雨が続く時期にするべき部屋の湿気対策をカビ取りのプロが伝授!

【相談】
「集中豪雨で雨が何日も続いたあと、天井や壁からポツポツとカビが生えているのを発見しました。今まで気にしたことがなかったのですが、日に日にカビが広がっている気がします。このように長雨が続く時期に自宅でできる対策はないでしょうか?」

長引く梅雨の季節は湿度が高いため、洗濯物が乾きにくくて困っている方も多いでしょう。

そんな高湿度の環境で特に問題になるのがカビの発生です。
室内にカビが発生すると、不快なニオイや健康被害を引き起こす可能性があります。

また、湿気の問題は梅雨の時期だけではありません。
北向きの部屋や窓の少ない部屋では、一年中湿気が溜まりやすい傾向にあります。
このような環境では湿気対策が重要になってきます。

この記事では、ジメジメとした部屋の湿気対策とカビが発生した際の対処方法について詳しく解説します。
部屋の湿気やカビにお困りの方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

この記事でわかること
・部屋や収納場所の効果的な湿気対策
・部屋の湿度を上げるNG習慣
・カビが発生した場合の対処方法

1.部屋の湿気を放置するとどうなる?

室内に湿気が多い状態で一番の問題はカビの発生です。
種類にもよりますが、一般的にカビは湿度が60%を超えると活発に動き始めます。

日本は季節によって湿度が大きく変わってきます。
例えば、東京の2023年の月ごとの平均湿度は以下の通りです。

参考:気象庁

このグラフの通り、春から秋は湿度が高く、特に梅雨などの雨が多い時期には高湿度の環境になります。
この時期に室内の湿気対策を怠ると、カビの成長に最適な環境が作り上げられ、場合によっては部屋中がカビだらけになってしまうかもしれません。

カビは健康に様々な悪影響を及ぼす恐れがあり、アレルギーや喘息のある人にとっては重大なリスクになる恐れがあります。
他にも、カビは高湿度の環境だと物凄いスピードで拡散していくため、部屋の隅の小さなカビがあっという間に部屋中に広がってしまうことも考えられます。
そうなると、業者にカビ取りやリフォームをしてもらう必要があり、高額な費用が発生するかもしれません。

そのような事態を避けるためにも、しっかりと湿気対策を行い、カビを防がなければならないのです。

2.効果的な部屋の湿気対策

カビの発生を防ぐためにも、湿度が高い時期はしっかりと湿気対策をしましょう。
すぐにできることから、機械が必要なものまであるので、できることから試してみてください。

2-1.こまめに換気する

換気は最も手軽で効果的な湿気対策の一つです。
特に天気の良い日は、窓を2箇所以上開けてしっかりと空気を入れ替えましょう。

1日に最低2回、朝と夕方に全窓を開けることが理想的です。
ただし、雨天時には外から湿気を取り込んでしまうので、その場合は扇風機で空気を循環させたり、後ほど紹介するエアコンや除湿機を活用して部屋を除湿しましょう。

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2-2.エアコンの除湿機能を活用する

エアコンの除湿機能は、湿気が多い日でも室内の湿度を快適なレベルに保つのに役立ちます。
エアコンを除湿モードに設定することで、空気から水分を効率的に除去できます。

ただし、エアコンのフィルターは水分と埃が溜まりやすいため、カビの温床になりやすいです。
エアコンにカビが発生している状態で使用すると、逆にカビの胞子をばら撒くことになって危険です。
フィルター掃除をこまめに行い、定期的に業者のエアコンクリーニングを利用し、カビの発生を防ぐようにしましょう。

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2-3.除湿機を活用する

除湿機は、特にジメジメした日本の梅雨時に非常に有効です。
除湿機は空気中の湿気を吸収し、水として排出することで、室内の湿度を調整します。

寝室やリビングルームなど湿度が気になる場所や、エアコンがない部屋で使うのがおススメです。
また、除湿機を使うことは、カビだけでなくダニの繁殖も防いでくれるので、積極的に活用しましょう。

また、湿度計を部屋に置くことで現在の湿度がどれくらいかを管理するのも、湿度を上げないための工夫です。
常に湿度が60%以下に保つように意識しましょう。

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2-4.収納場所に除湿剤を置く

クローゼットや靴箱などの収納場所は、閉鎖的で湿気が溜まりやすい傾向にあります。
こうした環境では、除湿剤を活用するのが有効です。

除湿剤はシリカゲルやカルシウム塩化物などの材料でできており、空気中の余分な湿気を吸収します。
特に梅雨時や湿度の高い日には、これらの除湿剤を収納場所に置くことで、カビの発生を抑制し、靴や衣類をカビから守ってくれます。

