キッチンの黒カビを除去する効果的な方法&カビを予防策

「キッチンのシンクに黒いカビが発生してしまった。どうやってカビ取りすればいいんだろう?」
「キッチンのカビ取りをしたけど、すぐに再発して困っている…」

キッチンは日々の料理や洗い物によって湿度が高くなりがちな場所です。
この湿気がカビの発生を促し、流し台やその周りに黒カビを生えやすくします。

キッチンは家族が食べる料理を作ったり、食材を保管したりする場所のため、衛生的に保つことが非常に重要です。

そこで今回は、キッチンに発生した黒カビを安全かつ効果的に除去する方法について詳しく解説します。
カビを防ぐための対策についても解説するので、キッチンのカビにお困りの方は是非最後までお読みください。

この記事でわかること
・キッチンにカビが発生しやすい理由
・キッチンの黒カビを除去する方法
・キッチンのカビ対策

1.キッチンにカビが生えるとどんなリスクがある?

キッチンの黒カビの除去方法の前に、まずはカビが発生することでどのようなリスクが起こり得るのか詳しく解説します。

1-1.健康への影響

キッチンに生えるカビは健康上のリスクをもたらす可能性があります。

カビの胞子は空気中に放出されるため、これを吸い込むことでアレルギー反応や呼吸器系の問題を引き起こすことがあります。
特に喘息やアレルギーのある人は影響を受けやすいです。

また、一部のカビはマイコトキシン(カビ毒)を生成し、これが重篤な健康問題を引き起こすことがあります。
長期間にわたってカビの胞子に曝露することで、免疫系が弱まり、感染症にかかりやすくなることも懸念されます。

1-2.食品の汚染

キッチンでカビが繁殖すると、食品への直接的な汚染が発生する可能性があります。
湿度が高く保存条件が適切でない場合、パンや果物などの食品にカビが生えてしまうかもしれません。

カビに汚染された食品を摂取することで、食中毒を引き起こすリスクがあります。
さらに、カビが生産する毒素によって健康被害が生じる可能性もあるため、カビの摂取は避けるべきです。

1-3.悪臭の発生

カビは独特な不快な臭いを発します。
キッチン内にカビが生えると、この悪臭が空間全体に広がり、食品にも影響を与える可能性があります。
カビの臭いは食欲を減少させるだけでなく、キッチンでの料理や食事の楽しみを損なう原因となるでしょう。

1-4.キッチンの美観を損なう

カビの発生は、キッチンの清潔さや美観に大きく影響します。
黒や緑の斑点として目に見えるカビは、キッチンの壁、床、シリコンシーリングなどに現れ、不衛生な印象を与えてしまいます。

1-5.設備の損傷

カビは木材やシリコンなど、多くの建材に損傷を与えることがあります。
湿度が高い環境で長期間放置すると、カビがこれらの材料を分解し始め、キッチンの設備や構造に永久的なダメージを与える可能性があります。

もし修理が困難な損傷になってしまうと、リフォームが必要になり、高額の費用が発生してしまうかもしれません。

2.キッチンの流し台に生えた黒カビを除去する方法

1.キッチンにカビが生えるとどんなリスクがある?でお伝えした通り、カビの発生には様々なリスクがあるため、カビを見つけたら早急に対処するようにしましょう。

ここでは効果的なカビ取り方法を紹介します。

2-1.事前準備

カビ取り作業を安全に行うため、事前準備は非常に重要です。

まず、カビ取り作業をする時は必ず換気しましょう。
そしてカビ取り剤を他の清掃剤と混合することは避け、化学反応による有毒ガスの発生リスクを最小限に抑えましょう。
特に酸性のものとは絶対に混ぜないようにしてください。

また、カビ取り剤に含まれる化学成分は、目や呼吸器系に刺激を与える可能性があるため、マスクやゴム手袋ゴーグル、長袖の服などを着用して、体を保護してください。

用意するもの

  • 市販のカビ取り剤
  • 台所用洗剤
  • 掃除用スポンジ
  • ラップ
  • クレンザー
  • 歯ブラシ
  • マスク
  • ゴム手袋
  • ゴーグル
  • 長袖の服

