エアコンのカビはペットの健康にも影響があるの?
現代の快適な生活にのためになくてはならないエアコン。
特にペットがいらっしゃるご家庭ではペットの健康のためにもエアコンはなくてはならない必需品です。
そんなエアコンがなんだかカビ臭いということはありませんか?
ペットも大切な家族の一員。ペットの健康のためにつけているエアコンがカビ臭いとペットの健康に何か影響があるのか気になるという方もいらっしゃると思います。
今回はエアコンのカビがペットに与える影響やエアコンにカビが発生する原因、対処方法、予防方法等をご紹介していきます。
目次
1.エアコンのカビはペットにも影響はある?
犬や猫が鼻水を出したりくしゃみをよくしたり、体をかきむしるなど気になることはありませんか?
エアコンにカビが発生していると、エアコンの風と共にカビが室内にまき散らされます。
そのカビが付着したものをペットが舐めたり、触れることで、健康に影響を及ぼす可能性があります。
カビはペットの健康だけでなく、私たち人間の健康にも被害をもたらします。
カビによって引き起こされる恐れのある病気は、肺炎、アレルギー性喘息、アレルギー性皮膚炎などがあります。そのため、エアコンをはじめ、壁や天井、部屋の四隅などカビが生えやすい部分はより意識的に掃除をする必要があります。
2.エアコンにカビが発生する原因
カビが温度20℃~30℃、湿度60%以上、栄養分となるホコリや汚れの3つがそろうと繁殖していきます。
カビが好む温度はペットや人間が過ごしやすい温度と同じです。
ペットを飼っているご家庭のエアコンは、ペットが動き回ることによってホコリが舞い上がり汚れやすくなっています。
また、ペットの飲料やトイレなどを設置しているため室内の湿度が高く、カビの栄養源となる雑菌も繁殖しがちです。
エアコンは室内の空気を吸引し、その空気を冷房や暖房するときに室外機と熱交換しています。
熱交換された空気は送風ファンによって室内に送られます。
エアコンのこのような仕組みから、部屋の中にある食品や調理した際の蒸気、喫煙される方はタバコの煙、汗、ペット臭などあらゆるにおいの素となる空気をエアコンは吸い込んでしまうのです。
そこで、室内やエアコンの周辺のホコリや汚れを掃除することがとても重要となるのです。
吸気口や送風口には、ホコリやカビを除去するフィルターが取り付けられています。
また、冷房時には内部で発生する結露を排水しています。
3.エアコンにカビが発生したときの対処方法
エアコンの送風口にカビが発生した際の対処方法です。
エアコンのルーバーとカバーはプラスチック製なので、カビが根をはらずに水拭きで落ちることがあります。
水拭きではカビが落ちなかった場合には、以下の方法で試してみてください。
用意するものは、水の激落ちくん、キッチンペーパー、ラップです。
水の激落ちくんは便利なシートタイプも販売されています。
シートタイプの場合にはそのまま使えて拭くだけなので時短掃除ができます。
ルーバーとカバーを取り外せる場合には中性洗剤をつけてスポンジで洗う方法もあります。
手順
①水の激落ちくんでキッチンぺーパーを湿らせます。
②湿らせたキッチンペーパーをルーバーとカバーにぴったり貼り付けます。
③最後にキッチンペーパーが落ちないようにラップで固定したら5分置きましょう。
④その後、キッチンペーパーでルーバーとカバーを拭き取るとつるんとカビが取れます。
レック 水の激落ちくん アルカリ電解水
出典: Amazon
補足
水の激落ちくんは電気分解したアルカリ電解水でアルカリの力で汚れを浮かせて落とします。
除菌・消臭効果もあり、主成分は水なので最後に水拭きしたり洗剤を拭き取る必要がありません。
エアコン以外にも洗剤を使用したくない場所の掃除などに最適です。
※注意点※
エアコンのコンセントをはずしてから掃除をするようにしてください。
電装部分に水がかからないようにラップやビニール袋等でしっかりと養生する必要があります。
エアコンに直接水の激落ちくんを吹きかけると故障の原因となることがありますので注意してください。
4.エアコンのカビ予防方法
①フィルターをこまめに掃除しましょう。
フィルターにホコリがたまると、カビやにおいの原因となるだけでなく、稼働効率も悪くなり電気代が高くなってしまいます。
フィルターは外して丸洗いできるのでこまめにホコリを取り除くと湿気がこもりにくくなりカビが生えにくくなります。
掃除の頻度としては3ヶ月に1度、季節の変わり目に掃除をするように心がけましょう。
②エアコンの内部を乾燥させましょう。
エアコンは冷房を使用すると内部が結露します。
冷房を使用したあとはしばらく送風運転させ、併せて室内に除湿機をつけておくとさらに効果的です。
送風機能がないエアコンの場合には、冷房の設定温度を一番高くして3~4時間運転してください。
エアコンを使用しない季節でも、月に1回程度は送風運転をすることでエアコン内部の湿気を飛ばすことができ、カビ対策となります。
③エアコンの運転開始直後は換気をしましょう。
エアコンの運転開始直後はホコリや汚れた空気を吹き出しやすいので、10分程度換気をするようにしましょう。
④エアコンをホコリやカビから守る対策グッズを使用しましょう。
エアコンをあまり使用しない時期などにホコリからガードするカバーが販売されています。
また、エアコンの吸気口に貼ってカビを防ぐことができる便利なグッズも販売されています。
⑤ドレンホースの確認をしましょう。
ドレンホースとは、エアコンの内部で発生した水を外に排水するホースのことです。
室外機の近くにあるホースから水が流れ出ているのを見たことがありませんか?
