服のカビはカビキラーで落とせるの?!

服にカビが生えていました。自宅に塩素系のカビ取り剤があったので、使おうかと考えていたのですが、ネットで調べると「布製品でも使用できる」と書いてある記事もあれば、「使用してはいけない」と書いている記事もありました。本当は何が正しいのでしょうか。

なかなか着ない洋服を久しぶりに着ようとして取り出すと、カビがびっしりと生えている!

大切な衣類にカビが生えると落ち込みますよね。何とか自力で元通りに復活させる方法はないかと考え。自宅にある「カビキラーで取れるのでは?」と考える人もいるかも知れません。

そこで、今回は服のカビはカビキラーで落とせるのかにフォーカスを当てて解説していきたいと思います。

カビの性質や、使用するカビ取り剤の性質、繊維質の性質を知ることで素材を傷めないカビ取りを実現しましょう。

服のカビはカビキラーで落とせるの?

まず、最初に「服のカビはカビキラーなど塩素系のカビ取り剤で落とせるのか?」

という質問に対する答えなのですが、変色する恐れがあるので使わない方が良いでしょう。

ラベルの用途をチェック

カビキラーといえば、非常にポピュラーなカビ取り剤ですが、実際にカビキラーの用途を見てみますと以下の通りでした。

【使えないもの】

  • 砂壁
  • 繊維壁
  • 漆喰
  • 布張りの壁
  • ユニットバスの化粧鋼板
  • 壁(磁石がくっつくタイプ)
  • ホーロー・アルミ・しんちゅう等の金属製品
  • 木製品
  • 獣毛のハケ・ブラシ

金属製の材質や、木製品など”脱色”の恐れがあるものなどはカビキラーを使用できません。

つまり、洋服のカビもカビキラーで落とせないことはないが脱色・変色の可能性があるのでおススメできません。

カビキラーで洋服のカビを落とさない方が良い理由

カビキラーの主原料は次亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどです。

次亜塩素酸ナトリウムは漂白効果があるため、黒カビの着色汚れなどにも有効なのですが、衣類に使用した場合に素材を傷めてしまい、衣類自体の色柄を変色する可能性があります。

つまり、カビ取りはできるが効果が強すぎるため洋服の素材を損なってしまうということです。白いレースカーテンの黒カビに使用する方法もありますが、使用可能な素材かきちんと確認する必要があります。

キッチン用の白い布巾や雑巾のなど消耗品の殺菌・漂白のために、塩素系のカビ取り剤を使うというのは良いかも知れませんが、洋服は変色のリスクを考えると、使わない方が良いでしょう。

では、洋服のカビ取りをするにはどのような方法が良いのでしょうか。次に解説していきたいと思います。

衣類のカビを取るにはどうすれば良いのか

洋服のカビを除去する方法は、カビの生え方や、種類によって様々ですが、まずは軽度のカビを取り除く方法をご紹介したいと思います。

  • カビキラーをはじめとする塩素系のカビ取り剤は衣類のカビ取りには使えない
  • 使うとしても、台拭きや雑巾などの消耗品くらい

1.コインランドリーで高温殺菌する方法

洗濯・乾燥が可能な洋服は、洗濯しコインランドリーで高温乾燥させることでカビを死滅させるという方法がります。

カビは60℃以上で30分間加熱をすることで、死滅すると言われています。

そのため、カビの色素が沈着していない洋服はまず洗濯をする→高温で乾燥させる

といった手順で、しっかりと乾燥させましょう。比較的軽度なカビであれば、これで除去することができます。

ただし、一度着色してしまったカビの色素は高温殺菌で落とすことはできませんので、酸素系漂白剤を使用するかクリーニングに出すなどしましょう。

コインランドリーでなくても、高温で乾燥のできる乾燥機付き洗濯機がある場合は自宅でもカビ取りが可能です。

注意点

ただし、衣類によっては高温での乾燥を行うと縮みや傷みの原因となるものもありますので、洗濯表示を確認してから行うようにしましょう。

2.消毒用エタノールで除去する方法

洋服の一部にうっすらとカビが生えている場合には「消毒用エタノール」を吹きかけることで除去することができます。準備するものは以下の通りです。

準備するもの

  • 消毒用エタノール
  • マスク(あればゴム手袋)
  • ふきん(もしくはキッチンペーパー)