除湿剤は使用状況に応じて定期的に交換が必要ですので、吸湿限界に達したかどうかこまめにチェックしましょう。

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2-5.結露はこまめに拭きとる

窓の結露は、室内の暖かい空気が冷たい窓ガラスに触れることで現れることが多いです。
この結露を放置すると、窓枠や壁のカビの原因となり得ます。
そのため、結露を発見したらすぐに拭き取ることが大切です。

とはいえ、毎回拭き取るというのは大変なので、できれば結露が発生しないように予防するのがいいでしょう。
最近は結露防止シートなども販売しているので、それらを活用してみてください。

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2-6.寝具の通気性を良くする

マットレスや布団は、人の体温や汗を吸収しやすく、湿気が溜まりやすい場所です。
寝具の通気性を良くするためには、定期的に布団を外に干すか、マットレスを立てて空気を通すなどの方法が効果的です。

また、布団やマットレスの下にすのこを設置することで、空気の流れを良くし、湿気の蓄積を防ぐことができます。
ベッドを設置する場合は、窓や壁から少し離して置くようにしましょう。

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2-7.家具は壁から少し離して設置する

家具を壁にぴったりと設置してしまうと、壁と家具の間の空気の流れが悪くなり、湿気がこもりやすくなります。
これがカビの発生や木製家具の傷みの原因にもなり得ます。

家具は壁から数センチ程度離して設置し、背面に空気が流れるスペースを作ることで、湿気がたまるのを防ぎます。
また、定期的に家具の位置を調整し、掃除を行うことも大切です。

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2-8.24時間換気システムを活用する

最近の建物には、24時間換気システムが設置されていることが多く、これを活用することで室内の湿気と空気の質を維持することができます。
このシステムは、室内の古い空気を常に外に排出し、外から新鮮な空気を取り入れることで、湿気や有害な物質が蓄積するのを防ぎます。

特に密閉性が高い住宅では、このシステムの利用が室内環境の快適さを保つために非常に効果的です。
定期的なメンテナンスを忘れずに行い、システムが常に最適な状態で機能するようにしましょう。

2-9.こまめに掃除する

部屋にホコリが蓄積していると、その埃が湿気を吸収し、そこからカビが発生してしまうことがあります。
それを防ぐためにも、掃除機やフローリングワイパーなどを活用して、こまめに掃除を行ってください。

また、空気清浄機を置くと、空気中のホコリやカビの胞子を吸い込んでくれるので、部屋を清潔に保ちやすいです。

3.長雨の後カビが生えてしまった時のカビ対策方法

雨が続いた後に室内にカビが生えてしまった場合の対処方法を説明します。

まず、カビは自然に消えるものではなく、放置すると胞子を放出し、急速に広がる可能性があります。
カビは湿度が高ければ高いほど活発になるため、梅雨時期にわずか1週間放置しただけで、小さなカビが部屋の壁全体に広がった事例もあります。

そのため、カビを発見した際には迅速に対処することが重要です。

3-1.色素沈着がない場合のカビ取り方法

カビの色素が沈着していないようであれば、消毒用エタノールもしくは次亜塩素酸水を使って除菌しましょう。
どちらも漂白効果はないですが、殺菌効果があります。

用意するもの

  • 消毒用エタノールまたは次亜塩素酸水
  • スプレーボトル
  • 雑巾
  • マスク
  • ゴム手袋

出典:Amazon

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注意事項

  • 作業中は換気を十分に行ってください
  • 消毒用エタノールは火気の近くでは使用しないでください

カビ取り手順

  1. 消毒用エタノールまたは次亜塩素酸水をスプレーボトルに入れ、カビが生えた部分に均等にスプレーします。
  2. それから10分間放置してカビの殺菌を促します。
  3. 雑巾を使って、処理した箇所の水気を拭き取ります。
  4. しっかりと乾燥させて終了です。

3-2.色素沈着がある場合のカビ取り方法

色素沈着がある場合は、漂白効果のある液剤でのカビ取りが必要です。
一番手っ取り早いのがハイターなどの塩素系漂白剤です。

用意するもの

  • 塩素系漂白剤
  • バケツ
  • 雑巾
  • マスク
  • ゴム手袋
  • ゴーグル
  • 長袖の服

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注意事項

  • 塩素系漂白剤と酸性のものは絶対に混ぜないようにしてください。危険な塩素ガスが発生する恐れがあります。
  • 変色のリスクがあるため、使用前には必ず目立たない場所で試してから作業を行ってください。
  • 塩素系漂白剤に肌や目に付着すると、皮膚の炎症や失明の恐れがあるため、しっかりと体を保護して作業してください。

