籐カゴに生えたカビの取り方
籐カゴは飾りや収納としてもナチュラルな風合いでシンプルながらも存在感があっておしゃれですよね。
籐カゴは長い間使っているうちに味が出てきますが、ホコリがついたり、編み目がほぐれたりもしてきます。
気づいたら籐カゴが白っぽくなっていたり、カビが生えていたということはありませんか?
カビが生えているとすぐに捨てたくなりますがに籐カゴに生えたカビは落とすことができるのです。
今回は籐カゴのカビの落とし方からカビが発生する原因、カビ予防方法等をご紹介していきます。
目次
籐ってなに?
籐(ラタン=rattan)は熱帯アジア、オーストラリア、アフリカのジャングルに自生するヤシ科のツル性植物です。
その種類は200種以上あり、なかでもインドネシアで採れるものが一番良質とされています。
材質は軽くて丈夫、弾力性があり、しなやかで通気性に富んでいます。
一見固そうな籐ですが、水につけると柔らかくなり、湿った柔らかい状態で編んでから陰干しして乾かしたものが籐工芸品です。
籐はさまざまな家具に使用されており
- テーブル
- イス
- ベビーベッド
- 棚
- ざる
- 敷物
- 果物カゴ
- ランドリーバスケット
- バッグ
など私たちの身近な物に使用されています。
籐は使用していくことで独特の味わいが出るだけでなく、繊細な美しさや作った人の心が伝わってくる工芸品です。
籐家具はシンプルで洋室にも畳の和室にもマッチすることで昔から現代にいたるまでとても人気があります。
籐のメリット
籐は水洗いができて丈夫で持ち運びに便利というメリットがあります。
木材は割れたり折れたりすることがありますが、籐はツル性の植物で柔軟性があるため、そのような心配がありません。
また、籐カゴを落下させたり、倒したりしても床や壁を傷つける心配もありません。
洗ったら傷んだりしないの?と心配になるかもしれませんが、籐カゴは水で濡らして編んで作られており、籐は通気性に富んでいるので水洗いしても大丈夫なのです。
籐カゴにカビが発生する原因とは?
籐カゴにカビが発生する原因は湿気とホコリやゴミなどがたまることです。
籐カゴを濡れた手で触ったり、脱いだ服を入れたままにしておくと籐が湿気を吸収してしまいます。
さらに、籐カゴや編み目にホコリやゴミなどの汚れがたまりやすいです。
このようなゴミや汚れはカビの栄養分となり、カビがどんどん繁殖する原因となります。
籐カゴにカビが発生したまま放置してしまうと、見た目が悪いのはもちろんですが、カゴの中に収納している物にもカビが発生したり、カビによる不快な臭いがついてしまうこともあります。
籐カゴにカビが発生してしまった場合にはなるべく早く対処し、カビが発生しないように予防していくことが大切です。
籐カゴの手入れの仕方
籐カゴを長く使っていると、編み目にホコリやゴミがたまっていきます。
ホコリやゴミはカビの栄養源となってしまいます。
きれいな状態を保つためには、2週間に1回程度、編み目の中に入ったホコリを掃除機で吸い取り、歯ブラシやハケなどで細かいホコリを落とすようにブラッシングします。
汚れがひどい場合には、お風呂場などで中性洗剤を使用して歯ブラシで水洗いしましょう。
洗ったあとは水気を拭き取り、直射日光のあたらない風通しの良いところで陰干しして乾燥させたら完了です。
また、籐は極度の乾燥を嫌うので、ときどきぞうきんで水拭きし、カビの原因とならないように水分をしっかりと拭き取ってください。
籐カゴをしばらくしまっておく場合には、ホコリを取ってきれいにしたあと、湿気を吸ってカビが発生しないように乾燥材や新聞紙と一緒に不織布袋などに入れて保管するようにしましょう。
ビニール袋は通気性が悪いので不織布等がおすすめです。
乾燥材や新聞紙は定期的に新しいものに交換するとよりカビを予防することができます。
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籐カゴのカビ取り方法その1
籐カゴに白カビが部分的に発生している場合には、中性洗剤と消毒用エタノールを使用してカビを落としましょう。
消毒用エタノールにはカビを殺菌する効果がありますが、カビによる着色などの汚れを落とす効果はありませんので、黒カビや青カビによる着色を落としたい場合には籐カゴのカビ取り方法その2、3をお試しください。
用意するもの
- 中性洗剤
- 消毒用エタノール
- ぬるま湯
- タオル1枚
- 歯ブラシ
- ゴム手袋
- マスク
①中性洗剤をぬるま湯に溶かし、タオルを浸して固く絞ります。
②①のタオルで籐カゴのカビを拭き取ります。
細かい部分は歯ブラシを使用してカビを落とします。
③カビが取れたら消毒用エタノールをスプレーします。
④籐カゴを陰干ししてしっかりと乾燥させます。
消毒用エタノールはカビが発生していた箇所を中心に全体にスプレーしておくとカビの予防になります。
※注意点※
お使いの籐カゴが消毒用エタノール(アルコール)が使用できる製品かを事前に確認するようにしてください。
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籐カゴのカビ取り方法その2
籐カゴに黒カビや青カビが発生している場合には、酸素系漂白剤を使用してカビを落としましょう。
用意するもの
- 酸素系漂白剤
- いらないタオルや布2枚
