タープのカビを防ぐお手入れ方法と保管方法

夏が近づくとキャンプやバーベキューをする機会が増えますよね。アウトドアにおいてよくテントと一緒に使われるタープですが、お手入れの仕方や保管方法によってはカビが生えてしまうことがあります。そこで今回はタープにカビが生える原因やお手入れの手順、保管方法についてご紹介していきます。この記事を読むことで

  • タープにどうしてカビが生えたのか
  • カビを防ぐタープのお手入れ方法や収納の仕方のコツ
  • もしもタープに生えてしまった場合の対処方法

についてが分かります。

1. タープとは

タープとはキャンプやバーベキューなどをする際に「屋根」の役割を果たしてくれる布製のアウトドアアイテムです。バーベキューではタープ単体で使用することもありますし、キャンプの際はテントの出入り口に繋げて使用することもあります。タープがあることで、テーブルや椅子を置き、食事や団らんを楽しむ空間ができるのです。

2. タープにカビが生える原因

アウトドアにおいて屋根の役割を果たすタープですが、手入れの仕方や保管方法によってはカビが生えてしまうことがあります。タープにカビが生える原因には次のようなことがあります。

① タープを濡れたままの状態で片付けてしまった

雨や夜露などで濡れてしまったタープを乾かさずにそのままにしておくとタープにカビが生えてしまいます。最近のアウトドアグッズはずいぶん軽量化されており扱いやすく乾きやすいものも増えてきていますが、タープの素材によっては乾きにくかったり、表面は乾いたように見えても繊維の内部は湿っているといったことがあります。

  • キャンプ場やバーベキューサイトでタープを乾かす十分な時間がなかった
  • 雨が降ってきたから急いで撤収したものの濡れた状態で袋に入れたままになっていた
  • 連日雨や曇りが続いてタープを乾かせる日がなかった
  • タープを乾かし直すのが面倒だった

などなど・・・こういった経験がある方も多いのではないでしょうか。タープが濡れてしまうのは仕方がないですが、濡れた状態をそのままにしておくとやがてタープにカビが生えてしまいます。

② タープが汚れたままの状態で片付けてしまった

タープに汚れがついていると、たとえタープが濡れていなくてもカビが生えてしまうことがあります。屋外で使用するものなのでタープには土や砂埃による汚れが付着しやすいです。もともと土壌中には大量のカビの胞子が存在しており、土1g中に数十万以上のカビが分布していると言われています。

カビは土に含まれる多くの養分により生育し続けることができると同時にタープの素材そのものも栄養源にしてしまいます。タープに土や砂埃の汚れを残して収納・保管してしまうことは図らずもカビを育てていることになるのです。

③ タープの収納袋が汚れている

タープ本体以上に汚れるのが実はタープを入れる収納袋だったりします。設営時に袋を地面に置くことで汚れしまいますし、保管中も汚れにさらされるのは収納袋です。収納袋が汚れているとそれを栄養源にしてカビが中のタープ本体にまで広がってしまいます。

④ 通気性の悪い入れ物・場所で保管

タープをどのような入れ物に入れてどのような場所で保管していますか?

  • 屋外収納庫
  • サンルーム
  • テラス
  • 屋根裏部屋
  • 押入れ

などが多いでしょうか。必要時以外は収納場所を開けることがないような場合は通気性が悪くなりタープにカビが生えやすくなります。また、プラスチックボックスのような密閉された箱に入れている場合もカビが生えてしまいます。

地下室のカビ対策方法

屋根裏部屋のカビ対策方法

⑤ 収納場所にカビが生えている

タープを保管している場所自体にカビが生えていると中に収納するタープや他の物にもカビが生えてしまいます。掃除が不十分、湿度が高いといったことがあると収納場所にカビが発生します。カビが生えた場所にタープを保管すると当然ながらタープもカビに侵されてしまいます。

3. タープのお手入れ方法

タープをカビから守りできるだけ長く使い続けるためのお手入れ方法をご紹介します。

3-1. タープ使用後のお手入れ方法

タープを使用後は次の手順で手入れをしてから収納しましょう。

~手順~

① タープについた汚れを落とす

タープについた泥汚れを中性洗剤とブラシ(またはスポンジ)を使って落とします。

表面の撥水・防水コーティングがとれないように優しく少しずつ落とします。目立った汚れがなければ、消毒用エタノールを全体に吹きかけて固く絞ったタオルで表面を拭き取ります。

このときタープの収納袋や付属のポールの汚れも一緒に拭き取ります。

② 陰干しする

汚れが落ちたらタープを陰干しします。天日干しした方が早く乾いていいのでは、と思われるかもしれませんが直射日光にあててしまうと紫外線がタープの生地やコーティングを傷めてしまいます。そのため天日干しではなく陰干しで乾かします。ときどき表裏を返しながらしっかり乾かしましょう。

③ 消毒用エタノールで防カビする

乾いたら、仕上げに消毒用エタノールを全体に吹きかけてカビ予防をします。

(もしくは、布巾に消毒用エタノールを塗布して、優しく拭きあげる)

④ 通気性の良い場所で保管

タープを収納する際はできるだけ綺麗な直射日光のあたらない、通気性の良い場所で保管します。

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3-2. 撥水・防水効果が薄れてきたと感じたら?

