
木製椅子は湿気を吸いやすく、手垢やホコリ、食べこぼしなどの汚れもたまりやすいため、カビが発生することがあります。
黒い斑点を見つけると、キッチンハイターなどの塩素系漂白剤を使いたくなるかもしれませんが、木材や塗装を傷めるおそれがあるためおすすめできません。
また、黒い斑点はカビではなく、汚れや木材の変色、塗装の劣化による場合もあるため、正しく見極めることが大切です。
この記事では、木製椅子のカビの落とし方や掃除のポイント、再発を防ぐための対策を解説します。
木製椅子のカビや黒ずみでお困りの方は、ぜひ参考にしてください。
| この記事でわかること |
| ・木製椅子のカビ取り前に確認すること ・キッチンハイターを使用しない方がよい理由 ・木製椅子のカビを落とす方法 ・背もたれや座面裏などの掃除ポイント ・木製椅子のカビを防ぐ方法 |
目次
1. 木製椅子のカビ取り前に確認したいこと

木製椅子は、木材や塗装、カビの状態によって適した対処方法が異なります。
強い洗剤や硬いブラシを使うと、変色や毛羽立ち、塗装の剥がれにつながることがあるため、作業前に状態を確認しましょう。
1-1. カビか汚れかを確認する
木製椅子の白い粉や黒い斑点は、すべてがカビとは限りません。
食べこぼしやホコリ、手垢、木材の変色、塗装の劣化などが、カビのように見えることもあります。
カビが疑われる主な特徴は、次のとおりです。
- 白色、黒色、青緑色の斑点や付着物がある
- 少しずつ範囲が広がっている
- カビ臭がする
- 湿気の多い時期に目立つ
- 同じ場所に繰り返し発生する
ただし、見た目だけでカビの種類や広がりを判断することはできません。
木材の黒ずみがカビか、灰汁などによる変色か判断できない場合は、以下の記事も参考にしてください。
■関連記事■木材の黒ずみはカビ?灰汁?見分け方と原因別の対処法
1-2. 木材や塗装の種類を確認する
木製椅子には、無塗装、オイル仕上げ、ワックス仕上げ、ウレタン塗装など、さまざまな仕上げがあります。
使用できる洗剤やカビ取り剤は仕上げによって異なるため、取扱説明書やメーカーの案内を確認しましょう。
分からない場合は、座面裏などの目立たない場所で試してから使用してください。
1-3. カビの範囲と木材の劣化を確認する

カビが背もたれの一部だけなのか、座面裏や脚、接合部まで広がっているのかを確認します。
次のような状態がある場合は、カビ取りだけでは対応できないことがあります。
- 広範囲にカビが広がっている
- 木材を押すとへこむ
- 表面がボロボロ崩れる
- 座面や脚がぐらつく
- 強いカビ臭や腐ったような臭いがする
木材の強度が低下している場合は、使用を中止し、修理や交換を検討しましょう。
1-4. 布やクッション部分も確認する
布張りやクッション付きの椅子は、木部だけでなく、座面裏や縫い目、木枠との境目も確認しましょう。
カビ臭が内部まで染み込んでいる場合や、広範囲に変色している場合は、表面を拭くだけでは十分に除去できないことがあります。
カバーを外せる場合は、洗濯表示やメーカーの案内に従って洗浄してください。
木製家具にカビが出たら、カビリスク診断も参考に
木製椅子のカビは、室内の湿度や換気、結露など、住まい全体の環境が影響していることがあります。
カビが繰り返し発生する場合や、ほかの家具にもカビが見られる場合は、以下のカビリスク診断で住まいの状態を確認してみてください。
2. 木製椅子にキッチンハイターは使える?

