プラスチックにもカビは生える!除去方法と予防策について

「しばらく掃除していなかったらキッチンの排水口のフタに黒カビが生えてしまった…」
「人工物なのに、プラスチックにもカビって生えるものなの?」

カビは木材や革製品など天然素材に発生しやすいものですが、人工物であるプラスチック製品でもカビが生えることはあります。

特にキッチンやお風呂場のように水分や油分が残りやすい環境はカビのリスクが高くなっています。
これらの場所には、まな板や排水口のフタ、洗面器などたくさんのプラスチック製品が置いてあるものです。

しかも種類によっては色素が沈着し、簡単に除去できなくなってしまうことも少なくありません。
その場合、カビ取りしてもカビが残ってしまい、そこから再発することでカビ取りの無限ループに陥ってしまうこともあるのです。

そこで今回は、プラスチック製品に発生したカビを除去する方法について詳しく解説いたします。
プラスチックのカビを予防するための対策についても紹介するので、是非最後までお読みください。

この記事でわかること
・プラスチックにカビが生える理由
・プラスチックのカビ取り方法
・プラスチックのカビ対策

1.プラスチックにカビが生える理由

プラスチックにカビが生える理由をお伝えする前に、まずはカビが発生する条件から解説します。
カビは以下の発生条件が揃っている場所に生えるものです。

  • 湿度
  • 温度
  • 栄養源
  • 酸素

この4つの条件が全て揃っている場所は、どんな場所であってもカビのリスクが高い状態です。
そしてプラスチックにこの条件が揃ってしまうとカビが発生することがあります。

1-1.カビはプラスチックすら栄養にする

驚く方も多いと思いますが、カビはプラスチックを含むさまざまな素材を栄養にする能力があります。
木材や塗料、さらにはアルミニウムなどの金属まで、成長のために使用します。

他にも埃や皮脂、食べカスなどの汚れも栄養にするため、プラスチック表面にそれらが付着していると、更にカビが発生しやすい環境になってしまうのです。

1-2.カビは湿度の高い場所に生える

カビは濡れている場所や高湿度の場所を好む傾向にあります。
湿度60%を超えるとカビが活動を始め、湿度が高ければ高いほど活発になります。
そのため、洗面器や風呂フタ、洗面台の歯磨き用コップなどにもカビが生えやすいのです。

そして、カビは水回り以外でも発生することがあります。
例えば、物置や棚のような狭いスペースに物を置くと、通気性が悪く、湿気がたまりやすくなります。

また、カビは発生した場所から更に胞子を飛ばし、周囲にカビを広げる可能性があります。
そのため、カビが見つけたら早急に対処することが重要なのです。

2.プラスチックに生えたカビを放置するとどうなる?

プラスチック製品にカビが生えていても「面倒だからまた今度カビ取りしよう」と後回しにしてしまう方がいらっしゃいます。

しかしカビを放置すると様々なデメリットが生じる恐れがあります。

2-1.健康リスクの増加

カビはアレルギー反応や呼吸器系の症状を引き起こす可能性があり、これは喘息やアレルギーを持つ人にとっては特に深刻です。

カビの胞子やそれに付随する化学物質は、空気中に拡散し、健康への影響を及ぼします。
これにより、呼吸困難、咳、鼻水、目のかゆみなどの症状が生じることがあります。

また、カビが放出する毒素や化学物質は、頭痛、目の刺激、皮膚の発疹などを引き起こす場合もあり、長期間の暴露によって、より深刻な健康被害が発生するかもしれません。

2-2.カビの拡散

プラスチック製品に生えたカビを放置すると、胞子が空気中に拡散し、家の他の部分で繁殖するかもしれません。
特に湿度が高い場所や有機物が豊富な環境ではカビの成長が加速され、最悪の場合、家中にカビが広がってしまう恐れもあります。

また、カビは非常に頑固であり、一度定着すると完全に除去することが困難になるため、早めの対処が重要なのです。

2-3.製品の劣化

プラスチック製品にカビが発生すると、色素が沈着して除去が難しくなることがあります。

強力な液剤で除去しようとすると、製品が劣化したり、損傷したりする恐れがあります。
そうなると製品の寿命を短縮させることになり、場合によっては捨てる羽目になってしまうかもしれません。

2-4.悪臭の発生

カビは繁殖する時に不快な臭いを発するため、これを嗅ぐことで「カビ臭い」と感じてしまうでしょう。
この臭いは、密閉された空間や湿気の多い場所で顕著になり、居住環境を不快にする原因となります。

