キャンプの椅子にカビ発生!アウトドアチェアのカビ取りとカビ対策

「久しぶりにキャンプに行こうと思って、物置から椅子を出したらカビが生えていた」
「アウトドアチェアのカビが落ちない…。どうすればいいんだろう?」

近年のキャンプブームでアウトドア用品を所有している方も増えたと思います。

アウトドア用品は外で使用する為、水分や汚れが付着しやすく、それが原因でカビが生えてしまうことも少なくありません。

しかしこのようなアイテムは洗濯ができないため、どのようにカビ取りすればいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。

そこで今回キャンプ用の椅子にカビが生えてしまった時の対処方法について解説したいと思います。

カビを生やさないための対策方法も紹介するので、アウトドアチェアをお持ちの方は、是非参考にしてみてください。

この記事でわかること
・アウトドアチェアのカビ取り方法
・自力でカビ取りできない時の対処方法
・アウトドアチェアにカビが生える原因
・アウトドアチェアのカビ対策

1.アウトドアチェアのカビを放置するデメリット

キャンプに年に数回しか行かない方だと、久しぶりに物置から椅子を取り出したらカビが生えていた…という方も少なくないと思います。

滅多に使わないものだと「カビで汚れているけど、使えるからこのままでいいや」と放置してしまう方もいますが、それはおススメできません。

理由としては、カビを放置することには様々なデメリットがあるからです。

1-1.健康への悪影響

カビはただの汚れではなく、微生物なので、健康への悪影響が考えられます。

カビは微細な胞子を放出するため、これが空気中に広がっていきます。

そのカビの胞子を吸い込んでしまうと、以下のような健康被害を引き起こす恐れがあります。

アレルギー症状

カビの胞子や微細なカビの断片が吸引されることで、くしゃみ、鼻水、咳、目のかゆみなどのアレルギー症状が悪化する可能性があります。

カビに過敏な人は特に影響を受けやすいです。

呼吸器の問題

カビに曝露することで、呼吸器の状態が悪化する可能性があります。

カビの微細な粒子が気道に入り、呼吸困難や慢性的な気管支炎などの問題を引き起こすかもしれません。

免疫系の影響

長期間カビにさらされると、免疫系への負担が増え、免疫機能の低下を引き起こす可能性があります。

その結果、感染症に対する耐性が低下し、病気を発症する恐れがあります。

1-2.別のアウトドア用品にもカビが移る

カビが生えたままアウトドアチェアを物置や納戸などの収納場所に保管すると、その場所内の他の物品にもカビが広がる可能性があります。

カビは胞子を空気中に放出し、風や接触によって他の場所に拡散します。

カビの胞子が拡散すると、それが保管場所内の他のアウトドア用品、家具、衣類などに付着してしまうかもしれません。

特に物がたくさん詰まっている場所だと、一気に広がる恐れがあるので注意が必要です。

万が一他のアウトドア用品にもカビが生えてしまったら、コチラの記事を参考にしてカビ取りしてください。

■関連記事■アウトドア用のテントにカビが発生!応急処置としてできる対策方法をカビ取りの専門家が伝授

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1-3.カビ取りが難しくなる

カビは湿っている場所や汚れている場所に繁殖しやすいため、放置するとカビが増殖し、椅子のさまざまな部分に広がっていくことがあります。

カビは表面だけでなく、素材の内部にも侵入することがあり、一度深く侵入してしまうと除去が難しくなります。

初期であれば自力で除去できたものでも、放置することで椅子全体に広がり、処分するしかないほど悪化することも考えられるので、早めの対処を心がけましょう。

2.アウトドアチェアのカビ取り方法

アウトドアチェアのカビ取りは、素材を傷めてしまうので市販のカビ取り剤を使用することはできません。

そのため消毒用エタノールを使用してカビ取りを行いましょう。

ちなみにエタノールは濃度によって呼び方が異なります。

無水エタノール………アルコール濃度99.5%以上
消毒用エタノール……アルコール濃度70~95%

無水エタノールの方が濃度が高いので、効果がありそうですが、無水エタノールは揮発性が高いため、消毒用エタノールの方がカビの殺菌効果があるのです。

2-1.事前準備

用意するもの

  • 消毒用エタノール
  • 中性洗剤
  • 酸素系漂白剤(必要であれば)
  • キッチンペーパー
  • 歯ブラシ
  • タオル
  • マスク
  • ゴム手袋