- 歯ブラシ
- ゴム手袋
- マスク
①酸素系漂白剤をタオルや布に染み込ませ、籐カゴを拭きます。
②1時間ほど放置します。
③ぬるま湯を染み込ませて絞ったタオルや布で酸素系漂白剤を拭き取ります。
④籐カゴを陰干ししてしっかりと乾燥させます。
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籐カゴのカビ取り方法その3
その2の方法では落ちないカビが発生している場合には、塩素系漂白剤を使用してカビを落としましょう。
用意するもの
- 塩素系漂白剤
- いらない布やタオル
- ぬるま湯
- ゴム手袋
- マスク
①ゴム手袋を着用し、いらない布やタオルに希釈した塩素系漂白剤をつけて籐カゴのカビをこすり落とします。
②ぬるま湯で塩素系漂白剤をしっかりと洗い流し、陰干ししてしっかりと乾燥させます。
※注意点※
塩素系漂白剤は他の洗剤やアルコールなどと併用すると、有毒なガスが発生して危険なので単独で使用しましょう。
塩素系漂白剤を使用すると、カビの色素だけでなく籐カゴの色落ちや艶落ちすることがありますので、どうしてもカビを落としたいときのみに使用するようにしてください。
籐カゴのカビ取りをする際の注意点まとめ
晴れて湿度の低い日に作業をするようにしましょう。
室内で作業をする際には必ず換気をしながらおこなうようにしましょう。
作業が終わったら風通しの良い場所で陰干しして籐カゴをしっかりと乾燥させてください。
籐カゴが湿ったままの状態になると再びカビが発生する原因となってしまいます。
作業をする際にはゴム手袋やマスクを着用し、皮膚に直接カビや漂白剤等が付着したり、吸い込んだりしないように気を付けましょう。
カビを吸い込んでしまうと、体調を損なう場合があります。
また、作業をする際に着用していた服は作業が終わったらすぐに着替え、家の中にカビを持ち込まないようにしましょう。
カビ取りをする際に使用したタオルや布にはカビが付着しているため、作業が終わったら処分するようにしてください。
漂白剤を使用する際には必ず事前に目立たない場所で色落ち等の問題がないか確認してください。
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籐カゴの臭いを取る方法
用意するもの
- 重曹
- 籐カゴが入る大きさのビニール袋
- タオル
①水で濡らしたタオルを固く絞り、籐カゴ全体を拭きます。
②籐カゴの水気をしっかりと乾燥させてから、ビニール袋に入れて重曹をふりかけます。
③2日~1週間ほどそのまま放置します。
④重曹をしっかりと払い落とすか掃除機で吸い取ります。
残った重曹は掃除用などで利用することもできます!
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籐カゴのカビ予防方法まとめ
1、湿度に注意しましょう。
籐カゴは自然素材の製品ですので湿気を吸収しやすいです。
そのため、籐カゴを使用している場所の換気をするようにしましょう。
最近では空気清浄機やエアコンを使用するご家庭も多く、窓を開けて換気する機会が減っています。
室内の湿度が高いとカビが発生しやすくなりますので、ときどき窓を開けて換気をし、湿度を下げるようにしましょう。
籐カゴを洗面所や脱衣所など湿度が高くなりやすい場所で使用している場合には、換気扇を回して湿気がこもらないようにしましょう。
カビが発生しやすくなる湿度は60%以上と言われています。
室内に湿度計を設置し、湿度が60%以下になるように心がけてカビを予防しましょう。
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戸棚や引き出しなどに籐カゴを収納している場合には、ときどき扉を開けるなどして密閉された状態にならないように開放し、扇風機などで風を送り、空気を循環させるとカビを予防するのに効果的です。
また、籐カゴを家具や壁などにぴったりとくっついた状態で置いておくと空気の通り道がなくなってしまうためカビが発生しやすくなってしまいます。
籐カゴと家具や壁などの間に隙間を作ることも大切です。
梅雨の時期や寒い冬の時期には、窓を開けて換気することが大変ということもありますよね?
そんなときには、除湿機やエアコンのドライ機能、扇風機やサーキュレーターを使用するのがおすすめです。
特に、洗濯物を部屋干しするご家庭では湿度が上昇しやすいので、カビが発生しやすくなります。
扇風機やサーキュレーターを使用すると、洗濯物が速く乾き、湿度の上昇も抑えることができます。
2、ホコリを取り除きましょう。
籐カゴのお手入れでも説明しましたが、ホコリはカビの栄養源となってしまいます。
籐カゴにホコリがたまらないようにお手入れしましょう。
ホコリがたまらないように気を付けるだけでもカビが生えにくい状態になります
まとめ
・籐カゴは水洗いができます!
・籐カゴにカビが発生する原因は湿気とホコリやゴミ、汚れによるものです。
・籐カゴの白カビは消毒用エタノールや酸素系漂白剤がおすすめです。
・籐カゴのカビによる着色は塩素系漂白剤が有効です。
・籐カゴのいやな臭いは重曹で落とせます。
<参考文献>
・八田とし子他『趣味の籐工芸』1980年、ナツメ社
・江原礼子『かごが好き。白い器が好き。』2005年、主婦と生活社