
寒い季節になると窓の結露がひどくなり、「内窓を付ければ改善できるのでは?」と考える方も多いのではないでしょうか。
内窓は、既存の窓の内側にもう1枚窓を設置することで断熱性を高め、窓まわりの結露を軽減する効果が期待できます。
結露が減ることで、サッシやゴムパッキン、窓際の壁などに発生するカビの予防にもつながります。
ただし、内窓を設置すれば結露が完全になくなるわけではありません。
室内の湿度や外気温、窓の状態などによっては、外窓側に結露が残ることもあります。
本記事では、内窓で結露が軽減できる仕組みやカビ予防との関係、外窓に結露が残る理由を解説します。
内窓の設置を検討している方や、窓まわりの結露・カビに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
| この記事でわかること |
| ・内窓で結露が軽減できる理由 ・内窓がカビ予防につながる仕組み ・内窓を設置しても外窓に結露が残る理由 ・内窓の設置を検討したいケース ・内窓のデメリットと設置前の注意点 |
目次
1. 内窓で結露を軽減できる理由と仕組み

結露やカビ対策のひとつとして、内窓が注目されています。
まずは、内窓の仕組みと、結露やカビを抑えやすくなる理由を確認していきましょう。
1-1. 内窓とは?二重窓や二重サッシとの関係
内窓とは、既存の窓の室内側に、もう1枚新しい窓を設置するものです。
LIXILの「インプラス」など、各メーカーからさまざまな内窓が販売されています。
内窓は一般に、「二重窓」や「二重サッシ」と呼ばれることもあります。
一方、複層ガラス(ペアガラス)は、1つの窓に複数枚のガラスを組み合わせたもので、内窓とは仕組みが異なります。
内窓を設置すると、既存の窓との間に空気の層ができるため、外気の影響が室内へ伝わりにくくなり、窓まわりの断熱性が高まります。
そのため、内窓には結露軽減のほか、断熱や遮音などの効果も期待できます。
1-2. 結露が軽減できる仕組み
結露は、室内の水蒸気を含んだ空気が冷たい窓ガラスなどに触れ、冷やされることで発生します。
冬場は外気によって窓ガラスが冷えやすいため、暖房で暖められた室内との温度差が大きくなり、結露が発生しやすくなります。
内窓を設置すると、既存の窓との間に空気層ができ、外気の影響が室内側まで伝わりにくくなります。
その結果、室内側の窓の表面温度が下がりにくくなり、結露の発生を抑えやすくなります。

ただし、室内の湿度や外気温、窓の種類などによって効果には差があります。
1-3. カビ予防につながる理由
内窓そのものにカビを防ぐ効果があるわけではありませんが、結露が減ることでカビが発生しにくい環境につながります。
窓の結露を放置すると、サッシやゴムパッキン、窓際の壁紙などが長時間湿った状態になります。
そこにホコリや汚れなどが加わることで、カビが発生しやすくなります。
内窓によって結露を軽減し、窓まわりに水分が残る時間を減らすことは、カビ予防のひとつとして有効です。
窓まわりだけでなく「カビリスク診断」で家全体も確認
内窓で結露が軽減しても、室内の湿度や換気、断熱などに問題が残っていると、別の場所でカビが発生することがあります。
カビリスク診断で住まい全体の状態を確認しておくと、どの対策を優先すべきか判断しやすくなります。
2. 内窓を付けても結露が残る場合がある

内窓を設置しても、すべての結露が完全になくなるわけではありません。
住宅の状態によっては、既存の外窓側に結露が発生することがあります。
2-1. 外窓側に結露ができる理由
内窓を設置すると室内側の断熱性は高まりますが、既存の外窓は引き続き外気の影響を受けます。
また、室内の湿気を含んだ空気が内窓と外窓の間に入り、そこにとどまると、冷たい外窓側で結露が発生することがあります。

そのため、「内窓を付けたのに外窓が濡れている=施工不良」とは限りません。
外窓側に結露が発生した場合も、水滴を長時間放置せず、サッシやゴムパッキンなどに水分を残さないようにしましょう。
参考:LIXIL「インプラス/防音・断熱内窓|結露について」
2-2. 湿度や換気も見直す
内窓を設置しても、室内の湿度が高い状態が続けば結露が発生することがあります。
加湿器の使いすぎや室内干し、入浴、調理などによって室内の水蒸気が増えている場合は、換気や除湿もあわせて行いましょう。
24時間換気システムがある住宅では、基本的に停止せず、給気口や換気口が塞がれていないか定期的に確認することも大切です。
内窓だけに頼るのではなく、室内の湿度を適切に管理し、湿気をため込まないことが結露やカビの予防につながります。
■関連記事■結露でカビが発生する原因は?家全体の予防策と場所別の対処法
3. 内窓の設置を検討したいケース
内窓は、すべての住宅に必要というものではありません。
次のような場合は、内窓の設置を検討するひとつの目安になります。
| 状況 | 確認したいポイント |
|---|---|
| 窓の結露が多い | 冬になると毎日のように窓が濡れる |
| 窓まわりでカビが繰り返し発生する | サッシ・ゴムパッキン・窓際の壁などにカビが発生する |
| 窓の断熱性能が低い | 窓際が冷える、外気の影響を受けやすい |
| 北側など冷えやすい部屋 | 特定の部屋だけ結露が多い |
ただし、カビや湿気の原因が漏水や壁内部の湿気、換気設備の不具合など別の問題にある場合は、内窓だけでは解決できません。
結露が発生している場所や原因を確認したうえで、設置を検討することが大切です。
4. 内窓のデメリットと注意点

