加湿器の中にカビが発生!除去する4つの方法とカビ対策

「加湿器からカビみたいな臭いがする」
「加湿器のタンクにカビが生えてしまった。どうやって除去すればいいの?」

乾燥している時に加湿器を使用することで、湿度を上げてくれるので冬場には重宝している家庭も多いでしょう。
しかし、湿度はカビの繁殖にとって絶好の環境を提供してしまうことがあります。

また、加湿器に溜まった水垢などの汚れを放置していると、そこからカビが発生し、シックハウス症候群など健康への悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため加湿器にカビが発生した場合は早急に取り除かなければいけません。

この記事では、加湿器内に発生したカビを安全かつ効果的に除去する方法について詳しく解説します。
健康な室内環境を保つためにも、この情報をぜひ活用してください。

この記事でわかること
・加湿器のカビ取り方法
・加湿器のカビを防ぐための対策
・加湿器にカビが発生する原因

1.加湿器にカビが発生する原因とは

加湿器がカビの温床になりやすいのは、主に加湿器内部が湿気を保持しやすい環境であるためです。

加湿器は水を使用して室内の湿度を上げるため、その構造上、水分が残りやすく、これがカビの成長に必要な湿度を提供します。

1-1.なぜ加湿器はカビの温床になるのか?

↑こちらが、実際に我が家の加湿器に発生したぬめり(カビ)です。
これらの汚れは1日であっという間に溜まります。

加湿器内部に水分が残ると、それが蒸発する際に湿度が高くなります。
この高湿度環境は、カビの胞子が発芽し、成長するのに最適な条件を提供します。

また、加湿器が定期的に清掃されない場合は、水垢やミネラルの堆積がカビの栄養源となり、さらに繁殖を促進します。

1-2.加湿器内でカビが繁殖しやすい条件

カビが発生する場所には以下の条件が揃っているものです。

  • 高湿度:加湿器を使用すると内部が高湿度になり、カビが成長しやすくなります。
  • 暖かい温度:カビは暖かい場所を好むため、水を温めて蒸気を出す加湿器はカビの生育に適しています。
  • 栄養源の存在:水垢やミネラルの堆積はカビの栄養源となります。

加湿器には複数の種類があり、その中でも特にカビが発生しやすいのがスチーム式加湿器です。
スチーム式は、水をヒーターで沸騰させて蒸気を生成し、室内の湿度を上げる仕組みです。
これは、やかんで水を沸かす原理に似ています。

長時間使用すると室内の湿度が上昇し、加湿器内に結露が生じやすくなります。
そして、使用後に加湿器を掃除せずに放置すると、この結露がカビの発生源になることがあるのです。

また、他にも超音波式加湿器では、水を入れるタンク内にカビが生じやすいという特徴があるため、タンクを清潔に保つことが重要です。

2.加湿器内のカビが健康に与える影響

加湿器にカビが発生し、それに気付かず使用し続けると、様々な健康上の問題が発生する可能性があります。
どのような症状が起こり得るのか詳しく見ていきましょう。

2-1.カビによる健康への悪影響

カビはアレルギー反応や呼吸器系の問題を引き起こすことが知られています。
特に、加湿器から放出されるカビの胞子を長期間吸い込むことで、以下のような健康問題が引き起こされることがあります。

  • 呼吸器の症状:咳、喘息の発作、呼吸困難
  • アレルギー反応:くしゃみ、鼻水、目のかゆみ、皮膚の発疹
  • 免疫系の弱体化:カビへの過敏症やアレルギーの増加

これらの症状は、特に免疫系が未発達な子供や、既に呼吸器系の病気を持つ人々にとって、より深刻な影響を及ぼす可能性があります。

■関連記事■加湿器のお手入れ不足で加湿器肺炎やカビの原因に

2-2.シックハウス症候群を発症する可能性も

カビはシックハウス症候群を引き起こす一因とされており、加湿器内でのカビの繁殖は、室内の空気質を著しく悪化させることがあります。

シックハウス症候群は、建物内の空気の質が原因で、居住者が様々な健康問題を経験する状態を指します。
症状としては、頭痛、疲労、集中力の低下、目の痛み、喉の刺激などが考えられ、日々の生活に悪影響を及ぼすでしょう。

