放置すると危険!別荘にカビが発生する原因とプロ直伝のカビ対策マニュアル
久しぶりに別荘を訪れ、ドアを開けた瞬間――カビ特有のイヤな臭いが…。
そんな経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
別荘は長期間使われないことが多く、湿気がこもりやすいため、カビが非常に発生しやすい環境です。
カビを放置してしまうと、建物や家具の劣化だけでなく、健康被害のリスクにもつながってしまいます。
せっかくのバカンス、カビに悩まされることなく、快適に過ごしたいですよね。
この記事では、別荘にカビが発生しやすい原因や、すぐにできるカビ対策法、さらにプロが実践する効果的な予防方法まで詳しくご紹介します。
今まさに別荘でカビに困っている方に向けて、その場でできる応急処置についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
別荘を清潔で快適に保つためのヒントとして、ぜひお役立てください。
この記事で分かること |
・別荘にカビが生える原因 ・別荘がカビ臭い時にすぐできる対策方法 ・別荘のカビを予防する方法 ・今できるカビ取り応急処置について |
どうして別荘がカビ臭くなったのか

別荘は、人の出入りが少なく、GWや夏休み、冬休みなど大型連休の際に使用するというケースが多いかと思います。
また、数人で別荘を利用している場合でも、居住地ほど毎日誰かが使用していることは稀なので
掃除や換気が行き届かないことが多いのです。
また、別荘地も山の中や湖の近く、海の近く、など涼しく水の多い場所に造られていることが多いため必然的に湿気が溜まりやすくなってしまいます。
「管理人がいるので、清掃はしてくれているのですが」
という別荘もありますが、掃除を定期的に行っていたとしても、見えない部分のカビ掃除までは行き届かないこともあり、その為、実際に別荘を使用するときに
「あれ?カビ臭い」
と気づく場合があるのです。
カビの好む環境
カビの好む条件は「湿気」「水」「栄養源」「酸素」ですので、人の出入りの少ない別荘は、まさに湿気が溜まり、またホコリやゴミを栄養源とますので、掃除や換気の行き届いていない別荘はカビが発生しやすい環境と一致しているのです。
では、別荘がカビ臭い場合、応急処置として今すぐにできる対策は何でしょうか?次の章で説明していきたいと思います。
別荘がカビ臭いときに今すぐできる対策方法
まず、カビ臭い場合にはカビが見えない場合でもカビ発生→カビ毒の産生
を行っていると考えられます。その為、カビの原因を断つことが重要です。
カビ対策の前に準備すべきもの
カビ対策をする前に、カビの影響から人体を守るために「マスク」や「スカーフ」で顔を覆いましょう。
できれば使い捨てのモノで結構ですので、ゴム手袋やビニール手袋を着用し、髪は帽子などをかぶります。
服装は、カビ取り剤を取り扱う場合もありますので、長袖長ズボンがおススメです。
①全ての窓を開けて換気
カビの好む場所を一言で表現すると”ジメジメとしてゴミや汚れのたまっている場所”です。つまり、部屋のすみずみにたまった湿気を換気で追い出すことがカビ対策の第一歩です。
別荘内の全ての窓を開け、換気扇を回してまずは部屋中の換気を行いましょう。空気の流れを作り、湿気と共にカビ臭さを追い出します。
すみずみのホコリや汚れを除去しよう
換気をしている時に、床のホコリや窓際の汚れ、ベッドの下や家具と壁のスキマなど、部屋のすみずみに溜まったホコリを取り除きましょう。ホコリや塵、汚れはカビの栄養源となりますので、まずは室内に溜まった空気と一緒に汚れも取り除きます。
また、この際はぜひ「天井」も拭きあげるようにしましょう。クイックルワイパーのようなフロア用伸縮性掃除具を使用すると立ったまま、天井まで掃除することができます。
天井にはホコリが溜まっているだけでなく、カビがもしも発生している場合に胞子が「上から下へ」と落下し今度は床で繁殖する危険性があります。その為にも、天井も届く範囲で掃除することをおススメします。
②消毒用エタノールで殺菌
一通り、別荘の窓を開けて換気を終えたら、今度はカビ臭い部分に消毒用エタノール(77%)を吹きかけていきます。
カビの発生しやすい
- 天井
- 壁
- 窓際
- 床
- カーテンやカーペットなど生地類
- ソファーやテーブル・椅子など家具
- 靴箱やクローゼットなど収納庫
これらに吹きかけることで、表面に発生しているカビを殺菌します。
消毒用エタノールが手に入らない場合には、電解水の次亜塩素酸水、ファブリーズなどの除菌水重曹水などを使用します
もしくは、カビ取り剤(塩素系漂白剤)を薄めて雑巾などに湿らせて拭きとるという形で使用します。