カビ取りと聞くと、キッチンハイターやカビキラーなどの塩素系製品を思い浮かべる方も多いでしょう。
しかし、木製椅子への使用は基本的におすすめできません。
強い漂白作用によって木材が色抜けしたり、塗装が白く濁ったり、表面のツヤが失われたりするおそれがあるためです。
また、木製椅子は使用後に十分な水洗いが難しく、製品表示どおりにすすげないことがあります。
木製まな板など、塩素系漂白剤を使用できる木製品もありますが、椅子は塗装や仕上げがさまざまで、同じようには扱えないため、使用は避けましょう。
3. 木製椅子のカビ取り方法

木製椅子のカビ取りは、カビの範囲や木材の仕上げに合わせて方法を選びます。
作業中は換気を行い、マスクとゴム手袋を着用しましょう。
3-1. 軽度のカビは消毒用エタノールで拭き取る

表面にうっすらと白カビが付着している程度であれば、消毒用エタノールで対処できる場合があります。
清潔な布やキッチンペーパーにエタノールを含ませてカビの部分をやさしく拭き取り、風通しの良い日陰で十分に乾燥させましょう。
乾いた布やブラシで先にこすると、カビの胞子が周囲に広がるおそれがあるため避けてください。
エタノールには漂白効果がないため、黒い色素が残ることがあります。
また、塗装によっては白化やツヤ落ちが起こるため、必ず目立たない場所で試しましょう。

ドーバー パストリーゼ77
出典:Amazon
3-2. カビによる黒ずみが残る場合は木材対応製品を使う

カビによる黒ずみと考えられ、消毒用エタノールで拭いても黒ずみが残る場合は、木材や木製家具に使用できるカビ取り剤を検討しましょう。
ハーツクリーンの「カビ取りマイスター」は、カビ取り業者が現場で使用している除カビ剤を、家庭でも扱いやすいように改良した製品です。
カビの除去力を保ちながら安全性にも配慮されており、子どもやペットがいる家庭でも使いやすい設計になっています。
水で洗い流しにくい木製品にも使用できますが、素材や塗装によっては変色することがあるため、目立たない場所で試してから使用してください。
■関連記事■木材・木製品のカビ取り完全ガイド|落とし方・NG行動・再発防止策を解説

カビ取りマイスター 除カビ剤

3-3. サンドペーパーは仕上げを確認して使用する
カビ取り後も黒い色素が残る場合は、表面を軽く研磨する方法もあります。
ただし、塗装された椅子に使用すると塗膜が剥がれたり、周囲と色や質感が変わったりすることがあります。
サンドペーパーは無塗装の椅子や再塗装を予定している場合に限り、必要最小限の範囲に使用しましょう。
研磨後は、木材に合った塗料やオイル、ワックスなどで表面を保護してください。

角利 紙ヤスリセットミックス12枚入
出典:Amazon
3-4. 修理や業者への相談が必要な状態
次のような状態がある場合は、無理に自分で対処しないようにしましょう。
- カビが広範囲に広がっている
- カビ取り後も繰り返し発生する
- 布やクッション内部までカビ臭がある
- 木材を押すとへこむ
- 表面がボロボロ崩れる
- 座面や脚がぐらつく
広範囲のカビや繰り返し発生するカビは、カビ取り業者へ相談してください。
木材が柔らかい、表面が崩れる、椅子がぐらつく場合は、強度が低下している可能性があります。
事故を防ぐため使用を中止し、家具修理業者へ相談のうえ、修理や交換を検討しましょう。
■関連記事■【2026年版】プロが厳選したおすすめカビ取り業者5選|費用相場・選び方も徹底解説
4. 【部位別】木製椅子を掃除するポイント

