カビが生えた服は着ても大丈夫?捨てる基準・危険性・安全な衣類のカビ取り&対策を徹底解説!

「お気に入りのTシャツにカビが…!このまま着ても大丈夫?」
「黒カビが広がっているけど、捨てるしかないの?」
そんなふうにカビが生えた服を前に悩んでいませんか?
服にカビが生えたとき、問題は見た目の汚れだけではありません。
そのまま着用すれば、胞子が空気中に拡散し、クローゼット内の衣類はもちろん、家全体にカビが広がるリスクがあります。
さらに、アレルギーや咳、肌荒れなど、家族の健康にも深刻な影響を及ぼす恐れがあります。
この記事では、服に生えるカビの危険性や捨てるかどうかの判断基準、安全な落とし方について詳しく解説します。
Tシャツやスーツ、ワンピースなど種類別の対処法から、再発を防ぐ対策まで紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事でわかること |
・カビが付いた服を着るリスク ・「白カビ」「黒カビ」「青カビ」の特徴 ・Tシャツ、スーツなど種類別の対処法 ・カビの再発を防ぐための対策 ・捨てるか残すかの判断とクリーニング活用の目安 |
目次
1. カビが生えた服は着ても大丈夫?そのまま着用するリスク

服にカビが生えているのを見つけたとき、「このまま着ても問題ないのだろうか」と疑問に思う方は多いはずです。
結論から言うと、カビが付着した服はそのまま着用しないようにしましょう。
アレルギーや皮膚疾患など、健康への悪影響を引き起こす可能性があるうえ、胞子が空気中に拡散すると、部屋全体や他の衣類にも被害が広がる恐れがあるからです。

1-1. 衣類の劣化やニオイの定着
カビは繊維の奥深くまで侵食し、生地の変色や風合いの劣化を引き起こすことがあります。
特にシルク・ウール・麻などの天然素材は繊維が弱くなり、破れやすくなるリスクが高まります。
また、カビ特有の酸っぱいような異臭(カビ臭)が衣類に定着すると、洗濯や除菌では取りきれない場合も多く、着用時に不快感を覚えることがあります。
1-2. 健康への悪影響

カビは目に見える斑点だけでなく、肉眼では確認できない胞子を空気中に放出しています。
この胞子を吸い込むことで、アレルギー反応や喘息などの呼吸器系トラブルを引き起こす恐れがあります。
特に、ハウスダストやダニに敏感な方、小さな子どもや高齢者がいるご家庭では、より深刻な影響が出る可能性があります。
また、カビの付いた衣類が肌に触れると、かゆみや湿疹などの皮膚トラブルにつながることもあります。
1-3. 他の衣類や空間への拡散
カビは非常に軽く、わずかな振動やこすれでも、胞子が空気中に舞い上がる性質を持っています。
そのため、収納中にクローゼット内の他の衣類に付着することで、気づかないうちに被害が広がってしまうことがあります。
さらに、カビの付いた服を着て室内を歩くことで、胞子が空間全体に拡散し、家中に影響を及ぼすおそれもあるのです。
2. カビが生えるのはなぜ?服を守るために知っておきたい原因

服に突然カビが生えたように感じても、実際にはカビが発生する条件が揃い、少しずつ繁殖していることがほとんどです。
ここでは、カビが発生しやすくなる主な原因と見落としやすいポイントをわかりやすく解説します。
2-1. カビが好む3大条件は「温度」「湿度」「汚れ」
カビは特定の条件が揃うと一気に繁殖しますが、なかでも特に注意したいのが「温度」「湿度」「汚れ」の3つです。
- 温度(20〜30℃前後)

カビは、人が快適と感じる20〜30℃の気温で活発に繁殖します。
梅雨や夏の時期は室内もこの温度帯になりやすく、カビのリスクが一気に高まります。
特にクローゼットなどの閉め切った空間は熱がこもりやすく、カビが発生しやすい環境になりがちです。
- 湿度(60%以上)
湿度が60%を超えると、カビの活動は一気に活発になります。
雨が続く季節や室内干しが多い時期は、クローゼットや押し入れの中が蒸れやすく、湿気がこもりやすいため、除湿剤の設置や定期的な換気が欠かせません。
- 汚れ(皮脂・汗・食べこぼしなど)

