喪服や礼服に生えた白カビを落とす方法

喪服や礼服は頻繁に着るものではないので、タンスやクローゼットで長期保管したままという方が多いのではないでしょうか?

そんなときに喪服や礼服が急に必要になって出してみると白カビが生えていた!ということも。

喪服や礼服はデリケートな素材なので、基本的にはクリーニング店に依頼することが望ましいのですが

「クリーニングも間に合わないし、今日中になんとかしなくてはならないからドラッグストアで手に入るカビ取りに使えるアイテムがあると嬉しいな」

「簡単にカビが目立たなくなる方法を知りたい!」

というケースも多いかと思います。

そこで、今回はそんな緊急のときでも使えるアイテムや対処法をご紹介していきます。

1、ドラッグストアで入手できるカビ取りアイテム

消毒用エタノール

消毒用エタノールは薬局やドラッグストアで手に入れることができます。

ただし、正絹(シルク)やデリケートな生地の物には色落ちや変色の原因となることがあるため、使用することができません。

酸素系漂白剤

酸素系漂白剤は、過炭酸ソーダ、過炭酸ナトリウムなどとも呼ばれ、弱アルカリ性です。

衣類の漂白や除菌、においの除去が得意です。

色柄物の衣類にも使用できますが、分量を超えると色落ちの原因となることがありますので注意しましょう。

正絹(シルク)などのデリケートな素材には使用できません

メイク落とし

メイク落とし用のクレンジングシートでカビを取ることができます。

クレンジングシートはドラッグストア以外にコンビニでも販売されているため、24時間いつでも手に入りやすいアイテムです。ただし、塗布後はしっかりと取り除く必要があります。

ベンジン

ベンジンとは昔から家庭でよく使われてきた衣類用のシミ抜き剤です。

着物だけでなく洋服などにも使用できるので、現在でもさまざまな商品が販売されています。

取り扱い説明書をよく読んでから使用してください。

他にも揮発油、ナフサ、石油エーテル、リグロインなどと呼ばれることもあります。

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ハッカ油

ハッカ油は濃いので、そのまま使用せずに水で薄めて使用します。

ハッカ油には防カビ、防虫効果もあり、カビによる嫌な臭いを防ぐことができます。

2、喪服や礼服のカビ取り方法

2-(1)、消毒用エタノールを使用する方法

用意するもの

  • 消毒用エタノール
  • いらないタオルや布
  • マスク
  • ゴム手袋

出典:Amazon

①、タオルや布に消毒用エタノールを含ませ、カビが生えている部分をたたくようにして拭き取ります。

②、その後、日陰干しして乾燥させて完了です。

※注意点※

喪服や礼服の品質表示を確認してください。

消毒用エタノールは引火しやすい性質がありますので火気厳禁です。

完全に乾くまでタバコやライターの火も近付けないでください。

室内で作業するとカビの胞子を撒き散らしてしまうおそれがあるため、できれば屋外で作業するのがおすすめです。

室内で作業する場合には窓を開けるなどして換気をしながら作業してください。

2-(2)、上記方法では落とせなかった場合

上記の方法では落とせなかった汚れやカビの対処法になります。

用意するもの

  • 液体の酸素系漂白剤(ワイドハイターなど)
  • 食器用中性洗剤(除菌効果のないもの)
  • 重曹
  • 歯ブラシ
  • ボウル
  • いらないタオル
  • バケツや桶など

出典:Amazon

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①、ボウルに液体の酸素系漂白剤を小さじ3入れ、重曹小さじ1を加えます。

②、そこに食器用中性洗剤を3滴加えます。

③、歯ブラシを使用して5周程度軽く混ぜます。

④、カビが生えている箇所の下にタオルを敷き、歯ブラシに3の液をつけて軽く押し付けるようにたたき込みます。

⑤、タオルをずらしながらカビがタオルに色移りしなくなるまでくり返します。

⑥、バケツや桶に水をはり、カビを取った部分を浸してやさしく揺らすようにしてよくすすぎます。

⑦、すすいだあとは速やかに普段通りの洗濯をして乾かします。

※注意点※

酸素系漂白剤は粉末のものを使用すると成分が異なり、生地を傷めることがあるので必ず液体のものを使用してください。

食器用中性洗剤は除菌効果があるものは色落ちのおそれがありますので使用しないでください。

混ぜすぎると化学反応により効果がなくなるので注意してください。

目立たない場所に液をつけ、タオルで拭き、色移りしないかを確認してからおこなってください。

色移りした場合にはクリーニングなどの専門店へ依頼してください。

最後に普段通りの洗濯をしないと輪ジミなどができることがありますので必ず最後に丸洗いしてください。

2-(3)、酸素系漂白剤を使用する方法

用意するもの

  • 酸素系漂白剤
  • お湯
  • バケツや洗面器など
  • ゴム手袋

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①、バケツや洗面器に40℃~60℃くらいのお湯と酸素系漂白剤を表示されている量溶かします。