木製椅子は、普段見えにくい部分にもカビや汚れがたまります。
特に、背もたれ、座面裏、脚の付け根、布との境目を定期的に確認しましょう。
4-1. 背もたれ・肘掛け
背もたれや肘掛けは、皮脂や汗、手垢が付着しやすい場所です。
柔らかい布で定期的に乾拭きし、落ちない汚れは取扱説明書に従ってお手入れしましょう。
中性洗剤を使用できる場合は、薄めて布に含ませて拭き、最後に水拭きと乾拭きを行ってください。
4-2. 座面裏
座面裏は見えにくく、ホコリや湿気がたまりやすい場所です。
定期的に椅子を裏返し、座面裏や木枠、ネジ周辺にカビや汚れがないか確認しましょう。
カビがある場合は、木材や塗装に合った方法で除去し、十分に乾燥させてください。
4-3. 脚の付け根・接合部
脚の付け根や接合部は空気が通りにくく、食べこぼしや水分が残りやすい部分です。
細い布や綿棒を使い、隙間にたまった汚れを取り除きましょう。
ネジの緩みや接合部の割れ、脚のぐらつきも確認してください。木材が柔らかい場合は、使用を中止して修理や交換を検討しましょう。
4-4. 布張り・クッション付きの座面
布やクッションには、食べこぼしや飲み物、汗、よだれなどが染み込み、カビや臭いの原因になることがあります。
カバーを外せる場合は洗濯表示に従って洗い、完全に乾かしてから取り付けましょう。
外せない場合は取扱説明書を確認し、素材に合った方法で対処してください。
カビ臭が強い場合や内部までカビが広がっている場合は、専門クリーニングや張り替え、買い替えを検討しましょう。
椅子以外の家具にも白い付着物が見られる場合は、以下の記事も参考にしてください。
■関連記事■家具の白カビ対策|白い粉の正体・素材別の落とし方・再発防止
5. 木製椅子にカビが生える原因

木製椅子のカビは、湿気に加えて、手垢や皮脂、食べこぼし、ホコリなどが重なることで発生しやすくなります。
原因を知り、掃除や置き場所を見直すことが再発防止につながります。
5-1. 湿度が高く通気が悪い
木材は湿気を吸収しやすいため、室内の湿度が高い状態が続くとカビが発生しやすくなります。
特に、換気が不足している部屋や窓際、壁際では、座面裏や接合部に湿気が残りやすいため注意が必要です。
椅子を壁や家具に密着させている場合も、周囲の空気が流れにくくなります。
5-2. 手垢や皮脂が付着している
背もたれや肘掛け、座面の縁には、手垢や汗、皮脂が付着します。
これらの汚れが蓄積すると、カビの栄養源になることがあります。
長く使用している椅子ほど汚れがたまりやすいため、見た目に変化がなくても定期的な掃除が必要です。
5-3. 食べこぼしやよだれが残っている
ダイニングチェアや子ども用椅子には、食べ物や飲み物、よだれなどが付着しやすくなります。
汚れを放置するとカビの原因になるため、座面や背もたれだけでなく、隙間や裏側も確認しましょう。
特に接合部に入り込んだ汚れは乾きにくく、カビが発生しやすくなります。
5-4. 座面裏や接合部にホコリがたまっている
座面裏や脚の付け根、接合部は掃除が行き届きにくく、ホコリがたまりやすい場所です。
湿気とホコリが重なるとカビが発生しやすくなるため、普段見えない部分も定期的に掃除しましょう。
椅子を裏返す機会をつくり、ネジ周辺や木枠の隙間まで確認することが大切です。
6. 木製椅子のカビを防ぐ方法
木製椅子のカビを防ぐには、湿気をためず、食べこぼしやホコリなどの汚れを残さないことが大切です。
日頃の掃除と室内の湿度管理を組み合わせましょう。

6-1. 食べこぼしや水分をすぐに拭き取る
食べこぼしや飲み物、水滴が付着した場合は、早めに拭き取りましょう。
濡れた布で拭いた後は乾拭きし、座面の隙間や脚の付け根にも水分が残っていないか確認してください。

特に子ども用椅子は汚れやすいため、使用後に簡単に確認する習慣をつけると安心です。
6-2. 背もたれや座面裏まで掃除する
背もたれの裏側や座面裏、脚の付け根は、ホコリや汚れがたまりやすい場所です。
定期的に掃除し、あわせてカビや塗装の劣化、ぐらつきがないか確認しましょう。
普段見えない部分まで確認することで、カビや傷みを早めに発見しやすくなります。
6-3. 湿度管理と換気を行う

室内に湿気をためないよう、換気や除湿を行いましょう。
湿度が高い時期は、エアコンの除湿機能や除湿機を活用してください。
湿度計を設置すると、室内環境を確認しやすくなります。

