気になる水筒のパッキンに発生したカビをキレイ取る方法
毎日お子様にお弁当と水筒を持たせているというご家庭から、水筒のゴムパッキンにカビが発生して黒ずんでおり、口に触れるものなので、カビが生えたままの水筒を子供が使うことが衛生的に気になり心配という声がありました。
今回は水筒のゴムパッキンのカビ除去方法やカビが発生する原因と注意点やカビ予防方法をご紹介します。
目次
1.水筒のパッキンに発生したカビを取る方法

水筒のゴムパッキンのカビを除去する方法は3つあります。
ゴムパッキンのみであればどの方法でカビを除去しても問題ないのですが、金属製のパーツがあり取り外しができない場合には注意が必要です。
詳しくはお持ちの水筒の取り扱い説明書等で確認をしてから作業するようにしてください。
1-1.重曹とお酢
重曹とお酢は有害なものを使わずに安全にできるカビ取り方法です。
重曹とお酢なら家にある!というご家庭も多いと思います。
用意するもの
- 重曹
- お酢
- お湯(40℃程度)
- ボウルなどの容器
①ゴムパッキンが浸かる程度のボウルなどの容器にお湯を入れます。
②そこにお酢と重曹をスプーン2杯入れてよく混ぜ、ゴムパッキンを15~30分ほど浸け置きします。
③カビが除去できたらしっかりと洗い流し、水分を拭き取り乾燥させます。
※注意点※
頑固なカビや汚れは取れない場合があります。
1-2.酸素系漂白剤
家に重曹とお酢はないけれど酸素系漂白剤ならある!という場合にはこちらの方法を参照してください。
用意するもの
- 酸素系漂白剤小さじ1程度
- お湯(40℃程度)500ml
- ボウルなどの容器
- ゴム手袋
①水筒のゴムパッキンのみを取り外し、ボウルなどの容器に酸素系漂白剤とお湯を入れてつけ置きします。
②カビが落ちたらしっかりと水で洗い流し、乾燥させます。
※注意点※
- 塩素系漂白剤と比較すると刺激は弱いですが、必ず換気をしながら作業するようにしましょう。
- 粉末の酸素系漂白剤はアルカリ度が高いため、直接触れると肌が弱い方は手荒れを引き起こす恐れがあります。
- そのため、使用する際にはゴム手袋をしっかり着用しましょう。
- 皮膚についた場合にはすぐに水で洗い流しましょう。
- つけ置きする際には容器を密閉しないようにしてください。
1-3.塩素系漂白剤
塩素系漂白剤はカビを除去する力が強力ですが、ゴムパッキンの劣化や臭いが移ってしまうことがあるため、注意が必要です。
用意するもの
- カビキラーまたはキッチンハイターなどの塩素系漂白剤
- キッチンペーパー
- ラップ
- スポンジやブラシ
- ゴム手袋
①塩素系漂白剤をキッチンペーパーに含ませ、ゴムパッキンを覆うようにセットします。
②①の上からラップをして塩素系漂白剤をより浸透させるために15分程放置します。
③15分後、ラップとキッチンペーパーを取り外し、パッキンについている汚れをスポンジやブラシでこすって落とします。
④ゴムパッキンをしっかりと水で洗い流し、水分を拭き取って乾燥させます。
※注意点※
- 必ず換気をしながら作業をしてください。
- ゴムパッキン以外の水筒本体や金属が使用されているパーツなどはサビてしまうため、塩素系漂白剤を使用しないでください。
- 塩素系漂白剤は刺激臭があるため、ゴムパッキンに臭いが残ってしまう可能性があります。
- 塩素系漂白剤は漂白力が強いので、素材を傷めてしまうことがあります。
2.水筒のパッキンにカビが発生する原因

水筒のゴムパッキンには水滴や汚れが詰まりやすいです。
ゴムパッキンの細かい部分はつまようじや綿棒を使用し、汚れをかき出すようにしましょう。
洗い終わったあとは濡れたまま放置せずに水分を拭き取り、乾燥させることが大切です。
水筒の中に飲料が残った状態で放置してしまうこともカビが発生する原因のひとつです。
また、水筒には入れてはいけないものがあります。
例えば、ステンレスやアルミニウムなどの金属製の水筒に酸性の飲料を入れると金属が溶け出し、金属中毒を引き起こすことがあります。
酸性の飲料とは、炭酸飲料、乳酸菌飲料、果汁飲料、スポーツ飲料などがあります。
水筒は通常では短時間で金属が溶け出すことがないように工夫がされていますが、水筒に傷がついていたり、酸性の飲料を長時間入れていたりすると金属成分が飲み物の中に溶け出し、事故につながることがあります。
水筒の説明書や注意書きをよく確認し、酸性度の高い飲み物を金属製の水筒に長時間保管しないようにしましょう。
また、内部にサビや傷がないかも定期的に確認しましょう。
古くなった水筒は定期的に新しいものに交換するようにしましょう。
3.水筒のパッキンのカビ予防方法
①しっかりと洗って乾燥させましょう。
