バッグ・服・ソファなどの合皮製品に生えたカビを取るプロの対策法を伝授!
【質問】
恋人からプレゼントしてもらった大切なブランド物のバッグ(合皮)にカビが生えてしまいました。大切な物なのでなんとしてでもカビを除去して、元通りの綺麗な状態に戻したいです。
合皮のカビ取り方法と、二度とカビが生えないようにするための対策が知りたいです。
本革に似ている合皮素材はジャケットや財布、靴、バッグ、ソファなど、私たちの身の回りでよく使われています。
合皮とは、合成皮革の略称で、ポリ塩化ビニルやポリウレタンなどの合成樹脂を用いて作られた人工的な素材により、本革に似た質感を再現しています。
ちなみにポリ塩化ビニル樹脂で作られたものはPVCレザー、ポリウレタン樹脂で作られたものはPUレザーと呼ばれています。
そして、合皮は「フェイクレザー」とも言われていて、以下のような特徴があります。
- リーズナブル
- 水をはじきやすい
- お手入れしやすい
- 軽量
水をはじきやすく、手入れもしやすいため、本革と比べてカビは発生しにくいですが、それでも湿度の多い場所に保管したり、手入れを怠っているとカビが生えてしまうことがあります。
カビは見た目だけでなく、健康にも悪影響を及ぼすことがあります。
また、合皮製品に発生したカビが他のバッグや衣類などに拡散して、カビの被害が拡大することも考えられます。
そのため、カビが発生したら早急に対処しなければいけません。
この記事では合皮製品に発生したカビの除去方法や、カビの発生を防ぐための対策について詳しく解説します。
大切な合皮アイテムを長く美しく保つためにも、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
この記事でわかること |
・合皮の素材の特徴やメリット・デメリット ・合皮製品のカビ取り方法 ・合皮製品のカビ対策 |
1.自宅で出来る!合皮製品のカビ取り方法
カビは放置することでさらに範囲を広げる恐れがあるため、カビを見つけたら迅速に対処するようにしましょう。
まず、カビ取りと聞いてハイターなどの塩素系漂白剤や、カビキラーなどの塩素系カビ取り剤を思い浮かべる方も多いと思います。
これらの製品は、強力な漂白と殺菌の効果でカビを除去することができますが、塩素系の薬剤を合皮に使用することはできません。
塩素系の成分は、合皮の表面にある合成樹脂を化学的に攻撃し、素材の劣化や変色を引き起こします。
また、合皮の柔軟性が失われ、硬くなったりひび割れが発生することもあります。
そうならないようにするためにも、素材を傷めないものでカビ取りする必要があります。
今回紹介するのは以下の3つを使ったカビ取り方法です。
1-1.消毒用エタノールでカビ取りする
最近は感染症予防にご自宅に消毒用エタノールを常備している家庭も多いと思います。
カビはアルコールに弱いため、消毒用エタノールで除菌することが可能です。
用意するもの
- 消毒用エタノール
- 柔らかい布
- マスク
- ゴム手袋
ドーバー パストリーゼ77
出典:Amazon
カビ取り手順
- ①事前準備する
マスクと手袋を着用し、換気の良い場所で作業を行います。
- ②消毒用エタノールを吹きかけて放置する
カビが生えている部分に消毒用エタノールを直接吹きかけます。
変色が心配な場合は、布に消毒用エタノールを染み込ませて、優しく拭き取る方法も有効です。
それから15分ほど放置して、アルコールがカビを殺菌するのを待ちます。
- ③布で拭き取って乾燥させる
柔らかい布でカビと消毒用エタノールを拭き取ります。
最後に、風通しの良い場所でしっかりと乾燥させて終了です。
1-2.重曹でカビ取りする
普段の掃除でも大活躍の重曹を使用してカビ取りする方法もあります。
カビは酸性なので、重曹の弱アルカリ性に弱いため、効果的に除去することが可能です。
用意するもの
- 重曹
- 水
- スプレーボトル
- 柔らかい布
- マスク
- ゴム手袋
シャボン玉石けん 重曹
出典:Amazon
カビ取り手順
- ①事前準備する
マスクと手袋を着用し、換気の良い場所で作業を行います。
- ②重曹水を作る
100ccに重曹小さじ1杯を加えてよく溶かし、重曹水を作ります。
それをスプレーボトルに入れてください。
- ③重曹水を吹きかける
カビが生えている部分に重曹水吹きかけます。
数分間放置して重曹のアルカリ性がカビに働きかけるのを待ちます。
- ④布で拭き取って乾燥させる
柔らかい布でカビと重曹を拭き取ります。
最後に、風通しの良い場所でしっかりと乾燥させて終了です。
1-3.革用のカビ取り剤でカビ取りする
エタノールによる変色や、重曹の研磨作用による傷が心配という事であれば、革用のカビ取り剤を使用するという方法があります。
こちらは本革でも使用できるので、1つ持っていると便利でしょう。
用意するもの
