効果的なタンスのカビ取りと再発を防ぐカビ対策
「久しぶりにタンスを動かしたら裏側にカビがビッシリ生えていた」
「タンスの引き出しにカビが発生して、それが収納している衣類にも移って困っている」
閉じられた空間は通気性が悪く、湿気がこもりやすいため、タンスは家具の中でも特にカビが発生しやすい場所と言えるでしょう。
タンスの中にカビが発生すると、収納している衣類にダメージを与えたり、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため、カビを見つけたらすぐに対処することが大切です。
この記事では、タンスに生えたカビを安全に取り除く方法と、カビの再発を防ぐ対策について詳しく解説します。
タンスのカビに悩んでいる方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
この記事でわかること |
・タンスのカビを見つけた時の行動 ・タンスのカビ取り方法 ・タンスのカビ対策 |
目次
1.タンスにカビを発見!まず行うこととは?
衣替えの時にタンスの中や裏側でカビを発見することは珍しくありません。
タンスは基本的に木材でできているため、吸湿性があり、カビが繁殖しやすいことが理由です。
また押し入れ内や部屋の隅などは湿気が溜まりやすいため、そのような場所にタンスを置いているとさらにカビの発生リスクが高くなります。
では、タンスにカビが生えていることに気付いた時、どのように対処すればいいのでしょうか。
まずは以下のことを行うようにしてください。
1-1.衣類を取り出してカビが移っていないか確認する
タンスから衣類にカビが移ってしまい、そのまま繁殖するというケースはあります。
また、衣類からタンスにカビが移り繁殖することも考えられます。
どちらの場合も、タンスに入っていたすべての衣類を確認し、カビの状態をチェックすることが重要です。
この時に勢いよく取り出してしまうと、服に付着したカビが舞って他の部分に拡散する恐れがあるため、慎重に行うようにしてください。
そしてカビが拡散しないように、ビニール袋などに入れましょう。
万が一、衣類にカビが繁殖している場合は、以下の対処法をおススメします。
1-1-1.自力で除去する
洗濯できる衣類で、白カビなどの表面に発生しているカビであれば、自力で除去することが可能です。
酸素系漂白剤を溶かしたぬるま湯につけ置きして、しっかりカビ取りしましょう。
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1-1-2.クリーニング業者に依頼する
洗濯できない衣類にカビが発生した場合や、カビの色素が繊維に入り込んでいる場合は、クリーニング業者に依頼するのがいいでしょう。
カビが酷い時に特におススメなのがカビ取り専門のクリーニング業者です。
クリーニング技術が高いだけでなく、医療機器の滅菌にも使われる高い殺菌力を持つエチレンオキサイドガス(EOG)を使用したガス滅菌もしてくれるので、しぶといカビの菌も死滅させることが可能です。
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1-2.タンスと接している壁や床にカビが移っていないか確認する
次に、タンスが接していた壁や床の状況をチェックします。
特に押し入れの内部はカビが繁殖しやすい場所として知られています。
また、畳もカビの発生に適した素材であるため注意が必要です。
壁や床にカビが生えると部屋がカビ臭くなり、健康上の問題を引き起こす可能性もあるため、迅速に対処しましょう。
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2.タンスのカビ取りにおススメなもの
タンスの中身を全て取り出した後、カビ取り作業を開始します。
タンスは木材が使用されているため、お風呂場などで使用する塩素系カビ取り剤の使用は適していません。
そこで、タンスのカビ取りに適した方法をご紹介します。
2-1.消毒用エタノール
消毒用エタノールは無水エタノールとは異なり、70~80%の濃度に薄められています。