内窓を検討するときは、効果だけでなく、設置後の使い勝手や費用も知っておくことが大切です。
ここでは、導入前に確認しておきたいデメリットと注意点を紹介します。
4-1. 開閉や掃除の手間が増える
内窓を設置すると窓が二重になるため、外へ出るときや換気をするときは、2枚の窓を開け閉めする必要があります。
また、掃除する窓やサッシの数も増えます。
内窓と外窓の間に結露水やホコリがたまると、カビが発生しやすくなるため、定期的に確認して清潔に保つことが大切です。
4-2. 設置費用がかかる
内窓を取り付けるには、窓本体の費用に加えて施工費がかかります。
費用は、窓の大きさや枚数、ガラスの種類、施工条件などによって変わります。
複数の窓に設置する場合は費用も大きくなるため、結露が特に気になる窓から優先して設置する方法もあります。
見積もりの際は、費用だけでなく、現在の窓の状態や結露についても相談しておくとよいでしょう。
4-3. マンションでは管理規約を確認する
マンションでは、窓枠や窓ガラスが共用部分として扱われていることがあります。
国土交通省のマンション標準管理規約では、窓枠・窓ガラスは専有部分に含まれないという考え方が示されており、内窓の増設も開口部の改良工事の例として挙げられています。
ただし、マンション標準管理規約はあくまでひな型で、実際のルールや申請方法はマンションごとに異なります。
内窓の設置に事前申請や承認が必要な場合もあるため、管理規約を確認し、管理組合または管理会社へ事前に確認しましょう。
参考:国土交通省「令和7年改正マンション標準管理規約(単棟型)」
5. すでにカビが発生している場合の対処

内窓を設置する前に窓まわりにカビがある場合は、先にカビを除去しておくことが大切です。
あわせて、カビの発生原因も確認しておきましょう。
5-1. 内窓を付ける前にカビを除去する
サッシやゴムパッキン、窓際の壁などにカビがある場合は、内窓を取り付ける前にカビを取り除いておきましょう。
アルミやゴムパッキン、壁紙、木材などは、素材によって使用できる洗剤やカビ取り剤が異なります。
素材に合った方法でカビを取り除き、最後はしっかり乾燥させることが大切です。
窓・サッシのカビ取りや対策については、以下の記事をご覧ください。
■関連記事■窓・サッシのカビ取り方法|重曹は使える?窓枠・パッキンの正しい掃除方法

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5-2. 広範囲・再発する場合は業者へ相談する

カビが窓まわりから壁まで広がっている場合や、掃除しても短期間で再発する場合は、表面のカビ取りだけでは解決できないことがあります。
壁紙の浮きやシミ、強いカビ臭がある場合は、壁紙の裏側や壁内部までカビが広がっている可能性もあります。
このような場合は、内窓を設置する前にカビ取り業者へ相談し、カビの範囲や発生原因を確認してもらうとよいでしょう。
漏水や断熱不足など建物側に原因がある場合は、必要に応じてリフォーム業者や防水・修繕業者への相談も検討してください。
■関連記事■壁の結露がひどい原因は?カビの発生を防ぐ方法と効果的な対処法

6. 【カビ関連ニュース】室内の湿気とカビによる健康リスク
住宅内のカビを繰り返し吸い込むことで、咳や発熱、息苦しさなどの症状につながることがあります。
なかでも、住宅内のカビが関係する「夏型過敏性肺炎」への注意が呼びかけられています。
湿度が高い季節はカビが発生しやすいため、換気や除湿などの湿気対策が大切です。
内窓は結露を軽減する方法のひとつですが、設置するだけですべてのカビを防げるわけではありません。
室内の湿度や換気にも注意しましょう。
参考:FNNプライムオンライン|あなたの家は大丈夫?カビを吸い込み発熱や咳、夏風邪かと思いきや…梅雨は特に注意!夏型過敏性肺炎
7. 内窓の結露とカビについてよくある質問

内窓を設置する前には、結露への効果や外窓への影響など、気になる点も多いでしょう。
ここでは、内窓の結露とカビについてよくある質問をまとめました。
7-1. 内窓を付ければ結露は完全になくなる?
完全になくなるとは限りません。
内窓によって断熱性が高まり、結露は軽減しやすくなりますが、室内の湿度や外気温などによっては結露が発生することがあります。
内窓だけに頼らず、換気や除湿もあわせて行いましょう。
7-2. 内窓を付けても外窓が結露するのはなぜ?
内窓を設置しても、既存の外窓は外気の影響を受けます。
また、室内の湿気を含んだ空気が内窓と外窓の間に入り、冷たい外窓側で結露することがあります。
外窓側に結露が発生した場合は、水滴を放置せず、早めに拭き取って乾燥させましょう。
7-3. すでにカビがある状態で設置しても大丈夫?
カビが発生したまま内窓を設置するのはおすすめできません。
まずカビを除去し、カビの発生原因を確認してから設置することが大切です。
壁紙の裏側や壁内部までカビが広がっている可能性がある場合や、何度も再発している場合は、カビ取り業者などへの相談も検討しましょう。
8. まとめ
内窓は、既存の窓との間に空気層をつくることで断熱性を高め、窓まわりの結露を軽減する効果が期待できます。
結露が減ることで、サッシやゴムパッキン、窓際の壁などのカビ予防にもつながります。
ただし、内窓を設置しても結露が完全になくなるとは限らず、外窓側に結露が残る場合もあります。
そのため、換気や除湿、湿度管理もあわせて行いましょう。
すでにカビが発生している場合は、内窓を取り付ける前に除去し、繰り返す場合は発生原因も確認することが大切です。
内窓の特徴や注意点を理解し、住宅の状態に合った結露・カビ対策を行いましょう。




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