今回は黒カビだけでなく、サビやヌメリの除去についても併せて紹介します。
そのためクレンザーと歯ブラシを使用しますが、サビがない場合はこの2つは用意しなくても大丈夫です。

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2-2.カビ取り手順

準備が終わったら、カビ取り作業に入っていきます。
広範囲のカビで時間が掛かる場合は、無理せずに休憩をはさみながら作業をしてください。

①台所用洗剤で流し台を洗剤で洗う

まずはヌメリと表面のカビを除去します。
台所用の洗剤を吹きかけてスポンジで擦るだけで、ある程度の汚れや目に見えるカビは取り除くことができます。

②カビ取り剤を吹きかけて時間を置く

市販のカビ取り剤をカビが発生している箇所とその周りに均一にスプレーし、15分程度放置しましょう。
カビがひどい場合には、カビ取り剤をスプレーした上からラップをして密封すると効果的です。

③カビ取り剤を洗い流す

流水でカビ取り剤をしっかりと洗い流します。
この時、洗い残しがないように丁寧に作業を行い、その後水気をしっかり拭き取ります。
ここまでの作業でキッチンの黒カビ除去は完了ですが、流し台にサビ汚れが残っている場合は、さらにサビの除去も行います。

④クレンザーをサビ部分に付けて磨く

サビの除去には、市販のクレンザーを使用し、歯ブラシでサビ部分を優しく磨きます。
強くこするとステンレスに傷がつき、再びカビの原因となる可能性があるため、力を入れすぎないように注意しましょう。

⑤流水で洗い流し拭きあげる

流水でしっかりとすすぎ、拭き上げれば作業は完了です。

この一連の手順で、キッチンの流し台は黒カビ、ヌメリ、サビが除去され綺麗になります。
始める前と比較してみると、その効果の違いがはっきりとわかるでしょう。

全体の作業には約30分程度かかりますが、その価値は十分にあります。
キッチンの流し台のカビや汚れにお困りでしたら、是非試してみてください。

3.カビが酷くて自力での対処が難しい時は専門業者に相談する

カビが酷くてキッチンの黒カビを自力で除去できない場合や、カビ取りしても何度も再発してしまう場合は、カビ取り業者に依頼するのが最も確実です。

専門業者に依頼する最大の利点は、彼らが持つ知識と経験、そして専門的な機器を用いることで、根本的なカビの問題を解決できる点にあります。

また、カビの発生原因を特定し、将来的な再発を防ぐための具体的な改善策も提案してくれます。
例えば、キッチンの換気が不十分である場合や、湿度が高すぎる場合には、換気システムの改善や除湿器の設置を勧めてくれるかもしれません。

さらに、専門業者は使用する薬剤にも細心の注意を払っているため、住宅環境や住人の健康を害することのないよう配慮して作業を行ってくれます。
専門業者なら作業中の安全措置も徹底し、カビ除去後の清掃や消毒も行うため、安心して任せることができます。

自力で対処が難しい場合、専門業者に依頼することで、カビ問題を根本から解決し、健康的で快適なキッチン環境を取り戻すことが可能です。
酷いカビにお悩みであれば、是非一度カビのプロに相談してみましょう。

カビ取り業者に相談する

4.キッチンにカビが発生しやすい原因とは?

そもそも何故キッチンはカビが発生しやすいのでしょうか。
まずカビは以下の4つの条件が揃っている場所に発生しやすいものです。

  • 湿度
  • 温度
  • 栄養源
  • 酸素

キッチンは水回りなので、常時水気が存在します。
この濡れた環境や湿度の高い環境はカビの成長にとって理想的な条件を提供します。
さらに、洗剤カスや食べ残し、生ごみなど、カビの成長に必要な栄養源が豊富にあるのも特徴です。
キッチンでの調理により気温が上昇することもあるため、カビが好む環境が揃ってしまうのです。

また、流し台のすぐそばに食器の水切りカゴを置くことが一般的です。
この水切りカゴを定期的に清掃して乾燥させないと、カゴの下に水分が溜まり、ヌメリや水垢、そしてカビの発生原因となります。

↓の写真も、水切りカゴの下に発生したカビです。

キッチンのシンクでよく使用されているステンレスは、他の金属に比べて耐食性に優れているためカビにくくサビにくいという特徴があります。

と言っても、ステンレスは「鉄」を含んでいるため、適切な掃除が行われず、長時間湿った状態にさらされると、カビが発生することはあります。
ステンレス製だからと過信せずに、清潔を保ち、こまめに掃除を行うようにしましょう。

