ニット帽やニットセーターにカビが生えたときの対策方法

寒くなってくるとニットの服やニット帽にニットの手袋などを収納から出して着用する機会が増えてきますよね。

久しぶりにニット製品を取り出すと、カビ臭さが気になって困ったという経験はありませんか?

ニットは自宅で洗濯すると縮んだり伸びたりしてしまうので、どのようにお手入れしたらよいかわからないという声もよく聞きます。

ニットは洗濯絵表示を確認し、手洗いマークや洗濯機マークがあれば自宅で洗うことができます。

今回は、ニットのカビ対策や予防方法をご紹介していきます。

1.ニット帽やニットセーターなどのカビ臭の消臭方法

●消臭スプレーや除菌スプレー

急に洗濯することができない場合や水洗いできない素材の場合には衣類用の消臭スプレーや除菌スプレーがおすすめです。

消臭スプレーや除菌スプレーはふだんからこまめに使用するようにしていると、カビや臭いを予防することができます。

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●干す

風通しの良い場所で干しましょう。退色が心配な方は直射日光の当たらない日陰で陰干しするのもおすすめです。

乾燥機を使用するとニットがふわふわになります。

乾燥機がない場合には、ドライヤーでも代用できます。

ニットをハンガーにかけてドライヤーの温風をあてて、下から上にブローしましょう。

●アイロンをかける。

アイロンがけできる素材のものはアイロンの熱で乾燥させましょう。ただし、ニットの素材によってはアイロンがけで傷むこともあるので、洗濯表示は必ず確認してから行いましょう。

アイロンは100℃以上の温度でかけると殺菌効果があり、嫌な臭いの予防にもなります。

ニットのアイロンのかけ方は詳しくは6の項目で説明していきます。

●クリーニング店を利用する。

傷みが心配な場合は、クリーニング店に出すのも1つの方法です。クリーニング店に出すときに「臭いが気になる」ということを伝えるとオプションで消臭加工を行えることもあります。

