服のカビを酸素系漂白剤で漂白する際の注意点

酸素系漂白剤は塩素系漂白剤と比べると繊維や肌へのダメージが少なく、赤ちゃんの衣類や色柄物にも使用できて取り扱いが安全なため、服のつけ置き漂白や消臭、カビ取り用洗剤としても使われています。

衣類にも活用できるので、便利なのですが、どんな素材にも使って良いわけではありません。

そこで、酸素系漂白剤を使う際の注意点についてまとめてみました。

1、服のカビを酸素系漂白剤で漂白する際の注意点

①酸素系漂白剤の種類

酸素系漂白剤には粉末タイプ液体タイプのものがあります。

液体タイプの酸素系漂白剤よりも粉末タイプの酸素系漂白剤の方が強力です。

粉末タイプ

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液体タイプ

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②使えないものがある

どちらも使用できるのは水洗いできる素材のものに限り、アルカリに弱い繊維素材や色落ちしやすい衣類、金属製のボタンやファスナー、ホックなどの付属品がついた服には使用することができません。

さらに繊維自体が変質して黄ばんだものは酸素系漂白剤を使用しても元に戻すことはできません。

それぞれ使用することができない素材のものが異なります。

・粉末→草木染めの製品、毛(ウール)、絹(シルク)、革、麻、金属には使用することができません。

・液体→金属には使用することができません。

③酸素系漂白剤の応急処置

粉末の酸素系漂白剤はアルカリ度が高いため、直接触れると肌が弱い方は手荒れを引き起こす恐れがあります。

そのため使用する際にはゴム手袋をしっかり着用しましょう。

皮膚についた場合にはすぐに水で洗い流しましょう。

目に入った場合には、こすらずにすぐに流水で洗い流し、眼科医を受診するようにしましょう。

飲み込んでしまった場合には、口をすすぎ、水を飲む等の処置をしてから異常がある場合には医師に相談するようにしましょう。

受診時には酸素系漂白剤の商品を持参すると安心です。

④熱湯では使用しないようにしましょう

酸素系漂白剤は冷水よりも40~50℃程度のお湯でつけ置くことでより効果を発揮します。

洗濯表示を確認し、洗濯桶の中の数字以下の水温で洗うようにしましょう。

お湯の方が汚れが落ちやすくなりますが、高温すぎると服が傷んでしまったり、色落ちの原因となることもありますので注意してください。

⑤洗濯表示を確認しましょう

服には洗濯表示というものがついています。

漂白剤が使用できるかの表示は、三角フラスコのマークまたは三角形のマークで表示されています。

「三角フラスコまたは三角形のマーク」は塩素系漂白剤も酸素系漂白剤も使用できることを示しています。

「三角形に2つ斜線が入ったマーク」は酸素系漂白剤の使用はできますが、塩素系漂白剤の使用はできません

「三角フラスコまたは三角形に☓印が表示されているもの」は塩素系漂白剤も酸素系漂白剤も使用できません

その他にも洗い方やアイロンの使用ができるかなどの表示も確認しておくのがおすすめです。

洗濯表示がついていない場合やわからない場合には目立たない場所で酸素系漂白剤を使用しても問題がないか確認するようにしましょう。

⑥洗濯洗剤以外と混ぜないようにしましょう

酸素系漂白剤の効果が落ちてしまうので、アンモニアを含む製品、還元系漂白剤、塩素系漂白剤、家庭用洗剤とは併用したり、混ぜないようにしてください。

⑦直射日光は避けましょう

酸素系漂白剤でつけ置きしている際の衣類は直射日光に当たると黄ばんでしまうことがありますので、直射日光を避け、漂白後は水またはぬるま湯でしっかりとすすぐか通常の洗濯をしましょう。

酸素系漂白剤は生地を傷めにくい洗剤ですが、長くつけ過ぎてしまうことで生地を傷めたり、色落ちしてしまうことがありますので記載されている内容を守り、2時間以上は浸さないようにしましょう。

また、つけ置きする際には密閉しないようにしてください。

酸素系漂白剤の分量を超えると衣類の色落ちの原因となることがありますので記載されている分量を使用するように注意しましょう。

塩素系漂白剤と比較すると刺激は弱いですが、必ず換気をしながら作業するようにしましょう。

また、カビ取り作業をする際には、カビの胞子を吸い込んでしまうと病気や体の不調を引き起こすおそれがありますのでマスク等を着用し可能であれば屋外での作業か、室内で作業する場合には窓を開けたり、換気扇を回すようにしましょう。

2、酸素系漂白剤とは?