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出典:Amazon

プロレベルのカビ取りをするならカビ取りマイスターキット

カビ取り業者のハーツクリーンが開発したカビ取り剤のカビ取りマイスターキットは、実際に業者が使用している液剤を誰でも使えるように改良した商品です。
そのため自宅でプロレベルのカビ取りができますし、危険な成分は含まれていないため、水回りだけでなく、壁や家具などのカビ取りにも使用できます。

③生地類はや小物家具は天日干しする
天気が良ければ、椅子や机など持ち運び可能な家具をベランダなど外に出し太陽光で日光消毒します。日光に当てることで、紫外線によるカビの殺菌効果が期待できます。また、干すことで湿気を乾燥させることもできます。
■関連記事■日光消毒にカビの殺菌効果はあるの?正しい天日干し&紫外線の仕組みを解説
④エアコンのフィルターを掃除する

エアコンの内部にカビが発生している可能性もありますので
エアコンのフィルターを取り外し
- ホコリをきれいに取り除き
- さらに消毒用エタノールなどの殺菌剤をふきかけ
- よく乾燥させてから使用します
エアコンの内部まで掃除できる場合には、掃除しましょう
「エアコン洗浄スプレー」などを使うと簡単に、エアコンの掃除をすることができます。もちろん、エアコンの細部のカビは分解しないと除去できないため、時間に余裕がある場合は専門のクリーニング業者に依頼されることをおススメします。その後「ドライ機能」を使って別荘の室内を除湿していきます。

⑤風呂やトイレなど水回りのカビ取り

別荘には大きな風呂、露天風呂などが設置されている場合も多いです。また、その風呂場の湿気が原因でカビ臭くなるということもあります。
その場合には、風呂や脱衣所、トイレなど水回りのカビ取りも行いましょう。必要なものは以下の通りです。
- カビ取り剤(カビキラーやカビハイターなど)
- ゴム手袋
- ゴーグルやマスク
- 汚れても良い服(長袖長ズボン)
カビ取りをする際は、必ず窓・ドアを開け換気扇を回した状態で行いましょう。マスクがない場合は、ハンカチを水に湿らせて口に巻き付けましょう。塩素ガスの刺激から粘膜を守ります。
■関連記事■風呂のカビ取り方法
■関連記事■トイレの湿気と衛生対策

⑥除湿する

その後、除湿機や空気清浄機を使って、別荘内の湿気を取り除きます。空気清浄機がすぐに手に入らない場合はエアコンのドライ(除湿)機能を使いましょう。また、通気性を良くするために扇風機やサーキュレーターを使用するのもおススメです。
床下の除湿を行いたい場合には、ミニサイズのサーキュレーターや除湿機を使用しましょう。ちなみに「除湿剤」は靴箱やクローゼット、倉庫など”密閉”できる空間の除湿にはおススメですが、大きな部屋や風通しのある場所の除湿には向きません。その場合には、サーキュレーターや除湿機の方が良いでしょう。

シャープ 除湿機兼空気清浄機 プラズマクラスター
出典: Amazon
別荘のカビ臭さを防ぐために
ここでは、別荘のカビを生えないように防ぐ方法を説明していきます。次に別荘を使用するときに気持ちよく過ごすには、ちょっとしたコツが必要です。頻繁に別荘に来れない場合でも行えるカビ対策方法をご紹介していきます。
①別荘を使用した後は綺麗に掃除する
先述した通り、カビの発生要因は湿気、水、酸素、栄養源です。その中でもホコリだけでなく私たちが生活した後の
- 食べカス
- 皮脂
- 髪の毛
- 靴の泥汚れ
などもカビの栄養源となります。別荘を使用した後は食べかすなどを綺麗に掃除して、カビの栄養源となるものを残さないようにしましょう。
- 家具と壁を離しておく
- ベッドの下にすのこを敷くなどして通気性を良くする
- 使用した寝具は必ず日光で干して乾燥させてから収納する
など、使用したものも清潔にして帰りましょう。
使用後の消毒も
また、使用後にも消毒用エタノールや次亜塩素酸水などを壁や天井などに吹きかけて直接部屋の中を殺菌するのもおススメです。
次亜塩素酸水を用いた、空間殺菌剤などもあります。
②スマホで操作できる空気清浄機を活用する
スマホで遠隔操作できる空気清浄機を活用することで、遠くにいながらも別荘内の空気を綺麗にしたり湿気の多い梅雨時期の除湿を行います。
本当は、実際に別荘へ行き、室内の換気や除湿を行いたいところですが、忙しい場合にはスマホで管理して空気清浄機を使用しましょう。
(シャープからスマホ操作可能な空気清浄機が発売されています)

