食器のカビは熱湯消毒で落とせる?

久しぶりに取り出した食器にカビが生えていた!

洗えばもう一度使えるかな?

直接食べ物を載せるものですし、一度見てしまったら気になりますよね。

お気に入りだったり、使い勝手の良いものだったりすると使い続けたいものです。

カビの生えた食器に食べ物を載せてしまうと、食品にカビが付着してしまいます。

食品に生えてしまったカビは、人体に悪影響のあるカビ毒というものを作りだしてしまい、その食品を食べてしまうことで、食中毒を引き起こしてしまうことも・・・

健康被害に繋がってしまうこともあるなんて、そんな事態は避けたいですよね。

そこで今回は、食器に生えてしまったカビは熱湯消毒で落とせるのかについて解説します。

どうして食器にカビが生えたの?

カビの発生条件を知ろう

「そもそも食器にカビが生えるんだ・・・」と驚かれた方も居るのではないでしょうか?

食べ物や壁、お風呂などにしかカビは生えないと思われがちですが、カビは

・60%以上の湿度

・20度以上の温度

・ほこり、ダニ、手垢、皮脂、食べカスなどの栄養素

カビは、湿度が高く場所や食べカスやほこり、水分などの栄養素がある環境が大好物です。

食器がこのような状態・場所で保管されていることでカビの発生につながってしまいます。

食器のカビの原因は?

  • よく汚れを落とさないまま片付けた。
  • 濡れたまま片付けた。
  • そもそも洗わず放置していた。

ドキっとした方もいるのではないでしょうか?詳しく原因を見ていきましょう。

よく汚れを落としきれていなかった

洗い方が不十分で、食べカスを落としきれていなかったことが原因となりカビが生えてしまうこともあります。食べカスはカビの大好物です。栄養素としてカビの発生を手助けしてしまうことになります。

水を拭き取らないまま片付けてしまった

水気をよく拭き取らないで片付けてしまうこともカビ発生の原因になってしまいます。

残ってしまった水分を吸収し、湿気を含んでしまうことによってカビが生える危険性があります。

洗わず放置していた

食事後の食器洗いはあまり気が乗らないし、面倒に感じてしまうこともありますよね。シンクやカウンターに放置してしまっていませんか?ですが、これもカビの元になってしまいます。上記でも挙げたように、食べかすや水気はカビの発生条件に当てはまってしまいます。

また、シンクやカウンターに放置していた食器にカビが生え、そこから放置していた場所にカビが発生してしまうことも・・・

食器だけじゃない!もしかしたら〇〇が原因かも?

収納場所の環境が悪い

「食器自体は清潔にしていたのに、なぜ?」

実は、収納場所が原因でカビが発生してしまうこともあります。食器棚は閉め切っていることの多い場所ですので、湿度が溜まりやすくなってしまい、カビの発生条件に当てはまってしまいます。また、食器を入れすぎていることで、空気の通り道が少なくなってしまい、湿気が溜まってしまったことでカビが成長してしまうこともあります。

■関連記事■食器棚のカビ取り方法

食洗機が原因

食洗機を使っている人は、これが原因になってしまっているかもしれません。

毎日の食器洗いを代わりにしてくれるとても便利なアイテムですが、機械のお手入れ不足で機械自体にカビが発生し、食器にカビ菌が付着。カビの発生に繋がってしまうこともあります。

また、洗剤の入れすぎや乾燥不十分でもカビの原因となることがあります。

食器かごが原因

食器かごのお手入れは、溜まった水を捨てるだけという方もいるのではないでしょうか?

食器から出た水、その水から水垢が出来てしまったり、ヌメリがついてしまったり、カビにとっての好条件が揃ってしまっています。食器かごの中でカビが発生し、食器にカビが付着してしまうことがあります。

■関連記事■食器の水切りカゴに生えたカビを取る方法

それでは、熱湯消毒で食器のカビを取る方法を見ていきましょう。

今回用意するものは全部ご家庭にあるものなので、とっても気軽にできますよ!

熱湯消毒でカビを取る方法

用意するもの

・鍋

・お湯(60℃以上)

・布巾

・スポンジ

・洗剤

カビ除去の手順

①鍋に食器全体が浸かるくらいまでの水を入れる。

②水を沸騰させる(60℃以上)。

80℃以上のお湯に10分以上つけておくことがオススメです!

