コップのカビを根こそぎ落としたい!家庭でできる簡単カビ取りテクニック&カビ予防法

「食器棚の奥にコップを保管していたら、いつの間にかカビが生えていた」
「うがい用のコップにカビが生えていることに気付かずに使ってしまった。体に悪影響がありそうで心配…」

保管状況によっては、食器棚に長期間置いたコップにカビが生えることがあります。
また、特にカビの被害が多いのが洗面所に置きっ放しにしているコップです。
毎日洗っていればカビの発生リスクも低いですが、洗わずに放置していると気づかないうちにカビが発生することもあります。

カビは見た目が不快なだけでなく、健康リスクをもたらす恐れのある危険なものです。
特に直接口をつけるコップは、常に清潔に保たなければいけません。

この記事では、そんな厄介なカビを根こそぎ落とす方法や、簡単で効果的なカビ対策を紹介します。
コップのカビにお困りの方は、是非この記事を参考にしてみてください。

この記事でわかること
・コップのカビ取り方法
・コップのカビを防ぐための予防策
・コップのカビを使うことで発生する健康被害
・コップにカビが発生する原因

1.カビが生えたコップを使ってしまった!どんな健康被害があるの?

コップにカビが生えていることに気付かずに使用してしまうと、カビを摂取することになり、健康被害を引き起こす可能性があります。
カビには様々な種類があり、その中にはアレルギー反応や呼吸器系の問題を引き起こすものも含まれています。
そのため、カビの摂取によって以下の症状が現れるかもしれません。

アレルギー反応

カビの胞子を吸入したり、カビが生えたものを摂取したりすることで、体は反応を示します。
これによって、くしゃみや鼻水、目のかゆみ、皮膚に発疹が出るなどの症状が現れるかもしれません。
これらはカビに対する体の免疫反応によるもので、アレルギー体質の人にとっては、さらに重度の症状を引き起こす恐れがあります。

呼吸器系の問題

カビが生えたコップを使用することで、呼吸器系に悪影響を及ぼす可能性があります。
特に喘息患者や慢性的な呼吸器系の疾患を持つ人々にとって、喘息の発作の誘発、呼吸困難、咳、喉の痛みなどの症状が引き起こされやすくなります。
これらの症状は、カビの胞子が呼吸器系に入ることで生じ、健康な人でも一時的な不快感や呼吸の問題を感じることがあるでしょう。

消化器系の問題

カビが生成する胞子や毒素は、人間が摂取した際に消化器系に不具合を引き起こすことがあります。
カビが生えたコップで飲み物を摂取すると、胃痛、嘔吐、下痢といった症状を引き起こすかもしれません。
これらの症状は、カビによって生成される毒素が直接的な影響を及ぼすか、または消化器系がカビを異物と認識して反応することによって生じることがあります。
カビに敏感な人や免疫機能が低下している人の場合、さらに重度の消化器系の問題を引き起こす可能性が高くなるため注意が必要です。

マイコトキシンによる健康被害

一部のカビはマイコトキシンという強力な毒素を生成し、これが人体に悪影響を及ぼすことがあります。
カビが生えたコップを使用すると、知らず知らずのうちにこれらの毒素を摂取するリスクが生じます。
マイコトキシンによる健康への影響は多岐にわたり、短期間での軽度な不調から、長期的な健康問題、場合によっては生命を脅かすほどの重篤な症状まで引き起こすかもしれません。
具体的な症状としては、免疫系の機能低下、肝臓や腎臓への損傷、発がんリスクの増加などがあげられます。

万が一カビが生えたコップを使用してしまった場合、まずは大量の水を飲んで体内からカビを排出させるようにしましょう。
そして、上記のような症状が現れた場合には、速やかに医師の診断を受けることをお勧めします。

2.コップのカビを根こそぎ除去するためのカビ取りテクニック

1.カビが生えたコップを使ってしまった!どんな健康被害があるの?でお伝えしたように、カビが生えたコップを使い続けると様々な健康被害を引き起こすリスクがあります。
そのため、コップにカビが生えてしまった時は早急に除去するようにしましょう。