また、同様にスマホで操作できる”ロボット型掃除機”を使用して、室内のホコリをこまめに取り除くというのもおススメです。文明の利器を活用して、別荘を清潔に保ちましょう。
③モノを減らす
別荘は、度々訪れて換気や掃除ができない場合もあります。また、立地的に湿気が多くカビが発生しやすいという環境の場合もあります。このような場合は別荘の中に置いてある「モノを減らす」というのも1つの解決方法です。
例えば...
- カーペットは敷かない
- チェアー類は最小限にする
- 寝具類も必要最小限にして押入れにスキマを作る
など、少しでもモノが減ることにより空気の通り道ができカビが発生しにくくなります。掃除の手間も省けますので一石二鳥です。

④カビ取り業者に依頼する

最後に、自力で別荘内のカビ取りや防カビを行うのが面倒な場合、専門の薬剤で安全に効果的なカビ取りをしたい場合には専門のカビ取り業者に依頼することをおススメします。専用の薬剤を用いるため、発生したカビを取り除くだけでなく、防カビ剤をコーティングすることでカビの発生を防ぐ効果もあります。
別荘で過ごす時間を、快適にするためにも専用のカビ取り業者による除カビ・防カビで、カビ臭さやカビの原因を取り除きましょう。

⑤キッチンハイターでできる応急処置(※使用は慎重に)
市販の「キッチンハイター」には水酸化ナトリウムなどの強い成分が含まれており、本来は室内全体の使用は推奨されません。あくまで「応急処置」としてお考えください。
とはいえ、手軽に入手できる除菌力の高い製品として、急ぎの場面では非常に有効です。
応急処置の手順
- バケツにキッチンハイターを5倍程度に薄めて、希釈液を作ります。
- 清潔な雑巾を浸して軽く絞り、カビが発生していそうな箇所を拭き取ります。
- 拭き終わったら、水拭きをしてハイター成分を除去してください。
- 最後にしっかりと換気と乾燥を行います。
この方法で、一時的ではありますが業者レベルに近い除菌効果が得られます。
部屋に染みついたカビ臭もある程度軽減されるでしょう。
使用時の注意点
他の洗剤(特に酸性洗剤)とは絶対に混ぜないでください(有毒ガスが発生する恐れがあります)。
必ずゴム手袋とマスクを着用し、換気を十分に行うこと。
換気が不十分な密閉空間では絶対に使用しないでください。
まとめ|カビ臭い別荘を快適空間に戻すために大切なこと
久しぶりに訪れた別荘でカビのにおいに気づいたとき、それは単なるにおいの問題ではなく、目に見えないカビの胞子やカビ毒が室内に広がっているサインかもしれません。別荘は人の出入りが少なく、湿気がこもりやすい環境であるため、どうしてもカビが発生しやすくなってしまいます。
まずは全ての窓を開けて換気を行い、空気の流れを作ることが第一歩です。続いて、室内に溜まったホコリや汚れを丁寧に掃除することで、カビの栄養源を取り除いていきます。床や家具の裏、ベッドの下、さらには見落としがちな天井まで、できる範囲でしっかり清掃しましょう。
そのうえで、消毒用エタノールや次亜塩素酸水などを使ってカビが付きやすい場所を拭き取り、必要であれば家具や生地類は天日干しして殺菌・乾燥させます。エアコンの内部にもカビが潜んでいることがあるため、フィルター掃除や除湿モードの活用も効果的です。浴室やトイレといった水まわりも湿気が溜まりやすいので、見落とさず除菌・乾燥させることが大切です。
急ぎの場面では、市販のキッチンハイターを薄めて拭き取り除菌することも可能ですが、強力な薬剤のため使用時は必ず換気・手袋・マスクなど安全対策を徹底してください。
また、今後カビの発生を防ぐためには、別荘を使用した後の掃除や消毒を欠かさず行い、家具や寝具なども清潔にしてから収納することが大切です。モノを減らして空気の流れを確保したり、スマホで遠隔操作できる空気清浄機や掃除ロボットを活用したりと、日常的に管理できる体制を整えるのも有効な手段です。
自力での対処が難しい場合には、専門のカビ取り業者に依頼して、安全かつ確実にカビを除去・予防することも検討しましょう。
カビ臭い別荘を放置せず、早めの対策を行うことで、次に訪れたときには気持ちよく快適な時間を過ごすことができます。カビは放置すればするほど根が深くなります。できるところから対処し、別荘本来の心地よさを取り戻しましょう。
(参考図書:カビ・ホコリ・菌を撃退!家の正しい掃除ワザ)