炭酸ナトリウムと過酸化水素を2;3の割合で混ぜ合わせた物質です。

アルカリ度が高く、強い洗浄力があり、つけ置きするだけでカビを除菌・漂白する作用もあります。

酸素系漂白剤には、粉末と液体のものがあります。

粉末のものの成分は、過炭酸ナトリウム、界面活性剤、アルカリ剤、漂白活性化剤、安定化剤、酵素で液性は弱アルカリ性です。

液体のものの成分は過酸化水素、界面活性剤、漂白活性化剤で液性は酸性です。

粉末タイプの酸素系漂白剤は、液体の酸素系漂白剤と比較して漂白力が高く、カビ取り以外にも掃除や食器の除菌などにも使用することができます。

液体タイプの酸素系漂白剤は、洗濯をする際の漂白剤として使用されます。

粉末タイプの酸素系漂白剤と比較すると、漂白力は少し落ちますが、ウールや絹の繊維製品にも使用することができます。

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酸素系漂白剤を使用する際には、衣類の色落ちなどの問題がないかを確認してから使用するのが安心です。

温水1リットルに25グラムの割合で溶かした粉末の酸素系漂白剤を衣類の目立たない場所につけ、5分程度放置します。

この段階で変色するものや、白布をあて、たたいて色が移るものには使用することができません。

酸素系漂白剤の用途

酸素系漂白剤は服のカビを落とす以外にもさまざまなものの掃除に使用することができます。

例えば、油汚れの掃除、サビ落とし、水垢、排水口などのぬめり掃除にも効果的です。

酸素系漂白剤の使い方

①普段の洗濯で消臭、抗菌、黄ばみ、黒ずみの漂白(液体)

洗濯機で洗濯用洗剤と一緒に入れて洗います。

使用量は水60リットルに40ミリリットル、水30リットルに20ミリリットルです。

②落ちにくい汚れの漂白(液体)

食べ物や飲み物、汗、血液のシミや襟、袖口汚れの漂白にも使用することができます。

汚れに直接かけて、すぐに洗濯用洗剤で洗濯します。

汚れがひどい場合は、直接かけた後洗濯用洗剤を溶かした水またはぬるま湯に約30分つけ置きし、水ですすぐか洗濯をします。

③衣類の除菌(液体)

酸素系漂白剤を水1リットルに10ミリリットル溶かした水またはぬるま湯に約30分つけ置きした後、水ですすぐか洗濯をします。

3、酸素系漂白剤の保管方法

高温や直射日光を避け、なるべく早めに使い切るようにしましょう。

最近では調味料や洗剤などの容器をおしゃれなものに移し変えて保存するという方もいらっしゃいますよね。

ですが、酸素系漂白剤は密閉容器に保存すると、ガスが発生して容器が破裂するおそれがあります。

市販されている際の容器にはエアー抜きの穴が開いていますのでこのようなことが起きないように作られています。

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4、まとめ

・酸素系漂白剤でカビ取りをする際の注意点は8つあります。

・酸素系漂白剤には、粉末と液体のものがあります。

・酸素系漂白剤で服のカビ取りをする際には事前に試してからにしましょう。

・酸素系漂白剤は服のカビ取り以外にもさまざまな用途で使用することができます。

・酸素系漂白剤の使い方や保管方法にも気を付けましょう。

酸素系漂白剤を使用しても、カビ臭さが落ちない場合や着物など手洗いが難しい衣類のカビには繊維を傷つけにくい「ガス滅菌法」というカビ取り技術もあります。

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<参考文献>

・本橋ひろえ『ナチュラル洗剤そうじ術』2017年、ディスカヴァー・トゥエンティワン

・『NHKまる得マガジン万能セスキと強力過炭酸塩で家じゅうすっきり』2018年、NHK出版

・齋藤勝裕『汚れの科学』2018年、SBクリエイティブ株式会社

・沢井竜太『おそうじの超ベストアイディア2020』2020年、晋遊舎

・大矢勝『図説入門よくわかる最新洗浄・洗剤の基本と仕組み』2011年、秀和システム

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