カビのお悩み解決コラム

さつまいもにカビが!安全に食べるための正しい見分け方とカビさせない保存法

#カビ#さつまいも#食品
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監修者穂苅 英樹

編集長(ハーツリッチ株式会社 代表取締役)


さつまいもを食べようとしたら、表面に白いフワフワした綿のようなものや黒っぽい斑点が…。
「これってカビ?」「食べても大丈夫なの?」と戸惑ったことがある方も多いのではないでしょうか。

実はさつまいもには、保存状態によってクモノスカビやケカビなどのカビが生えることがあります。これらのカビは、健康な人が少量を誤って食べたとしてもすぐに問題になることは稀ですが、免疫力が低下している方にとっては注意が必要で、重篤な感染症を引き起こす恐れもあります。

とはいえ、黒ずみがあってもそれがカビではなく、傷みや糖の変化による場合も多いため、むやみに捨てるのはもったいないことも。

この記事では、さつまいもに発生しやすいカビの種類や、見分け方のポイント、さらにカビを防ぐための保存方法を詳しくご紹介します。
栄養豊富なさつまいもを、安全かつ美味しく食べるために、ぜひ参考にしてください。

この記事で分かること
・さつまいもにカビが生える原因
・さつまいもの上手な保存方法
・さつまいものカビの見分け方と対処法
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さつまいもに生えるカビの種類

さつまいもに生えるカビには一種類ではなく白カビ・青カビ・黒カビなどいくつか種類があります。まず、最も多くみられる白い綿状のふわふわしたカビです。

クモノスカビやケカビとよばれるカビの代表的なものでさつまいもの表面についています。 青カビも生えることがあり、さつまいもの両端から発生することが多いです。

また、バスルームなどでもみかける黒カビも生えることがあります。 では、そもそもどうしてさつまいもにカビが生えてしまうのでしょうか。その原因のほとんどが誤った方法で保存していることによるものなのです。

原因その①:冷蔵庫での保存

さつまいもは常温保存が基本です。さつまいもは温かい気候の土地で栽培されるものなので寒さにはとても弱い食材です。さつまいもの適切な保存温度は13~15℃ですが冷蔵庫や冷凍庫など10℃以下になる環境で保存してしまうと低温障害を起こし、寿命を極端に早めてしまいます。

原因その②:寒暖差のある場所での保存

常温保存をしているにもかかわらずカビが生えてしまった場合には寒暖差のある場所で保存してしまっている可能性があります。屋外やベランダ、窓際、車庫など昼夜の寒暖差がある場所での保存もさつまいもを傷ませ、カビを発生させる原因の一つになります。

原因その③:水気がついた状態での保存

さつまいもについた土や汚れをとるために洗ってから保存している方もいるのではないでしょうか。 さつまいもは寒さだけでなく水にも弱い食材です。水気がついた状態での保存もカビが生える原因になります。

保存に適した湿度は85~95%になります。またさつまいも自身も人間と同じように呼吸しているので、ビニール袋やサランラップ、発泡スチロールなどで密閉保存すると水滴ができ、カビが発生し腐敗を進めてしまいます。


さつまいもの保存方法

つまり、さつまいもにカビを発生させず長期保存するには、適切な温度と湿度を保つことがポイントになってくるのです。ここからはご家庭でできるさつまいのも保存方法と、カビが生えてしまったときの対処法をお伝えしていきます。 先に述べたように、さつまいもは常温保存が基本です。以下の手順で保存するのがおすすめです。

  • さつまいもを1本ずつ新聞紙で包みます。
  • 包んださつまいもをダンボールに入れます。
  • 10~15℃の風通しの良い場所(冷暗所)で保存します。

さつまいもを新聞紙に包む際、畑から収穫してきたものは土付きのまま3日間天日干しし、完全に乾いてから洗わずに包みましょう。スーパーなどで購入したものは一度水洗いされていることがあるため、基本的な保存方法は同じですが早めに食べきる、または生の状態から加熱処理をして冷凍するようにしましょう。

また、さつまいもは暖かい環境になると発芽してしまい、芽に栄養分が奪われ鮮度の低下につながってしまうため、20℃以上になる場所での保存も適していません。

保存場所はキッチンや玄関、床下収納庫、廊下などがおすすめです。

そして、保存場所は常に清潔に保つ必要があります。

消毒用エタノールなどで除菌して、カビの菌がさつまいもに付着しないようにしましょう。

出典:Amazon

では、すでにさつまいもにカビが生えてしまっている場合はどうしたらよいのでしょう。


さつまいもにカビが生えてしまったら?!