カビの殺菌にはこの消毒用エタノールが効果的です。
比較的安全で扱いやすい薬品であり、カビに対して高い効果を発揮します。
カビの状況によっては、エタノールだけで十分に殺菌できる場合もあります。
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2-2.酸素系漂白剤
酸素系漂白剤は、カビの汚れを漂白することが可能です。
しかし、タンスなどの木材にダメージを与える恐れがあるので、使用には注意が必要です。
安全性を確認するために、まずは目立たない部分で試してみることをお勧めします。
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3.タンスのカビ取り方法
続いて、カビ取り方法について解説いたします。
カビ取り作業中はカビの胞子が舞ったり、液剤が飛び散ったりする恐れがあるため、しっかりと体を保護することをおススメします。
カビ取り剤に直接触れてしまったり、空気と一緒にカビを大量に吸い込んでしまったりすることは危険です。
文部科学省カビ対策マニュアルにおいても注意喚起されていますので、マスクやゴム手袋、ゴーグルなどを身に付けて体を保護しながら作業をしましょう。
そして窓を開けるなど、しっかり換気することも忘れないでください。
3-1.消毒用エタノールを使用したカビ取り方法
まずは消毒用エタノールを使用したカビ取りからご紹介します。
ただしエタノールに漂白効果はないため、黒カビなどのカビの色素を除去することはできません。
この方法は白カビなど表面に発生しているカビに有効です。
用意するもの
- スプレータイプの消毒用エタノール
- 雑巾
カビ取り手順
①消毒用エタノールを含ませた雑巾で拭き取る
②消毒用エタノールを吹きかける
③雑巾で消毒用エタノールを拭き取る
①消毒用エタノールを含ませた雑巾で拭き取る
雑巾に消毒用エタノールを吹きかけ、その雑巾を使ってタンスに溜まっている埃などの汚れを取り除きましょう。
②消毒用エタノールを吹きかける
カビが発生している箇所やその周辺に消毒用エタノールを吹きかけます。
浸透するまで10~15分ほど放置します。
③雑巾で消毒用エタノールを拭き取る
雑巾で消毒用エタノールを拭き取って、しっかりと自然乾燥させてください。
完全に乾いたのを確認してから、保管していたものを戻すようにしましょう。
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3-2.酸素系漂白剤を使用したカビ取り方法
続いて酸素系漂白剤を使用したカビ取り方法を紹介します。
酸素系漂白剤は漂白効果があるため、エタノールで取れなかったカビでも除去できる可能性はあります。
用意するもの
- 酸素系漂白剤
- ぬるま湯
- 布
- 雑巾
カビ取り手順
①ぬるま湯に酸素系漂白剤を溶かし、布を浸す
②その布をカビの部分に被せてしばらく放置する
③硬く絞った雑巾でしっかりと拭き取る
①ぬるま湯に酸素系漂白剤を溶かし、布を浸す
ぬるま湯に酸素系漂白剤を入れて溶かし、その中に布を浸しましょう。
②その布をカビの部分に被せてしばらく放置する
酸素系漂白剤を溶かした液に浸した布をカビが発生している箇所に被せてください。
それから30分程度放置します。
③硬く絞った雑巾でしっかりと拭き取る
漂白剤の成分が残らないように、硬く絞った雑巾でしっかりと拭き取り、自然乾燥させてください。
完全に乾いたのを確認してから、保管していたものを戻すようにしましょう。
4.プロレベルのカビ取りをするならカビ取りマイスター
酸素系漂白剤でも除去できないほどのカビなら、プロレベルのカビ取り剤でカビ取りしましょう。
カビ取り業者のハーツクリーンが開発したカビ取りマイスターは、実際に業者が使用している液剤を誰でも使えるように改良した商品です。
安全性を十分考慮して開発された商品のため、塩素系カビ取り剤とは異なり、危険な成分は含まれていません。
タンスのように水で洗い流せない場所でも安全にカビ取りできるので、しっかりカビ取りしたい時は是非ご検討ください。