素材によってカビ取り方法も異なるため、ここでは3つのカビ取りテクニックを紹介します。

2-1.熱湯消毒でカビ取りする

カビは熱に弱いため、熱湯消毒はカビを効果的に死滅させる方法の一つです。

ただし、すべてのコップが熱湯に耐えられるわけではないため、デリケートな素材のコップで行うと割れたり、変形したりする恐れがあるので注意してください。

用意するもの

  • 大きめの鍋
  • トング

注意事項

  • 熱に弱い素材では行わない
  • 作業中はやけどに気を付ける

熱に弱い素材だと、熱湯に入れることで割れてしまったり、変形してしまったりする恐れがあるため、セラミックやガラスなど強い素材のものにしましょう。
また、作業中はやけどに十分注意して行ってください。

カビ取り手順

①鍋に水を入れて沸騰させる
②熱湯にコップを浸して数分間放置する
③コップを取り出す

①鍋に水を入れて沸騰させる
コップが完全に浸るほどの水を用意し、鍋に入れます。
そして鍋の水を沸騰させてください。

②熱湯にコップを浸して数分間放置する
沸騰したお湯にカビがついたコップをゆっくりと入れて、数分間放置します。

③コップを取り出す
トングを使って、コップをお湯から取り出し、しっかり乾燥させます。
取り出す時は熱湯に十分注意してください。

■関連記事■食器のカビは熱湯消毒で落とせる?

2-2.塩素系漂白剤でカビ取りする

続いて、キッチンハイターやブリーチなどの塩素系漂白剤を使用した方法を紹介します。

カビは酸性のため、アルカリ性に弱い性質です。
そして塩素系漂白剤はアルカリ性なので、非常に効果的です。
ただし、素材によっては色落ちや変色などを引き起こす可能性があるため注意しましょう。

用意するもの

  • キッチン用の塩素系漂白剤
  • ボウル
  • マスク
  • ゴム手袋
  • ゴーグル
  • 長袖の服(色落ちしても問題ないもの)

万が一カビ取り剤が飛び散っても問題ないように、マスク、ゴム手袋、ゴーグル、長袖の服を身に付けてください。

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出典:amazon

注意事項

  • 酸性タイプの製品と混ぜない
  • 必ず換気して行う
  • 体を保護しながら作業する
  • 色落ちや変色に注意する

塩素系漂白剤と酸性タイプの製品が混ざると、危険な塩素ガスが発生する恐れがあります。
最悪な場合、死に至ることのある危険なガスなので、絶対に混ぜたりしないでください。
そして必ず換気しながら作業をするようにしましょう。
漂白剤に触れると皮膚を溶かしたり、目に入ると失明する恐れもあるので、マスクやゴム手袋などで体を保護して作業してください。
また、色柄もののコップの場合、色落ちや変色する可能性があるため、目立たない場所で試して問題なければ全体のカビ取りを行うことをおススメします。