また、加工料金はかかりますが抗菌加工や防臭加工してもらうという方法もあります。

2.ニットの洗い方

ニットのものって家で洗えるの?と悩んでしまうことって多いですよね。

ニットは毛足の長いものでなければ家で洗うことができます。

ここではニットを使用した衣類別に洗い方のポイントなどをご紹介していきます。

ニットのお手入れ方法

ニットのセーター、ワンピース、帽子、手袋のお手入れ方法は基本的に同じです。

ニットの素材によって洗い方が異なります。

綿、アクリル、ナイロンなどは洗濯機で洗って構いません。

毛(ウール)は手洗いしましょう。

毛足の長いカシミア、モヘアなど、独特の風合いを保ちたいものは水洗いはNGです。

用意するもの

  • おしゃれ着用中性洗剤
  • 柔軟剤
  • 洗濯ネット
  • 平干し用ネット
  • 洗面器またはバケツなど

①洗面器またはバケツに水を入れ、おしゃれ着用中性洗剤を溶かします。

★色落ちしないものであれば30℃くらいのぬるま湯を使用すると洗浄力がアップします。

②汚れやすい袖口や襟首を①の洗浄液に浸し、手でやさしくつかむようにして洗います。

※擦ったり揉んだりすると、ニットが伸縮したり毛玉になるので注意しましょう。

③下洗いした袖口が表側に出るようにたたんで洗濯ネットに入れます。

※ボタンやファスナーがある場合にはとめておきましょう。

④①の洗浄液の中にネットごと沈めて数回押し洗いして全体を浸します。

★汚れの度合いによっては5分~10分ほどつけておきます。

⑤①の洗浄液を捨て、きれいな水でニットを手で押すようにしてすすぎます。

⑥柔軟剤を水に溶かし、ネットごと沈めて全体になじませたあとに水を切ります。

※絞ると生地が傷んでしまうので軽く押すようにしましょう。

⑦洗濯機に入れ、10秒脱水→一時停止して軽くほぐして形を整えるを2~3回くり返します。

※長時間の脱水はシワがついたり、よれてしまう原因になるのでNGです。

⑧脱水後は早めに取り出し、通気性の良い場所で平干し用ネットに広げて干します。

★ニットは吊るすと水分の重みで伸びるため、吊り干しは避けましょう。

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3.ニットにカビが生える原因

カビは温度20℃以上、湿度60%以上の環境で栄養分となる汚れがあると繁殖していきます。

衣類に残った湿気、汚れやシミや黄ばみがカビの原因になります。

ニットは着用すると、汗や皮脂、食べこぼしや飲み物の跳ねが付着しています。

一見汚れているように見えなくてもこのような汚れが蓄積していき、カビが発生する原因となります。

そのため、洗濯できるものはなるべくこまめに洗濯し、水洗いできないものは除菌スプレーなどでの対処が必要になります。

4.ニットのカビ予防方法

ニットを長期保管前のお手入れがカビ予防に欠かせません。

まずは、洗濯絵表示に従ってきちんと洗濯しましょう。

衣類に残った汚れやシミや黄ばみがカビの原因になります。

1日しか着ていなくてもきちんと洗いましょう。

ニットなどの衣類が湿ったままというのもカビの原因になります。

アイロンがけできる素材のものはアイロンの熱で乾燥させましょう。

アイロンは100℃以上の温度でかけると殺菌効果があり、嫌な臭いの予防にもなります。

5.ニットの修復テクニック

ニットは他の素材と比較すると、伸びたり縮んだりしやすいです。

新品の状態に戻すというのは難しいですが、多少の伸び縮みであれば修復可能です。

5-2.伸びたニットを縮める方法

用意するもの

  • 柔軟剤
  • 輪ゴム
  • 洗面器やバケツ

①洗面器やバケツに水を入れ、柔軟剤を分量よりも少なめに溶かします。

②ニットを軽くたたんで柔軟剤液の中に沈め、ゆっくりと数回押し洗いして全体になじませます。

③ニットを取り出し、水を軽く切ります。

④浴槽のフタの上など平らなところにニットを広げ、編み目を詰めるイメージで伸びてしまった部分を寄せていき、元の大きさに近づけます。

⑤扇風機で風をあてて乾かします。

★ポイント

伸びた袖口は編み目を寄せた後に輪ゴムでとめておき、ある程度乾いたら外してください。

5-3.縮んだニットを伸ばす方法

用意するもの

  • ヘアトリートメント
  • 洗面器やバケツ
  • アイロン

①洗面器やバケツに30℃くらいのぬるま湯を7リットル入れ、ヘアトリートメント小さじ1を入れて溶かします。

②ニットを軽くたたんでトリートメント液の中に沈め、ゆっくりと数回押し洗いして全体になじませます。

③浴槽のフタの上など平らなところにニットを広げ、縮んだ部分をゆっくりと引っ張って伸ばします。

④さらに伸ばしたいときにはアイロンを2ミリ程度浮かし、縮みが気になる部分にスチームをあてます。

★ポイント

ヘアトリートメントに含まれるジメチコンという成分が繊維をすべりやすく柔軟にしてくれます。

ジメチコンが含まれているヘアトリートメントを使用してください。

6.ニットのアイロンのかけ方

アイロンの適正温度はニットの素材によって異なります。

アイロンをかける前に洗濯絵表示で確認してからおこなってください。

アイロンが使用できない場合は、アイロンの絵にバツが描かれています。

ニットはアイロンを使用すると柔らかくふっくらと仕上がります。

ニットにアイロンをかけるときには、アイロン台の上にニットを広げ、2ミリ浮かせて1カ所につき10秒程度スチームをあてます。

シワが気になる部分を手でなでて整えます。

※注意点※

  • アイロンは直接ニットにあてないようにしてください。
  • スチームがない場合には、あて布を使用してください。
  • あて布は色移りを避けるため、白色のものがおすすめです。

7.ガス滅菌クリーニングを利用する。

ハーツクリーンでは、日本で唯一の衣類や小物類専用のガス滅菌車を用い、素材を傷めることなくカビを除去することができます。

カビが生えてしまったことで捨てるしかないとあきらめていた衣類でも弊社にお任せください。

※カビを完全に殺菌することはできますが、カビによる着色が取れるわけではございません。

まずは、弊社のホームページの問い合わせフォームよりガス滅菌クリーニングをご希望する製品名とお写真を添付してご連絡ください。

ガス滅菌クリーニングの流れとしましては、お問い合わせ頂いたお写真と製品を元にお見積りをお出しし、ガス滅菌クリーニングをする際には職人が現物を確認してからの判断とお客様がお見積り内容に納得していただいた上で工場へ発送となります。

ガス滅菌サービス料金は、1箱(縦、横、奥行きの3辺の合計が140cm以内)送料と税込みで13,000円となります。

ご不明な点がありましたら、ご遠慮なくお問い合わせください。

8.まとめ

・ニットのカビには除菌スプレーやアイロン、酸素系漂白剤などが有効です。

・ニットはおしゃれ着用中性洗剤で洗濯し、平干しネットを使用して干しましょう。

・ニットのカビを防ぐには、こまめな洗濯とすばやくしっかり乾かすことが大切です。

・ニットはアイロンのかけ方に注意が必要です。

・ガス滅菌クリーニングの利用も検討してみてください。

<参考文献>

・レジュイール古田武『クリーニングのプロが教える家庭でできる洋服の洗い方とお手入れ』2012年、マイナビ

・中村祐一『おうちで簡単洗濯上手』2010年、大泉書店

・坂口明子『暮らしまる洗い!コツと基本120』2011年、扶桑社

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