水筒を使用したあとは、なるべく早めに洗うようにして洗ったあとはしっかりと乾燥させましょう。
水筒のパーツは取り外せるものは取り外した状態で洗うようにしましょう。
②ゴムパッキンを煮沸消毒しましょう。
家庭や病院などでも、一般的に昔から広く使われてきたオーソドックスな殺菌方法のひとつが熱湯消毒です。
熱湯消毒の一番のメリットは、薬剤等を使用しないので安心安全な点です。
ただし、熱湯を使用するので、やけどの危険性があり注意が必要です。
ゴムパッキンは熱湯に長く浸けると変形してしまうことがあるため、鍋などにお湯を沸かしてゴムパッキンを2分程度浸けてすぐに取り出すようにしてください。
③ゴムパッキンを消毒用エタノールで拭きましょう。
ゴムパッキンを消毒用エタノールで拭くとカビ予防になります。
消毒用エタノールは水で薄まると殺菌力が弱くなってしまうので、必ずゴムパッキンの水分を除去して乾燥させてから使用するようにしてください。
4.水筒の奥まで洗う方法
水筒は奥まで手が届かずに洗いにくい形状のものが多いため、底の方に水垢などがたまりやすいです。
そんなときには、クエン酸水を入れて振り洗いすればスッキリきれいにすることができます。
用意するもの
・クエン酸水
①水筒の半分くらいまでクエン酸水を入れ、10分程度置きます。
②水筒にフタをして、上下によく振って中の汚れを落とします。
③中の水を捨ててきれいにすすぎ、しっかりと乾燥させます。
5.クエン酸水の作り方
用意するもの
・クエン酸粉
・スプレーボトル
クエン酸は水に溶けやすい性質があるので、水に溶かしてクエン酸水として使用するのがおすすめです。
水200mlに対し、クエン酸粉小さじ1を入れてよくかき混ぜ、スプレーボトルに移し保管しましょう。
スプレーボトルに入れたクエン酸水は、そのままの状態で保存できます。
クエン酸粉は酸に強いガラスなどの密閉容器に入れ、直射日光の当たらない場所で保管してください。
スプレーボトルに入れたら布やたわしなどに吹き付け、主に水回りの汚れを磨いて落とします。
頑固な汚れには、重曹粉1に対し、クエン酸粉2の割合で汚れに直接かけて水を注ぐと、化学反応が起きて発砲します。
この発砲作用で頑固な汚れを取り除くことができます。
6.クエン酸を使用する際の注意点
クエン酸は大理石やセメント、鉄など金属類、タイルの目地、漆器などに使うと溶けたり剥がれたりすることがあるので注意しましょう。
また、カビキラーやキッチンハイターなどの塩素系の薬剤と混ぜると有毒な塩素ガスが発生するので、カビキラーやキッチンハイターなどを普段使用している場所でのクエン酸の使用は特に注意が必要です。
7.水筒の中を磨く方法
用意するもの
- 柄付きスポンジ
- 食器用洗剤
①食器用洗剤を柄付きスポンジに塗布し水筒に入れます。
②水筒の中をよく洗い、流水ですすぎます。
8.水筒のゴムパッキン部分だけ取り換えるという方法も
水筒のゴムパッキンは消耗品なので、1年程度を目安に新しいものに交換するのがおすすめです。
水筒を購入したときには品番などが記載された説明書を取っておくかメモなどをしておきましょう。
サーモスや象印などの有名なメーカーのものであれば、ホームページから水筒のパーツを購入することもできます。
ホームセンターやスーパーマーケットでも取り扱いがある場合もあります。
ゴムパッキンの値段は数百円程度なので新しく水筒を購入するより安く済みます。
また、水筒本体も劣化や落としたりなどで傷がつくなどした場合には新しいものに買い換えるようにしましょう。
まとめ
・水筒のゴムパッキンの軽度なカビには、お酢と重曹または酸素系漂白剤が有効です。
・水筒のゴムパッキンの頑固なカビには、塩素系漂白剤を使用しましょう。
・水筒のゴムパッキンにカビが発生する原因は、汚れと湿気です。
・水筒のゴムパッキンのカビ予防は、洗浄、乾燥、除菌がポイントです。
・水筒は定期的に新しいものに買い換えましょう。
<参考>
・松本忠男『カビ・ホコリ・菌を撃退!家の「正しい」掃除ワザ』2019年、宝島社
・沢井竜太『おそうじの超ベストアイディア2020』2020年、晋遊舎
・おそうじ本舗『おそうじ本舗の速攻そうじ術』2016年、宝島社
・朝倉邦造『カビのはなし─ミクロな隣人のサイエンス─』2013年、朝倉書店
・隈下祐一、加藤信一『洗浄と殺菌のはなし』2013年、同文館出版
・阿部絢子『レタスクラブムック新・生活便利シリーズソコが知りたい!家事のコツ』2006年、レタスクラブムック
・クウネルおうち仕事課『ハウスキーピングブック』2012年、マガジンハウス
・東京都福祉保健局 金属製の水筒に飲み物を入れる際の注意点はありますか?【食品安全FAQ】
・花王 製品カタログ ワイドハイターEXパワー