カビ取り手順

①ボウルに水と漂白剤を入れる
②コップをつけ置きする
③水で洗い流した後に乾かす

①ボウルに水と漂白剤を入れる
ボウルに水を入れて、漂白剤を入れます。
水1Lに対して、漂白剤10mlを目安にしてください。

②コップをつけ置きする
ボウルの中に、コップを入れて30分ほど放置します。

③水で洗い流した後に乾かす
漂白剤が残らないように流水で洗いながした後、しっかりと乾燥させて終了です。

2-3.消毒用エタノールでカビ取りする

続いて、消毒用エタノールを使用したカビ取り方法を紹介します。

熱湯も塩素系漂白剤も使用できない素材の時におススメです。
使用するのはアルコール濃度が70~80%のものを使用しましょう。

用意するもの

  • スプレータイプの消毒用エタノール
  • キッチンペーパー
  • 食器用洗剤
  • スポンジ
  • マスク
  • ゴム手袋

カビの胞子を吸い込んだり、手荒れを防いだりするために、マスクとゴム手袋を身に付けてください。

ドーバー パストリーゼ77

出典:amazon

注意事項

  • 作業中は換気をする
  • 火気の近くで使用しない

作業中はカビの胞子が舞う恐れがあるため、換気しながらカビ取りを行いましょう。
エタノールは引火する恐れがあるため火の近くでは使用しないでください。

カビ取り手順

①消毒用エタノールでカビを拭き取る
②通常通り洗う

①消毒用エタノールでカビを拭き取る
キッチンペーパーに、消毒用エタノールをたっぷりと含ませて、カビを拭き取ります。
新しいキッチンペーパーに変えて、これを何度か繰り返し、徹底的にカビを除去しましょう。

②通常通り洗う
食器用洗剤を使用して、通常通り洗ってください。
そしてしっかりと乾燥させて終了です。

■関連記事■食器にもカビが生える!?原因と対策について解説

3.コップにカビが発生する原因とは

そもそもコップにカビが発生するのは何故なのでしょうか。

カビは「水分(湿度)」「温度」「栄養源」「酸素」が揃っている場所に発生するものです。
そしてコップは使用後の洗浄や保管場所が適切でないと、カビが発生してしまうことがあります。

3-1.高湿度の環境

カビは水分を好むため、高湿度の環境では発生リスクが高いです。

特に注意しなければいけないのが、洗面所などに置いているうがいや歯磨き用のコップでしょう。
洗面所は日常的に水を使用する場所であり、湿度が常に高い状態になりやすい場所です。
このような環境は、カビが成長しやすい理想的な条件を提供します。

また、長期間食器棚やキャビネットに置いているコップもカビが生えることがあります。
これらの場所は密閉されていて、通気性が悪いため、湿気がこもりやすい傾向にあります。
特に食器類を完全に乾燥させずに戻してしまうと、食器棚の中の湿度が上昇しやすくなります。

3-2.不十分の乾燥

不十分な乾燥はコップにカビを発生させる大きな原因です。

例えば、洗面所で使用したコップをそのまま洗面台に戻してしまうと、コップの内外に水滴が残り、カビの発生に至る環境を提供してしまうでしょう。
他にも、飲み物を飲むときに使用するコップも、洗浄後にしっかり乾かさないとカビの成長を助けることになります。

また、コップを逆さまにして乾燥させる際、コップの底部に水分が溜まりやすい状態になってしまうこともあります。
このようにコップに水分が残っていると、そこからカビが発生してしまうことがあるのです。

3-3.飲料の残留によるカビの栄養源

コップに残された飲み物は、カビの成長にとって理想的な栄養源を提供します。
特に、糖分やタンパク質を多く含む飲料の残留物は、カビの繁殖に必要なエネルギーを供給します。
そのため、コーヒー、ジュース、ミルクといった飲料は、飲み終わったら直ちにコップを洗浄することが肝心です。

また、うがい用のコップなどは、水しか入れていないため、栄養源がないように思うかもしれませんが、口を付けて使用するため、使用者の口腔内から移った雑菌がカビの栄養となり得ます。
このようなコップはたまにしか洗わないという方も少なくない為、カビの栄養源が蓄積してしまうのです。

4.コップにカビを生やさないための対策

3.コップにカビが発生する原因とはでお伝えした通り、コップの使用後の扱い方や保管状況によってカビが発生しやすくなることがあります。
それを防ぐためにも、コップにカビを発生させないために対策することが重要です。

  • 使用後は早めに洗う
  • しっかりと乾燥させる
  • 室内を高湿度の環境にしない
  • 食器棚に除湿剤を置く
  • 定期的に掃除する

4-1.使用後は早めに洗う

コップを使用した後に早急に洗浄することは、カビの予防において非常に重要です。

飲み物の残留物、特に糖分やタンパク質を豊富に含む飲料は、カビの成長に必要な栄養源を提供するため、使用直後に洗浄するようにしましょう。
これらの飲料の残留物がコップの内側に付着し続けると、湿度が高い環境と相まって、カビが繁殖しやすい条件が整ってしまいます。
そのため、コップを含むすべての食器は使用後速やかに洗い、乾燥させることが推奨されます。