カビの胞子を吸い込んだり、手が荒れたりするのを防ぐために、マスクとゴム手袋を身に付けて作業するようにしましょう。

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注意事項

  • 作業中は換気をする
  • 火気の近くで使用しない
  • 目立たない場所で試してから作業する

カビ取り作業中はカビの胞子が飛散しやすいので、外で行うか、もしくは換気しながら行ってください。

エタノールは引火する恐れがあるため火の近くでは使用しないでください。

カビ取りする前に目立たない場所で試して、問題がなければ作業を行うようにしましょう。

2-2.カビ取り手順

①消毒用エタノールを吹きかける
②中性洗剤でカビの汚れを除去する
③しっかりと乾かす

①消毒用エタノールを吹きかける
消毒用エタノールでカビを死滅させます。
キッチンペーパーに消毒用エタノールを吹きかけて、表面のカビを除去してください。
飛散しやすいカビを除去出来たら、消毒用エタノールをたっぷり吹きかけて、15分ほど放置します。

②中性洗剤でカビの汚れを除去する
中性洗剤を水で薄めて、それをカビが発生している箇所に塗布してください。
歯ブラシで擦り、汚れを除去します。
中性洗剤で落ちないなら、酸素系漂白剤を使用しましょう。
ただし酸素系漂白剤は色落ちする恐れがあるため、目立たないところで試してから作業してください。
汚れが落ちたら水で洗い流してください。

③しっかりと乾かす
タオルで椅子の水分を拭き取ってください。
そのあと風通しの良い場所でしっかりと乾燥させて終了です。

■関連記事■デッキチェアのカビを落とし再発を防ぐためのお手入れ方法

3.自力でカビ取りが難しい場合の対処方法

カビが酷いと、2.アウトドアチェアのカビ取り方法で紹介した方法では完全に除去できないことがあります。

その場合は「クリーニング業者に依頼する」か「買い替える」かのどちらかになるでしょう。

3-1.カビ取り専門のクリーニング業者に依頼する

自力でカビの除去が難しいのであれば、やはりクリーニングのプロに任せるのが一番です。

ただしアウトドア用品の場合は、一般的なクリーニング業者では受け付けていないことがあるので、インターネットでアウトドアチェアのクリーニングを行っている業者を探すようにしましょう。

そしてカビで悩んでいるなら、カビ取り専門のクリーニング業者がおススメです。

ハーツクリーニングなら汚れを除去するだけでなく、ガス滅菌で徹底的にカビを死滅することができます。

医療機器の滅菌処理にも使われているエチレンオキサイドガス(EOG)を使用したガス滅菌のため、死滅しにくいと言われている真菌(カビの菌)や害虫の卵でも根絶させることが可能です。