皮脂や汗はカビの栄養源です。
服は一度着ただけでも汚れが付着しており、洗濯で落としきれないとカビが繁殖しやすくなります。
また、食べこぼしや飲み物のシミも糖分や油分を含み、放置すると変色のほか、カビが発生する要因にもなります。
2-2. 見落とされがちな「洗濯機」と「収納環境」
カビの原因は衣類そのものだけでなく、洗濯機や収納場所に潜んでいることも少なくありません。
日常の何気ない習慣が、知らず知らずのうちにカビの発生を促している場合もあります。
洗濯機にカビが潜んでいる

いくら洗剤を使って洗濯しても、洗濯槽にカビが残っていれば、衣類に再び胞子が付着してしまいます。
たとえば、以下のような状態には要注意です。
- 洗濯後もフタを閉めたままにして湿気がこもっている
- ゴムパッキンやフィルターにホコリや汚れが溜まっている
- 洗濯槽クリーナーを長期間使用していない
このような状態が続くと、洗濯のたびにカビ胞子が衣類へ移ってしまう恐れがあります。
■関連記事■洗濯物の黒いカスはカビ!?衣類&洗濯槽のカビの取り方や予防を徹底解説
クローゼットやタンスの通気不良

扉を閉めっぱなしにした空間では湿気と熱がこもり、カビの発生条件がそろいやすくなります。
以下のような収納習慣がある場合は、見直しが必要です。
- 服をぎゅうぎゅうに詰め込み、空気が通らない状態になっている
- 汗をかいた服や湿った衣類をそのまま掛けている
- クリーニング後のビニール袋を外さずに保管している
こうした環境は、カビにとって非常に快適な条件を作り出してしまいます。
■関連記事■押入れは開けっ放しが正解?白カビを防ぐ対策&カビ取り方法を徹底解説
■関連記事■クローゼットにカビが生えたら衣類にも移る!?カビ取りとカビ対策をプロが伝授
3. カビが生えた服は捨てる?残す?判断の目安

カビが生えた服を見つけたとき、「もう着られないかも」と不安になる方も多いはずです。
ただし、すぐに捨ててしまうのではなく、カビの状態や服の素材、修復の可能性を見極めることが大切です。
ここでは、捨てるか残すかを判断するためのポイントをわかりやすく解説します。
3-1. カビの広がりと素材のダメージをチェック

まずは、カビの広がりと服の素材を確認しましょう。
- カビが広がっている範囲や状態
カビが黒や茶色の斑点となって広範囲に広がっている場合は、完全に落とすのが難しくなることがあります。
一方で、部分的で軽度なものであれば、自宅で処置できる可能性もあります。
- 素材の劣化やダメージの程度
ウールやシルクなどのデリケート素材ほど、繊維がカビに侵されるとダメージが深刻になりやすいです。
すでに生地が薄くなっていたり、変色している場合は修復が難しいかもしれません。
3-2. クリーニング費用・修復コストを考える
自力での除去が難しい場合は、クリーニング店などプロに任せるのが現実的です。
専門技術によってカビが落とせるケースもあります。
その一方で、クリーニングや修復にかかる費用は、捨てるか残すかを判断するうえでの重要なポイントです。
服の価値と照らし合わせながら、費用対効果を冷静に見極めましょう。
- クリーニング店でカビ取りオプションを利用
高価なコートや特別なドレスであれば、費用をかけてでも直したいと考えるかもしれません。
カビ取りに対応したクリーニング店で相談すれば、落とせる可能性もあります。
- 「買い替え」のほうが安い場合も
クリーニング代が購入価格に近い、またはそれを上回る場合は、買い替えたほうが合理的なケースもあります。
とくに普段着や、似た服をすでに持っている場合は、無理に残さず処分を検討するのもひとつの選択です。
3-3. 大事な服なら専門家に相談を