カビ臭さを感じるという事はそれだけカビが範囲を広げているということになるので、できるだけ早く対処する必要があります。

3.プラスチックに生えたカビを除去する方法

一括りにプラスチック製品と言っても、発生する場所や物によっておススメのカビ取り方法も変わってきます。
ここではカビ取り方法を3パターン紹介するので、状況に合わせたやり方で行ってください。

3-1.市販のカビ取り剤で除去する

まずは、カビキラーやカビハイターなどの塩素系カビ取り剤を使用した方法を紹介します。

カビ取り剤はその名の通り、カビの除去に特化している液剤のため、カビの殺菌力が高くなっています。
ただし、漂白効果があるため、色付きのプラスチック製品には使用できません。
色がついていない、または色落ちしても問題ない製品のカビ取りで使用しましょう。

用意するもの

  • 塩素系カビ取り剤
  • 中性洗剤
  • スポンジ
  • 雑巾
  • マスク
  • ゴム手袋
  • ゴーグル
  • 長袖の服

カビ取り作業をする時は、マスク、ゴム手袋、ゴーグル、長袖の服を身に付けるようにしましょう。
そして必ず換気してください。

マスクをしたり換気したりする理由は、カビ取り剤の刺激臭の問題もありますが、もっと重要なのはカビを大量吸入することで健康に害を及ぼす可能性があるからです。

また、万が一肌にカビ取り剤が付着した場合は、直ちに水で洗い流すようにしてください。

カビ取り手順

①カビ取り前に汚れを落とす
②カビ取り剤を吹きかけてしばらく放置する
③しっかりと水で洗い流し、水気を拭き取る

①カビ取り前に汚れを落とす
汚れが残っているとカビ取り剤をかけてもカビの中まで浸透しない恐れがあるため、事前に汚れを落とす必要があります。
スポンジと中性洗剤で除去し、水気を拭き取りましょう。

②カビ取り剤を吹きかけてしばらく放置する
カビが発生している箇所とその周辺にカビ取り剤を吹きかけ、しばらく放置します。
放置時間に関しては、ラベルやパッケージに記載されているので確認してください。

③しっかりと水で洗い流し、水気を拭き取る
カビ取り剤の成分が残らないようにしっかりと水で洗い流しましょう。
また、水気が残っているとカビのリスクが高くなってしまうので、水気を拭き取り、その後自然乾燥させてください。

ジョンソン カビキラー

出典:amazon

3-2.重曹と酢で除去する

カビ取り剤が使用できない色付きのプラスチック製品のカビ取りには、重曹と酢を使用しましょう。

用意するもの

  • 重曹
  • 中性洗剤
  • スプレーボトル
  • スポンジ
  • マスク
  • ゴム手袋

カビ取り作業をする時は換気をして、更にマスク、ゴム手袋で体を保護するようにしてください。

カビ取り手順

①カビ取り前に汚れを落とす
②酢を吹きかけて、重曹を振りかける
③スポンジで擦ったあと水で洗い流し、乾燥させる

①カビ取り前に汚れを落とす
汚れが残っているとカビ取り剤をかけてもカビの中まで浸透しない恐れがあるため、事前に汚れを落とす必要があります。
スポンジと中性洗剤で除去し、水気を拭き取りましょう。

②酢を吹きかけて、重曹を振りかける
酢を水で1対2の割合で希釈し、スプレーボトルに入れてカビの発生箇所やその周辺に噴霧します。
その上から重曹を振りかけ、再び酢のスプレーを吹きかけ、2時間程放置します。

③スポンジで擦ったあと水で洗い流し、乾燥させる
スポンジでカビをこすり落とします。
それから酢と重曹を水で洗い流し、しっかりと乾燥させてください。

ここでしっかりと洗い流さないと、残留物によってカビの再発を促す恐れがあります。
お酢は殺菌効果がある一方で、カビの栄養源にもなり得るため、注意が必要です。

シャボン玉石けん 重曹

出典:amazon

3-3.消毒用エタノールで除去する

プラスチックに生えたカビを除去する方法として、消毒用エタノールで除去するという方法もありますあります。
エタノール(アルコール)はカビのタンパク質を分解する効果があり、プラスチックに生えたカビに対してアルコールを噴霧することで効果的に除去できます。

ただし、消毒用エタノールにはカビの色素を除去する効果はないため、表面に生えているカビにのみ対応可能です。
またはカビが発生する前の予防として使用するのもいいでしょう。

用意するもの

  • 消毒用エタノール
  • 中性洗剤
  • 雑巾
  • スポンジ
  • マスク
  • ゴム手袋

カビ取り作業をする時は換気をして、更にマスク、ゴム手袋で体を保護するようにしてください。

カビ取り手順

①カビ取り前に汚れを落とす
②消毒用エタノールを吹きかける
③雑巾で拭き取り乾燥させる

①カビ取り前に汚れを落とす
汚れが残っているとカビ取り剤をかけてもカビの中まで浸透しない恐れがあるため、事前に汚れを落とす必要があります。
スポンジと中性洗剤で除去し、水気を拭き取りましょう。