②、カビが生えた服を30分程度つけおきします。

③、いつもどおりの洗濯をして完了です。

※注意点※

必ず換気をしながら作業してください。

お湯を使用するのでやけどに注意しましょう。

2-(4)、ベンジンを使用する方法

使用するもの

  • ベンジン
  • いらない布やタオルなど
  • ビニール手袋

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①タオルを着物の汚れの下に敷きます。

②ベンジンをガーゼにたっぷりと含ませます。

③汚れの上から下のタオルに移すようにたたきます。

汚れが落ちるまで②~③をくり返してください。

④汚れが落ちてきたらベンジンが乾く前に素早くその周りも広範囲にたたきます。

こうすることで輪ジミを防ぐことができます。

⑤最後に着物を自然乾燥かドライヤーの冷風で乾燥させて完了です。

※注意点※

  • ベンジンの取り扱い説明書をよく読んでから使用してください。
  • ベンジンは空気に触れると揮発しますので、すぐにフタをしましょう。
  • ベンジンを使用する際には換気を必ずしてください。

また、火気厳禁ですので、火元が近くにないか確認してから作業してください。

ガーゼにベンジンを含ませるときに量が少ないと輪ジミの原因になりますのでたっぷりと染み込ませてください。

輪ジミなどが心配な方は他の布などで練習してから着物でおこなうのも良いでしょう。

ドライヤーを使用して乾燥させる場合には温風を使用すると生地が傷んでしまうことがありますので、必ず冷風を使用するようにしましょう。

3、喪服や礼服にカビが発生する原因とは?

喪服や礼服を着用したあとはクリーニングしていますか?

ちょっと着ただけだから…と、そのまま収納してしまうと汗や皮脂、飲み物や食べ物の汚れが付着している可能性があり、それらはカビの栄養源となってしまいます。

少し着ただけだからとそのまま収納せずにクリーニングに出してから収納するようにしましょう。

4、喪服や礼服のカビ予防方法

①タンスやクローゼットの換気をする。

タンスやクローゼットは閉めたままにせず、ときどき開放して空気の入れ換えをして湿気をとばすことでカビを予防することができます。

扇風機やサーキュレーターを使用すると素早く換気することができます。

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出典: Amazon

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②除湿を心がける。

タンスやクローゼットに新聞紙を敷くだけでも除湿効果があります。

除湿剤や新聞紙は湿気を吸ったら、定期的に交換するようにしましょう。

湿気を吸ったものをそのままにしておくと、カビの発生源となることがあります。

出典: Amazon

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③クリーニングのビニールを取る。

喪服や礼服をクリーニングに出したあとはビニールに入れて返却されます。

そのビニールは持ち帰るまでのホコリや汚れを避けるためのものなので持ち帰ったらビニールは外しましょう。

ビニールのまま収納してしまうと、湿気がこもりカビが発生する原因となります。

④不織布のカバーをする。

最近では、光触媒加工された衣類カバーが販売されています。

光触媒とは、太陽光や室内の蛍光灯などの光に反応し、カビの発生を抑制する物質のことです。

服を保管する際に、かぶせておくだけで衣類をカビやホコリやにおいから保護することができます。

100円ショップでも取り扱いがある店舗もありますので手軽に入手することができます。

5、広範囲にカビが発生している場合

喪服や礼服に広範囲のカビが発生している場合にはすぐに対処するのは難しいです。

この場合には新しいものを購入するか、レンタルも検討しましょう。

最近では急に必要になる喪服や礼服のレンタルは当日中に発送してくれるサービスもあります。

また、タンスやクローゼットにしまっていてカビが発生していた場合には、他の衣類にもカビが発生している可能性があります。

そのため、喪服や礼服にカビが生えていることに気が付いたら同じ場所で保管している他の衣類も確認するのがおすすめです。

6、早めに専門店への依頼をしましょう。

今回は喪服や礼服にカビが発生した際の応急処置になります。

カビは一度繁殖してしまうと、根が深くなっていきプロでも落とすことができないということもあります。

カビが発生しないように予防を心がけ、カビが発生してしまったらクリーニングやカビ取りを専門としている店に早めに相談するようにしましょう。

7、まとめ

・ドラッグストアで手に入る喪服や礼服のカビ取りアイテムは5つ!

・喪服や礼服のカビ取りは品質表示に注意して作業しましょう。

・喪服や礼服のカビを予防する方法は4つあります。

・広範囲のカビには喪服や礼服のレンタルまたは新しいものの購入を検討も!

・早めに専門店に相談しましょう。

<参考文献>

・主婦の友社『プロのコツ集めた新・洗濯しみ抜き事典』1985年、主婦の友社

・横倉靖幸『「シミ抜きの神様」が教える驚きのマジック!』2017年、扶桑社

・本橋ひろえ『ナチュラルおせんたく大全』2020年、主婦の友社

・井野良介『暮らしの「スゴ技」大百科』2014年、宝島社

・おそうじ本舗『おそうじ本舗の速攻そうじ術』2016年、宝島社

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