思い入れのある服や高価な衣類にカビが生えてしまった場合は、無理に自分で処理せず、早めに専門家に相談するのが安心です。
適切な処置をしないと、生地を傷めたり、カビを広げてしまう恐れもあるため、プロの判断を仰ぐことが最善の選択となる場合があります。
- クリーニング店
一般的なクリーニングだけでなく、カビ取りに特化したサービスを扱う店舗もあります。
ウールやカシミヤ、シルクなどの高級素材でも、プロの技術で落とせる場合があります。
- ガス滅菌
医療レベルのガス滅菌技術を扱う専門業者に依頼すれば、繊維の奥に入り込んだカビまで徹底的に除去することが可能です。
ウエディングドレスやブランドのコートなど、代えのきかない大切な服であれば、費用をかけてでもプロに任せる価値は十分にあります。
3-4. 捨てると決めたら早めの処分を

カビが付いた服をクローゼットに放置しておくと、胞子が周囲に広がり、他の衣類にまで被害が及ぶ恐れがあります。
処分すると決めたら、できるだけ早めに行動しましょう。
捨てる際は、胞子が飛び散らないようにビニール袋に入れてしっかり密封し、そのまま屋外に出すのが安心です。
室内や収納スペースに長く置かないことが、被害の拡大を防ぐポイントになります。
「残す価値があるか」「修復にコストをかける意味があるか」など、迷う場面もあるかもしれませんが、自分にとって本当に大切な服かどうかを、冷静に見極めることが大切です。
残すと判断した場合は、次の章で紹介する服の種類別のカビ取り方法を参考に、適切な対処を行いましょう。
4. 【種類別】カビが生えた服を安全に除去する方法
服にカビが生えたとき、やみくもに対処すると、生地を傷めたり色落ちしてしまう恐れがあります。
カビ取りは、素材の特性に合った方法で行うことが大切です。
ここでは、服の種類別に、適切で安全なカビの落とし方を詳しく解説します。
4-1. Tシャツなど日常使いの衣類(綿・ポリエステルなど)

カビ取りを始める前に、まずは洗濯表示を確認し、漂白剤の使用が可能かどうかをチェックしましょう。
使用可能な場合は、酸素系漂白剤を使ったつけ置き洗いでカビを安全に除去することができます。
用意するもの
- 酸素系漂白剤
- 桶
- 洗濯用洗剤
- マスク
- ゴム手袋

グラフィコ オキシクリーン
出典:Amazon
カビ取り手順

- ① 作業前に準備をする
作業場所の換気を行い、マスクとゴム手袋を着用して自身の安全を確保します。
- ② 桶にぬるま湯と酸素系漂白剤を入れる


桶にぬるま湯を入れて、酸素系漂白剤を溶かします。
オキシクリーンの場合は水4Lに対して、キャップ1杯が目安です。
- ③ 衣類をつけ置きする

桶に衣類を入れて、しばらく漬けます。
目安としては1時間程度ですが、カビの状況を見て判断してください。
- ④ いつも通り洗濯する

洗濯機での洗濯が可能な製品の場合は、軽く絞ってから洗濯機に入れていつも通り洗ってください。
- ⑤ 完全に乾くまで干す

風通しの良い場所で干して、完全に乾いたら終了です。
衣類の詳しいカビ取りや対策は以下の記事を参考にしてください。
■関連記事■ポリエステル製品にカビ!?正しいカビ取りと6つのカビ対策
■関連記事■布製品に黒カビ発生!?正しいカビ取りとカビ対策を徹底解説
■関連記事■服に生えた“白カビ”を取る方法と今後生やさないための対策法を解説!
4-2. ワンピース・ドレス(レース・デリケート素材など)

ドレスやワンピースは繊細な素材や装飾が多いため、基本的にはクリーニング業者に依頼するようにしましょう。
ここではすぐに着用しなければいけない時の自宅でできる応急処置を紹介します。
エタノールは比較的生地への負担が少ないとされていますが、素材によっては変色やシミが出る場合もあるため、必ず目立たない箇所でテストしてから行ってください。
用意するもの
- 消毒用エタノール
- 布
- マスク
- ゴム手袋