(参考: 文部科学省 カビ対策マニュアルより)

③沸騰させたお湯の中に食器を入れて、10分程度つけておく。

カビ胞子熱死滅温条件
温度D値
麹カビ(Aspergillus sp.)分生子50℃5分
子嚢胞子65℃50分
青カビ(Penicillium sp.)分生子60℃2.5分
子嚢胞子82℃6.7分

文部科学省 カビ対策マニュアル より参照

④食器を取り出す。

⑤いつも通り、食器を洗う。

食器のカビを予防しよう

やはりカビを見てしまうと気持ちの良いものではないですよね。そうならないためにも、食器のしまい方や収納場所の工夫が大切になります。

汚れを落とす

食べカスや手垢などをしっかり落とすようにしましょう。また、食事後の食器は放置せずに、すぐ洗うようにしましょう。すぐに洗うことが難しい場合は、キッチンペーパーなどで取れる汚れは落とし、カビの栄養源を少しでもなくすようにしましょう。

水気をよく落とす

水気を必ず落としてから収納するようにしましょう。

収納場所の掃除をする

場合によっては、収納場所が原因で、食器にカビが生えてしまうこともあります。つまり、食器だけではなく、収納場所のお手入れも大切なポイントです。

①換気をきちんとする

 閉め切られていることが多く、開け放して換気をしている方は少ないのではないでしょうか?閉め切られていると、空気が停滞してしまい、ほこりが溜まってしまいます。時々開け放して、空気を入れ替えるようにしましょう。

②ほこりを見つけたらすぐに取る

 ほこりが食器に付着してしまうと、それを栄養素としてカビが発生してしまいます。小まめに掃除をするようにしましょう。

③湿度と温度が上がりすぎないようにする

 湿度と温度もカビの大好物です。閉め切っている場所なので湿度と温度が上がりやすくなってしまいます。①のように換気をすることで湿度、温度は下がりますが、日々の対策としては、除湿剤を置くのがオススメです。

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出典:Amazon

④収納場所に食器を詰め込みすぎない

 「いつか使うかも」「引き出物でもらったけど使ってなくて」などといった食器が眠っていませんか?収納場所へ詰め込みすぎてしまうことで、空気の通り道が狭くなってしまいます。こうなってしまうと、換気をしても隅々まで行き渡らず、①で挙げたように、空気が停滞しほこりが溜まってしまいます。

詰め込みすぎている場合には、本当に必要な食器かどうかを考え、不要な食器は処分するようにしましょう。

⑤収納場所の除菌をする

 収納場所の除菌も心掛けるようにしましょう。アルコールスプレーや重曹水スプレーで簡単に除菌が出来ます。アルコールは揮発性が高く、スプレー後の拭き取りの必要がありません。ちょっとでも手間を省きたい方はアルコール、除菌だけではなく消臭もしたい方は、重曹水をオススメします。

■関連記事■熱湯重曹水の作り方

アルコールで除菌する場合

 ①収納場所の中身を取り出す。

 ②ハンディモップやはたきで細かなほこりを取る。

 ③収納場所に吹きかける。

 ④完全に乾燥させるために、収納場所の扉は開放しておく。

出典:Amazon

重曹水で除菌する場合

 ①収納場所の中身を取り出す。

 ②ハンディモップやはたきで細かなほこりを取る。

 ③100mlの水、5gの重曹をスプレーボトルに入れて、収納場所に吹きかけて、水拭きする。

 ④乾拭きする。

 ⑤完全に乾燥させるために、収納場所の扉は開け放しておく。

出典:Amazon

食洗機・食器かごのお手入れも忘れずに

①食洗機の場合

 食洗機の場合、残菜フィルターに残った食べカスや、石鹸カスが栄養素となりカビの発生へつながってしまうことがあります。小まめにチェックし、掃除をするようにしましょう。

 ※掃除方法は、各食洗機の取扱説明書をご確認ください。

出典:Amazon

②食器かごの場合

 水垢やヌメリなどが原因でカビが発生してしまいます。また、食器かごに溜まった水を放置したり、よく乾かさずに使い続けたりすることもカビ発生の原因になります。

 水垢やヌメリを見つけたらすぐに掃除する。水が溜まっていたらすぐに捨てる。使用後はよく乾燥させることを心がけましょう。

まとめ

・食器を片付けるときは、必ず汚れと水気を落としてから収納しましょう。

・食器棚に詰め込み過ぎないようにしましょう。空気の通り道がなくなってしまいます。また、湿度を上げすぎないためにも除湿剤や乾燥剤を置いたり、扉を開け放して換気をしたりするようにしましょう。

・食洗機を使っている方は、これが原因でカビが発生しているかもしれません。時々お手入れをするようにしましょう。

・食器かごを使い終わったあとは、よく乾かすようにしましょう。

・収納場所自体がカビてしまっていると、食器にカビの胞子がついてしまいます。

 その場合は、食器をよく洗ってから使うようにしましょう。

※カビ取り時の注意点※

・沸騰させたお湯を使います。火傷に注意しましょう。

・食器を洗った後は、よく水気を落としてください。カビの発生源に繋がってしまいます。

<参考書籍>

・佐々木正実 「今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしいカビの本」

・李憲俊 「おもしろサイエンス カビの化学」

・文部科学省 カビ対策マニュアル

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