリウムなどが添加されていない、当社オリジナルの液剤をお勧めしています。

カビ取り剤を使うときに注意する点は

・マスクとゴーグルを着用する
・窓をあけて換気する
・ゴム手袋を着用し、カビ取り剤が肌にふれないようにする
・肌についてしまった場合は流水で十分にすすぎ落とす
・酸性タイプの洗剤とは絶対に混ぜない(塩素ガスが発生するため)

となります。よく注意してつかいましょう。

以上がカビが生えてしまったときの対処法です。自力で除カビをしてもカビが再発してしまう場合には、素材の奥にカビが菌糸を伸ばして発生している場合があります。例えば、カビの上から塗装を重ねてしまった塗装壁などは塗装を剥がさなければ、上から何度もカビを除去しても再発してしまいます。

このような場合ですと、カビ取り業者に依頼し、塗装を剥がして除カビしなければカビの再発を繰り返します。

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2-4.プロの液剤で再発を防ぎたい場合

水回り以外では、水酸化ナトリウムが添加されている市販の塩素系カビ取り剤は使用できません。そこでお勧めしているのが、当社が独自に開発した液剤になります。

こちらは、実際の職人が使う液剤と同じ成分でできており、先ほど紹介したカビ取り剤に防カビ材がセットになっていますので、カビの再発防止にお役立ていただけます。

3.カビを発生させない環境づくり

頑張ってカビを除去できたとしても、カビが発生しやすい環境であれば再びカビが生えてしまいます。ここでは再びカビを発生させない方法についてみていきます。

3-1.換気をこまめにしよう

現在の住宅は高性能になった断熱材により高気密、高断熱を実現しています。これにより夏はクーラーで冷えた空気を、冬は暖かい空気を持続させられるようになり、省エネにつながっています。しかし一方、外気と中の空気との温度差により結露が発生しやすくなっています

(結露もカビの原因↑)

これはカビにとって好環境といえるでしょう。よってカビ対策のためには「換気」をしっかりとすることが重要となります。

・24時間換気扇をつけっぱなし
・朝や夕方に窓をあけて空気の入れ替え
・室内の整理整頓(空気の通り道を生成)

まずはこれらのことを見直してみましょう。

■関連記事■結露によるカビ発生を防ぐ方法とは?湿気対策の基本と予防策7選

3-2.温度・湿度管理を意識しよう

またカビが発生しやすい条件に「湿度60%以上」「温度20〜30℃」というものがあります。これへの対策とし「温度・湿度管理」が重要となります。

・室内干しをしない
・必要以上に暖房の温度を上げない
・必要以上に加湿しない

まずはこれらを徹底してみてください。

もしどうしても室内干しをしなければいけない時は、除湿機を活用するのもいいです。

また、普段から部屋の温度や湿度をチェックしておくのもおススメです。除湿器を使うタイミングや換気を意識しやすくなります。

■関連記事■室内のカビの原因に?!部屋干しをする際に注意すべきこと

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3-3.こまめに掃除しよう

カビが発生しやすくなるためのもう1つの条件が「栄養源があること」です。カビは食品や食べこぼしはもちろんのこと、塵やホコリも栄養源にすることができます。

・掃除機をかける
・モップ掛けをする
・空気清浄機を使う
などの方法で室内の環境をよいものにしましょう。

また、エアコンの掃除についても注意が必要です。内部にカビが発生してしまうと、エアコンをつかうたびにカビの胞子が空気中に舞ってしまいます。普段からフィルターのこまめなそうじをすることと、内部乾燥機能をつかってカビの発生を防ぎましょう。

3-4.不用品は処分しよう

床にモノをたくさん直置きしていると、湿気がたまりカビの原因となります。

使っていないものは処分したり、直置きのものは収納ケースやかける収納をするなどして通気性を良くしましょう。

また、あまり使わない部屋であっても、こまめに換気をして、空気を循環させることがカビ予防になります。

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3-5.布団やカーペットの敷きっぱなしに注意しよう

寝具やカーペットをを床に敷きっぱなしにしていると湿気が溜まりカビの原因となります。カビが生えてしまうと、そのまま普段のお掃除のように水拭きをしてしまいがちですが、一度カビが生えてしまうとちゃんと殺菌をしないとカビが再発する恐れがあります。

そのため、寝具やカーペット類はこまめに上げて床掃除をしたり、天日干しをして湿気を除去しましょう。窓の内部屋の場合には、除湿機やサーキュレーターを使って除湿してください。

まとめ

  • カビは水分を好むため水拭きだけではかえって逆効果
  • カビ再発の恐れがある
  • そのためには、専用のカビ取り剤や消毒用アルコールなどを使ってしっかりと殺菌し乾燥させることが重要
  • 軽度のカビであれば、中性洗剤でも除去できるが場所とカビの程度による
  • 自分でカビ取りしてもカビが再発する場合には、素材の奥からカビが菌糸を伸ばしている可能性があるのでカビ取り業者に相談する

カビは拭いただけで除去できるような生易しいものではなく、一度生えてしまうと対処が面倒な代物です。しかも、そのまま放っておくと健康に害が及ぶことも。普段からカビが生えさせない予防が大切になりますので、上記の方法を実践し、カビを発生させない環境づくりを心掛けましょう。

また、一度カビが発生してしまう家は見えない部分にも多くのカビの胞子が飛び散っている可能性もあります。掃除をしても何度も何度もカビが再発する場合には一度、カビ取りの専門業者に相談してみてはいかがでしょうか。