ドーバー パストリーゼ77
出典:Amazon
カビ取り手順

- ① 作業前に準備をする
作業場所の換気を行い、マスクとゴム手袋を着用して自身の安全を確保します。
- ② カビ部分を優しく拭き取る


カビが付着している部分に、エタノールを含ませた布でポンポンと叩くように優しく拭き取ります。
こすらずに優しく叩くのがポイントです。
- ③ 完全に乾燥させる

風通しの良い場所でしっかり乾かします。
水分やエタノールが残っていると、カビの再発につながるため注意してください。
ドレスの詳しいカビ取りや対策は以下の記事を参考にしてください。
■関連記事■ドレスのカビ対策ガイド|ウェディング・パーティードレスの正しいカビ取り&保管方法
4-3. スーツ・ジャケット(ウール・カシミヤなど)

水洗いできないスーツやジャケットは、基本的にはクリーニング業者に依頼するようにしましょう。
ここではすぐに着用しなければいけない時の自宅でできる応急処置を紹介します。
素材に負担がないか、必ず目立たない箇所でテストしてから行ってください。
用意するもの
- 衣類用ブラシ
- 消毒用エタノール
- 布
- マスク
- ゴム手袋
カビ取り手順

- ① 作業前に準備をする
作業場所の換気を行い、マスクとゴム手袋を着用して自身の安全を確保します。
- ② カビを払い落とす

衣類用ブラシでスーツ全体をやさしくブラッシングし、表面に付いたカビを払い落とします。
カビの胞子が舞いやすいため、屋外での作業がおすすめです。
- ③ カビ部分を優しく拭き取る

カビが付着している部分に、エタノールを含ませた布でポンポンと叩くように優しく拭き取ります。
こすらずに優しく叩くのがポイントです。
- ④ 完全に乾燥させる

風通しの良い場所でしっかり乾かします。
水分やエタノールが残っていると、カビの再発につながるため注意してください。
スーツの詳しいカビ取りや対策は以下の記事を参考にしてください。
■関連記事■スーツに白カビが!洗濯NG?正しい対処法と応急処置を徹底解説!
4-4. 革ジャケット(本革など)

革は水やアルコールに弱く、間違った方法でカビ取りをすると色落ちやひび割れを引き起こすリスクがあります。
そのため、カビ取りには必ず革製品専用のクリーナーや保革剤を使い、やさしく丁寧にケアすることが重要です。
軽度のカビであれば、自宅でも対応可能ですが、素材によっては状態が悪化することもあるため、必ず目立たない部分でテストしてから処置を始めてください。
本革は非常に繊細なため、広範囲にカビが広がっていたり、においが強い場合は、無理に自分で対処せず、革専門のメンテナンス業者などプロに相談することをおススメします。
用意するもの
- 革専用カビ取り剤
- 保革クリーム
- 布
- 歯ブラシ
- スポンジ
- マイクロファイバークロス
- マスク
- ゴム手袋

コロンブス レザーキュア カビ用ミスト
出典:Amazon

レザートリートメント ラナパー
出典:Amazon
カビ取り手順

- ① 作業前に準備をする
作業場所の換気を行い、マスクとゴム手袋を着用して自身の安全を確保します。
- ② 乾いた布で汚れを除去する
表面のカビの粉やホコリを、やさしく布で拭き取ります。
縫い目や細部は歯ブラシを使うと効果的です。
- ③ 専用カビ取り剤で拭き取る


革製品専用カビ取り剤を柔らかい布に染み込ませ、カビを拭き取ります。
- ④ クリームで保湿する
処理後2〜3時間ほど経ったら、スポンジに少量のトリートメントを取り、革の表面に薄く塗布します。
- ⑤ マイクロファイバークロスで仕上げ拭きする