- 革用のカビ取りクリーナー
- 柔らかい布
- マスク
- ゴム手袋
コロンブス レザーキュア カビ用ミスト
出典:Amazon
カビ取り手順
- ①事前準備する
マスクと手袋を着用し、換気の良い場所で作業を行います。
- ②カビ取りクリーナーを含まれた布で拭く
カビ取り剤を柔らかい布に適量取り、カビが生えている部分に軽く塗布します。
それからクリーナーがカビを分解するのを待ちます。
詳しいやり方はカビ取りクリーナーの製品の記載されている使用方法を確認してください。
- ③布で拭き取って乾燥させる
柔らかい布でカビ取りクリーナーを拭き取ります。
最後に、風通しの良い場所でしっかりと乾燥させて終了です。
■関連記事■バッグや靴など革製品についたカビの除去方法と生やさせないための方法
2.自力で合皮製品のカビ取りが難しいならプロに任せる
カビの状態が酷い場合、1.自宅で出来る!合皮製品のカビ取り方法で紹介したやり方でカビ取りをしても除去しきれないこともあると思います。
もしカビが広範囲にわたっている場合や、繊細な素材であるために洗浄が難しい場合には、クリーニング業者に任せるのが最善の選択です。
衣類やバッグなどの合皮製品であれば、一般的なクリーニング店に持ち込んで相談するのも一つの方法です。
ただし、一般的なクリーニング店では、カビの状態や素材によっては対応できないこともあるため、事前に相談することが大切です。
■関連記事■カビの生えた服をクリーニングに出す時に行うべきこと
より徹底したカビ取りを希望する場合は、カビ取り専門のクリーニング業者に依頼することをおすすめします。
専門業者は、特殊な方法や機材を使用して、一般的なクリーニング店では対処できないような深刻なカビにも対応可能です。
例えば、カビ取り専門クリーニングのハーツクリーニングでは、ガス滅菌技術を用いてカビを除去するサービスを提供しています。
このガス滅菌に使用されているのは、エチレンオキサイドガスという医療機器の滅菌にも使用されているほど強力なものなので、しつこいカビの菌や害虫の卵など完全に除去することが可能です。
さらに老舗クリーニング店の熟練した技術で、カビの色素の除去なども行っています。
そのため見えないカビと見えるカビの両方を取り除くことができます。
高級カビ取りクリーニングなので費用は高めですが、それだけ高い技術力を誇っています。
何が何でもカビ取りしたい大事な衣類や、バッグ、靴などがある場合は、是非ハーツクリーニングをご利用ください。
また、クローゼットや押し入れなど収納場所そのものにカビが広がっている場合は、こちらのカビ取りも必要です。
初期段階で自力で除去できるようなら、以下の記事を参考にしてカビ取りを行ってください。
■関連記事■クローゼットにカビが生えたら衣類にも移る!?カビ取りとカビ対策をプロが伝授
もしすでに広範囲に渡ってカビが発生しているようなら、こちらもプロに任せるのが一番です。
収納場所のカビが完全に除去しきれていないと、収納しているものにもカビが移って被害が拡大する恐れがあるため、カビ取り業者に依頼して徹底的に除去してもらいましょう。
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「カビ取り費用っていくらくらいかかるの?」と費用面が心配であれば、以下の記事を参考にしてみてください。
■関連記事■カビ取り業者に依頼すると費用はいくら?良い業者を選ぶコツとは
3.合皮製品にカビが発生する原因
合皮は本革に比べてカビが発生しにくいとされていますが、それでも一定の条件下ではカビが生えることがあります。
以下に、合皮製品にカビが発生する主な原因を説明します。
3-1.高湿度の環境
合皮は水をはじきやすい性質を持っていますが、完全に防水ではありません。
高湿度の環境に長期間さらされると、表面に水分が付着し、内部に湿気がこもることがあります。
湿気が合皮の表面や縫い目の隙間に入り込むと、そこがカビの発生源となり得ます。
特に梅雨の時期や冬場の結露が多い環境では、湿度が高くなりやすく、カビの発生リスクが高まります。
3-2.汚れや皮脂の蓄積
合皮製品の表面に付着した汚れや皮脂は、カビにとって栄養源となります。
特に日常的に触れる部分、例えばバッグの取っ手やソファの座面などは、皮脂や汗が溜まりやすく、これがカビの繁殖を助長する要因となります。
こまめに拭くなど手入れをしていればいいですが、汚れを放置しているとそれが蓄積していき、カビにとって最適な環境を作り上げてします。
3-3.不適切な保管方法
合皮製品を長期間不適切な状態で保管しているとカビが発生してしまうことがあります。
通気性が悪い場所は湿気が溜まりやすく、カビが好む高湿度の環境になりやすいです。
クローゼットの中などはただでさえ通気性が悪くて湿気がこもりやすいのに、さらに密閉した袋や箱に入れて保管していたりすると、非常に高湿度になります。
