お弁当箱にカビが!カビの生えやすい種類と、安全に取り去る方法
珍しくお弁当を作ろうと、お弁当箱を取り出して異変に気付く...
「あれ?!なんだかこのお弁当箱、カビ生えてない?!」
お弁当箱の端に、黒や白いポツポツが...お気に入りのお弁当箱だったのにショック!!
こんなことはありませんか?!そこで、この記事ではお弁当箱に
- カビが生える原因
- カビを落とす方法
- カビを落とす際の注意点
をご紹介していきます!
目次
お弁当箱にカビが生えてしまう原因
カビはプラスチック、木材、ガラス、金属などさまざまな物に生えます。
また、表面が粗く帯電性が強いほど表面にカビが付着しやすくなります。
カビが生えるのに
- 水分
- 栄養分
- 温度
が必要であり、使用したあとのお弁当箱には食べ物のカスや汚れが付着していることから、放置してしまうとカビが非常に生えやすくなってしまうのです。
お弁当箱の四隅などスポンジが届きにくい場所は汚れがたまりやすいです。
そのため、お弁当箱を使用したあとは、すぐに洗って乾燥させることでカビが生えるのを防ぐことが重要です。
しかし、お弁当箱を使用し、学校や職場から帰宅したあとでないとすぐには洗えないという方も多く、放置してしまいカビが生えてしまったことがある方もいるのではないでしょうか?
お弁当箱の素材の種類にはどんなものがあるの?
お弁当箱の素材には皆さんご存知の通り
- プラスチック
- ホーロー
- ステンレス
- アルミ
- 曲げわっぱ
などの木製、等の種類があります。しかし「カビの生えやすさ」という観点から言いますと
どれがもっとも良いということはなく、それぞれメリットとデメリットがあり、特徴があるということを知っていただきたいと思います。
定番のプラスチック製お弁当箱の注意点
プラスチック製のお弁当箱は価格も安く、軽いので持ち運びにも人気なお弁当箱の種類の1つですがデメリットもあります。
臭いが残りやすく、柔らかい素材なので傷がつきやすいです。
ステンレス、アルミ、ホーローの素材は臭い残りが気にならず、油汚れも落としやすいです。しかし、強くこすりすぎて傷がつくとその中から雑菌が繁殖してしまうということもあります。また、気密性が高いのは良いのですが湿気がお弁当箱内に残りやすいためしっかりと乾燥させてから保管する必要があります。
ここで、お弁当箱の種類別「カビにくさ度」を表にまとめてみました。
気密性に関しては「高い」方がお弁当の汁気も漏れにくいというメリットもありますが、フタをそのまま閉じて保管した場合、湿気がそのままたまりやすく、洗い残しや湿気が残ったままですとカビやすい要因の1つとなります。
(ですので、木製のお弁当箱は湿気は逃げやすく通気性は良いということになります)
カビが生えてしまった時の対処方法
①キッチン用〇〇でカビを取る方法
プラスチック製のお弁当箱を放置してカビが生えてしまった時には、軽度であれば
次亜塩素酸ナトリウムというキッチンハイターやキッチンブリーチなどの台所用の塩素系漂白剤がおすすめです。
カビを殺菌し、さらに漂白力もあるのでお弁当箱をきれいな状態に戻すことができます。なぜ、キッチンハイターがカビ取りに有効かと言いますと、カビはタンパク質でできているので、アルカリ性に弱いのです。その為、雑菌だけでなくカビを殺菌する効果もあるのです。
一般的なカビ取り剤は、強アルカリ性(次亜塩素酸ソーダと苛性ソーダを混ぜたもの)で、漂白剤でもあります。そのため、ハイター類が殺菌効果と漂白効果があり、カビの汚れをきれいにしてくれます。
少し時間を置いてカビの根まで除菌
ハイターはすぐに洗い流すよりも時間を置いてからの方がカビの根っこまで成分が浸透し、より効果的にカビを除去できます。
しかし、塩素系漂白剤でプラスチックが劣化するおそれもあるので、塩素系漂白剤のパッケージの注意事項やお弁当箱に記載されている注意事項をしっかりと守ってカビに対処するようにしましょう。