カビは少しでも残っているとそこから再発する恐れがあるため、信頼できる業者に任せるようにしてください。

3-2.新しい物に買い替える

アウトドアチェアのカビ取りが自力でできない場合、新しいものに買い替えるというのも1つの選択肢です。

クリーニング業者に依頼すると、当たり前ですが自力で行うよりも費用が掛かります。

しかも通常の衣類等のクリーニングとは異なって費用が高くなるため、椅子の値段によっては新しく購入した方が安いケースもあります。

もしアウトドアチェアが安価なもので、思い入れなどもないようなら、いっそのこと新しいものに買い替えてしまいましょう。

4.アウトドアチェアにカビが生える原因

ここまでカビが生えた時の対処方法について解説してきましたが、そもそも何故アウトドアチェアにカビが生えてしまうのでしょうか。

まずカビは以下の4つが揃っている場所に発生すると言われています。

  • 水分・湿度
  • 温温度素

そしてアウトドアチェアの場合は、この4つの条件が揃いやすい傾向にあります。

4-1.水分を含んでいる

カビは濡れている場所を好むため、アウトドアチェアに水分が含まれているとカビが発生しやすくなっています。

山は天気が急変しやすいため、キャンプ中に突然雨が降ったりすることも少なくありません。

そうすると雨に打たれて濡れてしまったり、直接雨に濡れなくても高湿度の環境に置いてあることで湿気を吸い込んでしまいます。

他にも座ることで汗が染み込んだり、飲み物を零したりして濡れてしまうこともあるでしょう。

このように椅子が濡れた後、しっかり乾かさずに保管すると、カビが生えてしまうのです。

4-2.椅子が汚れている

カビは繁殖する為に汚れなどの栄養源が必要です。

椅子に座ることで、人の汗や体液、化粧品や日焼け止めが表面に付着したり、食べ物や飲み物を零して汚してしまうこともあるでしょう。

また、アウトドアチェアは基本的に屋外で使用されるため、接触した地面から土などが付着したりします。

土壌中にはさまざまな微生物が生息しており、その中にはカビも含まれています。

こうして汚れと共にカビの菌が付着し、そこからカビが広がってしまうことがあるのです。

4-3.保管場所の問題

アウトドアチェアは、保管場所の問題でカビが発生することがあります。

大体の方はキャンプ用品を物置や納戸など、密閉した空間に保管すると思います。

しかし、密閉した空間では空気が入れ替わらずに湿気がこもってしまいます。

また、たくさんの物が詰めこまれている場所だと更に通気性が悪くなり、高湿度の環境になってしまうでしょう。

このような場所にアウトドアチェアを置いていると、カビのリスクが高くなってしまうので注意しましょう。

5.アウトドアチェアのカビ対策

4.アウトドアチェアにカビが生える原因でお伝えした通り、カビが繁殖するには「水分・湿度」「温度」「栄養源」「酸素」の4つの条件が必要です。

そして、カビを防ぐにはこの4つの中のどれかを欠けさせることが大事です。

そのためには以下のカビ対策を試してみてください。

  • 乾かしてから保管する
  • 汚れを落としてから保管する
  • 定期的に日光に当てる
  • 保管場所の掃除と湿度管理

5-1.乾かしてから保管する

アウトドアチェアを使用した後は、しっかりと乾かすようにしましょう。

雨に濡れたりしていなくても、湿気や汗によって湿っていることがあるため、毎回行うことをおススメします。

明らかに濡れているなら、まずは乾いているタオルで拭き取ってください。

それから日光に当てながら、風通しの良い場所で乾燥させましょう。

日光は湿気を蒸発させ、カビの発生を防ぐ役割を果たします。

ただし、素材によっては日光による劣化が起こる可能性があるため、注意が必要です。

5-2.汚れを落としてから保管する

アウトドアチェアを使用すると、皮脂や食べ物の残り、液体などが付着してしまうでしょう。

その汚れを残したまま保管すると、それがカビの栄養源になってしまいます。

カビの繁殖を防ぐためにも、使用後は汚れを落とすようにしてください。

軽い汚れなら、水で湿らせた布で拭き取るだけでも大丈夫です。

頑固な汚れはアウトドア用品専用のクリーナーを使用して除去しましょう。

そのようなクリーナーがないなら、中性洗剤で除去することも可能です。

また汚れを落とした後は、水分を含んでいるため、風通しの良い場所でしっかり乾かしてください。

アウトドアチェアを綺麗にすることは、カビの発生を防ぐだけでなく、長持ちさせることにも繋がるのでお勧めです。

5-3.定期的に日光に当てる

収納場所に長期間入れたままにしていると、吸収した湿気によってカビが生えてしまうことがあります。

そのため定期的に収納場所から取り出して、日光に当てるようにしましょう。

日光は湿気を乾燥させる効果があるため、椅子に含まれている水分を蒸発させることができます。

また日光には除菌効果があるため、目に見えないカビの菌を死滅させることが可能です。

5-4.保管場所の掃除と湿度管理

アウトドアチェアのカビ対策において、保管場所も非常に重要です。

清潔な環境を保ち、湿気を適切に管理することでカビの発生を予防できます。

まず、チェアを保管する場所の掃除は定期的に行いましょう。

ほこりや汚れを取り除くことで、カビの栄養源を減少させます。

そしてカビは湿度が高い場所に発生しやすいため、湿度管理はとても大事です。

物がたくさん詰め込まれていると通気性が悪くなるため、不要なものは捨てて、整理整頓し、隙間を開けるようにしてください。

また物置や納戸、トランクルームなどは密閉されているため、どうしても湿度が高くなりやすいです。

そのため、除湿剤などを活用し、湿気を取り除くようにしましょう。

定期的に扉を開けて換気することも有効です。

それからアウトドアチェアにカバーをかけている場合は、通気性の良いものを使用することで湿気がこもりにくくなるので試してみてください。

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出典:amazon

6.まとめ

今回はアウトドアチェアにカビが発生した場合の対処方法やカビ対策について解説してきました。

カビを放置すると健康被害が発生したり、カビ取りが難しくなったりするため、早めに対処するようにしましょう。

アウトドアチェアのカビ取り方法は以下のように行いましょう。

①消毒用エタノールを吹きかける
②中性洗剤でカビの汚れを除去する
③しっかりと乾かす

もし自力でのカビ取りが難しいのであれば、クリーニング業者に依頼するか買い替えるようにしましょう。

そしてカビ取りが終わったら、今度はカビが生えないように対策を行ってください。

  • 乾かしてから保管する
  • 汚れを落としてから保管する
  • 定期的に日光に当てる
  • 保管場所の掃除と湿度管理

アウトドア用品は水分や汚れが付着しやすいため、カビの温床になってしまうことがあります。

この記事で紹介したことを試していただき、大事なアウトドアチェアをカビから守ってください。

キャンプの椅子にカビ発生!アウトドアチェアのカビ取りとカビ対策