ただし、あまりにカビが酷いと、専門的な知識や高い技術力が必要になるため、自力での除去が難しい場合があります。
中途半端なカビ取りではカビが再発し、再び衣類などに被害が発生するかもしれません。
そうならないようにするためにも、まずは一度専門のカビ取り業者に相談してみましょう。
5.タンスのカビを再発させないための予防策
カビを除去した後は、再びカビが発生しないように対策をする必要があります。
今すぐにできるカビ対策を紹介するので是非試してみてください。
- 部屋の除湿する
- 引き出しの中に除湿剤を入れる
- 濡れた服や汚れた服は入れない
- 壁と離してタンスを設置する
- こまめに掃除する
5-1.部屋を除湿する
部屋の湿度を適切に管理することは、タンス内のカビ予防に非常に効果的です。
湿度の高い日はエアコンや除湿機を活用して、湿気をコントロールしましょう。
湿度を60%以下に保つことで、カビのリスクを大幅に減らすことが可能です。
またエアコンは内部にカビが発生しやすいため、こまめなフィルター掃除や定期的なエアコンクリーニングもおススメします。
5-2.引き出しの中に除湿剤を入れる
除湿剤を引き出しに入れることは、湿気を抑制し、カビの発生を防ぐ効果的な方法です。
引き出し内は閉じた空間で湿度が高まるため、カビが生えやすくなります。
除湿剤はこの過剰な湿気を吸収し、内部の環境を乾燥させてくれます。
市販の除湿剤には、シリカゲルや塩化カルシウムを使用したものがあり、これらは湿気を効果的に吸収します。
また、除湿剤は使用環境に応じて定期的に交換する必要があります。
湿度が高い場合や除湿剤が水分を吸収して満杯になった場合は、早めに交換しましょう。
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5-3.濡れた服や汚れた服は入れない
濡れた服や汚れた服はカビの栄養源になる恐れがあるため、それらを引き出しの中に入れることは避けましょう。
濡れた服はしっかりと乾燥させ、汚れた服は早めに洗濯するようにしてください。
また、洗濯後の衣類は十分に乾燥させてから収納することで、引き出し内の湿度の上昇を防ぐことができます。
5-4.壁と離してタンスを設置する
タンスを壁にピッタリくっつけていると、通気性が悪くなり、湿気がこもりやすくなります。
特に湿度が高い季節や換気が不十分な場所では、壁とタンスの間に湿気が溜まりやすく、これがカビの発生源となり得ます。
それを防ぐためにもタンスを壁から数センチ離して設置するようにしてください。
これにより、空気の流れが改善され、湿気がこもりにくくなるでしょう。
5-5.こまめに掃除する
埃はカビの栄養源になる可能性があるため、こまめに掃除することが大切です。
掃除機を使用して床やカーペットの埃を除去し、タンスの上や裏側など、通常目につきにくい場所も掃除しましょう。
また、引き出しの中身を定期的に取り出して掃除することも効果的です。
その時、不要な物を処分して整理整頓することで、引き出し内の通気性が向上します。
そうすることで、カビが発生しにくい環境にすることができるのです。
6.まとめ
今回は効果的なタンスのカビ取り方法と再発を防ぐカビ対策について詳しく解説しました。
タンスに発生するカビは季節を問わず出現するリスクがあり、一度発生すると対処が非常に面倒なものです。
場合によっては、衣類や家具を処分しなければいけなくなったり、カビの臭いが部屋に染みついてしまったりして、大きなストレスの原因になるかもしれません。
そのため、タンスにカビが発生したら早急に対処するようにしてください。
もし自力でのカビ取りが難しければ、カビ取りの専門家に相談するという方法もあります。
そしてカビを除去できたら今度は再発しないように予防しましょう。
- 部屋の除湿する
- 引き出しの中に除湿剤を入れる
- 濡れた服や汚れた服は入れない
- 壁と離してタンスを設置する
- こまめに掃除する
これらの対策を行って、タンスの中の衣類や大切な品々を守り、健康的で快適な生活を維持してください。