タープのカビを防ぐには撥水・防水加工が非常に重要です。使い続けるうちに表面のコーティングが取れてきますので、以前よりタープの水はけが悪くなったと感じたらカビが生える前に早めに対処します。その際は、タープやテントに使える撥水スプレーを使用すると撥水効果が復活します。

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4. タープの保管方法

タープを保管する際は、

  • 直射日光を避ける
  • 湿度が高い場所は避ける
  • 風通しの良い場所・入れ物で保管する
  • 収納場所に物を詰め込み過ぎない

といったことに気をつけます。

直射日光はカビを防ぐ、という点では悪くないのですが紫外線によりタープが変色してしまうのでやめましょう。また、湿度の高い場所は避け、風通しの良い場所に保管します。

私自身、家族がキャンプ好きで実家にはたくさんのアウトドアグッズがありますが、実家ではサンルームにラックを置き、ラックの一番下段(日が当たらない場所)にテントとタープを保管しています。

タープを収納する袋は、付属の袋でもいいですしメッシュ素材の袋もおすすめです。

逆にNGなのはプラスチックボックスのような密閉容器やビニール袋、湿気を吸いやすいダンボールです。また、収納場所に多くのものを入れ過ぎると風通しが悪くなるので収納は全体の7割程度におさえましょう。

もし、保管に適した場所がご家庭になく押入れや屋根裏、収納庫等に詰め込む形になってしまう場合は、こまめに掃除をしたり換気を心掛けましょう。収納場所に吸湿剤を置いておくのもおすすめです。タープに直接防カビ剤をかけると生地が傷むことがあるのでやめましょう

5. タープにカビが生えてしまったら

気をつけていてもタープにカビが生えてしまうことがあります。タープにカビが生えてしまったらどうしたらよいのでしょうか。タープにカビが生えたら、消毒用エタノールを使ってカビを除去することができます。カビが生え始めの軽度であればカビ部分を含むやや広い範囲に消毒用エタノールを吹きかけてカビを拭き取ります。

カビの黒い色素が残っている場合は、中性洗剤をとブラシ(スポンジ)である程度は落とすことができます。しかし、完全に取り切ることは難しく、強く擦るとコーティングがとれてしまいます。

カビ取り剤にふくまれる漂白成分はタープが脱色したり生地やコーティングが傷んでしまうため漂白効果のあるカビ取り剤も使えません

タープにカビが生えてしまったら消毒用エタノールと中性洗剤でカビを除去した後は、残念ながら残ったカビをそれ以上広げないようすることが最善の策になります。だからこそ、カビを生やさない手入れをおこない、保管環境を整えることが大切なのです。

また、地下室や屋根裏部屋、押入れやクローゼットなどの収納場所にカビが生えている場合、自力では難しいほどカビが広がってしまうと、他の部屋やモノにカビ被害がどんどん広がる可能性があります。

壁や床など一面にカビが広がり、自力での対処が難しそうな場合はカビ取りの専門業者へご相談ください。

6. まとめ

今回はタープのカビ対策についておつたえしてきましたが、まとめると、

● タープにカビが生える原因には、タープが濡れることによる「湿気」とカビの栄養源となる「汚れ」が大きく関係している。

● タープのお手入れ方法として、タープ使用後は汚れを落とし、陰干しで十分に乾燥させてから通気性の良い場所で保管する。乾燥後、仕上げに消毒用エタノールを吹きかけておくと保管中カビを防止できる。

● タープの汚れがひどい場合は中性洗剤で洗う。

● タープを保管する際は、直射日光を避けた通気性の良い場所・入れ物で保管する。吸湿剤を近くに置いておくのもおすすめ。

● タープにカビが生えたら消毒用エタノールや中性洗剤で除去する。漂白効果のあるカビ取り剤は、タープを脱色させたり撥水コーティングを損なう可能性があるため使用しない。

となります。

タープのカビは一度生えると完全に取り切ることが難しいです。だからこそタープの手入れはその都度面倒くさがらず丁寧に、確実におこないたいですね。

タープのカビを防ぐお手入れ方法と保管方法