カビ取り手順

  1. バケツに4リットルの水を入れ、ハイターをキャップ1杯分加えてよく混ぜます。
  2. 雑巾を溶液に浸し、カビが生えた部分を拭きあげます。
  3. しばらく放置したあと水拭きを行います。漂白剤の成分が残らないように何度も行いましょう。
  4. しっかりと乾燥させて終了です。

ただし、塩素系漂白剤は色素を脱色する作用があるため、木材や色柄の壁などで使用すると色落ちや建材の劣化を引き起こす可能性があります。

そのため、安全にカビ取りしたいのであれば、専用のカビ取り剤を使用するのがいいでしょう。

カビ取り専門業者のハーツクリーンによって開発されたカビ取りマイスターキットは、プロのカビ取り業者が使用する液剤を家庭用に改良したものです。
そのため自宅でプロレベルのカビ取りができるようになっています。

キットにはカビ取り剤だけでなく、防カビ剤や刷毛、カップなども含まれているため、届いたらすぐにカビ取りをすることが可能です。

また、カビ取りマイスターには危険な成分が含まれていない為、部屋の壁や家具などでも安心してカビ取りができます。
自力で徹底的にカビ取りしたい場合は、是非検討してみてください。

4.自力での対処が難しいならカビ取り業者に依頼する

自力でのカビ取りが難しい場合は、カビ取り業者に依頼するのがベストな選択です。

カビ取り業者は、カビの原因を正確に診断し、根本からの解決策を提供してくれます。
例えば、広範囲にわたるカビの発生や構造的な湿気問題が原因の場合、専門の機材と技術を使ってカビを完全に除去します。

業者に依頼する最大のメリットは、専門的な除菌剤や高性能な機器を駆使し、カビとその胞子を効果的に取り除けることです。
さらに、環境を改善するアドバイスももらえるため、カビの再発を防ぐことができます。

カビ取り作業は健康に影響を及ぼすリスクがあるため、特にアレルギー体質の人や小さな子供、ペットがいる家庭では、専門業者に依頼することが安全です。
どうしようか迷っている間にもカビは広がってしまうので、まずは一度カビ取り業者に相談してみましょう。

カビ取り業者に相談する

5.部屋の湿度を上げてしまうNG習慣

では、最後に湿度を上げてしまうNG習慣についてご紹介したいと思います。
これから紹介することはできるだけ避けるようにしましょう。

5-1.風呂場の扉を開けっ放しにする

お風呂を使用した後、浴室のドアを開けっ放しにすると、蒸気が家全体に広がり、室内全体の湿度を上げてしまいます。
特に、浴室からの湿気は非常に濃密で、部屋にとどまることでカビの発生や結露の原因となります。

お風呂の使用後は、ドアをしっかりと閉めて湿気が他の部屋に拡散するのを防ぎましょう。
また、浴室内の換気扇を利用して湿気を外に逃がすことも効果的です。

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5-2.濡れた衣類や靴を放置する

雨に濡れた衣類や靴を室内にそのまま放置すると、その湿気が室内空気に溶け込んでしまいます。
これが室内の湿度を急速に上昇させる一因となります。

濡れた衣類や靴は、帰宅後すぐに乾いた布で水気を取り除き、できれば外の風通しの良い場所で乾燥させてください。
また、屋内で乾燥させる場合はドライヤーを使って素早く乾かしたり、室内を除湿するようにしましょう。

5-3.何も対策せずに部屋干しをする

雨天が続いて外に洗濯物を干せない場合、部屋干しすることもあるでしょう。
このとき室内の湿度管理が非常に重要です。

部屋干しをする際は、エアコンのドライ機能や除湿機を使用し、室内の湿気をコントロールしましょう。
また、扇風機を使用して空気の循環を促進することも湿気を減らすのに役立ちます。

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6.まとめ

今回は雨が多い時期の部屋の湿気対策について詳しく解説しました。

部屋の湿気を効果的に管理することは、カビやダニの発生を防ぎ、快適な居住環境を保つために非常に重要です。

雨が続くと窓を開けての自然換気が難しくなりますが、換気扇、エアコンのドライ機能、除湿機、除湿剤、扇風機やサーキュレーターなどの機器を駆使することで、室内の湿度を適切にコントロールすることが可能です。
また、窓際の結露をこまめに拭き取る、寝具を立てかけて乾燥させるなど、日常的にできる小さな対策も効果的です。

しかし、続く雨天によって室内の湿度が抑えられず、カビが広がってしまうこともあります。
初期段階であれば自力での対処も可能ですが、すでに広がってしまっている場合はカビ取り業者に依頼することが最善策です。

カビ取り業者に相談する

部屋の湿度管理は健康と快適さを維持するための基本です。
今回ご紹介した対策を実践し、雨が多い時期でも快適な室内環境を保ちましょう。

雨が続く時期にするべき部屋の湿気対策をカビ取りのプロが伝授!