最後に、クロスで乾拭きして仕上げます。
分な油分を取り除き、自然なツヤと柔軟性を取り戻します。
革製品の詳しいカビ取りや対策は以下の記事を参考にしてください。
■関連記事■革ジャンにカビが生えたら?原因と失敗しないカビの取り方・予防法をプロが解説
■関連記事■【保存版】スエードのカビ取り徹底ガイド|正しいお手入れ方法と長持ちさせるコツ
■関連記事■バッグ・服・ソファなどの合皮製品に生えたカビを取るプロの対策法を伝授!
5. カビの種類別対策:白カビ・黒カビ・青カビ

カビ取りの方法は、素材だけでなくカビの種類によっても異なります。
見た目やにおい、広がり方などの特徴をもとに、適切な対処法を選ぶことが大切です。
ここでは、代表的な白カビ・黒カビ・青カビの特徴について解説します。
- 白カビ:比較的落としやすいが油断禁物
白〜薄グレーの綿毛や粉状で、においは弱めです。
表面だけの軽度なカビであれば、アルコール除菌やブラッシング、酸素系漂白剤などを使用して自力で落とせることが多いです。
ただし、繊維の奥に入り込んでいると再発しやすいため、生乾きにならないよう、しっかり乾燥・換気を心がけましょう。
- 黒カビ:色素沈着が強く、落とすのが難しい
黒や茶色の斑点が広がり、酸っぱいにおいが出ることもあります。
漂白剤を使っても色素沈着が残りやすく、完全に落とすのは難しいです。
無理にこすると生地を傷めるため、専門家に任せるのが安全です。
- 青カビ:革製品や特殊素材で要注意
青緑〜白っぽい粉状で、革製品や長期保管の衣類に多く見られます。
意外と奥深く根を張っていることがあり、表面のふき取りだけでは不十分な場合があります。
色素が残ってシミになることもあるため、慎重な処置が求められます。
服のカビ取りは、「素材×カビの種類」の両面で見極めることが重要です。
軽度の白カビであれば家庭で対処できる可能性がありますが、黒カビや青カビが広範囲に及んでいる場合は、費用をかけてでも専門家に任せるのが安全といえます。
6. 自宅で落とせないときのカビ対処法は専門家に任せる
これまでご紹介してきたように、カビは家庭でもある程度まで対応できますが、黒カビや青カビが広範囲に広がっている場合や、素材がデリケートな衣類では、自宅での処置には限界があります。
無理に対処しようとすると、かえって生地を傷めたり、カビを広げてしまう可能性もあるため、専門家に任せることも検討しましょう。
6-1. どんなときに依頼を検討する?
プロへの依頼が適しているのは、次のようなケースです。

- 黒カビや青カビが広範囲に広がっている
黒カビは色素沈着が強く、青カビは繊維の奥に根を張るため、自宅で完全に落とすのは難しい場合が多くあります。
無理に処置すると生地を傷める恐れがあるため、専門家の対応が安心です。
- 高級品や思い出のある衣類を安全に守りたい
ウエディングドレスやカシミヤのコートなど、代えのきかない大切な服は、無理に自分で処理すると生地を傷める恐れがあります。
多少費用がかかっても、専門家に依頼したほうが安全で確実です。
- 家庭で処置しても落ちない・においが残る
洗濯や漂白を繰り返してもシミやにおいが取れない場合、カビが繊維の深部にまで入り込んでいる可能性があります。
そのままにしておくと再発の原因になるため、プロの処理を検討しましょう。
- 洗濯表示が「洗えない」衣類にカビが生えた

水洗い不可の衣類に薬剤を使うと、縮みや色落ちなど劣化を招くリスクがあります。
素材を傷めず安全にカビを落とすには、専門的な知識と技術が必要です。
6-2. 一般のクリーニング店では断られるケースも
黒カビが広範囲に発生していたり、目立つ状態になっている衣類は、通常のクリーニング店では受付を断られることがあります。
それほど黒カビの除去は難しく、一般的な洗浄工程では対応が困難と判断されることが多いためです。
また、仮に受け付けてもらえたとしても、完全に除去されないまま返却されるケースも少なくありません。
その場合、見た目は一時的に改善されたように見えても、繊維の奥に残った胞子が原因で再発する可能性もあります。
このような理由から、黒カビや青カビなどの重度なカビ汚れがある場合は、最初からカビ取りを専門とするクリーニング業者に依頼することが、現実的かつ安心な選択肢といえるでしょう。
■関連記事■カビの生えた服をクリーニングに出す際にチェックすべきこと
6-3. カビ取り専門クリーニングがおすすめ