3-4.換気不足
室内の換気が不十分な場合、湿気がこもりやすくなり、カビの発生環境を作り出してしまいます。
特にクローゼットや下駄箱の中は空気の流れが悪く、湿気が溜まりやすい場所です。
こまめに収納場所を開けて、空気を循環させることが大事です。
4.合皮製品のカビを防ぐための6つの対策
3.合皮製品にカビが発生する原因でお伝えした通り、湿気や汚れが蓄積することで合皮製品はカビが発生してしまいます。
そのため、それらの条件が揃わないようにカビ対策を行う必要があります。
ここではすぐにできるカビ対策を紹介するので、ぜひ実践してみてください。
4-1.汚れはこまめに拭き取る
合皮製品に汚れや皮脂が付着したまま放置すると、カビの栄養源となり、カビの発生リスクが高まります。
使用後は柔らかい布に中性洗剤を薄めた液を含ませ、優しく拭き取ることで汚れを除去しましょう。
特に、バッグの持ち手や靴の内側など、直接肌に触れる部分は皮脂が付きやすいので、こまめに拭き取ることが重要です。
汚れを取り除くことで、合皮の表面を清潔に保ち、カビの発生を防ぐことができます。
4-2.水分はしっかりと拭き取り乾燥させる
合皮製品が雨や汗などで濡れた場合、そのまま放置せずに早めに水分を拭き取りましょう。
タオルや乾いた布で表面の水分を取り除き、必要に応じてドライヤーの冷風を使って乾燥させます。
特に、内部に湿気がこもりやすい靴やバッグの場合は、内部に新聞紙を詰めて湿気を吸収させると効果的です。
乾燥が不十分だと、カビが繁殖する環境を作り出してしまうため、水分の管理は徹底しましょう。
4-3.定期的に陰干しする
長期間保管する合皮製品は、定期的に取り出して陰干しすることが推奨されます。
特に季節の変わり目や衣替えの際には、クローゼットや収納から取り出し、風通しの良い日陰で乾燥させましょう。
陰干しすることで、保管中に溜まった湿気を飛ばし、カビの発生リスクを減らすことができます。
直射日光は合皮を傷める可能性があるため、避けるようにしてください。
4-4.除湿剤や乾燥剤を活用する
合皮製品を保管するクローゼットや収納には、除湿剤を置いて湿気対策を行いましょう。
湿気が多い環境では、カビが発生しやすくなります。
市販の除湿剤やシリカゲルを使用することで、収納内の湿度を低く保ち、カビの発生を防ぐことができます。
またバッグや靴は内部に乾燥剤を入れることで、カビの発生をさらに抑制することができます。
除湿剤は定期的に交換し、効果を維持することが大切です。
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4-5.保管場所の換気を心がける
合皮製品を保管する場所は、定期的に換気を行うことで、湿気を取り除きましょう。
クローゼットや押し入れは空気の流れが悪く、湿気が溜まりやすい場所です。
時折、扉を開けて風を通したり、扇風機を使って空気を循環させることが効果的です。
換気をすることで、カビの発生リスクを大幅に減少させることができます。
4-6.定期的に掃除をして清潔に保つ
クローゼットや下駄箱など収納場所の掃除を怠っていると、そこにカビが発生して、合皮製品にも拡散してしまうことがあります。
それを避けるために、定期的に収納場所の掃除を行って、カビの発生を防いでください。
定期的な掃除はカビを防ぐだけでなく、カビの発生にも早く気付けるので、カビの被害を最低限に抑えることができます。
面倒だとは思いますが、定期的に収納しているものを取り出して、カビの温床となるホコリを除去しましょう。
掃除と清潔な環境維持は、カビ防止の基本です。
5.まとめ
今回は合皮製品に発生したカビ取り方法やカビを防ぐための対策について解説しました。
合皮は、バッグや財布、衣類、家具など、さまざまな製品に使われており、私たちの日常生活に広く浸透しています。
しかし、どんなに優れた素材でも、適切なケアを怠るとカビが発生してしまうリスクがあります。
カビが生えた場合には、まず自分でできる方法を試してみましょう。
消毒用エタノールや重曹、革用のカビ取り剤を使用してカビを除去することで、合皮製品を元の美しさに戻すことができます。
また、カビの状態が酷くて自力でのカビ取りが難しい場合や、徹底的に除去したい場合はクリーニング業者に依頼するようにしましょう。
特にカビにお困りの場合は、一般的なクリーニング店よりもカビ取り専門のクリーニング業者がおススメです。
カビを徹底的に死滅し、合皮製品を元の綺麗な状態に戻してくれるでしょう。
また、何よりも重要なのはカビの発生を予防することです。
日常的なお手入れや湿度管理、適切な保管方法を心がけることで、合皮製品を長く美しい状態に保つことができます。
定期的にチェックとメンテナンスを行うことで、大切な合皮製品をカビから守り、いつまでも快適に使用しましょう。