3.加湿器のカビを除去する4つの方法

続いて、加湿器のカビを除去するための実践的な4つの方法をご紹介します。
これらの方法を適切に行うことで、加湿器を清潔に保ち、快適な室内環境を維持することができます。

3-1.クエン酸で洗浄する

クエン酸はドラッグストアやホームセンターなどで手に入ります。
軽度なカビであれば、この方法で除去できます。

用意するもの

  • クエン酸
  • ぬるま湯

出典:Amazon

カビ取り手順

  1. ぬるま湯2リットルにクエン酸大さじ1杯を溶かし、加湿器のタンクに入れる。
  2. 1時間ほど運転させてから、タンクの中のお湯を捨てる。
  3. 水でタンクをすすぎ洗いし、乾燥させる。

フィルターに付着したカビは、クエン酸を溶かしたぬるま湯にカビのついたフィルターを1時間ほど漬け置きすることで除去できます。

■関連記事■クエン酸でカビを落とすことはできる?クエン酸を使った効果的なお掃除方法とは?

3-2.消毒用エタノールで拭き取る

クエン酸だけでは取り除けないカビがある場合、消毒用エタノールを使用して拭き取ります。
消毒用エタノールもドラッグストアなどで入手できます。

用意するもの

  • 消毒用エタノール
  • 柔らかい布

出典:Amazon

カビ取り手順

  1. 柔らかい布に消毒用エタノールを含ませる。
  2. 加湿器の内部やカビが発生している部分を慎重に拭き取る。

3-3.逆性石鹸を使用する

消毒用エタノールの代わりに逆性石鹸を使用するという方法もあります。

逆性石鹸というのは聞き慣れない製品ですが、これはいわゆる石鹸とは異なります。
殺菌目的で使われる陽イオン界面活性剤のことで、洗浄能力ではなく消毒する働きをする薬品です。
こちらもドラッグストアなどで入手できます。

用意するもの

  • 逆性石鹸
  • 柔らかい布

出典:Amazon

カビ取り手順

  1. 逆性石鹸を200倍に薄めた溶液を作る。
  2. 布に溶液を含ませ、カビのついた部分を拭き取る。

3-4.加湿器がカビ臭いなら重曹を使用する

加湿器内でカビが発生すると、その兆候として特有の臭いがすることがあります。
いわゆるカビ臭さが発生した場合は、直ちに使用を中止し、カビの除去を行う必要があります。

消臭効果のある重曹を温水に溶かし、加湿器のフィルターやタンクを浸け置きすることで、カビの臭いを軽減できます。

ただし、超音波加湿器をアロマディフューザーとしても使用している場合、アロマの香りによってカビの臭いが認識しにくいという問題が発生することがあります。
臭いに気づかないこともあるため、水を交換する際には必ず内部をチェックし、定期的に掃除を行うことが重要です。

ただし、超音波加湿器をアロマディフューザーとしても使用している場合、アロマの香りによってカビの臭いが認識しにくいという問題が発生することがあります。
臭いに気づかないこともあるため、水を交換する際には必ず内部をチェックし、定期的に掃除を行うことが重要です。

■関連記事■カビ取りだけじゃない!重曹を使ったキッチンのお掃除術

出典:Amazon

4.実際に消毒用エタノールで加湿器のカビ取りをしてみた

我が家の加湿器に発生したカビを、消毒用エタノールで取り除いてみました。
カビの付着具合にもよりますが、我が家の加湿器は5分程度でカビが除去できました。

①加湿器を乾燥させる
まず最初に、加湿器内の水分を完全に乾燥させます。
これにより、カビの成長環境を取り除くことができます。

②消毒用エタノールを吹きかける
次に、たっぷりと消毒用エタノールを加湿器内に吹きかけます。
このステップでは、カビに直接エタノールが触れるようにしっかりとかけましょう。

③ペーパーで拭き取る
キッチンペーパーや柔らかい布を使用して、消毒用エタノールと共にカビを丁寧に拭き取ります。
この時、カビが残らないように注意深く拭き取ることが重要です。

④再度乾燥させる
最後に、加湿器を完全に乾燥させます。
また、普段の生活でも使用しない時は加湿器の水を抜き、消毒用エタノールで拭いた後、十分に乾かすことをお勧めします。
これにより、カビの再発生を防ぎます。