カビが繊維の奥深くまで根を張っていたり、家庭や一般のクリーニング店では除去しきれない場合には、カビ取り専門のクリーニング業者に依頼するのがもっとも確実な方法です。
たとえば、ハーツクリーニングでは、医療機器の滅菌にも使われるエチレンオキサイドガスによる殺菌処理を採用しています。
この方法は、カビはもちろん、ダニやその卵、雑菌まで衣類を傷めることなく徹底的に除去できる高精度な処理法です。
さらに、老舗のクリーニング店と提携し、熟練の職人によるシミ抜きや仕上げにも対応しているため、見た目の汚れも含めて丁寧にケアできる点も大きな魅力です。
ただし、高度な処理を行う分、料金は一般的なクリーニング店より高めになる傾向があります。
そのため、依頼する際は、高級ブランドの服や大切な思い出が詰まった衣類、替えのきかない特別な一着などに絞って活用するのがおすすめです。

7. カビを再発させない!服のカビを防ぐための対策
カビは一度取り除いても、同じ環境で保管すれば再び発生する可能性があります。
大切な服を長く清潔に保つためには、日頃のちょっとした工夫がカギです。
以下のポイントを押さえて、再発を防ぎましょう。

7-1. 洗濯後は速やかに干す
洗濯が終わったら、洗濯物はできるだけ早く取り出して干しましょう。
洗濯槽内は湿度が高く、長時間放置すると雑菌やカビが繁殖しやすくなります。
部屋干しの際は、扇風機やエアコンのドライ機能を活用し、洗濯物の間隔を空けて風が通るように干すことで、乾燥を早めることができます。
7-2. 洗濯槽の掃除を怠らない

洗濯槽そのものにカビが潜んでいると、洗濯のたびに衣類にカビ胞子が付着してしまう可能性があります。
月に1回程度は洗濯槽クリーナーを使用し、ゴムパッキンや糸くずフィルターの汚れもこまめに掃除しましょう。
また、洗濯後はフタを開け、洗濯機内部をしっかり乾燥させることも忘れずに行ってください。

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出典:Amazon

7-3. 定期的に換気する
湿気がこもりがちなクローゼットや収納スペースは、週に1〜2回扉を開けて空気を入れ替えましょう。
湿気を逃がすだけでもカビ対策になります。
また、タンスなどの家具は壁にぴったりつけず、少し隙間を空けて湿気が抜けるようにするのも効果的です。
■関連記事■クローゼットのカビとニオイを取り除き、再発を防ぐ方法をカビ取りのプロが伝授!
■関連記事■タンスのカビ取り完全ガイド!簡単で効果的な方法と予防策をプロが伝授
7-4. 除湿剤を活用する
クローゼットのサイズや形状に合った除湿剤を選び、湿度をコントロールしましょう。
除湿剤は時間が経つと効果が薄れるため、使用期限や吸湿量を確認しながら、定期的に交換することが大切です。
湿気の多い梅雨時や夏場は特にこまめにチェックしましょう。

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7-5. 収納は8割程度にとどめる
クローゼットやタンスに服をぎゅうぎゅうに詰め込むと、空気が通らず湿気がこもりやすくなります。
収納は全体の8割程度にとどめ、服と服の間に適度な空間を確保することで、通気性を保ちやすくなります。
7-6. クリーニング後のビニール袋は外す

クリーニングから戻ってきた衣類にはビニール袋がかかっていますが、湿気を逃がさない素材のため、長期間そのままにしておくとカビが発生しやすくなります。
帰宅後はできるだけ早くビニール袋を外し、風通しの良い場所に掛けましょう。
ホコリから守りたい場合は、不織布製の通気性のあるカバーに替えるのがおすすめです。