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5.キッチンの黒カビを防ぐための対策

キッチンに黒カビが生えると、見た目だけでなく衛生面にも悪影響を及ぼします。
また、カビは発生してから除去しようとすると非常に手間が掛かるので、まずはカビが生えないように対策をすることが大事です。

ここでは、キッチンの黒カビを予防する方法を紹介するので、是非実践してみてください。

5-1.キッチンの換気を良くする

カビは湿度が60%以上のところで発生しやすくなります。
そしてキッチンの湿度を下げるためには、換気が重要です。
料理中だけでなく、普段から窓を開けて空気の流れを作ることがカビ予防につながります。

また、換気扇のフィルターは定期的に掃除し、効率的に湿気や油煙を外に排出できるようにしましょう。

5-2.食べカスや使用後の食器を放置しない

洗い物や生ごみをシンクに溜めてそのまま放置すると、不衛生でありカビの原因となります。
カビはジメジメした環境と栄養源を好むため、食べカスや洗い残しはカビの格好の養分となります。
食器は使用後すぐに洗い、食べカスや石けんカスも残さないようにしましょう。

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5-3.キッチン使用後は拭きあげて乾燥させる

キッチン使用後の水分は、ヌメリやカビの成長に最適な環境を提供します。

料理や洗い物の後、流し台やカウンターに残った水滴は、放置することでカビの温床となり得ます。
そのため、作業終了後は必ず清潔な布やタオルで水気をしっかりと拭き取り、キッチン全体を乾燥させることが重要です。

また、日々の掃除には使い捨てのダスターを利用すると、衛生的で便利です。
これらは汚れが目立ったらすぐに新しいものに交換できるため、清潔を保ちやすくなります。

5-4.水切りカゴも使用後に洗浄し乾燥させる

水切りカゴの下は、日頃からキッチンを清潔にしていても見落とされがちな場所です。
水切りカゴは食器を置きっぱなしにせず、使用後は洗剤で洗い、立てかけて乾燥させ、台の下も洗ってしっかり乾燥させましょう。
また、カゴの代わりに水切りマットを使用すると、キッチンを清潔に保ちながらスペースを有効活用できるのでお勧めです。

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5-5.定期的に消毒をする

キッチンの流し台を洗浄するだけでは、カビの原因を完全に除去しきれないことがあります。
定期的にキッチン用の漂白剤などを使用して周囲を消毒することがおすすめです。
同時に、まな板や包丁、ダスター、スポンジなど雑菌の繁殖しやすいキッチングッズも消毒し、カビや食中毒のリスクを減らしましょう。

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出典:amazon

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5-6.排水口の定期的な掃除と消毒を行う

排水口はカビや細菌が繁殖しやすい場所の一つです。食べカスや油が溜まりやすく、湿度も高いため、定期的に掃除と消毒を行うことが重要です。
排水口のフタを取り外して洗浄し、キッチン用の漂白剤で消毒することでカビの繁殖を防ぎます。

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5-7.キッチン用品の定期的な見直しと清掃

スポンジや布巾などのキッチン用品も、カビの温床となり得ます。
使用後はしっかり乾燥させ、2〜3週間に1度は新しいものに交換することを心がけましょう。
また、調味料入れや小物入れなど、定期的に中身を出して拭き掃除することも忘れずに行ってください。

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6.まとめ

今回はキッチンに発生した黒カビの除去方法やカビ対策について解説しました。

カビはキッチンの美観を損なうだけでなく、健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。
今回紹介したカビの除去方法や予防策を実践することで、キッチンを清潔に保ち、カビのリスクを最小限に抑えることが可能です。
特に、定期的な清掃と湿度管理はカビ対策の基本であり、小さな心がけが大きな差を生むことを覚えておいてください。

もし自力でカビの除去が困難な場合は、専門業者に相談するのも一つの解決策です。

キッチンは毎日使う場所だからこそ、清潔で健康的な環境を保つことが大切です。
今回の情報が、皆さんのキッチンを守り、より良い生活空間を作るお手伝いになれば幸いです。