油汚れをしっかり落としてから使用すること
次亜塩素酸ナトリウムは油やたんぱく質など食品由来の汚れと混ざると殺菌力が弱くなってしまうため、先にそれらの余分な汚れを洗浄した方が殺菌の効果を発揮させることができます。
また注意点として、次亜塩素酸ナトリウムを酸性のものと混ぜると有害な塩素ガスが発生するため、「まぜるな危険」と表記がされています。
専門家の指示なく洗剤や殺菌剤などをまぜて使用するのは危険なのでやめましょう。
木製のお弁当箱の取り扱い方
木製のものは塗装していない白木の状態であると、洗剤が使用できないため、しっかり乾燥させないとカビが生えやすいです。
天日干しして、紫外線による殺菌を行いましょう。しかし、木製のものは天然素材であるため、使用状況によって黒ずんでしまうことがあります。
この黒ずみの原因はカビによる場合やタレや油分などのシミ、変色による場合があります。
木製のお弁当箱は木の繊維までカビが根付いてしまうと、殺菌消毒してもカビを除去することができません。
この場合は残念ですが、安全面を考慮して処分し、新しいものに買い替え、カビが生えないように注意して使用するのが良いでしょう。
熱湯消毒でお弁当箱のカビを除去する方法
家庭や病院などでも、一般的に昔から広く使われてきたオーソドックスな殺菌方法のひとつが熱湯消毒です。
熱湯消毒の一番のメリットは、薬剤等を使用しないので、安心安全な点です。ただし、熱湯を使用するので、やけどの危険性があり注意が必要です。また、お弁当箱の素材の内部まで十分に温度が上がらないと殺菌効果が期待できません。
そのため、鍋などの中にお弁当箱を浸けて煮沸消毒をしましょう。
耐熱温度をチェックしよう
熱湯消毒する際は、お弁当箱の表示等を確認し、耐熱温度が100℃以上で記載されていれば、熱湯で煮沸消毒ができます。
ステンレスやアルミ製のお弁当箱は錆びてしまう可能性があるため、キッチンハイター等は使用できないので、煮沸消毒がおすすめです。
③アルコール消毒でカビを除去する方法
アルコールによる消毒もカビに効果的です。
アルコールは揮発性が高く、食品としても使われているので残留したとしても心配なく、カビに対する作用も強いため、使いやすい殺菌剤です。
油汚れと水気に注意!
ただし、お弁当箱が油などで汚れている場合にはアルコールの殺菌力が弱くなってしまうので、食器洗剤などで洗ってからアルコールを使用してください。また、アルコールは水で薄まってしまっても殺菌力が弱くなってしまうので、必ずお弁当箱の水分を除去して乾燥させてから使用しましょう。
防カビ加工のお弁当箱を選ぶ
また、予防策としてカビの生えにくい「防カビ加工」のお弁当箱を選ぶという方法もあります。プラスチック製は傷がつきやすく、カビがは得やすいというお話をしましたが、防カビ加工のものを選ぶことで軽くて持ち運びのしやすいお弁当箱でも、カビにくく衛生的に使用することが出来るので、次に購入される際に検討してみてください。
また、いつものお弁当箱を使用しながら抗菌効果のある「防カビシート」などをお弁当箱のフタに貼ることでカビを防ぐという方法もります。お弁当の腐敗も防げますので、夏季など殺菌が増えやすい時期の食中毒予防としてもおススメです。
まとめ
お弁当箱にカビを生やさないためには、素材によってカビが生えてしまった時の対処法を変えることがポイントです。また、普段からお弁当箱を
- 定期的に消毒する
- 汚れを落とさないようにする
- しっかりと乾燥させて保管するようにする
- 防カビシートなどを入れてカビ予防をする
など、カビが発生する前に予防することが重要です。お気に入りのお弁当箱を長く使うためにも、衛生的にお弁当を食べるためにも日ごろからお弁当箱の衛生管理を気を付けましょう!
<参考文献>
・朝倉邦造『カビのはなし─ミクロな隣人のサイエンス─』2013年、朝倉書店
・隈下祐一、加藤信一『洗浄と殺菌のはなし』2013年、同文館出版