出典:Amazon

手順

①洋服に消毒用エタノールを吹きかけます

②すぐには拭きとらず、15分ほど時間を置きます

③ふきんで軽く叩いて、水分をふき取ります。その後よく乾燥させます。

軽度のカビであれば、消毒用エタノールを吹きかけるだけでもキレイに除去することができます。

衣類のカビは、汚れや湿気の蓄積が原因で発生してしまいます。こまめに汚れをふき取り

クローゼットの奥に長期間収納する際には、一度消毒用エタノールを吹きかけるなどして、防ぎましょう。

注意点

革製品などは変色する場合もあるため、使用しない方が良いでしょう。その他のデリケートな衣類も、目立たない場所で試してから使用しましょう。

3.酸素系漂白剤で除去する方法

カビの色素が沈着している場合、消毒用エタノールでは取り除けない場合があります。その際には”酸素系漂白剤”で除去するという方法があります。

準備するものは以下の通りです。ただし、酸素系漂白剤はウールやシルクなど使用できない素材もありますのでラベルをよく確認してから使用するようにしましょう。加える酸素系漂白剤の量は表示を守りましょう。

例えば、オキシクリーンの場合は4リットルのお湯に対してキャップ1杯分入れてつけ置きします。

準備するもの

  • 酸素系漂白剤(液体タイプまたは顆粒タイプ)
  • ゴム手袋
  • バケツ

出典:Amazon

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手順

①ゴム手袋を着用しバケツ(もしくは洗面台)に40~60℃程度のお湯を溜め、洋服を入れます。

②酸素系漂白剤を加えて1時間ほど置きます。

③流水ですすぎ、普段通り洗濯をして乾燥させましょう。

注意点

酸素系漂白剤を使用する際は、換気を行い、ゴム手袋を必ず着用して皮膚に付かないように注意しましょう。

また、使用可能な衣類かどうか洗濯表示を確認しましょう。ウールやシルクには使用できませんのでご注意ください。

液体タイプと顆粒タイプどちらが良いの?

酸素系漂白剤には、液体タイプと顆粒のタイプがあります。結論からいうと、衣類のカビ取りにはどちらも使用できますが、より効果が高いのは顆粒タイプの酸素系漂白剤です。軽いカビであれば液体タイプのものを使用すると良いでしょう。痛めたくない衣類には効果の優しい液体タイプの方がおススメです。

また、スプレータイプの酸素系漂白剤もあるので、気になる箇所をカビ取りしたい場合などに便利です。用途に応じて使い分けましょう。

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出典: Amazon

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4.専門のクリーニングに持っていく

高級な衣類、デリケートな素材、または洗濯方法が分からない衣類の場合は、クリーニング専門店へ持っていきましょう。

特に、コートやジャケットなどは自分で洗濯すると型崩れの原因となることもあります。費用はかかりますが、大切な衣類や高級な衣類、衣装、着物類は専門のクリーニングに依頼した方が安全です。

  • 衣類のカビを取る方法は「高温殺菌」「消毒用エタノール」「酸素系漂白剤」がある
  • いずれにしても、痛みや変色を回避するために洗濯ラベルを必ず確認すること
  • 分からない場合は専門のクリーニングに持っていくこと

洋服のカビを防ぐために

ハンガーにかけてある衣類

洋服にカビが生えてしまった場合、まだ軽度であればキレイに落とすことも可能ですが、色素が沈着してしまったり範囲が広がり過ぎてしまうと、自力で落とすことが難しくなります。そこで、洋服にカビが発生しないように防ぐことも大事です。

そのためには

  • 衣類の汚れは取り除いて保管する
  • 洗濯槽の掃除も定期的に行う
  • クローゼットは扉を開けてこまめに換気をする
  • クローゼット内も定期的にアルコール消毒し清潔にする
  • 衣類の詰め込み過ぎに注意
  • クリーニングの袋からは取り出して保管する
  • 除湿剤や除湿機を用いて湿度管理をする

など、日ごろから衣類まわりを清潔にし湿気をためない環境づくりを心がけましょう。

くらしのマーケット

出典: Amazon

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衣替えの時期には一度全ての衣類を出してから掃除するようにする、使用頻度の低い衣類も定期的に陰干しするなどして湿気を逃すよう工夫しましょう。

まとめ

服にカビが発生した場合、カビキラーで落とすことは脱色・変色・傷みの可能性があるのでおススメしません

ですので、乾燥や酸素系漂白剤、消毒用エタノールを活用して生地を傷めないようにカビ取りをしましょう。

また、日ごろから衣類を清潔に保管しカビを発生させない環境づくりを行いましょう。

大事な衣類に複数枚カビが発生して自力でのカビ取りが困難な場合は、ガス滅菌によるカビ取り法もあります。

1箱単位で注文できますので、忙しい方や素材を傷めずにカビ取りしたい方などにおススメです。