以上の手順で、我が家の加湿器からカビを効果的に取り除くことができました。
カビ取り作業は思ったより簡単で、定期的なメンテナンスとして実行することがカビ予防につながります。

5.加湿器にカビを発生させないための対策

カビは水分がある場所を好むため、加湿器は対策しなければカビが発生しやすいものです。
そのため、これから紹介するカビ対策を行うことをおススメします。

5-1.使用しない時はタンクを空にして乾燥させる

加湿器に長期間同じ水を入れておくと、雑菌の増殖やカビの原因となります。
また、臭いの原因にもなり得ます。
使用しない時はタンクを空にして内部を完全に乾燥させることが重要です。

5-2.水の定期的な交換

古い水はカビや細菌の繁殖に最適な環境を提供します。
そのため、タンクの水は毎日新しいものに交換し、継ぎ足しではなく、一度空にしてから再度満たすようにしましょう。

5-3.浄水器の水を使用しない

多くの家庭に浄水器やウォーターサーバーなどが普及していますが、加湿器には水道水を使用してください。
浄水器等で処理された水は、カルキなどの殺菌成分が取り除かれており、カビの繁殖を促す可能性があります。

5-4.定期的な清掃と消毒

加湿器の内部は、使用後に定期的に清掃し、消毒用エタノールやクエン酸で消毒することが大切です。
これにより、カビや細菌の発生を予防し、加湿器を清潔に保つことができます。

6.加湿器のかけすぎは部屋のカビの原因になるので注意

加湿器は内部のカビだけでなく、過剰な使用によって部屋全体にカビを発生させる原因にもなります。
特に乾燥する冬場に加湿器を多用する際は、以下のポイントを守ることで室内のカビを効果的に防ぐことができます。

6-1.壁や物から適切な距離で設置する

加湿器から放出される水蒸気が直接壁や窓、カーテンなどに接触すると、そこに水滴が溜まり、カビの発生源となる可能性があります。
そのため、加湿器は壁や家具から適切な距離を保ち、水蒸気が直接当たらないように配置しましょう。

6-2.使用前に部屋を片付ける

加湿器をホコリが溜まった部屋で使用すると、湿気がホコリに吸収され、カビの発生に繋がります。

また、物が多く散乱していると空気の流れが悪くなり、加湿器の湿気が滞留しやすくなります。
加湿器を使う前には部屋を片付け、定期的に掃除をすることが重要です。

くらしのマーケット

6-3.適切な湿度を保つ

加湿器を使用しすぎて室内湿度が高くなると、カビが繁殖しやすい環境を作り出してしまいます。
乾燥を避けたい気持ちは理解できますが、加湿しすぎるとカビや雑菌が増えやすくなります。
室内湿度は40~60%を目安に保ち、湿度計を利用して定期的にチェックしましょう。

6-4.カビが発生したら早期対応が大事

万が一室内にカビが発生した場合は早期対応が大事です。
初期段階であれば自力でのカビ取りも可能なので、カビ取り剤などを使用してカビを除去しましょう。

もしカビの範囲が広かったり、発生した箇所が自力では難しい場所だった場合は、カビ取り業者に依頼することも検討してみてください。
「なんとなくカビ臭い」「自力でできるのか業者に任せた方がいいのかわからない」といった場合も、まずは一度相談してみることをおススメします。

カビ取り業者に相談する

7.まとめ

今回は加湿器に発生したカビの除去やカビ対策について解説しました。

加湿器は乾燥する季節に室内の湿度を適切に保つために非常に役立つアイテムです。
しかし、その利便性の裏で、カビの繁殖を防ぐための注意も必要です。
適切なメンテナンスを行わなければ、加湿器がカビの温床となり、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

そのような事態を防ぐためには、以下の対策が有効です。

  • 1日1回は水を空にして洗浄する
  • 定期的にクエン酸や消毒用アルコールを使ってお掃除する
  • 使わないときは水分を除去し内部を乾燥させる
  • 片づけた部屋に使用し壁やモノに近づけ過ぎない
  • 湿度計を設置して、湿度が上がり過ぎないように注意する

上記の対策を実践し、清潔な加湿器を使用することで、健康的な室内環境を維持しましょう。