また、うがい用のコップをしばらく洗わずに洗面所に置きっぱなしにしている方もいると思いますが、こちらも定期的に洗浄することでカビの予防につながります。
うがい用のコップは日々の使用が多いため、特に注意が必要です。
口から直接触れるものだからこそ、衛生的に保つためにも、使用後はすぐに洗ってください。

4-2.しっかりと乾燥させる

カビは水分がある場所を好むため、コップを洗った後の乾燥はしっかり行う必要があります。

洗浄後のコップは、風通しの良い場所に置くか、水切りかごに立てて乾燥させるようにしてください。
この際、コップを逆さまにして底部に水が溜まらないように注意しましょう。
また、速やかに乾燥させたい場合は、清潔な布巾で内外の水分を丁寧に拭き取ることも効果的です。

うがい用のコップもこまめに洗浄し、逆さまにしてしっかりと水分を切るか、タオルで拭き取るなどして完全に乾かすようにしましょう。

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4-3.室内を高湿度の環境にしない

カビは高湿度を好むため、室内環境の湿度管理も大切です。
特に食器棚やキッチン、洗面所など、湿気が溜まりやすい場所では、コップにカビが生えるリスクが高まります。

食器棚内やキッチン全体の湿度が高い場合、それは周囲の環境も同様に湿度が高い状態であることを示しています。
このような状況を防ぐためには、日常的に窓を開けての換気、エアコンや除湿機の使用による空気の循環と湿度の調整が欠かせません。

また、洗面所などの湿度が自然と高くなりがちな場所では、換気扇の利用や定期的な空気の入れ替えが特に重要です。
これらの対策を行うことで、カビの発生を抑制することができるでしょう。

4-4.食器棚に除湿剤を置く

湿気の多い季節や地域では、食器棚内が高湿度状態になりやすく、これがカビ発生の原因となることがあります。
この問題を解決するためには、除湿剤の使用が効果的です。

除湿剤を食器棚の隅に置くことで、食器棚内の湿気を効率的に吸収し、湿度を適切に保つことができます。
また、定期的に除湿剤を交換することで、長期間にわたり食器棚内の湿度をコントロールし、カビの発生を効果的に防ぐことができるでしょう。

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4-5.定期的に掃除する

カビ予防において、コップやその収納場所の定期的な清掃も大切です。

食器棚は日々使用する食器を保管する場所であり、ここが清潔でなければ、保管しているコップにカビが発生するリスクが高まります。
したがって、食器棚内を定期的に整理し、湿気や汚れを取り除くために掃除を行うことでカビの発生を抑えることができるでしょう。
特に湿気がこもりやすい食器棚の角や奥行き部分は、念入りに拭き取るようにしてください。

また、洗面台のような水回りは元々カビが発生しやすいため、こまめに掃除することでうがい用のコップのカビの発生リスクを軽減できます。

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5.まとめ

今回はコップのカビの除去方法や予防策について解説しました。
カビは健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、コップにカビが発生した場合は早急に除去する必要があります。

やり方としては、以下の3つのカビ取り方法があります。

  • 熱湯消毒
  • 塩素系漂白剤
  • 消毒用エタノール

そして一番大事なのは、カビを発生させないように対策することです。

  • 使用後は早めに洗う
  • しっかりと乾燥させる
  • 室内を高湿度の環境にしない
  • 食器棚に除湿剤を置く
  • 定期的に掃除する

日頃からこれらの対策を行うことで、コップに限らずに他の食器や生活空間全体のカビ予防にも繋がります。

また、コップだけでなく、食器棚や壁、洗面台などにカビが発生している場合は、それらのカビ取りを行う必要があります。
初期段階であればカビ取り剤を使って自力で除去することも可能ですが、範囲を広げている場合や、壁紙の裏などにも広がっている場合はカビ取り業者に依頼した方がいいでしょう。

無料相談などを行っているカビ取り業者もあるので、まずは一度カビのプロに相談することをおススメします。

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この記事が、皆さんの健康的な生活維持に役立つことを願っています。

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