ピーナッツに生えたカビは要注意!安全な見分け方と簡単にできるカビ防止方法を徹底解説

おつまみやおやつとして定番のピーナッツ。
ふと気がついたら、表面にカビが生えていた……なんて経験がある方もいるのではないでしょうか。

実は、乾燥しているように見えるピーナッツも、保存状態によってはカビが発生しやすい食品のひとつ。特に注意が必要なのは、ピーナッツに発生することがあるアスペルギルス属(Aspergillus flavusなど)のカビです。

これらのカビが作り出す「アフラトキシン」というカビ毒は、発がん性が非常に高く、国際がん研究機関(IARC)でも「グループ1(人に対して発がん性あり)」に分類されているほど危険な物質です。

たとえ少量でも長期間摂取すると、肝臓への悪影響や肝がんのリスクを高めることが報告されています。見た目が少しカビているだけに見えても、体への影響は深刻になる可能性があります。

この記事では、カビが生えたピーナッツの見分け方や、カビが発生する原因安全に保存するためのポイントについて詳しく解説します。

食べ物を無駄にすることなく、美味しく安全に楽しむために、ぜひ正しい知識を身につけておきましょう。

この記事で分かること
・ピーナッツにカビが生える原因
・ピーナッツに生えたカビの危険性
・カビの生えたピーナッツの見分け方
・ピーナッツのカビを防ぐ保管方法

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どうしてピーナッツにカビが?!

ピーナッツのカビの正体を暴く前に、なぜピーナッツにカビが生えてしまうのかをご存知でしょうか?ピーナッツは乾燥されているいわゆる「乾物の食品」なのに、それでもカビが生えてしまう理由を紐解いていきましょう。

カビの生える条件は?!

諸悪の根元であるカビがなぜ生えてしまうのか、その条件をざっくりとまとめると以下の4つ。

  • 湿気:湿度70%以上で活発に増殖
  • 栄養:汚れや食品などから栄養分を摂取する
  • 温度:一般的に20~30℃(人間が快適な温度)を好む
  • 酸素:カビも生き物なので酸素を必要としている

この4つの条件がそろった時、一般的にカビは最も活発に増殖をすることができます。

中でも特に「湿度」「栄養」の2つが大きなポイントで、湿気とカビの栄養となる汚れが最も集まる風呂場・トイレ・洗面所などにカビが生えやすいのはこのためでもあるんです!

乾物だってカビにご用心!

前述したように確かにカビは「湿気のあるところ」、つまり水場に生えているイメージがありますよね。

ここで「ピーナッツは乾物だけど、そこにもカビは生えてしまうの?」という疑問が湧くことかと思います。しかし、乾物であってもその保管方法が正しく無ければカビが生えてしまうのです。

開封したあと、食べきらなかったピーナッツの封を空けっぱなしにしていませんか?特に、ピーナッツには栄養分が豊富。つまり、あとは湿気さえそろってしまえば、開封したピーナッツの袋の中はまさに「カビの巣窟」となりうるのです。乾物だからと言って、油断は禁物です。

ピーナッツのカビを見分ける方法はあるの?

カビの生える条件は稀有なものではなく、人間の生活する環境にかなり近しいもの。そのため、乾物のピーナッツであってもカビが生えてしまう可能性があるということがわかりました。さて、次にピーナッツに生えるカビの正体を見ていきましょう。

ピーナッツに生えるカビはどんなカビ

ピーナッツのカビに関しては「代名詞」といっても過言では無い代表的なものがあります。

それが「アフラトキシン」。正確に言えば、アフラトキシンとはカビの名前ではなく、カビが作り出す毒素の名前です。このアフラトキシンを産出するカビがピーナッツに生えやすい代表的なものであるため、ピーナッツのカビを語る際には切っても切り離せない存在。このアフラトキシンという毒素は、カビが産出する毒素の中でも特に発がん性の高いカビ毒で、他の発がん物質のなかでも最も強力なものとされています。

そのため、「これカビかも…?」と少しでも不安に思った際には決して口にすることのないように注意してください。また、湿気の多い日本ではこの他にもさまざまなカビが生える可能性があります。どれもがアフラトキシンを産出するものではありませんが、下痢や嘔吐などの軽度の健康被害を伴う場合もありますので、どんな場合であれカビが生えているピーナッツは食べないほうが身のためでしょう。