さつまいもの表面に白・黒・青などのカビが見える場合は、一見少量でも食べるのは避けた方が安全です。

さつまいもは中にも水分があるため、表面だけに見えていても内部までカビが広がっていることがあります。
色や範囲だけでは安全性を判断できないため、カビが確認できたものは食べずに処分するのがおすすめです。

黒っぽい断面はカビじゃない場合も

また、切った断面が黒、または茶色っぽくなっていることがありますが、それはカビではなく低温での保存により低温障害が起きている可能性が高いです。

低温障害により黒くなってしまった場合は、味は落ちているけれどカビではないので食べても大丈夫です ここで気をつけたいのが黒カビとよく間違えられるさつまいもの乳液であるヤラピンです。

ヤラピンは、もともとは白色ですが酸化すると黒色になります。 黒カビと間違えてしまいそうになりますが、黒カビと違いかさぶたのような見た目をしています。さつまいもの両端についていることが多いのも特徴です。ヤラピンは乳液なので食べられます。

腐敗したさつまいもは食べないこと

さつまいもは「腐敗」の状態になると決して食べないでください。見分け方は以下の通りになります。

  • 酸っぱいにおいがする
  • 異臭がする
  • 黒く変色している部分が多い
  • ヌルヌルしている
  • 生なのにプニョプニョしている

このような状態のさつまいもは腐敗が進んでいるため諦めて廃棄してください。また、これら以外にも明らかな異常を感じた場合は食べないようにしましょう。


【カビ最新ニュース】さつまいもを含む食品に広がるカビ毒への注意喚起


近年、食品に付着するカビが作り出す「カビ毒(マイコトキシン)」が改めて問題視されています。

2024年の紅こうじサプリによる健康被害がきっかけとなり、発酵食品だけでなく一般食品にも“見えない毒素が混入するリスク”があることが広く注目されました。
青カビが産生するプベルル酸のように、加熱では分解されにくい毒素が存在することも確認されています。

こうしたカビ毒は、表面のカビを取り除いても内部に残る場合があり、外見だけでは安全性を判断できません。
さつまいものように水分やデンプンを含む根菜類は、菌糸が内部に入り込みやすい特徴があり、アフラトキシン・オクラトキシンA・DON などの主要カビ毒が問題視されています。

これらはいずれも家庭の加熱調理では無害化が難しいため、さつまいもに白カビ・黒カビ・青カビが確認できた場合は、見える部分だけ切り取るのではなく、健康のために廃棄することが推奨されています。

参考:消費者庁|プベルル酸に関する調査状況の進捗について
参考:農林水産省|食品のかび毒に関する情報


さつまいものカビに関するQ&A


さつまいもは黒変や白い繊維など“カビと似た現象”が多く、判断に迷いやすい食品です。
誤解しやすいポイントを押さえ、安全に扱うための質問と回答をまとめています。


Q1. 白いふわふわしたカビは切り落とせば食べられる?



A. 表面だけに見えても内部に菌糸が広がっているケースがあり、完全なカビ除去は困難です。
特に根菜類はカビ毒が残る可能性が高いため、切り落として食べるのは避けるのが安全です。


Q2. 黒い斑点や断面の黒変はすべてカビ?


A. 低温障害やヤラピンの酸化による黒変も多く、“黒=全部カビ”ではありません。
ただし、綿毛状・湿った黒さ・異臭を伴う場合はカビが疑われるため、食べないようにしてください。


Q3. カビの生えたさつまいもを食べてしまったらどうすればいい?


A. 健康な大人では重症化は稀ですが、腹痛・吐き気・違和感が出る場合があります。
免疫力が弱い方や子どもは特に注意が必要で、症状があれば医療機関に相談してください。


まとめ

さつまいもに見られる白いふわふわや黒い斑点は、一見すると「カビなのか、それともただの変色か」と判断に迷うこともあります。しかし、実際には保存環境の違いでカビが生えることも多く、特に白カビや黒カビ、青カビなどが発生しやすい野菜です。

健康な方であれば、少量のカビを誤って口にしてもすぐに深刻な症状が出ることは稀ですが、免疫力が低下している方は注意が必要で、重篤な感染症を引き起こす可能性もあるため、安易に判断しないことが大切です。

黒ずみがあっても、それがヤラピンの酸化や低温障害によるものであれば問題なく食べられるケースもあります。見た目だけで決めず、においや状態もしっかり確認しましょう。

さつまいもを美味しく安全に楽しむためには、正しい保存方法(新聞紙+ダンボール+冷暗所)を守り、カビの発生を防ぐことがポイントです。

少しでも不安な状態がある場合は無理に食べず、判断に迷ったら廃棄するのが安心。
正しい知識で、栄養価の高いさつまいもをムダにせず、賢く保存・活用していきましょう。

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