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7-7. 衣類を定期的にチェックする
長期間保管するオフシーズンの衣類は、半年に1回を目安に取り出して状態を確認するのが理想です。
陰干しして湿気を飛ばすだけでもカビの発生を防げます。
特に礼服やドレスなど、着用頻度の低い服ほどシミやカビの進行に気づきにくいため、定期的なチェックが大切です。
8. よくある質問(FAQ)

服にカビが生えたとき、どう対処すればよいか迷うこともあるでしょう。
ここでは、よくある疑問とその解決方法をまとめました。
8-1. カビ生えた服を着るとどうなる?健康リスクは?
カビの付いた服をそのまま着用すると、胞子を吸い込むことでアレルギー症状やぜんそくが悪化する恐れがあり、肌への接触でかゆみや湿疹が起きることもあります。
記事本文でも述べたとおり、カビを見つけたら必ず対処してから着るか、重度の場合は処分を検討しましょう。
8-2. Tシャツの黒カビは捨てるしかない?落とす方法は?
綿・ポリエステルのTシャツなら、酸素系や塩素系漂白剤を部分使いして落とせる可能性があります。
ただし、黒カビは色素沈着が強く、完全に落としきれないケースが多いため注意が必要です。
塩素系漂白剤は色柄物の色落ちリスクが高いので、白い服以外は避けましょう。
それでも落ちない場合は無理に残さず処分も視野に入れるのが無難です。
8-3. デリケート素材のカビ取り、家でやっても大丈夫?
シルクやウール、革製品などは生地が傷みやすいため、家庭での漂白剤使用やゴシゴシ洗いはリスクが高くなります。
大切な衣類なら、カビ取り対応のクリーニング店や専門業者に任せたほうが結果的に安心です。
記事本文でも紹介していますが、無理をして取り返しのつかないダメージを与えるより、プロに頼むほうが安全確実です。
8-4. カビ臭さの消し方は?アイロンや漂白剤でOK?

におい対策としては「酸素系漂白剤+高温乾燥」が効果的です。
また、耐熱素材ならスチームアイロンを当てることで雑菌を殺菌し、消臭に繋げることもできます。
ただし、衣類の素材によってはアイロン熱に弱い場合があるため注意が必要です。
繊維の奥にまでカビが入り込んでいる場合は、完全に消しきるのが難しい場合もあります。
8-5. クリーニング店や専門業者に依頼すべきケースは?
- 黒カビや青カビが広範囲に広がっている
- 高級ブランド品や思い出の服で絶対に失敗できない
- 自宅ケアを繰り返してもにおい・シミが残る
- 洗濯表示が「洗えない」素材
上記のような場合は、プロの技術に任せるのが安心です。
専門業者なら、医療レベルのガス滅菌など高度な処理で繊維の奥のカビや菌まで除去可能です。
費用はかかりますが、大切な衣類を守るための価値は十分にあるでしょう。
9. まとめ
今回は、服にカビが生えた際の対処法と、再発を防ぐためのポイントを中心に解説しました。
カビは一度生えるとやっかいですが、原因を知り、早めに対処し、素材に合った方法でケアをすれば、十分に防ぐことができます。
大切なのは、「放置しないこと」と「無理をしないこと」です。
- カビが付いたままの服は着ない
- 素材やカビの範囲によって、自力で落とすかプロに任せるかを判断する
- 捨てると決めたら、ほかの衣類に影響が出ないうちに処分する
自力で落とせそうな場合は、素材を傷めないように丁寧に行いましょう。
捨てたくないけど自力では難しい場合は、プロに任せることをおすすめします。
ハーツクリーニングのようなカビ取り専門のクリーニング業者は、医療レベルの殺菌技術と熟練の職人の手作業で、繊維の奥に入り込んだカビまで徹底的に除去してくれます。
高価な服や思い出の詰まった一着を守りたいときに、安心して任せられる存在です。

そして、カビを取り除いたあとは「再発させない環境づくり」が何より重要です。
洗濯・収納・湿度管理など、日々の工夫が予防につながります。

この記事が、大切な衣類を少しでも長く守るためのヒントになることを願っております。