現在では稀ではあるものの…

2017年、岐阜の菓子製造会社が販売していた殻付きのピーナッツ(落花生)からアフラトキシンが検出された事件がありました。その際は自主回収をおこなったため大きな被害には至らず一件落着となりましたが、環境が悪く生えてしまったカビによって目に見えなくてもピーナッツすべてがアフラトキシンで汚染されてしまっていた、なんてこともあり得ます。

(参考:厚生労働省「いろいろなカビ毒」

ただ、最近ではアフラトキシンの汚染は少なくなっており、品質管理も向上している日本ではほとんど見られないカビの種類ではあります。というのも、このような購入前のピーナッツにカビが生えている事例のほとんどが「ピーナッツが完全に乾燥しきれていなかったこと」が原因だからなのです。

ピーナッツを収穫し殻のまま乾燥させている時、そこで乾燥し切れていないまま包装などされてしまうと、そのうちに水分が蒸発し、湿気となってピーナッツをカビさせてしまいます。そういった危険性が考えられるのは、品質管理が徹底できていない国から輸入している安価な商品であったり、農家さんから直売されているようなピーナッツ。そういった場合、ピーナッツにカビが生えているかどうかはどのように見分けたらいいのでしょうか?

ピーナッツに生えたカビの見分け方は?

前述したように、スーパーで売っている製品に過度に心配しなくても大丈夫ですが、輸入の安価なピーナッツや農家直売のものには注意する必要がある場合も…。もしそのようなピーナッツを購入したい場面になったら、どのように見分けたらいいのでしょうか?

まず、しっかり乾燥できているピーナッツは殻が統一された綺麗なベージュ色をしています。反対に、しっかりと乾燥し切れていないピーナッツはところどころが黒ずんでいたり、まるまるひとつ変色しているピーナッツが混じっているという特徴が見られます。これが最初に品質の良いピーナッツかどうかを見分ける基本的で簡単な方法です。

また、ピーナッツにカビが生えると殻の表面が黒ずんだように変色して汚く見えます。アフラトキシンを産出するカビが生えている場合黒ずんだ変色が見られますが、他の種類のカビであれば緑っぽい変色がみられることも。これは見分け方のひとつではありますが、輸入のピーナッツや農家直売・量り売りなどの際には注意して観察してから購入を検討することをおすすめします。

ピーナッツのカビを簡単に防ぐ3つのポイント

お得用の大袋や量り売りでピーナッツを購入した場合、一度に食べきるのではなく少しづつ食べますよね。そんな時、開封したピーナッツを保管する際に気をつけて欲しいポイントは3つ。

  1. きっちり封をする
  2. 湿気の多い水回りや棚の下方に置かない
  3. 乾燥剤が入ってなければ入れておく

この3つをまずは守ってください。食べる分だけとって、袋はそのまま空けっぱなし…なんてことのないように!

ジップタイプで密閉できるタイプの包装で売られているものもありますが、そうでない場合は輪ゴムを使ってきっちり封をしたり、以下のようなアイテムを使うのもおすすめです。

出典:Amazon

白元アース ノンスメルドライ ポイっとシリカ

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まとめ

まとめ|ピーナッツのカビは「見た目以上に危険」!正しい保存と見極めが大切

乾物であるピーナッツにもカビが生える理由は、「湿気・栄養・温度・酸素」というカビの好む条件がそろうことで、保存中でもカビが繁殖してしまうからです。

特にピーナッツに生えやすいカビの中には、強力な発がん性を持つ「アフラトキシン」を産出する危険な種類もあり、少量の摂取でも肝臓に悪影響を及ぼすリスクがあるため、見た目が少しだけでも「おかしい」と感じたら絶対に食べないようにしましょう。

また、輸入品や農家直売のピーナッツを購入する際は、殻の色・表面の変色・黒ずみなどをしっかり確認し、保管する際は「湿気」「密封」「乾燥剤」の3つを意識して再発を防ぐことが大切です。

安全に、美味しくピーナッツを楽しむためにも、今回ご紹介した正しい知識と保存の工夫をぜひ日常に取り入れてみてください。

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