②消毒用エタノールを吹きかける
カビの発生箇所とその周辺に消毒用エタノールを吹きかけてください。
それから15分ほど放置します。

③雑巾で拭き取り乾燥させる
雑巾で消毒用エタノールを拭き取り、その後しっかりと乾燥させてください。

ドーバー パストリーゼ77

出典:amazon

4.徹底的に除去したいならプロレベルのカビ取り剤がおススメ

カビ取り業者のハーツクリーンが開発したカビ取りマイスターキットは、実際に業者が使用しているカビ取り剤を誰でも使えるように改良した商品です。
そのためカビの殺菌力が高く、自宅でプロレベルのカビ取りをすることができます。

またカビ取りマイスターキットには、塩素系カビ取り剤のような毒性の強い成分が含まれていないため、水で洗い流せない場所でも安心してご使用いただけます。
防カビ剤もセットなので、カビが発生しやすい水回りでもピッタリです。

予算の関係でカビ取りマイスターキットの購入が難しければ、カビ取り剤の単品の販売もあるので、是非検討してみてください。

5.プラスチックのカビ対策

一度カビを除去しても、対策を講じなければ再発の可能性があります。
カビ取りは非常に手間が掛かる作業なので、対策をしてカビを予防しましょう。

これから紹介する方法はすぐにできるものばかりなので、是非参考にしてみてください。

5-1.濡れたままにしない

プラスチック製のまな板や容器、お風呂の洗面器や椅子など、使用する時に濡れてしまうものはたくさんあります。
湿った状態が続くと、カビの繁殖に最適な環境が作り出されてしまいます。
できるだけ早く乾燥させて、濡れている時間を短くすることでカビの予防に繋がります。

すぐに食器類を洗って乾かすようにしたり、お風呂ならすぐに換気扇を回したりするだけでもカビのリスクを軽減することができるでしょう。

5-2.湿度を管理する

カビは高湿度の環境を好むため、室内の湿度を下げることが大事です。

理想的な湿度は40~60%です。
湿度が高いと感じたら、除湿機やエアコンを活用して湿気を取り除いてください。

また、湿度計を使用して室内の湿度レベルを定期的にチェックすると、湿度管理を意識して行うようになるのでお勧めです。

タニタ 温湿度計

出典:amazon

5-3.こまめに換気する

プラスチック製品のカビ予防のためには、こまめな換気が効果的です。

換気により、室内の湿った空気が外に排出され、新鮮な空気を室内に取り込むことができます。
特にキッチンやお風呂、地下室などの閉鎖的な空間において重要です。

窓を開けて換気したり、換気扇を回したりして、室内に湿気をこもらせないようにしてください。

5-4.こまめに掃除する

プラスチック製品とその周囲を定期的に掃除することで、カビの栄養源を減らし、繁殖を防ぐことができます。
埃や食べカス、皮脂などがカビの栄養源となるため、これらを定期的に除去してください。

特に水回りは汚れやすいので、週1回まとめて掃除するよりも、毎日掃除する方がいいでしょう。
軽くスポンジで擦ったり、布で水気を拭き取ったりするだけでも十分なので、汚れを蓄積させないようにしてください。

5-5.消毒用エタノールで除菌する

消毒用エタノールはカビ取りだけでなく、カビ予防でも使えるのでおススメです。

日々の生活でプラスチック製品を洗った後に仕上げとして消毒用エタノールを吹きかければ、目に見えないカビの胞子を死滅させることができます。
このひと手間でカビが生えにくくなります。

6.まとめ

今回は、プラスチック製品に生えるカビの問題に焦点を当て、その除去方法と予防策について詳しく解説しました。

プラスチックにカビが生える主な原因は、高湿度や不適切な清掃方法にあります。
もしカビが発生してしまった時は、市販のカビ取り剤や重曹&お酢、消毒用エタノールなどを使用してカビ取りしましょう。

しかし、ただカビを除去しただけでは再発のリスクが残ります。
そのため、以下のようなカビ対策を行うようにしてください。

  • 濡れたままにしない
  • 湿度を管理する
  • こまめに換気する
  • こまめに掃除する
  • 消毒用エタノールで除菌する

これらの対策を日常的に実践することで、プラスチック製品を長持ちさせ、健康的な生活環境を維持することができます。

この記事で紹介したことを参考にして、カビの生えない環境を目指してください。