このドレンホースに葉っぱやゴミ、虫などが詰まっていると、排水できずにエアコンの内部に水が溜まるとカビが発生しやすくなってしまいます。
また、ドレンホースは3~5年程度で経年劣化していくものです。
劣化の状態によっては新しいものに交換する必要もあります。
ドレンホースの詰まりを解消するクリーナーやドレンホースに虫が侵入するのを防ぐキャップがホームセンターなどで販売されています。
⑥新しいエアコンに買い替える。
一般的にエアコンの寿命は10年程度と言われています。
冷房や暖房が効きにくかったり、異音がするなどの症状やこまめに掃除をしているのにカビ臭いにおいが取れないということはありませんか?
最新のエアコンには、エアコンの自動掃除機能が付いているものや、防カビ機能がついているものもあります。
古いエアコンよりも新しいエアコンの方が省エネということもありますので、おもいきって新しいエアコンに買い替えを検討してみてはいかがでしょうか?
5.エアコンの臭い対処方法
エアコンが臭いからフィルターを掃除したり内部クリーン機能を使用してみたけどダメだった・・・というときは、部屋の窓を開けて冷房16℃に設定して1時間ほど運転してみるのもおすすめです。
低い温度で冷房を運転すると、内部に残ったにおいの原因が結露して洗い流されるため、脱臭されるのです。
窓を開けることで、部屋の中のにおいも室外に放出されます。
※注意点※
冷房を最大限のパワーで運転させるので電気代がかかってしまいます。
エアコンクリーニング業者に依頼する方法などと比較してどちらが良いか検討するのが良いでしょう。
6.エアコンの内部のカビはプロにおまかせ!
市販のエアコンお掃除スプレーの注意点
エアコンの掃除ができるスプレー等が販売されていますが、スプレーで掃除できるのはフィンの部分を少しだけになります。
また、エアコンの掃除スプレーは内部に成分が残らないようにすすぐのが難しいのです。
この成分が残ったままエアコンを使用してしまうと、ペットの健康への影響が心配です。
エアコンにホコリや汚れがついた状態で掃除スプレーを使用するとフィンの目詰まりや故障や水漏れをするおそれがあります。
エアコンの掃除はフィルターと送風口のみにし、内部の汚れを落とすのはプロにおまかせするのがおすすめです。
エアコンには空気を吸い込むアルミフィンと風の出口である送風ファンがあります。
特に送風ファンはプロにしか触れない部分になります。
エアコンクリーニングを実施する際にペットへの影響を考慮した薬剤を使用できる業者もあります。
洗浄力の強い洗剤を使用している場合でも、直接触れたり、作業中の飛沫を吸い込まなければペットに影響はありません。
気になるという方はエアコンクリーニング業者に相談してみると良いでしょう。
エアコンクリーニングを実施している際にはペットをケージに入れたり、別の部屋に移動させるなどの配慮が必要になる場合があります。
さらに、エアコンクリーニング実施中はエアコンを使用することができなくなります。
ペットによっては室温に敏感ですので、ペットホテルやペットシッターを利用することも検討しておきましょう。
予算
エアコンの掃除料金はおおよそ1台1万円程度で、作業時間は1時間程度です。
エアコンの使用が本格的になる前の4月~5月または9月~10月に実施するのがおすすめです。
6月~8月は最もエアコンの需要が高くなる時期なので、業者が混み合い予約がすぐに取れないこともあります。
エアコンを使用する時期の少し前にきれいにクリーニングしてペットも人間も快適に過ごせるようにしましょう。
■関連記事■冬がお得?!冬季にすべきエアコンのカビ対策
7.まとめ
・カビの生えたエアコンの使用はペットや人間の健康にも被害があります。
・エアコンの送風口のカビ取りには水の激落ちくんが便利です。
・エアコンのカビ予防方法は6つあります。
・エアコンの臭い除去には最低温度の冷房を1時間運転してみる方法があります。
・エアコンのカビはプロにおまかせしましょう。
<参考文献>
・沢井竜太『おそうじの超ベストアイディア2020』2020年、晋遊舎
・松本忠男『カビ・ホコリ・菌を撃退!家の「正しい」掃除ワザ』2019年、宝島社
・日本防菌防黴学会『菌・カビを知る・防ぐ60の知恵』2015年、化学同人