タニタ 温湿度計
出典:Amazon
6-4. 壁や他の家具から離して設置する
木製椅子を壁や他の家具に密着させると、空気が流れにくくなります。
長期間保管する場合も周囲に隙間を設け、複数の椅子を重ねたままにしないよう注意しましょう。
使用していない椅子も定期的に動かし、座面裏や周囲に湿気がこもっていないか確認してください。
6-5. 塗装・オイル・ワックスを補修する

塗装やオイル、ワックスには、木材への水分や汚れの浸透を抑える役割があります。
ツヤや撥水性が低下した場合や、塗装が剥がれた場合は、木材や仕上げに合った製品で補修しましょう。
カビ取り後に補修する場合は、木材を十分に乾燥させてから行ってください。
■関連記事■【徹底比較】木材用防カビ剤おすすめ5選|カビ取り後の再発防止に役立つ製品を紹介
7. 【カビ関連ニュース】住宅全体の湿気が家具のカビにつながることも
完成から間もない住宅で、床下の湿度が80%を超え、外壁に黒いシミが現れ、ベッドやエアコンなどにもカビが広がった事例があります。
床下の湿気が換気システムを通じて室内に入り、住宅全体へのカビの広がりにつながった可能性があるとされています。
木製椅子にカビが発生した場合も、椅子だけでなく、室内や床下の湿気が影響していることがあります。
複数の家具や壁、床にもカビが見られる場合は、住まい全体の湿気環境を確認しましょう。
参考:TBS NEWS DIG|家中カビだらけの欠陥住宅「汚染レベル4で最悪の状態」住民は全面建て替え求めて裁判を起こすも…施工業者は“破産手続き”
8. 木製椅子のカビに関するQ&A

木製椅子のカビ取りでは、使う製品の選び方や、自分で対処できる範囲に迷うことがあります。
ここでは、よくある質問をまとめました。
Q1. 木製椅子の黒い点はすべてカビですか?
すべてがカビとは限りません。
手垢や食べこぼし、木材の変色、塗装の劣化が黒い斑点に見える場合もあります。
ただし、カビ臭がある、徐々に広がっている、同じ場所に繰り返し発生する場合は、カビの可能性があります。
Q2. 木製椅子にキッチンハイターを使っても大丈夫ですか?
基本的にはおすすめできません。
塩素系漂白剤は、木材や塗装を変色・劣化させる可能性があります。
木材や木製家具への使用が明記されたカビ取り剤を選び、目立たない場所で試してから使用しましょう。
Q3. 軽い白カビなら自分で落とせますか?
表面の狭い範囲に発生した白カビであれば、消毒用エタノールで対処できる場合があります。
清潔な布に含ませてやさしく拭き取り、風通しの良い場所で十分に乾燥させましょう。
塗装によっては白化やツヤ落ちが起こるため、事前に目立たない場所で試してください。
Q4. 木製椅子のカビを防ぐには何が大切ですか?
湿気をためず、皮脂や食べこぼしなどの汚れを放置しないことが大切です。
換気や除湿を行い、背もたれや座面裏、脚の付け根まで定期的に掃除しましょう。
9. まとめ
木製椅子は、湿気に加えて、手垢や皮脂、食べこぼし、ホコリなどがたまることでカビが発生しやすくなります。
軽度のカビであれば、消毒用エタノールで拭き取れる場合があります。
カビによる黒ずみが残る場合は、塩素系漂白剤の使用を避け、木材に対応したカビ取り剤を使用しましょう。
ただし、黒い斑点がすべてカビとは限りません。汚れや木材の変色、塗装の劣化による場合もあるため、状態を確認してから対処してください。
また、木材を押すとへこむ、表面が崩れる、座面や脚がぐらつくといった状態がある場合は、使用を中止し、修理や交換を検討しましょう。
カビ取り後は、次の対策を行うことが大切です。

日頃から見えにくい部分まで確認し、早めの掃除と湿気対策を続けることで、大切な木製椅子を長く清潔に使い続けましょう。




コメント